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「妻に「科学的に至高の寝取られAV」を見せられる話」の解説

今回の作品の参考にした書籍は、『性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?』という本です。 https://www.amazon.co.jp/dp/4861824958 内容の要旨としては、一夫一妻制が人類普遍ではなく、かといって一夫多妻でもなく、ボノボのような多夫多妻制、つまり乱婚状態が人類の本性ともいえる婚姻体系なんじゃないですか、というものです。 一夫一妻制というのが、農耕社会によって私有財産を認めることになり、貧富の差が生じるようになった世界の副産物です。狩猟社会では乱婚制だったために、農耕社会に移行したことでもっとも損をしたのは女性だった、ということも述べられています。 その中で、さまざまな動物や民族の性行為や婚姻の在り方が語られています。 例えば副題にある通り、「女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか」という問題を考えます。 ジャングルの中で、様々な敵がいる中、交尾の際になぜかメスだけがオーガズムの時に声を上げてしまい、男性はそうではないかについて真面目に考察されています。 オーガズムの絶叫のような音を出したら、肉食動物の格好の餌食です。性行為中は特にメスは無防備な姿ですから、どうしてそのようなリスクを冒すのでしょうか? 結論は「ここに来ればセックスできますよ」というアピールであり、一匹でも多くのオスと交尾するためです。そのために、多少のリスクを払っている、と言えます。なぜその必要があるのかというと、その方が良い遺伝子を受精させる可能性が高まるからです。 でも、「筋骨隆々としたアルファオス」が必ずメスを受精させるか、というと、それは私の作品中で妻が語っていた通り、NOとなります。 その個体や集団がいる環境によって、適合する遺伝子は様々であり、また自分に足りない免疫機構を補うための遺伝子をあえて選択する、ということもあります。その遺伝子はいわゆる「アルファオス」かもしれませんが、そうでないかもしれません。それは、あくまでも「環境や免疫機構」が決定します。 そして、それはメスの脳や「本能」が選択するのではなく、子宮が自動でよしなに選択してくれるのです。 そのことからも、多様性というのは生物種全体をより遠くの未来まで残すための、非常によくできた仕組み、ということができます。みんながみんなアルファオスになったところで、「アルファオスだけが死ぬ」病なんかが流行っちゃったら、全滅ですからね。それは生物種としては避けたい結末です。そのための多様性、となります。「自分はダメかもしれないけど、この中の誰かは生き残るやろ」というものです。 また、オスの亀頭が先に入っている精子を掻き出す機能がある、というのはエロ小説をお読みの皆様ならご存じかと思いますけれど、メスの側も自分の遺伝子に合った精子を受け入れるように生殖機能が進化しているのですね。 昨今の、特に先進国の男性の精子量が減少しているのも、一説には乱交の機会が減少し、少ない精子でも確実にメスを妊娠させられるように「進化」したから、とのこと。つまり、スワッピング常習者や寝取られ/寝取らせ愛好家は精子量が多いかもしれないです(?)。 また、話を乱婚に戻すと、日本でも昭和時代前半まで盆踊り後の乱交や旅人に妻を貸し出したりする風習が残っており、これは令和的な視点からはわいせつそのものですが、本書の記述をもとに考えると、集団間のコミュニケーションを高め、集団の結束意識や絆を深める方法だったのではないか?と推測しています。もちろん、日本に限らず、世界各地でこのような風習・習慣は存在しましたし、今もあるところにはあります。 本書中で述べられている、とある少数民族では、そもそもみんなが穴兄弟・竿姉妹。そのため、「オレの女」やら、「私だけのダーリン」というのが存在しないのだそうです。独占しようとすること自体がタブー、ということです。 それに、たくさんの精子をメスが受け取ることがより環境に適合した遺伝子を残せるのなら、集団内の乱婚で様々な異性と交わった方がメスもオスもお得です。 オスも、別にパートナーとの間に自分の遺伝子が残らなくとも、集団内の別のメスに自分の遺伝子が残っている可能性があるので、自分の子も他の子も等しく愛する、ということが可能になります。 そもそも、父系制(父方の血筋で血縁集団を構成する社会制度、日本含め大体の先進国で採用)が人類にとっての当たり前ではなく、母系制だってありうるわけですから。 ところが、一夫一妻だと、メスもオスも、よりよい遺伝子に適合するチャンスを失ってしまいます。社会で奨励される相手は自分のパートナーただ一人、ですから。なので、乱婚が最も良く、多夫一妻は次に良く、次いで一夫多妻、一夫一妻は最も悪い、ということになってしまいます。そして、男性は妻以外の女の尻を追いかけ浮気・不倫に走り家庭を崩壊させ、女性は排卵期に夫以外の「生物的に優れたオス」との交尾を試みて、より良い遺伝子を残そうとする(それが結果的により良いかはさておき)のです。 私たちの社会では浮気や不倫を糾弾することが多いですが、このように互いを欺き合うゼロサムゲームをして消耗したところで、何も良いことはありません。本当は、このゲームはプラスサムゲーム(Win-Win)なのにもかかわらず……。 そもそも、一夫一妻というのはあくまでも宗教的・道徳的・倫理的規範によって成り立ったものであり、特に西洋社会ではキリスト教の影響で人々の意識に深く根付いています。ですから、進化心理学者や文化人類学者ですら、一夫一妻を前提に考察するので、乱婚的な状態のことを「野蛮」「ふしだら」「けしからん」と一刀両断してしまいます。先入観から逃れられない、ということです。 だからといって、「一夫一妻はクソ、これからはポリアモリーの時代だ!」となるのは尚早です。あくまでも、そういうのもありますよ、という話であり、狩猟時代がそうだったから現代社会もそれをやれ、というのは乱暴な話です。 人によって適切な性のあり方は多様であり、それぞれが法に触れず他者を傷つけない程度には自由にやったらどうですか、ということです。 ちなみに、追加のお役立ち情報としては、 ○女性は排卵期に、自然と露出が多めで、赤めの口紅を普段より好んだり、あるいは香水の量が増える→おサルさんが繁殖期に外生殖器が赤くなるのとメカニズムは同じ。だから、妊娠中の女性やあるいは閉経後の女性が、露出多めだったり、赤目の口紅を普段より好んだり、あるいは香水の量が普段より増える、ということは減ります。 ○なぜ男性はパートナーや妻がいるのに浮気や不倫をしてしまい、その時のドキドキを「本物の愛」だと勘違いしてしまうのか→「寝取られで興奮する」のとメカニズムは似ており、既にセックス済(種付け済)の自分の妻以外のメスも孕ませるために、勝手にホルモンが放出されてしまう。したがって、浮気や不倫のドキドキ感は「本物の愛」では決してなく、思いとどまるべき というものがあります。 その他にも、様々な目からウロコ情報が書いてあるので、興味のある方にオススメです。 本書を読むと、近年SNSをにぎわせる「人間はしょせん遺伝子の乗り物」といった説や、あるいは「女をゲットするにはステータスだ、高収入だ、高級腕時計だ、ブランドスーツだ」などといった言説、更には「恋愛工学」のような疑似科学で多くの女性・男性を疲弊させ、苦しめ、それで「男は女性のカラダしか見てないクソ」「女はしょせん顔と金でしか男を見てないビッチ」などとお互いを罵りあい、消耗しているのが空しくなってきます。 人間社会や歴史、文化というのはもっと複雑で多様で奥行きのあるものだということが分かります。 そして、こういったことで自己嫌悪していることが減り、心が穏やかになります。 ということで、上記の問題に悩んでいる人には、おすすめです。


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