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紛争学園 学園試合~アラトVSカイチ~ 1


 新しく紛争学園シリーズで連載開始しました!

 定期的に行われる「試合」で、紛争学園ではあくまで日常的なお話となっております( *´艸`)


・前畑 アラト

https://www.fanbox.cc/@yukibou/posts/1092924


・荻原 カイチ

https://www.fanbox.cc/@yukibou/posts/1092969



 本日は、下級年の試合の日。

 学園制覇……たとえそこまでは考えていなくとも、学内での上昇志向が高い生徒にとっては己の力量をわかりやすく誇示することができる重要なイベントだった。


 軍立の学園では、定期的に生徒同士における試合が組まれる。本日はアラトと、同じく下級年のカイチ。二人とも闘争心は十分であり、気楽な友人同士でも加減はしないタイプだ。


 火花を地あらせる二人は、互いに互いの戦闘スタイルをすでに把握するほどぶつかってきた。とりわけアラトは、ボクサーであるカイチのフットワークを強く警戒しており……。



「はぁ……はぁ……、っしゃぁっ! オラァッ!!」


「ぐぉ……うらぁぁぁぁぁああああっ!!」


 試合早々、アラトはゴングとほぼ同時にカイチにタックルを仕掛ける。

 カイチからのジャブの先制攻撃を嫌ったゆえの密着だが、なんとなくそれを想定していたカイチも、アラトの肉体を真正面から受け止める。


 カイチにとっては不慣れな体勢となったが、決してアラトに自力で劣っているというわけではなく。二人は互いの身体を掴み、互角に押し合う格好になった。



 先に体勢が崩されれば、最悪負ける。力量が近いゆえに、この押し合いは決して譲れない重要なポイントだ。

 それゆえに、相撲のごとく押し合っての力比べが数分も続いていた。



「ふーっ! ふーっ! オラァ……アラトぉっ!! このままぶっ倒れるまで続ける気か!?」


 全力での対応になるゆえに疲労を覚え始め、それはアラトも同じだろうとカイチは唸る。 


「はぁ……はぁ……、だったら、テメェだけぶっ倒れとけ! んで、俺にボコられとけやっ!!」


「はぁ……はぁ……、る、せぇ……カイチ! 今日はなぁ……テメェに何もさせずに倒してやんだよっ!!」


「はぁ……はぁ……、クソ、この野郎……っ!!」


 アラトは引く気配はなく、カイチは舌打ちした。


 ボクシングの距離感を取られれば、何もできず一方的に殴られ続け、負けることもありうる。アラトが必死さの裏で恐れていることを、カイチはよく理解している。


 だが、このまま互いに体力を使い果たしてキャンバスに崩れたとき……、その時はアラトに圧倒的有利な状況で組み付かれることになるだろう。


(……クソ、ぜってぇ負けたく、ねぇが……この試合、もう、無理か……!?)



 その実力を認めているからこそ、アラトが隙を作るとは思えない。最初のアラトの突進をさばけなかった自分の迂闊さを後悔しつつ、カイチは顔を苦くした。



 次回はこちら。

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