以下のpixivリクエストにて付属させていただいた小説です。以前より付属品の内容についてのお問い合わせをいただいていたので、リクエストの際の参考にしていただければと思います( *´艸`)
https://www.pixiv.net/requests/18618
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リングの上。
対角線上にいる、鍛え上げられた厚い肉体を持つ中年近くの男を睨みながら、悪辣な笑みで中指を突き立てる。
紛争学園の中級年、気合いの象徴として尖らせた髪が目立つ青年、「鬼追 ソウゴ」の態度は、とても社会科見学にきた者の態度ではなかった。
「この、ガキぃ……っ!」
「まぁ、待て。ここはリュウさんに任せようや」
リングを囲うレスラーたちの中でもとりわけ短気そうなスキンヘッドの男がソウゴを睨みつける。だが、その隣で同じくレスラーの青年が肩をつかんで止める。
「オラ、早くやろうぜ。見せ筋さんよぉ♪ 軍立からきたからってビビってないっすよねぇ?」
ソウゴの態度は、口先だけはかろうじて敬語を使っているとはいえ。レスラーどころか、年長者に対するそれとは全くかけ離れていた。
実際、ソウゴの目的はプロレスから何かを学ぶというものでは全くなく。学園側に成果を認められながら、ただプロレスを小ばかにしに来ただけだ。それは、社会科見学始まってすぐに、引受先の全員が知るところとなった。
ソウゴよりは包容力のある大人、それでも血気盛んなレスラーたちの怒りを買った中で、ならば、そこまで馬鹿にしたプロレスを実体験してもらおうということで……、このプロレススパーリングは組まれた。
「おうおう、威勢のいいガキだ」
「……チッ」
対する相手は、この道場の代表格であり、ベテランレスラーの「佐々部 リュウ」。かつて紛争学園の主催した訓練にも招待されたほどの実力者。
いつまでも自分のペースに巻き込まれない、しかもデカい大人を相手に、ソウゴは舌打ちした。
「ここは長年、軍立から社会科見学を依頼されてんだ。お前みたいなはねっ返りのプロレスアンチが、今までこなかったわけじゃねぇ」
「…………」
「だが、社会科見学を終えた後には、みんなプロレスが大好きになってくれたぜ? ……死にかけるほどにな」
リュウは身構えもせず、にやつきながらソウゴの前まで迫る。
「お前もその一人になるよ、今にな」
「……はっ。くたびれたオッサンのくせに言ってくれんじゃん。若者に狩られてもしらねーぞ?」
「さっ、始めるか♪」
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年齢差、そして体格差があるこの勝負に関し、ソウゴには秘策があった。
……秘策と呼ぶには、随分悪辣なもので。要するに手段を選ぶ気はなく。それはソウゴが気に入らない相手を甚振るのと変わらなかった。
実際、プロレスルールに頷いておきながら、ソウゴはすぐに殴打や金的をためらわなかった。
喧嘩殺法を隠さず、この目障りなオッサンを、囲いのレスラーたちの前でボコボコにしてやることしか考えなかった。
「がぁぁ……ぁぁぁぁ」
「その程度か?」
……予想外だったのは、この男の頑強さ。
それらすべての攻撃を受け止めてなお、圧倒されているというこの状況だった。
「どうだぁ? 散々コケにしてくれやがって。プロレスラーのパワーはよ?」
「っぁっ! がぁぁぁっ! や、めろぉぉ……っ! んぁぁぁっ!」
ビクッ! ビクッ!
展開は早く。というよりも、リュウにはソウゴを長くリングに上げておくつもりはなかったらしい。
最早勝負は決していた。ソウゴを圧倒的なプロレスの実力で痛めつけた後、リュウは旺盛な性欲をぶつけるようその秘部を犯している。
「がぁぁぁ……こん、な……、これ、が……プロレス、かよ……っ! ざけ、んぁぁぁっ!!」
「お前がルールなんざ無視して来るのは読めてたよ。
まぁ、お前がまがいなりにプロレス道場の道理を守るってんなら、こっちも適当に許してやるつもりだったが」
ビクッ! ビクッ!
完全に背後を取られたソウゴは、後はリュウの巨大な性器を受け止めながら必死に喘ぐばかりとなる。
紛争学園の喧嘩の延長で味わうような、学生の性器の感触ではない。硬さと巨大さをそろえたその圧迫感は、まさに大人のそれだった。
「お前みたいなはねっ帰りのアンチには、プロレスの熱さを重々思い知ってから帰ってもらわねぇとなぁ?」
ズリュ! グリュッ!
「ぐぁぁぁ……んぁぁぁっ!!」
「ふんっ!」
……ビュルルルルッ!!
ほんの躾とばかりに、リュウが絶頂を迎える。
リュウは種付けを終えるが早く、余韻を楽しむこともなくすぐに性器を引き抜いてソウゴから退いた。
「少しは懲りたか? 俺も年とはいえ、だ。現役のプロレスラーに喧嘩売るには十年早かったな」
「はぁーっ! はぁーっ!」
大抵の学生らは、ここでリュウたちに屈してしまう。
だが、ソウゴは紅潮した頬で、なんとか立ち上がる。リュウはわざとらしく口を丸くした。
「……ほぉ。リュウさんに種付けプレスもらっても、まだ立つのかよ」
「おい、ヒサジ。上がってこい」
「えー?」
リングの外で青年が自らを指さし、先輩であるリュウの言葉に納得して頷く。
ヒサジと呼ばれた、リュウほどの体格を持つ青年は、慣れた手つきでロープをくぐった。
「ま、て……っ! 汚ぇ、ぞ……二対一、なんざ……っ!」
「あん? お前、まだ勝負のつもりだったのか? 俺ぁとっくに遊びになってんだがよ」
リュウの言葉はその通りで、ソウゴはぷるぷると足を震わせ、秘部からリュウの精液を垂らしながら立っていた。とてもではないが、もう戦えるような状態ではない。
「おい、クソガキ。俺だの代表は強ぇだろ? つーか。この道場にはお前より弱い奴は多分いねぇよ」
「ぐっ……ぅぅ……っ!!」
拳を握って身構えるソウゴに、ヒサジが迫る。舐められることに慣れていないソウゴは、ただ悔しそうに歯噛みした。
「正直、俺ぁ最初から胸糞悪かったよ。リュウさんに遊んでもらえて感謝すんだな」
やはり、ソウゴは睨み返す。この道場にまだまだ迎合した様子はない。
「……なぁ、リュウさん。久しぶりに勝負、しねぇか?」
それを見て、ヒサジは何かを思いついたように、ふとリュウに視線を送った。
「勝負だぁ? サバ折りか? ……あぁ~そういうことか」
ヒサジの提案が何を意味するか。この道場では特に珍しくもない風景をふと思い出して、リュウも頷いた。
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「がぁぁ……っぁぁぁ……っ!!」
ギシッ、ミシッ……ッ!
「おい、リュウさん。パワー落ちたんじゃねぇか? そろそろ若手と世代交代じゃねぇの?」
「っ……。
へっ。生言ってんじゃねぇよ。まだまだ穴の青いガキにゃギブしねぇぞ」
ヒサジとリュウは、互いに抱き合う格好でベアハッグを挑んでいた。どちらの体力が上かを競うゲーム感覚のほか、レスラー同士の自力と根性を鍛える目的もある。
「~~~~っ!!」
そして、その間には、隙間を奪われつつあるソウゴが挟まっている。
レスラーの豊満な肉体に挟み込まれた後、その怪力でもって前後から圧され、全身の筋骨が引き絞られていく……。
「にしても。このガキもなかなかの根性だよな。俺らの前でプロレスディスるとかよ」
ギシッ……ミシッ……。
「おいおい、んなしゃべってる余裕あんのか? そろそろ本気出せよ」
リュウはさも、誰もいないかのようなとぼけた物言いでヒサジを煽る。
「んじゃ、そろそろ決着つけましょうか。今日こそはアンタをぶっ潰して、泣かしてやるよ」
やれやれ、といった様子のヒサジだったが……、ふと、その顔が一瞬で真剣なものとなる。
「おらあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「~~~~~~~~っ!!!」
ギシッ、ミシッ! グキベキバキッ!!
交差して他方の腰に巻き付く双方の腕が、一回り太く、硬く隆起する。
過酷な試合に耐えるプロレスラー同士が力比べを挑むその中央は、もはや、万力だった。リュウとヒサジの肉体の間に埋没するソウゴの体は震え、ひくついていた。
「はぁーっ! はぁーっ!、くぁー、やっぱ強ぇ! リュウさん」
しばらくリュウの身体を搾り上げた後、やはり降参を得られないと悟ったヒサジは、音を上げて先に技を解いた。
「お前も、ちょっと前まではひょろひょろのガキだったってのによぉ」
「…………」
「おっと、わりぃな。放してやるよ。レスラーの肉体にサンドイッチにされた感想はどうだ?」
ヒサジの隆起した肩を叩いて豪快に笑った後、、リュウは思い出したようにソウゴを開放する。
これで、コイツも懲りただろう。見学終了まで大人しくなるはずだ。
「まて、よ…………!」
「…………あん?」
ソウゴは立ち上がっている。
そこまでに至って、リュウにとって想定外が訪れた。
「…………」
「はぁ……はぁ……勝負の、最中に……、舐めた真似、しやがって……!」
「勝負……? ……あぁ」
息も絶え絶えのソウゴの言葉に、リュウは思い出した。
……そうか。このガキの中では、まだ、自分との決着はついていなかったのか。
「…………」
「……いい加減にしとけよ、クソガキ。お前みたいな弱いのに時間使ってるほど、リュウさんは暇じゃねぇんだよ」
ヒサジは苛立たしそうに言うと、ソウゴを突き飛ばす。
キャンバスに尻餅をついたソウゴは、やはり疲労困憊だ。……それでも、再び立ち上がった。
その陰気そうな目つきを、今ばかりは鋭くして。
「……ど、け……俺の相手は、そこの、オッサンだ……っ!」
「うぜぇな。……じゃあ、こっからは俺が相手になってやるよ。リュウさんは休んでください」
「……いや。下がってろ、ヒサジ」
ヒサジが湯簿の骨を鳴らしながら吐き捨てる……、と、リュウがヒサジの肩を掴んで止めた。
「リュウさん?」
「おい……。ソウゴ、つったよな。もう限界だろ、奥で休んでろ」
「……だま、れ……っ、ま……だ、負けて、ねぇ……」
「…………」
リュウは勧告したが、ソウゴは折れない。
もはや、そこに単なるプロレスアンチはいなかった。ただ、負けることを嫌う喧嘩屋の姿だ。
「……アンタらを馬鹿にしてきたのは、悪かったよ……、アンタらがホンモノだってのは、よくわかった……。
けど、なぁぁ……! ケツにぶちこまれて、種注がれてよぉ……、神原の男が、このまま終わってられっかよ……!」
「…………」
顎髭をくすった後、リュウは真剣な目でソウゴの顔を見据え、小さく息を吐く。
「……ほかのやつらはもう上がってくれや。コイツと、二人にしてくれ」
「あー……。俺は残ってますよ、後片付け手伝いますわ」
リュウが笑みを消して頼んだことで、リングの外にいる練習生は、大人しく指示に従って道場を後にする。
「ここはプロレス道場だ。俺はプロレスしかしねぇ。いいな?」
今までソウゴには、単なる不良だという評価しかなかった。だが、認識を改めたリュウは、いつしか余裕の笑みを消していた。
リュウが何を言いたかったのか。ソウゴはふらつきながらも、深く、コクとうなづく。
「もうお前を、腑抜けのアンチとは扱わねぇ。……俺に挑戦する一人のレスラーとして扱うぜ」
「…………上等、だ……っ!」
今までは見くびるあまり構えもしなかったリュウが、笑みを完全に消し、腰を低く、身構える。
「…………ソウゴ、続けんぞ」
ソウゴにはもうはやリュウと戦う力など残ってはいない。それでもソウゴは、歴戦のレスラーであるリュウにとって、全身全霊をもって倒すべき「挑戦者」となる。
ここにきて、プロレスを開始する音のないゴングが響いた。
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「オラァッ!! ギブか、あぁっ!?」
手加減をなくした分、勝負はさらに無慈悲で、凄惨さを増していった。
「のー……っ! ノーっ!」
それでも、ソウゴはリュウからの熾烈な攻めの一切を受けながら、降参はしなかった。ソウゴの不良なりのプライドが、口だけの雑魚だという評価に甘んじることを許さなかった。
もはやリュウは、そんなソウゴの戦意をへし折ることにのみ執心していた。
「クソガキ、がぁぁぁ……っ! 絶対にギブさせてやるぜ……っ!!」
「おいおい、リュウさん。アンタが熱くなってどうすんだよww」
「るせぇっ! テメェは絶対に邪魔すんなよ!!」
リュウがここまで、それもたかが学生相手に戦意をむき出しにするのは珍しい。
茶化したヒサジをも怒鳴りつける。それだけ真剣だということで、ヒサジは手を翻しながらも押し黙った。
「……すまなんだな。お前をただのガキ扱いしてよぉ……?」
リュウが何よりも後悔したのは、格闘技における研修生として若者を引き取っていながら、ソウゴの胸の底に眠っていた熱さを見抜けなかったことだ。
寧ろ、むやみに手を抜いて……、真剣勝負だとあれほど熱弁したプロレスを蔑ろにしていたのは自分の方ではないか。
それを自覚した今、リュウは一切の加減なく、男同士の決闘に興じている。
「あがいても無駄だぜ。お前と俺の身体が、馬力が違ぇんだからよ……?」
「はぁ……はぁ……、この、クソ、オヤジ……っ!」
「はぁ……はぁ……、ほぉ? まだ締めてほしいらしいなぁ?」
ギリッ……ミシッ!!
太い腕にソウゴの首を巻き込んで、スリーパーを仕掛けていく。
日々紛争学園で試合に励むソウゴにとって初めての技ではないが、やはり圧迫感は桁外れだ。
(ちく、しょう……!!
これじゃ……俺らの試合とか喧嘩が、ただのガキの遊びだって言われてるみたいじゃねぇか……!)
「随分大人しくなったじゃねぇか。手間とらせやがって……、オラ、ギブか!?」
「ぐ、ぐぐ……、るっせぇ……、ぜってぇ、負けねぇ……!!」
ギシッ、ミシッ!
「がぁぁぁ、ぁぁぁ……っ!!」
勝負は圧倒的にリュウ有利だが、強靭なレスラーとして君臨してきたリュウも、昔ほどには長くは戦えない。ソウゴの想定外のタフさに直面し、思わぬ長丁場に息を乱し始めている。
だが、ソウゴにとどめを刺すには十分な手段を、リュウはいくつも手のうちに握っている。
「ソウゴ。俺とここまでプロレスで張り合ったお前に敬意を表して、俺の最強の技で葬ってやる……」
その中から、見くびってしまったせめてもの謝意として、リュウはこれまでの経歴で鍛え上げてきた最高な技を選出した。
「怖いか? 逃げてもいいんだぜ」
「……来いよ、……オッサン。ぜってぇ、お前を倒す……っ!」
「……オラアアアアァァァァァッ!!」
ドゴオオオォォォッ!!
バックドロップ。これまでのリュウの長年にわたるプロレスラー人生を支えてきた必殺技が見事に炸裂する。
「がっ……!!」
これまで、その見た目以上の粘り強さで痛めつけられながらもリュウに立ち向かってきたソウゴだが、ついにそれが、戦意を断ち切る一撃となった。
……そして。
ビクッ! ビクッ!
「……勝負あったな」
いつしか、先輩のその勝負に目が釘付けになっていたヒサジが、ぼそりとつぶやく。
「はぁ……はぁ……、ここまで、よく頑張ったな」
……ビュクッ! ビュルルルルルッ!!!
「がぁぁぁ……あぁぁぁ……」
ソウゴの腰が痙攣し……、間もなくして、絶頂を迎えた。
白濁を放出した後は、そのままぐったりと動かなくなる。リュウに押し切られた格好だが、リュウは己が勝利を誇ることはしなかった。
「レスラーでもないお前が、俺の必殺技を引き出せたことは褒めてやる……」
ただ、男同士がぶつかり合った事の顛末として、この勝負の結果を明確にするのみ。
「プロレスで一番大事なこと。金や人気が絡むと、俺も忘れそうになる。
だから、お前みたいな若い奴をここに呼ぶんだよな」
リュウがプロレスにおいて大事にしようとしてきたこと。「どちらが強いか」。それを突き極めようとした一戦だった。
ゆえに、リュウはもはや自分が年長者であることも重視しなかった。
「どうだ、ギブか?」
ズル……。
「がぁぁ、ぁぁぁぁ……ギブ……、ギブだ」
ソウゴはかすれた声で、ついに白旗を上げる。
「そうか……」
「……なぁ……、馬鹿に、されてよぉ、……怒ってんだろ?」
圧倒的な敗北を自覚した時、ソウゴは涙目になって肩を震わせていた。
今まで散々馬鹿にしてきたのだ。今更、許されるはずはない。だが自分にはもう、この人に立ち向かう力も、戦意も残ってはいない。
「けど、オッサン……、もう、許して、くれ……! 戦えねぇ……」
自分よりも強い、格上だと、そう素直に認めることができた男に甚振られるのは、辛かった。
ソウゴは目元を隠して、ただただ懇願を続けた。
「馬鹿。真剣勝負が終わったら、またお前は研修生だよ。
リングの外じゃ、ノーサイドなのがプロレスの基本だ」
例え、子供と親ほどに年が分かれていようとも、ここまで戦えばライバルだ。リュウは立ち上がると、息を整えながら、すぐに倒れるソウゴに寄っていった。
笑みを浮かべ、励ますようソウゴの肩を叩く。
「へっ。久しぶりに試合以外で熱くなれたぜ。機会があったらまたやろうや」
(……マジに、強ぇ……、こんな強ぇ男に、俺もなれたら……)
ソウゴにはもう、お遊びの八百長紛いだと馬鹿にしていたプロレスに対する偏見はなく。
リュウから称賛の熱い抱擁を受け、リュウは素直に身をゆだねた。
……その後。
社会科見学の期間を自主的に延長したソウゴだが、再びリュウに逆らって仕置きを食らううのが日常茶飯事となっていった……。