前回はこちら。
fanbox post: creator/23459386/post/1948071
●
「はぁ……はぁ……!」
「ぐぁぁ……豪太、さん……っ!!」
「くははっ! そんなもんっすかぁ、豪太さん?」
アツホがいまだ、蓮との勝負のダメージでコーナーで崩れる中。豪太はそれをかばうように蓮に挑んだ。
……だが、現実は非情で、アツホの屈辱を晴らすような結果にはならなかった。リングの中でもみ合ううち、飄々とした蓮の攻撃が次々と命中し、豪太の顔にますます悔しさがにじむ。
「はぁ……はぁ……る、せぇぇ……、ま、だ、やれんぞ……テメェ……」
「へっ」
グボオオオォォォッ!!
「ごぁぁっ!」
蓮の足がしなり、豪太の腹を見事に打ち据える。そのちゃらけた見た目とは裏腹の、大木をもなぎ倒すような鋭い蹴り。
直撃した豪太は腹を押さえ、嗚咽しながら後退する。
「ぐははっ、かわいい後輩とやらのカタキとるんじゃなかったんすかぁ?」
グボオオオォォォッ!! ドゴオオオォォォッ!!
「ごぁぁ、がぁぁぁ……っ!」
背後のアツホに心配そうに見守られる中、豪太は蓮の熾烈な攻撃に晒され始める。攻撃の勢いを挫かれた豪太は、ままに蓮の隙のない勢いに呑まれてしまった。
「俺に好き放題やられて、どんな気分っすか?」
「がぁぁ……テメェ、だけは許さねぇぞ……っ!」
「へっ、まだまだ恥かきたいんすかぁ?」
アツホと戦ったにもかかわらず……、いや、蓮の人間離れした体力や腕力は、すでに痛いほどに思い知っている。
グボオオオォォォッ!! ドゴオオオォォォッ!!
「んがあっ!」
岩並みに鍛え上げた豪太自慢の腹筋を、岩をも砕くような蓮の拳が破壊し、そのままぐりゅと深々と埋まっていく。
激しいボディへの連打で怯んだ豪太に、さらに蓮が襲い掛かる。息も絶え絶えの豪太の背後に回り、その首に腕を回す。
「豪太さんっ!!」
「っと」
アツホがたまらずとびかかるも、蓮は視界の隅でそれを確認し、迫ったアツホの腹を蹴り飛ばす。
もはや、アツホと豪太を同じリングで相手にしても、蓮の蹂躙に全く支障をきたさなかった。
「がぁ……ぁぁぁ……っ!」
「あらら、簡単に失神しちゃって」
すでに何度もその剛腕で豪太を締め落としてきた蓮のスリーパーホールドは、決着まで早かった。
しっかりと筋肉の詰まった豪太の首にビキと血管が浮き、その体が弛緩したのを感じ取り、蓮がいたずらな笑みで舌を出す。
「豪太、さん……っ! しっかり、こんな、奴、なんか……っ!」
「うっせーな。テメェは後でたっぷり可愛がってやるよ。瀕死の豪太さんの目の前で、な♪」
スリーパーを解く。がくと足元に崩れた、失神した豪太の体を踏みにじり、蓮がアツホに向かって指を立てる。
……悪魔だ。大の男二人がかりでも敵わない。圧倒的な実力でこのリングを支配する蓮を、アツホは愕然とした顔で蓮を見上げるしかなく。
「おら、起こしてやるよ!!」
「…………、がはぁっ!!」
持ち前の鋭利な牙をむいた笑みを浮かべ、豪太の腹にボディブローをねじりこむ。
強烈な一撃で強制的に意識を取り戻した豪太は、即座に襲われる苦しさに腹を抱えてのたうちまわった。
「ほら、あんたに弟子入り祈願した奴が、痛そうに見てますよ~?」
「はぁ……はぁ……!!」
蓮に全く歯が立たない自分に突き刺さる、アツホの絶望の視線。
常日頃から、何事にも上下関係を意識してきた豪太にとって、自分を慕うアツホの目の前で、アツホを嬲りものにした蓮に一方的に痛めつけられるのは、耐えがたい屈辱だった。
「あんたがどんだけ弱ぇ男か、たっぷり見せてあげましょうね??」
「がぁぁぁ……くっそぉぉ……っ!!」
一度締め落としただけでは物足りない。このリングには、豪太がいて、豪太を慕うというガキがいる。こんなにやりがいのあるシチュエーションもないだろう。
拳や蹴りがめり込み、痛めつけては響く豪太の悲鳴と唸り声を、蓮は気味がよさそうに笑い飛ばした。
次回はこちら
fanbox post: creator/23459386/post/2008496
具志川葛巳Kuzumin
2021-03-06 07:00:42 +0000 UTCyukibou
2021-03-06 03:59:57 +0000 UTCyshbs177
2021-03-06 02:52:23 +0000 UTCyukibou
2021-03-05 16:02:19 +0000 UTC具志川葛巳Kuzumin
2021-03-05 13:03:17 +0000 UTC