……ぴちょんっ。ぴちょんっ。
白い天井を朦朧と見上げるシオンの表情は、心なしか惚けているようにも見えた。艶っぽく解けた唇。額や頬に貼り付く濡れた紫髪。ただ、瞳だけが昏い虚無を映している。渇いた涙の跡が目蓋を押し退けて、目を見ればその消耗具合が推し量れるほど。
「……ああ…………は…………ひ………………」
相変わらず拘束台に繋がれたままの艶肢体は、しばしの休息を与えられているにもかかわらず汗濡れの光沢を纏っていた。ぐったりと全身の力を抜ききっている分なのか、だたださえ豊満な肉感はしどけなく揺れ崩れて、最も目立つ爆乳房を筆頭に婀娜っぽい蠱惑を振りまき続けている。ピクピクと些細な痙攣が走るたび、身体の側面を流れ落ちた牝汗が床へと滴り落ちた。
「シオンさん。朗報です。ついに指輪の解析が進みました。――外せますよ。その指輪」
いつからそこにいたのだろうか。担当の女研究員に声をかけられ、シオンは緩慢に唾液を飲み干した。
発狂寸前の、いや、与えられる薬剤や回復処置がなければとっくに狂っていたであろう焦燥の淫炎に身を灼かれ続けていたのも、無駄ではなかったらしい。どれだけサディスティックに趣向を凝らそうとも、彼ら彼女らはれっきとした研究者であり、本来の仕事を放棄してシオンを責め嬲っていたわけではなかったということだ。
「その指輪、どうやら太古の淫魔が作ったもののようでして。淫魔の淫気に反応することが分かりました」
「いん……ま…………」
「はい。ですので、こちらでコントロールできる淫気を馴染ませれば、一時的に指輪の所有権を得て外すことが可能かと。あくまで推論ですし、それなりに時間もかかりますが」
シオンとしては須臾でも早く指輪の淫呪から解放されたい一心だ。その想いだけで、研究治療と言う名の責め苦も受け容れてきた。今さら、否やを口にするはずもない。指輪が外れる可能性があるのならば、迷いなく提案された方法に縋るべきだろう。
「そこで」
女研究員が持ち出したのは、透明なガラス瓶であった。胸元に抱きかかえられるくらいのサイズがあり、護符のようなものが貼られ、それなりに厳重な封がされている。瓶の内側には濃緑色の液体が半ば辺りまで詰められていた。
「このスライムを使用します。これは研究所で淫気に晒しながら育てた特別製のもの。魔物、と言うよりも一種の魔道具ですね。そのように躾けてあります」
瓶の蓋が外される、と、中から漏れ出てくる濃密な淫気にシオンは反射的に身を竦めた。そこで気づいたが、女研究員はこれまでの服装よりも厚手の白衣を纏い、インナーまで着込んでいる。清潔な白い手袋も嵌めており、それらが万が一にもそのスライムに触れないようにするためであることは一目瞭然だった。
「……名だたるS級ハンターが最下級のスライムに嬲られて命を救われる。マゾったらしいシオンさんにピッタリの治療でしょう? 存分に堪能してくださいね?」
「――――ッッ!!」
耳朶をくすぐる甘ったるい声音は、媚悦の電流となってシオンを刺し貫いた。揺蕩っていた意識が少しずつ此岸へと戻ってくる。そんなシオンの目の前で、スライム入りの瓶がゆっくりと傾けられた。声を出す暇もない。身体の中心に触れる生温い水温。そして臍を中心に、裸身を侵食してゆくスライムの蠢動。
「あぁあぁあぁぁッッ!!?」
こうして直に触れるとよく分かる。確かに、スライムたちは淫魔に特有の淫気をたっぷりとその身に含んでいた。言うまでもなく、本来のスライムたちからはあり得ないことだ。 どうしても思い出してしまうのは、かつて女王級の淫魔に調教された記憶。淫魔ハンターとしての原点であると同時に、現在に至るまでの呪い、最悪のトラウマでもある淫魔との悪縁は、こんなところでも繋がっているのか。
ふと、淫呪の指輪を選んでしまったのも、果たして偶然だったのだろうかとよぎる。淫気に反応する指輪。古代の淫呪が込められた紅い指輪。淫魔と深い因縁を持つシオンが、無意識にあの指輪と惹かれ合ったのだとしたら……? 雁字搦めに絡まった鎖のような運命を感じ、シオンは心に暗い影を落とす。
グチュチュチュチュチュッ……! グヂュルルルルルルッ……!
「んはぁあぁぁッッ!! ふぅっ、くっ、あああーーーッッ!! ぁはあああーーーッッ!!」
だが、そんな憂鬱も、盛んに蠢く淫気スライムによって上塗りされてしまった。肌を舐め、汗を啜り、軟体であるスライムは細かな凹凸にも容易く潜り込む。臍穴、乳房の谷間、陥没乳首の窪み、腋肉の描き出す溝襞、と。快感を数えてゆけばキリがない。焦れったく、グズグズに形をなくすほど煮込まれていた牝肉は、容易く絶頂の甘露を思い出した。
「ふひぃぃぃッッーーー!! ひぃ”ぐッ、イグゥゥゥッッーーー!!」
「まだ始まったばかりなのにすごい反応ですね。流石です」
ヌチャヌチャと媚肉を圧し揉まれるたびに絶頂がこみ上げてくる。久方ぶりに火照りを解放し、秘裂が牝蜜を飛沫かせた。薄く濁った濃汁が下等な魔物を誘う。
うねりくねるスライムが下腹を通って女膣に辿り着き、ふやけるほどに秘唇をしゃぶった。蜜汁も火照り肉も一緒くたに味わう軟体魔物。舐れば舐るだけ汗と愛蜜を垂れ流す女体は、まさしく極上の牝餌と呼ぶに相応しい。
「はげし……ッッ、ひぃ”ぃ”ッッ!! んあ”ッ、お”お”~~~……ッッ、お”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”ッッ……!!」
量感たっぷりに媚肢体を波打たせ、激しい快楽の奔流に目を回すシオン。体感で永遠とも思える期間取り上げられていた甘蜜を、今や溺れるほど、溢れるほどに振りかけられている。
濃緑色の軟体が膣内へと侵入し、無遠慮に膣肉を擦りながら最奥へと突き進んでいった。軟体らしいストローク。悪く言えば滅茶苦茶な動きだ。ある意味で、低級の魔物らしいかもしれない。本能に任せた、ただ激しいだけの侵略。
しかし、シオンにとってはたまらない刺激だった。乱暴で粗雑な手管が逆に、浅ましいマゾヒズムをくすぐる。充たされた膣洞に広がるのは、どうしようもない女の悦び。
「ひぃ”ぐぅ”ぅ”ぅ”ッッ!! ひゅぐッッ……くぅ”お”ぉ”ぉ”ッッ!! んふぅ”ぅ”ぅ”ッッ……!!」
慎みも何もないイキっぷり。絶頂に打ちのめされるシオンも、こうなっては下等なスライムと何ら変わらない、本能に抗えないケダモノだった。最強の淫魔ハンターは完全に法悦に呑まれていた。
「おや――ようやく、ですか」
ぽつり、と落とされた呟きの意味を、シオンは身を以て理解する。電撃じみた乳悦と共に。
ここまで恥ずかしがって姿を見せず、窪みの内側に引き篭もっていた陥没乳首の本体が勃ち起こっている。濡れた爆乳の頂点で、それに相応しいサイズの、はしたなく膨れた肉粒の淫姿を曝け出している。
最も時間を掛けて熟成されていた性感突起は、汗の滴る感触やわずかな空気の流れにも感じ入るほどで。それどころか、もはやそこに存在しているというだけでも狂悦を引き起こさずにはいられない代物だった。
「ふぅ”あ”あ”あ”あ”あ”……っっ……!! ほぉ”ぉ”ぉ”……っっ…………!!」
身を捩る余波が乳房を揺らし、そのせいで乳首まで根元から揺れ動いて、激感はひどくなるばかり。
膣内ではスライムがのたくって、壁襞を刮いでいる。そこで追加された、新しいスライム。ハッとなったシオンが見上げると、瓶を傾けた女研究者が愉しそうに嗤っていた。研究所で作ったスライムだというのだから、ストックがいくつもあるのは当然だ。胸元へと垂らされた粘体は面積の広い乳肌を素早く覆い、凝り勃つ乳突起をも絡め取る。蠕動の内側で、縦横無尽に扱き立てる。
「イグゥ”ゥ”ゥ”ゥ”ッッ~~~!! イグッ、イグイグイグゥ”ゥ”ゥ”ッッ~~~!!」
濁った嬌声を撒き散らし、これでもかと爆乳を揺らしまくるシオン。それはまるで、乳房に貼り付くスライムを振り落とそうとしているかのようでもあった。乳首を虐めるだけでは当然収まらず、たわわな乳鞠を好き放題に揉みしだき、乳房全体をも付け根から何度も扱き上げてゆく。
快楽の収まるときはない。絶頂の収まるときはない。禁欲中はあれほど欲しかったはずの絶頂快楽が、身を裂くほど辛いものだと感じられる。なのに、女体の最奥はこの上なく満たされていた。何よりも罪深い被虐性癖。下等なスライムたちに嬲られていても、昇り詰めるのは天上の悦獄。
プシッ、プシッ、プシッ……プシャァァァァァッッ…………!!
勢い良く本気潮が噴き出し、それに惹かれたスライムが股周りに群がり始める。その過程で、こちらも限界まで勃起していたクリトリスが軟体魔物の手に落ちた。皮被りの陰核がやわやわと揉み包まれ、纏った淫汁をじっとりと舐め取られてゆく。
こみ上げるアクメの予感。ただ、絶頂に身を委ねているうちに、気づけばスライムたちの動きは緩慢となり、心なしか収縮を始めていた。胸元に目を落とせばよく分かる。爆乳を包み込んで広がっていたはずのスライム膜はあちこちが破れて、わずかに汚れた白い素肌が戻ってきていた。
「……ぁ、ぁぁ……。これ……は……?」
「己よりも高位の存在の淫気を無理やり宿させているわけですからね。このスライムの寿命はかなり短いのですよ。よく働かせたのなら、よけいに……まあ、長期的な活動が可能なほど量が多いと刺激が強すぎるというのもありますがね。そこに関してはシオンさんが刺激に慣れ次第少しずつ増やしていきます」
縮み、こびりつくだけとなったスライムの残骸は動かない。濃い緑色を纏わり付かせたシオンが身震いを起こすと、豊肉も残留物も同時に揺れる。S級の淫魔ハンターがスライム如きに肌を穢されたことを示すその光景は、退廃的だ。
そして研究医の言葉通り、確かに身体に纏わりつきシオンを嬲るスライムは少量。ここからさらに増やされていくのだろう。シオンはかつてない責め苦を予感し、ぞくりとその身を震わせた。
現在シオンには管から大量の強心剤、精神安定剤、高濃度の回復ポーション等の複合液が投与されていた。
シオンは知りえようもないことだが、短期的になら多少の無茶をしても今は死なない。そういう判断が下されていた。
研究医の浮かべた仄暗い笑みに哀れなモルモットは気付く余裕もない。
「ところで、指輪の力が弱まったようです。やはりこの方法は効果的なようですね。と言っても、シオンさんには感じ取れないでしょうけど」
スライムが欲望のままに蠢くことは、淫気をシオンの身体へと塗りつけるためだった。そうすることで指輪の淫呪を中和し、いずれは完全に馴染ませ、逆に支配下に置く。
ただしその代償として、淫気の染み込む身体は一時的に淫呪を受けているのと同じ、あるいはそれ以上の発情を強いられることとなる。濃縮された淫魔の力を塗りたくられているのだから、当然だ。それも、スライムによる悪辣な愛撫つきで。
つまり、シオン自身が感じている苦悦は、収まるどころか悪化している。
「治療を続けます」
「あ、あぁあぁあぁぁ…………っっ」
ひどく弱々しい声音。思えば、それは拒絶の声だったのかもしれないが、聞き入れられず新たなスライムが裸身に流された。
短命であるがゆえなのか、やはりスライムの動きは活発だ。すぐさま全身へと広がって、豊潤な性感へとむしゃぶりつく。命尽きる前に本懐を果たそうと、必死の蠢動が苛烈な愛撫と化し、満身創痍のシオンを激しく悶えさせる。
あまりにもあっさりと屈服する女肉。それも仕方ないことだろう。今さら抵抗などできるはずもない。抵抗しよう、と思うことすらも、あり得ない。
「あぁあぁふぅぅッッ、あはぁあぁぁッッ……!! あ”ぁ”ッ、あ”あ”あ”ーーー……ッッ……!!」
スライムたちは個体によって、少しずつ好きな責め方や部位が違っているらしい。
たとえば、先ほどのスライムは乳房全体を覆うようにしていたが、今、乳肌を占領しているスライムは乳首の突起に執着を見せている。乳暈を舐り回し、突起を扱き、荒々しく圧し捏ねる。
濃緑色の内側で、シオンの乳首が踊らされていた。確かな弾力を備えた茱萸の実がへしゃげ、しなり、乳悦に慄く。これ以上ないほどに勃ち起こった乳豆は、元々の陥没コンプレックスを感じさせないほど立派に凝っていた。充血し、膨れ、ズキズキと痛むほどだ。
もう、乳首だけで何度イッたことか。執拗な乳愛撫に仰け反ると、下腹部でも同等の官能が炸裂した。秘唇に陣取ったスライムがクリトリスを締めつけているのだ。
「ん”はぁ”ぁ”ぁ”ッ……! ダメッ……クリ、乳首ぃ……! イグゥ“ゥ”ゥ“ゥ”……!!」
熾烈な3点責めに絶え間なく絶頂が弾ける。引き攣り、浮き上がるかのような弱点突起。結局、スライムたちが力尽きるまで、シオンがイッていない時間は少しもなかった。
連続絶頂に嬲られた身体が淫靡な痙攣に覆われ、肉感が弾む。温度を失ったスライムが、火照った身体に心地良い。スライムとスライムを継ぐ合間だけが、シオンにとっての休息時間……となるはずだったのだが、淫気によって出来上がってゆく媚体は、官能の緩急をじっくりと噛み締めている。
随喜の涙が溢れて止まない。指輪の呪いをスライムのシャワーで繰り返し洗い流す治療過程は、想像通り、想像以上の、快楽地獄で。
ドロ…………。ネヂャァァ…………。
「……あ”ぁ”ッ、あ”ぁ”~~~ッッ……!!」
垂らされたスライムがお腹に溜まって、蠢きながら散ってゆく。その感触だけでも、蜜割れから淫汁が滲出する。子宮が痛いほど収縮して、女の悦びがポンプじみて押し出されていた。
甘露を取り込みながら、膣内へと押し入る軟体魔物。子宮口を舐め刮ぎ、最奥まで一気に満たしても侵略は止まず、膣洞をパンパンに圧迫してうねる。指向性のあるピストンは、軟らかなペニスを突き挿れられているのと同じだ。
膣襞や陰核裏の小部屋まで丹念に刮がれ、膣肉をしゃぶられ。たまらずイキ果てる、と、スライムの這いずる感触が会陰を通り抜けた。尻房を、粘着質な液膜が包んでゆく。拘束台にギュッと押し付けられているシオンの背面だが、液状の身体を持つ魔物にとっては、隙間に侵入することも容易い。
ヂュボボォッ!! ブチュルボボォッ!!
「ん”くぉ”~~~~~~ッッ!!? お”ぉ”~~~~~~ッッ!!?」
尻穴へも容赦なく侵入してくる淫気スライム。反射的に肉尻を引き締めるが、その程度でスライムたちの行く手を阻めるはずもない。先陣に直腸がくすぐられたかと思えば、あっという間に尻穴をくつろげられ、腸洞にスライムが雪崩れ込む。
両穴が奧の奥まで満たされて、強烈な圧迫感に苛まれた腹を持ち上げるかのように細腰がヘコヘコと動く。情けなく、惨めに。拘束がなければ、凌辱にのたうち回っていたことだろう。
「ふぅ”ぎッ、い”ッ、あ”ぁ”あ”~~~ッッ!? しょ、しょこはぁ”~~~ッッ!? しょこッッ、ひがぁ”ぁ”ッッ!? はひぃ”い”ぃ”~~~ッッ!!」
穿り返される両穴。加えて、貪婪なスライムは尿道に繋がる小穴まで探り当て、内側へと潜り込んでくる。痛み混じりの凶悪な刺激。無遠慮な蠢動に掻き出されるように、小水が強制的に排出させられた。ただ、漏らした側からスライムに飲み干されてゆくため、残るのは放尿に伴う倒錯的な悦感ばかりであったが。
「ひぃ”ぎゅぅ”う”ぅ”ッッ!! ひぐッ、ひゅぅ”ぐぎゅぅ”う”ぅ”~~~ッッ!!?」
下肢で訳の分からないほどの絶頂感が荒れ狂う。不自由に踊る腰はまるで止まらず、肉腿を、豊尻を振り立て、ぼってりと厚い陰唇をはしたなくヒクついていた。
アクメ地獄の最中にあっても、次々と追加される淫気スライム。スライムどうしで一体となりながら、責め嬲る肌面積を着実に増やしてゆく。もはや、シオンの首から下でスライムの付着していない箇所はなかった。
濃緑色の粘着布団に包まれ、媚肉も性感突起も揉みくちゃにされている。下等なスライムにグラマラスボディを捕食され続ける淫墜の美乙女。腋窪も臍も、全ては肉穴と見做されていた。
粘体が乳首を扱き立て、クリトリスを舐めしゃぶる。その裏で、腋肉は延々と執拗なマッサージに解され、臍穴は何度も穿り回されて、ゾクゾクと痺れるかのような甘イキが無限に重なる。白い咽が反り返って、上ずった嬌声を響かせる。
「へぇ”あ”ぁ”あ”あ”あ”~~~ッッ!! らへッ、イグゥ”ゥ”ッッ!! イグゥ”ウ”ゥ”ッッ~~~!! へぉ”お”ぉ”~~~ッッ~~~!!」
そしてついに、首筋を這い上がったスライムはシオンの美貌にも纏わり付き始めた。顎のラインを包み、頬を覆い、艶やかな唇へと触れる。
喘ぎ、開きっぱなしになっている口腔へと侵入するのはあまりにも容易かった。蠢く拈提が頬の内側を舐め回し、突き出された舌を絡め取って淫靡に扱く。それは、スライムたちからの熱烈なディープキスに他ならない。腔内が急速に火照ってゆく。まんまと意識させられてしまえば、口の中も立派な性感帯だ。
「んへぇ”ぶッ……! ぅ”ぅ”ぅ”ッ! お”ぅ”ッ、へぅ”ぅ”ぅ”…………ッッ」
クニクニと舌を圧し揉まれ、シオンは小刻みな絶頂を極めていた。ジュルリ、と粘音が間近で聞こえたかと思うと、耳内が掻き回されて沸騰する。スライムの這いずり回る感触と、淫らな音色が脳を直撃した。
折り畳まれたり、なぞり回されたりとスライムたちのオモチャになっている耳の輪郭。そんなところからも、官能は染み出てくるのだ。シオンは意識が遠のいてゆくのを感じた。身体中の穴という穴がスライムの巣穴と化している。身体中の性感が、スライムによって征服されている。
「ぶへぇ”ッッ、お”ごぉ”ッッ、ぶぼぼぉ”ッ、ぉ”ぉ”ぉ”~~~ッッ!! ん”ぼぉ”ぉ”ぉ”~~~ッッ……!!」
まさしく、溺れ様のシオン。スライムにも快楽にも。先に待ち受けているのは二重の溺死だろう。しかしそれは、研究所の技術力によって完璧に制御されている。これまでと同じように、真の意味でシオンの身に危急が訪れることはない。
これはあくまでも――解呪のための治療であるのだから。それがここまでの苦悦地獄と化しているのは、快楽に弱すぎる躾け済み淫魔ハンターのクソ雑魚ボディゆえなのだ。
「うん。素晴らしい。順調ですね。この調子なら、――――もすれば指輪を制御できそうです」
「お”ぉ”……ぉ”……ッ、ぉ”……ッ、へぇ”お”ぉ”……ッ…………ッッ」
満足げな女研究員の声が、耳を犯される向こう側から微かに聞こえた気がした。ひどく永い、完全解呪までの時間を告げられたような気がする。
先の見えない快楽に胸を焦がすのか、突きつけられる期間に絶望するのか、どちらがシオンにとって楽であったのかは、もう確かめようもない。
(イ”、イグゥ”ウ”ゥ”ゥ”ッッ……!! ぜんぶっ、滅茶苦茶にされてぇ”……! おかじぐっ、おがじぐなるぅ”う”ぅ”……ッッ……!!)
膣内で動きを止めたスライムの残滓が新たなスライムと融合して踊り狂う。スライムが継ぎ足されるタイミングや量の調整も、シオンを絶頂死寸前の、最も辛い快楽の頂点に留めるための計算し尽くされたものだった。
そして――スライムによる責めは、行われる本格的な解呪行為のただ一部に過ぎない。口と鼻にチューブの繋がったカップを嵌められ、淫気をガスのように直接流し込まれる。
淫気に導かれたスライムが喉奥をも犯し、噎せた。そこで、喉でも快感を得られることを知る。知りたくもなかった背徳の官能を。
回転する刷毛ブラシをあてがわれ、スライムローションごと肌を刷き回されたこともあった。ブラシにも淫気がたっぷりと含められており、どこを撫でくり回されても、ひと磨き毎に絶頂が積み重なる。1秒の間に数え切れないほどの絶頂を迎える。
何をされても浅ましくイキ悶えるシオンの扱いは、いよいよモルモットと呼ぶに相応しい。存在そのものが、与えられる快楽をただただ享受するだけの卑猥な媚肉塊へと堕ちてゆく。
「ふぅ”い”ッ、い”ッ、い”ぅ”う”ぅ”ーーーッッ!! ほぉ”お”ぉ”ぉ”ぉ”ッッーーー!!」
――たとえば、尻穴に詰まったスライムたちが一斉に逆流を始めて、捲れ返る腸壁に閃く肛悦は凄まじいものだった。灼ける尻穴がキュウキュウと収縮して、腸洞の奥までヒクつきが伝播する。
肛虐絶頂の余韻が抜けきらない、むしろ暴れているうちから、窄まった後ろ穴にもう一度スライムが戻ってきて、回転しながら肛肉を穿り直す。濁声を叫び散らし、尻肉を拘束台に擦りつけてシオンはイキまくった。
「お”へッ! へぇ”ッ! はへぇ”え”ぇ”~~~!! ひぎゅぎゅぅ”ぅ”ぅ”~~~ッッーーー!!」
――たとえば、Gスポットの小部屋をスライムが占拠して、内壁に沿ってゆっくり、じっとりと這いずる。まるで肉の空間を拡げようとしているかのようにだ。
それだけでもたまらないのに、表側のクリトリスも根元を圧されて、丁寧にしゃぶり抜かれている。
そこが終わってくれればスライムによる悪辣なクリ責め。追加されたのは、ポンプのような器具だった。すっぽりと陰核を咥え込んだカップは、一定のリズムで肉豆を圧し扱き、ただでさえ腫れぼったいシオンのクリトリスをより惨めに膨れ上がらせていった。
苛烈で、恥辱的なクリ絶頂に泣き叫ぶ嬌声が響く。肥大包茎クリを中心に、スライム塗れの肢体が仰け反って震える。
「ぐるぅ”ぅ”~~~ッッ、おがッ、おがひぐぅ”う”ぅ”~~~……ッッ……!!?」
「はいはい。大丈夫ですよシオンさん。絶対に死なせも、狂わせもしませんから」
「ひぃ”ぎゅッッ、イ”ィ”ッ、イ”ッへぇ”え”ぇ”~~~ッッーーー!!」
「そうです。安心してイキまくって下さいね。ふふっ、治療前よりいやらしいカラダに仕上げてあげます。貴重なデータを提供してくれたお礼ですよ」
ありとあらゆる方法でイカされて、ありとあらゆる部位でイカされて。身体中の輪郭が失われて、ひとつに溶け合ってゆくかのような錯覚がある。どこで、どのようにイッているのか。どこを、どう責められているのか。
それはもはや、永遠とも思える絶頂の渦中で些細な違いでしかなかった。無謬の誤差でしかなかった。
刷毛の感触。スライムの感触。手袋の感触。カップの吸着。震動。擽感。被虐感。何を感じようとも辿り着くゴールは同じ。終わらない絶頂。無限の絶頂。心身がグズグズに蕩けて、再形成され、またグズグズに蕩かされる。そんなことを永遠に繰り返して、考え得る全ての快楽が渦を巻いていた。
「ぎぼぢぃ”ぃ”ッッ、ぎぼぢぃ”ぃ”きも……ぢ……ィ”ィ”ッッ……、イグッ、イグゥ”ゥ”ッッ、イグイグゥ”ゥ”ゥ”ッッ!! ぎもぢぃ”い”ぃ”のぉ”お”ぉ”お”ぉ”ぉ”~~~~~~ッッ!!」
本来の性感帯など忘れてしまった。快感以外の感覚などそこにはなかった。真っ白に染まった世界の中で、シオンはただひたすらに絶頂へと昇り詰める。時間を忘れて、正体をなくして。
絶対的な多幸感への耽溺。酔い痴れるには鋭すぎるのに、ねちこく、吐き戻すほど甘ったるい朦朧。決して抜け出せない泥濘。
あらゆる形容も、行き着く先は結局のところ快楽でしかない。
「イィグゥ”ゥ”ゥゥゥゥウ”ゥゥゥゥゥう”ぅ”ゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」
シオンが天井まで届くのではないかという程の高い飛沫を噴き上げ、一際激しく絶頂を繰り返した、その時だった。
――――カランッ――――。
やがて――やがて響く、軽すぎる金属音。己の意志で曲がることさえできなくなった指先から、紅く、禍々しい指輪が外れていた。これまで散々シオンを苛んできたのが嘘のように、無力化された指輪が白い床を転がる。
――ビグンッ!! ビグビグビグッ……!! ビググンッッ……!!
とうに意識もないのに、激しくいやらしくのた打つ媚肉。指輪が外れたのだ。これで無事、治療は終わりだ。
だが、ようやく訪れた安寧も、白目を剥き、己の全てを投げ打ったシオンはすぐに受け取ることができない。
責め手が止み、天上の悦獄から少しずつ肉体が降りてくる中で、躾けられ尽くした肉感が痙攣し、体液と緑液の上澄みをふるい落とす。それでも、艶美な豊肉肢体は見るも無様に汚れたままだ。意識も、もちろん戻らない。官能の彼方から現実へ帰るには、まだ長い時間を必要とするのだろう。
「……ッッ……!! ……ッッ、~~~ッッ…………!!」
秘裂から数滴、薄濁りの淫雫が情けなく打ち上がった。それは流れ果てた体液の最後の搾り滓であり、最も濃縮された牝汁であり、施されてきた淫虐の結実だった。
まるで濾されていないイキ雫を発射して、波打ち跳ねる屈服肢体。獄悦治療の終わりを歓ぶかのように。甘美な物足りなさをむずがるかのように。浅ましく、卑猥に、肉体だけで迎えるオーガズム。
あるいは――限界の果てで吐き出した『数滴』に込められていたのは、擂り潰れて原形を留めなくなったシオンのプライドだったのかもしれない…………。