「うへぇ……ドロッドロじゃん」
「よっぽど気持ち良かったんですね」
メリディアーナと入れ違いで入ってきた二人分の人影は彼女よりも幾分か小柄なもので、こちらを見て何やら話しかけてくる。体つき同様に、声も幼かった。
一見すると自分よりも幼い普通の少女達だ。
だが、微かに魔の者の気配を感じる。彼女たちも妖魔なのだろう。見た目に騙されてはいけないと沙雪は重苦しいほど快楽の溜まった身体に鞭打って全身を警戒心で強張らせた。
「というか凄い身体だねぇ、胸なんてメリディアーナ様よりおっきいんじゃない?」
「それに加えて快楽には非常に弱いらしいです。マゾ奴隷に相応しい雌個体ですね、メリディアーナ様が拘るのも分かる気がします」
そんな二人に可愛らしい声で罵られる。
倒錯的な状況のせいなのか、この異常状態でまだ彼女自身も混乱しているのか……沙雪は悔しさの中に妙な興奮を覚えてしまっていた。
幼くも嗜虐的な眼差しに射抜かれて、沙雪は身震いを起こした。
「メリディアーナ様はやることがあるからね。その間のお世話係が私たちってわけ、理解できた?」
「主に身体の清掃と栄養剤の投与、あとは過去中途半端に終わった開発の続きを行います。調教師に教育されたそうですが、僅かな期間だけだったと聞いております。今回は我々の拠点ということもあり時間もあるので、丹念にねっとりと……肉の一片に至るまで完璧に堕とします」
返事を返すことなく不安になる心を押し殺す。
――――今にでもきっと助けが来る。
そうやって気休めに思考を割くことでしか気を紛らわせることができなかった。
身体はマグマのように性欲をぐつぐつと煮え滾らせている。
それは妖魔達が責めていない僅かな間も同様だった。時間を空ければ少しは休めるという考えは甘かったと言わざるを得ない。
淫紋は刻まれた者を常に発情させる。
つまり感度は下がることがない。だというのに責められれば責められるほどに快感は蓄積されていく。
底のない感度。どこまでも高まり続ける性欲。
この身体は一体どこまで感じさせられるのか……それを考えた瞬間、沙雪は背筋を震わせた。
空気の流れにさえも鳥肌が立ってしまっている状態。少しでも調教を想起することで発情していく身体は、まさに持ち主を完全に裏切っていた。今となっては聡明な思考能力さえも官能を高める一要素に過ぎない。
そんな今にも崩壊しそうな肉体をこれから徹底的に調教される……。
怯える表情に幼いサディストたちの顔が歪む。
「ちゃちゃっとやっちゃいますか~、メリディアーナ様が帰って来るまでにほぐしておかないといけないし」
「そうですね。まずは開発具合を調べますよ」
「あ……っ!?」
ぞわ――ッ、と全身が粟立つ。
強烈なもどかしさとくすぐったさが全身を駆け巡った。
指先が脇腹に微かに触れるとくすぐるような刺激に沙雪の身体は静電気でも起きたように跳ね上がる。
身体の奥で快感の火花が弾け、体内に飛散した。
「っく……あ……!」
触られた脇腹から生じた甘い刺激は四肢の末端に至るまで駆け抜けた。
付着した快感の火の粉が体内の神経を焼き、身体から喘ぎ声と痙攣を引き出し続ける。
十秒……二十秒……あまりにも長い余韻は沙雪自身永遠に続いてしまうのではないかと恐怖さえ感じる程だった。
そして、およそ1分近く、たっぷりと時間をかけてようやく身悶えが収まる。しかし、触れられた部位にはいまだに甘い刺激が残り続けていた。
「はっ……はぁー……っ、はっ、ぁ、はぁ……っ!」
強く責められた訳でも、急所に触れられた訳でもない。
僅かに脇腹を触れた、たったそれだけでも沙雪は声を抑えられずに泣きたくなるくらい感じてしまった。
息が切れ、心臓が激しく脈動している。
ありとあらゆる刺激が背筋を突き抜けるような耐え難い苦痛に変換され身体が悦虐に襲われてしまう。
刺激が止まっても、何度も重ね掛けされた快感は神経に滞留し、何も触れていない身体を快楽で焦がし続けていた。
(び、敏感過ぎる……! だめ……っ、刻まれる前と、全然違う……!)
元々沙雪は人よりも早熟な身体を持っていた。幼少期より発育の著しかった身体の感度は人一倍高い。
調教されてからは性感神経の弱体化にも拍車が掛かっている。
弱く、淫らに、他者に媚を売るための在り方を徹底的に刷り込まれた。
普段人と接しないのは、意識して触れ合わないようにしているためだ。どこで暴発するかも分からない身体で他人と接触できるはずもない。
孤高の爆乳美少女の正体は、ただ弱点だらけの身体を必死になって隠すだけの全身性感帯のマゾでしかなかった。
「うあ、あ……ぁ」
だがしかし、今はそれと比べても、あまりにも弱々しい。
術式に頼り切っていた弊害だろう。快楽責めに自力で耐える術を彼女は知らない。
これからも責めは続くのだろう。より過酷に、より苛烈になって感度の増した爆乳●学生を責め立てるのだ。
尖り勃った突起を転がされ、蜜で潤った穴という穴をほじくられ、言葉で嬲ることによって深層に致命的な欲望を植え付けられる。
想像しただけで肉感豊かな身体がぶるりと震えた。こんな状態だというのに、助けが来るまで耐えることなんてできるのか……?
「んふふ、結構可愛いじゃん♡ 淫紋がちょっとずつ浸透してきてるんだね♡」
豊かな乳房に加えて、細く引き締まったウエスト、そこから落差の激しい巨大な尻果実はスカートをパツパツに押し上げていた。
それは幼い妖魔の視線を意図せず愉たのしませてしまっている。
沙雪は羞恥に身を捩るが、それで視線から逃れられるわけもなかった。
むしろ目立ちすぎるバストがぷるんっ、と揺れる様子を堪能されてしまう。
「邪魔だからこれ、脱がせますね」
そう言うと片方が沙雪の制服に手をかけると、そのまま引き千切った。
沙雪の身体を守っていた最後の砦は、ただの布切れと化し捨てられる。
正真正銘、守る物が何もない、生まれたままの姿を晒すことになる。
既に服を捲られ、素肌も見られていたが、それでも完全な全裸にされることでこれまでよりも強い羞恥心が沙雪を襲う。
二人の幼い妖魔たちは、沙雪の身体を隅々まで、舐るように見る。その視線にさえ、感じてしまうような錯覚に陥り、沙雪の身体はビクビクと反応してしまう。
それは厳しく辛い修行で体得した鋭敏な感覚。
暗闇の中であっても触覚と勘を頼りに自在に動き回れるほどの過敏な沙雪の感覚は、完全に裏目に出ていた。
「私は下半身を担当します。フィアは上をお願いします」
そう言って少女達は沙雪の身体を触り始める。
その小さな手は沙雪の身体全てに触れていく。
「んひっ……あっ、ああぁ……っ!」
沙雪の喉から熱量を伴った恍惚のため息が漏れる。
身体を撫でられる。ただそれだけの感覚に強い快感を覚えてしまう。
「うわ、めっちゃビクビク感じてる。触っただけだよ? どんだけ雑魚いの?」
投げかけられる言葉に羞恥を煽られ、身体は余計に敏感になる。
ビクビクと震える沙雪の身体を、指先がなぞる。
最初は胸、その次は腰から内股まで。緩慢な動きで優しく丁寧に触れるといった手つきで、指先が敏感な皮膚を撫で回す。
それはイカせるための動きではなかった。
双子妖魔達は沙雪の身体を調べているのだ。どこがどれだけ感じるのか。肉としてどれほどの才能を持っているのか、どれだけの深度で開発されているのか。
抵抗も出来ずに身体を調べ尽くされることに強い屈辱を感じる沙雪。
せめて反応を少しでも抑えようと口を噤むが、幼い手管全てに沙雪は敏感な反応を示した。
耳をくすぐられ、へそをほじられ、尻穴に触れられる。
(あ、おへそ、ほじっちゃ……あああ、足の裏、だめっ、腋も、そんなに擦らないで……っ!)
割れ目の奥からは断続的に白濁するほどに煮詰まった愛液が飛沫を上げていた。
少しでも反応してしまった部位は特に念入りに触れられた。
皮膚全体の神経が過敏化し、全身に鳥肌が立って軽く触れるだけで感じてしまう。くすぐったいような、じれったく切ない感覚が身体を包み込む。
「んくぅ……あっ……はぁん……あぁ……っ」
切なげな声を漏らし、身をくねらせる。柔らかい感触に沙雪はいつの間にか舌まで突き出して悶えていた。
そうして責められることで、知らず知らずのうちに幼い妖魔たちの行為によがり狂っていたのだ。
「凄い悶え方……これ感度どのくらいになってるの?」
「メリディアーナ様が言うには元々肌表面だけで常人の数倍以上にはなってたらしいですよ。今は淫紋もあるのでそれ以上かと」
同性に嬲られるという嫌悪感と背徳感が湧き上がる。
しかし、それにさえ沙雪は感じてしまう……心の内側で、もっと責めて欲しいという気持ちに苛まれる。
(気持ち、いい……も、もっと……あああっ!? ダメ……そんな……あぁ……)
嫌で嫌でたまらないはずなのに、より強い責めを求めてしまっている。同時に、この焦らされる感覚にも心地よさを感じてしまっている。絶対に認めたくない、被虐的欲求がどんどん強くなっていく。その度に自己嫌悪と罪悪感に襲われながらも、その感覚さえも沙雪の興奮と感度を高めてしまう。
自身の中の大切な何かが確実に崩れつつあるのを感じた。
幼い妖魔達の責めはジワジワと沙雪の脳に損傷を与えているのが分かる。
ジワジワと、じれったい快感は積み重なり、昂ぶっていく。
(だ、め……イく……ッ!)
ビクンビクンッと身体が痙攣を起こした。
「うああ……そ、そん、な」
弱く撫でる様な刺激の積み重ねで快感の頂へと押し上げられる感覚は、気が狂いそうなほど、もどかしく甘く切ないものだった。
そして、沙雪は今、絶頂することができない。解放感などなく、そのキュゥゥンと切ない感覚だけが延々と続く。
だが、解放感はなくともそこに到達したという事実は変わらない。甘く、長い長い絶頂感をひたすら引き延ばしたような、気が狂いそうになるほどのもどかしさに全身を包まれる。
イッたのにイッてないという通常あり得ない異常の重ね掛けに沙雪は言葉にできないほどの苦しみに襲われる。
剥き出しの快楽神経の表面をぞりぞりとやすりで削られるような愛撫は十数分ほど続き、妖魔達は沙雪の身体、その全てを知り尽くした。
「こんなところでしょうか。フィア、そちらの方はどうでしたか?」
そうして沙雪の身体から二人が離れた。
ほんのわずかな休息を沙雪は必死に噛み締める。
「胸はかなり重点的に開発されてるね、特に乳首が弱いみたい。耳と脇の下はクリトリスみたいな感度にされてた。そっちは?」
「へそと子宮は完全に熟れ切ってますね。膣内もかなり弱く、クリトリスはこの有様を見たら分かると思いますが、餌として完成されています。包皮が守り切れていないので、術式が無ければ下着に擦れて日常生活すら送れないでしょうね。足も指先に至るまで性感帯になっています」
拘束台の上で必死に呼吸を整える沙雪の姿を見てフィアが頷く。
「ま、分かってたことだけど、全身が性器ってわけだね」
切ない快感に震える沙雪の両腋の下にフィアと呼ばれた妖魔の手が触れる。
敏感な二つの窪みを優しく指がくすぐる。
「ひゃはっ……! ひぐっ、あああっ! ふあっ!」
軽く触れただけにもかかわらず、凄まじいくすぐったさに襲われる。
術式の無効化と、淫紋への変換、加えて蓄積した快感によって通常時よりも敏感さが何倍にも増してるのだ。そして、そのくすぐったさが全て快感として感じられてしまう。
拙い手管にも沙雪は敏感な反応を返し身悶えてしまっていた。指先が汗だくの腋の窪みを這い回り、耐えがたいくすぐったさと快楽に悶絶させられる。
「はひっ、ひああああぁっ、あっ、あああぁっ、はひぁっ、あああああぁぁぁっ!」
未成熟な少女の腋は、最早、一種の性器と化していた。最もくすぐったい場所、それはすなわち、最も感じる場所の一つとなる。強烈なくすぐったさに脳がビリビリと痺れ、くすぐりでイッてしまうような感覚に襲われる。当然、イクことなどできないが。
くすぐったい、苦しい、でも気持いい、辛いのに気持いい……矛盾する感覚と内心の被虐性が沙雪を苦しめる。
そんな沙雪の姿にフィアは見入っていた。
「……なんかこの子のこと気に入っちゃったかも」
悶える沙雪を見て、ぽつりとフィアが溢した。
その目には嗜虐の光が宿っていた。恍惚の表情で囚われの少女を見下ろしている。
「メリディアーナ様に怒られますよ?」
「うーん、そうなんだけどさー」
フィアの指が沙雪のへその穴をほじくる。
「はう!? あ、ああああっ……あああっあっあっ」
苦悶なのか快楽なのか分からない呻き声をあげながら沙雪は大きく身体をしならせた。
そんな反応に気を良くしたのか、フィアはその細指にぐぐっと力を込めていく。
「ひっ、お、おへそ……だめ……っ!」
沙雪の身体はへその奥でさえも開発済みだ。本来、他者に触れられることのない穴の奥は敏感で、ヒクヒクと痙攣を繰り返す。
その甘美な刺激に沙雪の脳内では快感物質がドロドロと溢れ出て止まらない。
「宝条院沙雪って下級の妖魔は関わるなって警告されてるあの宝条院でしょ? そんな退魔師様が無防備にこんなエロい姿晒してるんだよ?」
フィアの指がへその穴の肉を押し込み、そしてくりくりと優しく撫で上げる度に彼女の脳に電気のような衝撃が走った。
それはまるで腹筋を貫通し子宮を丹念にマッサージされているような……そんな快感だった。
腹部を圧迫され苦しい、なのに、その感覚が気持いい。嫌だと思うほどに身体と脳の奥、そして股間と子宮が熱くなってしまう。
「あーやっば、我慢できないかも」
ルルは咎めるような視線をフィアに送った。
しかし、彼女は聞く耳を持たなかった。
「ちょっとつまみ食いするだけだからさ」
そして、フィアは耳元に顔を寄せ、耳の凹凸へと舌を滑り込ませて続けた。
ゾワゾワした感覚が脳の奥まで走り、沙雪は悶絶する。
「ねぇ、私のペットにならない?」
舌の感触と共に耳元で囁かれる言葉は頭の内側に深く響く。
沙雪の理性が激しく揺さぶられる。それに合わせた提案は少女の理性を破壊し、劣情を煽った。
「な、なに、を……」
「んふふ~♡ 何もずっとじゃなくてさ、メリディアーナ様が戻ってくるまでの間だけ私に服従を誓うの。私を呼ぶときはフィア”様”って様付け、後は絶対服従、とかかな。そしたらメリディアーナ様には内緒でこっそり手加減してあげるからさ。ね、いいでしょ?」
くちゅり、耳奥で水音が弾けた。沙雪はぞくりと背を仰け反らせ高く喘いだ。
鼓膜が付近を舐められる音を敏感に拾い上げると、まるで脳を直接愛撫されているかのような感覚が彼女を襲う。
「ふ、ふざけないでください……そんなもの、なるわけないでしょう……」
沙雪はそう断言した。強がる言葉で弱気を隠す。
しかし、耐え抜く自信はなかった。今にも崩れ落ちそうな理性を必死に繋ぎ止めている。
「ふぅん? そっかそっか。ま、今はそれでもいいよ。少しくらい気が強い方が堕とした時に楽しいもんね」
生温かい呼気と共に耳奥へと流し込まれるサディスティックな言葉責めは、沙雪の脳と脊髄にゾクゾクとした形容し難い快楽を与える。
耳を舐め回しながら、フィアは沙雪の肌に指を這わせ、くすぐるように撫で回す。耳の感触と甘い言葉、それらは同時に性感帯を責められる快感と合わさり彼女の理性をぐずぐずに蕩けさせていく。
「どーせ最終的にはメリディアーナ様に媚びるだけの惨めな奴隷になるんだからさ、私にも美味しい思いさせてよー、ねーねー♡」
耳への責めはそのままに、フィアの手が腹部を撫で回し、へそ穴をくちゅくちゅと手マンのようにほじくられる。
もどかしさに狂いそうなところへ、更なる責めの追加。身体の内側で快感の波が押し寄せる。
「んひぃっ、あっ、あっ、あああああぁぁぁぁっ!」
決してイクことはできない沙雪だが、ほんの一瞬だけドライオーガズムのような感覚を感じてしまう。切ない快感に包まれた身体が、一切の解放感や満足を与えられないまま痙攣し続ける。
「沢山優しくしてあげるからさ、ね?」
フィアが指を離す。グポッと汗に濡れた指が引き抜かれ、押し広げられたへそはヒクヒクと震えていた。
腹部への責めはなくなったというのに、それでも沙雪はピクピクと身体を小刻みに痙攣させている。
最早声は発することもできずに掠れた呼吸が零れるばかりの沙雪。必死に首を横に振ることで、拒絶の意思を示す。
その様を見てフィアは残念そうに続ける。
「うーん、そっかぁ、ま、すぐにオッケー貰えるとは思ってなかったしね。でも、絶対ペットにしてあげるから」
「あっ、あ……ああ、あ……ああぁっ!」
スルスルと身体の関節部分を愛でるフィアの指先。ゾワゾワした感覚に沙雪は身体をビクンと跳ねさせる。取り繕う余裕もない状態だったが、弱々しくも妖魔の提案を拒むことでどうにかプライドを保つ。
「メリディアーナ様でもまだ堕とせてないんですから我慢したらどうですか?」
「や! 絶対やだ! 絶対この子は私のペットにするの。それでたまにメリディアーナ様に貸してもらうの!」
そう言って、フィアは再び沙雪の耳に舌を這わせる。そして先程よりも耳穴の奥深くに舌を挿し込み舐め回す。
くちゅっ、くちゅくちゅくちゅっ♡
「あ、あああああッ!?」
敏感な耳穴をフィアは執拗に責め立てる。
時折、耳を甘く噛み、優しく吸って、妖しく舐めあげる。唾液の音が鼓膜に響き、脳を震わせるような強烈な快感が全身を走り抜ける。
それだけでなく時折洩れる控えめな呼気が耳に触れるのも酷くこそばゆい。舌の感触と吐息の波状攻撃が沙雪を追い詰める。
頭の奥に響くその水音だけでオーガズムに達してしまいそうになったほどだった。
ただでさえ敏感な箇所だというのに、淫紋の効果で快感は相乗的に増している。何も考えられない、快感に身を任せたい欲求が溢れて止まらない。
彼女自身この時の欲求を耐えることが出来たのは奇跡だと思ったほどだ。
退魔師としてのプライド、妖魔に好きにされてたまるかという意地、それによってギリギリのところで耐えていた。
「ねぇー、ペットになっちゃいなよぉ。ほらほらぁ、こんなに感じちゃって。淫乱な雌豚の癖に意地はってさぁ」
「いやっ、あっ、ああぁぁぁっ! んぁっ、ひああっ!」
耳元で囁かれる言葉に、沙雪は顔を真っ赤にしながら首を左右に振る。最早、フィアが何を言っているかなど分からなかった、ただただ本能的に拒絶を繰り返していた。
本当は本能の部分は屈服を望んでいた、身体が熱くなり快楽に堕ちたいという欲求が湧き上がっていた。それを必死に振り払おうとする沙雪もいる。自分の中に自分が二人いるような感覚に陥る。
しばらくフィアの耳責めは続けられたが、沙雪にまだ屈伏の意思がないことを理解したのか、一度、口が耳元から離される。舌先と耳の間に、唾液が糸を引き、銀色の橋をかける。
「はぁ……はぁ……あっ……は……っ」
全身に、そして脳の神経の一本一本にまで絡み付くようなもどかしさにムチムチとした爆乳ボディをくねらせる沙雪。
責めの中断に安堵する、が同時にもう終わってしまうのかという気持ちが意思と関係なく沸き上がる。
だが、地獄はここからだった。
フィアという少女妖魔が沙雪に執着し始めることになる――