ちっちゃめな妹の双子になるやつで、今回は姉にしてみました。
クリオナ中心です。タイトルは画像と違っていますが、画像のほうが正しいです。非公開回避。
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「ふわーぁ……」
眩しい日差しの中で起床した俺は、眠たい目をこすりこすりダイニングキッチンへやってくる。今日は土曜日。我が家庭の慣習として、みんなで遠出する予定のない休日の朝食は、各自で支度することになっていた。
俺はいつも、菓子パンを買って置いてある。大学生になりバイトも始めたので、自分の分だけというせせこましいことはしない。
……なので、すべてなくなっているということは、欲張りな誰かが持ち去ってしまったということ。そして両親は朝にパンを食べない。俺ははあとため息をついて、リビングへ行く。
「あ、おはよーお兄ちゃん」
にこやかにあいさつをしてきたのは、俺の妹である乃愛《のあ》。ソファに座りテレビを眺めていたところ、ちらりと視線をよこして、残りのパンのひとかけを全て口に放り込んだ。
「あ、菓子パンもらってるよ。ありがとう」
「ありがとうじゃないが」
「おいしかったよ。さっすがお兄ちゃん! ついでに牛乳取ってきてもらっていい?」
「なんのついでだよ……」
平然としている乃愛の前に、空となった菓子パンの袋はふたつ。
俺の買ってきたパンを独り占めした犯人が誰かなんて最初から分かっている。こいつだ。
乃愛との仲は良好で、こうしてちゃんとお礼も言ってくれている。パンをふたつぺろりと食べたのも食欲があって非常によろしいことで、別に俺も怒ったりはしていなかった。
ただうっすら、そこはかとなく舐められている感じがする。家の中だけならむしろ可愛げがあるのだが、外でも年上の男を相手取って生意気に振る舞っているとしたら、それは正してやらねばならない。
俺はキッチンに戻り、自分の分も合わせてふたつミルクを用意する。ソファに座ると、乃愛はカップを受け取りながらおもむろに膝の間に入ってきた。
「暑い。降りて」
「やだー。暖かいんだもん」
ツインテールに結われた髪の分け目が眼下に広がり、乃愛の甘い香りが漂う。パイル生地のキャミソールとショートパンツの部屋着も、そこそこに露出度が高い。真上から、ほんのり桜色の乳首が覗いていた。
やや小柄で童顔であるとはいえ、乃愛はもう中学一年生。胸のガードが緩かったり、太ももやお尻を平気で俺の股間に当ててくるのは無防備すぎる。それがリビングのじゃれ合いだけならまだしも、ホラー系の動画を観たらしい日には下着のまま俺のベッドに潜り込んでくることもあった。
それとも、俺が気にし過ぎているだけなのだろうか。
「はい。実はまだパンあるのでしたー」
そう言って、乃愛はパンの切れ端を差し出してくれている。しかし本当に小さく、小指の先ほどにしかない。
俺は乃愛の指を噛まないよう、控えめに口で受け取る。
「ハトかコイにでもなった気分だ」
「えー、そしたら妹のあたしもハトかコイじゃん」
「俺を兄だと思うんなら普通に残りのパンを渡してくれよ」
「次がラストだから」
続けざまに餌付けをしてくる乃愛は、ぐいっと指を突っ込んできた。指を噛みそうになるも、ぎりぎりで踏みとどまる。
「あ、お兄ちゃんごめん」
「……っと、大丈夫か?」
「うん、平気」
乃愛の指は、俺のよだれとパンくずまみれになってしまう。乃愛はその指をぱくんと口に含んで舐め取った。ちゅぱちゅぱと音を立てて吸い、それからティッシュで拭う。
「おい」
「あ。つい癖で……って、別にいいでしょ。間接キスなんて別にもう」
言われて乃愛も気づいたようだが、まったく気にした風でもない。なんかこう、実はわざとやっていて俺をからかっているか、実は俺の事を兄以上に想っていて……なんて素振りも一切なかった。
「逆に俺がやったら絶対引くだろ」
「なんで? 別にいいよ」
「はあ……今の中学生ってみんなこうなの? 兄とこんなにベタベタしてたり」
「だいぶ特殊じゃないかな。知ってる限り、兄弟姉妹で仲いい方が珍しいし。歳離れてるからだと思う、あたし達が」
特殊だと自覚があるらしい。一応。
まあいいか。俺も十分乃愛を可愛がっていて、乃愛も甘えてくれている。両親も気にしていないことだし、深く考えるのはやめた。
パンを食べ終えると、乃愛は身をひっくり返し向き合ってくる。今度は控えめなバストを押し付け、俺の腕の中に収まった。
乃愛はあざとい上目遣いで見つめてくる。実際可愛いのだけど、嫌な予感がしてきた。
「あのね、お兄ちゃん……お願いがあるんだけどさ」
「やだ」
「最後まで聞いてって。あたし今日友達とお買い物行く予定なのね、でも宿題終わってからじゃないとだめだから……手伝ってくれない?」
「……やだ。丸投げしてくるじゃん」
「えー! 前はやってくれてたのに」
「その前例がまずかったんだよ」
不満そうに声を上げる乃愛。俺は大学生なので中一の宿題など屁でもないのだが、以前同じ頼みを聞いてやったら、結局俺が解いた答えを乃愛が写すような格好となってしまった。それは許容できない。
なおこれを外出の条件に宿題を課したのは乃愛自身。普段遊び歩いている乃愛が、ちゃんと勉強も忘れていないことを両親にアピールしようとして自分で言い出した。当時はさっさとやるつもりだったのだろうが、この有り様。
ぷんぷんとばかりに膨らませていた乃愛のほっぺが、段々しぼんでいく。目尻も下がって、表情が消えていった。
「わかったわかった。ただ自分で解くんだぞ」
「やったーお兄ちゃん大好きー」
乃愛はぎゅっと抱きついてきて、頬をこすりつけてきた。
しかし――
「んー……全然わかんない……」
その後すぐ、俺達は乃愛の部屋で宿題を手伝ってやっていたのだが、進捗は芳しくない。はっきり言って、乃愛の成績は中の下だった。
「もう時間やばいよ~。待ち合わせ時間まであと10分しかない」
「もうギリギリじゃん」
先に着替えたのも、こうなる事を予測していたのだろう。見通しを立てられているというか、自分のことを分かっているというか。
「……あのさ、お兄ちゃん♡」
「終わったことにして、と言われたらお兄ちゃんは断ります」
「えー!」
乃愛は再びあからさまな演技で、俺を懐柔しようとしてくる。もしここまで真面目に宿題に取り組んでいたなら送り出してやっただろうが、この期に及んでずっとスマホで友人とやりとりしていては自業自得。俺は心を鬼にする。
すぐに諦めたのか、乃愛はスマホをテーブルに置きながらぽちぽちと操作する。
「はーい……ん?」
こちらからメッセージを送る前に何かの連絡を受けたのか、乃愛はスマホに食らいつく。いたずらっぽく笑い、スマホを両手で持ち上げた。
「お兄ちゃんお兄ちゃん、こっち向いて」
「あ?」
乃愛はスマホのカメラをこちらに向け――フラッシュを焚いた。
視界だけではない。頭の中まで真っ白に塗りつぶされ、五感もぷつりと切れた。
「――おー、ホントだ……ホントだったんだ!」
――俺を呼び戻したのは、大喜びしている乃愛の声と顔。手まで叩いていて、ここまで楽しそうな乃愛を見るのは久々だ。
「は? お前、一体……んっ、ごほっ」
なんだか声が変だ。声だけじゃなく全身がなんだか妙な感じで、違和感がすごい。
「これこれ」
「んぁ……あ?」
はしゃぎながら乃愛が差し出してきたのは小さなスタンドミラー。そこには、二人の乃愛が映り込んでいた。
喜色満面の乃愛と、ぽかんとしている乃愛。まさか、と思い自分の顔を触ろうとすると、ぽかんとしている乃愛が自分の顔を触った。
下を向くと、乃愛が着ているはずのピンクのワンピースに、黒いストッキング。胸元には微かな膨らみがあり、乃愛を抱きかかえているとかそういう視点でもなかった。
俺が、乃愛になったと推測して突飛でない光景だった。
「は? ……は? は?」
「えっとねー……これ、これ」
乃愛は楽しげにスマホの画面を見せてくる。そこには〈Xai-HEN〉というアプリの名前、そして俺の名前やら年齢やらが表示されていた。
「これさっき友達から教えてもらったんだけど、なんか他人の姿とか立場? をゲームみたいに変えられるんだって。あたしもさすがに嘘かな~って思ったんだけど、お兄ちゃんがあたしになっちゃった」
「じゃあ今、俺が乃愛になってる、ってことか? え、まさか身代わりに置いてくってことじゃないだろうな」
「大正解! 宿題は帰ってきたらやる! だからその間、家に居て! お願い!」
「……わかったよ。なんかよく分からんけど、乃愛の……女の子になるってのも貴重な体験だろうし」
正直、まだ自分が乃愛の身体になったことさえまともに理解が追いついていない。兄が自分と同じ姿になったことを乃愛があっさり受け入れたのも不思議だが、このあたりは幼いほうが柔軟だということにしておこう。
こんなことがアプリひとつでなし得てしまうのも恐ろしいが、そこまでの執念があるのならもう好きにしてくれ、という他なかった。
「ごめんね、ありがと。ええと……じゃあもうあたしは出るからさ、なんかあったら連絡して。じゃねっ!」
「はいはい、行ってらっしゃい」
乃愛はバッグを持って、ぴゅうと部屋を出ていく。ばたばたと騒がしく玄関から出ていき、家は静かになった。
部屋が、がらりと空く。母さんだ。
「あら乃愛、いるんだ。じゃあ今のはお兄ちゃん?」
母さんから見ても、俺は乃愛に間違いないらしい。だとしたら、乃愛のフリもしなきゃないな。
「う、うん。あたしの方はお出かけの予定、ちょっとキャンセルになったから」
「そっか。宿題も大事だけど、お友達を待たせるくらいなら行っちゃいなさいって言おうと思ったけど、ならいいわ」
それだけ言い残すと、母さんはすぐ部屋を出ていく。俺がまさか乃愛本人じゃないとは疑うわけもなく、いつも通りの様子だった。
「……はぁ。なんなんだよ、これ」
母さんの足音もなくなってから、俺は立ち上がって姿見の前に立つ。
低めのツインテールやピンクでフリフリのワンピースがよく似合ってしまう、可憐な童顔と起伏の少ない身体。黒いストッキングもセクシーさだとか大人っぽさの向上にはあまり寄与しておらず、ただ可愛いだけ。
「声もだもんなぁ……ちょっと違うけど」
声も乃愛によく似ている。骨の伝導やらなんやらで当人に聞こえる声は違うというし、それに喋り方のクセもちょっと異なっていた。ひょっとしたら母さんや父さんとずっと話していたら、お兄ちゃんのクセが移ったと笑うかもしれないがその程度。
「はーぁ。可愛いけどさ」
普段は照れくさくてここまで見ないが、こうして観察すると乃愛はとてもかわいらしい。喜怒哀楽の表情を作ると、俺の演技力の問題でぎこちないところはありつつも、どれもよく映えている。
乃愛が多少生意気でも、許してしまうくらいには俺も好きな顔だった。
「むー……学校でちやほやされて、気が大きくなってたりすんのかねえ」
身内贔屓や歳下だから、ということもないはず。学校でもそこそこに持て囃され、それで妙な自信がついたことで俺がナメられているのならば……なんか、しょうがないか。反抗期で嫌われることと天秤にかけたら、こっちのほうが全然マシだった。
「てか、母さんにお出かけナシって言っちゃったな」
ポーズを取って舞い上がったスカートに気付く。さっき母さんが来たとき、買い物の予定が無くなったと言ってしまったからおしゃれ着でいるのは不自然か。
いや、せっかくだし今日はこのまま、という気分だと主張することにしよう。どういう理屈かこの服は本物の乃愛も着ていたから、増殖したことになる。一方がしわくちゃになっても、別に問題なさそうだ。
自分の部屋からスマホを取ってきて、乃愛のベッドに横たわる。今出かけていったということは戻るのは夕方手前頃だろうか。俺は今日暇なので、乃愛の身体だろうが関係のない、スマホで時間を潰すことにした。
と、動画を視聴していたのも束の間。下半身がむずむずとしてきて、お腹が張ってくる感覚が波となって襲ってくる。
「そういやそうだよな……」
これが何か、一瞬だけ女性特有の症状かと思いヒヤッとしたがなんてことはない、尿意だ。
「……」
一応、俺のスマホから乃愛のスマホへメッセージを送っておく。トイレ行きたくなったけどしていいのか、と。
リビングではベタベタとしてきて、未だに添い寝することもある乃愛だが風呂やトイレまでは一緒に入らない。最後に見た乃愛の裸は、おそらく3年ほど前に家族で旅行に行き家族風呂に入った時だ。
ただまあこれで慌てたり恥ずかしがるようなら、始めからこんなことはしていないということ。何を気にしてるの、という返事だった。
おぼろげながら作法はわかる。それに妹の身体だから、現時点でもエロい気分などなっていない。当人もへっちゃらなようなので、成長を確かめてやる心持ちだった。
俺は部屋を出て、トイレへ。ワンピースをたくし上げ、ストッキングと空色のショーツを下ろした。
久しぶりに見た乃愛の股間は、相変わらずお子様じみた割れ目のみ。ただ俺の記憶と違うところはいくつかある。
股間の手前側には数本、本当に数本の縮れ毛が生えてきていた。それに割れ目の始点はぷくっとした突起があって、クリトリスというやつとそれを包む皮がしっかり形成されていた。
「へー……なんか……思ってたより、ずっと女なんだな」
俺は家族といえど股間を直視したことはなかった。男とは全く違う器官であることが実感させられるし、陰毛まで生えてきた乃愛のそこを観察してしまったのが気まずくなってくる。
自分がその乃愛の姿になったことも、妙にドキドキとしてきた。家族なのにと思う裏腹、だからこそかも。普段ちょっぴり生意気だけど可愛い乃愛の姿に、俺がなっている。他の幼い女の子ならば、全く気にしなかっただろう。
「……やめやめ」
何をやっているんだ、俺は。コピーとはいえ、血の繋がった妹の身体で。
俺は便器に座り直して、拳ひとつ分膝を開く。緊張を弛めると、すぐにちょろちょろと小便が出てきた。
「はー……」
老廃物を吐き出す行為が気持ちいいのは、積極的な排泄を促すためそう進化したのだろう。そう信じられるくらい、男女に関わらない普遍的な開放感があった。
竿がないのも、ぷにっとしている割れ目から岩清水のように出てくるのもちょっと落ち着かないが、すぐにおしっこは終わった。
くすぐったさとイチモツの不在を強く実感しながらトイレットペーパーで拭い、水を流す。
「改めて穿くと気になるな……」
さっきまでは平然としていたのに、もう一度自分で穿くという行程を経ると、股間にぴたっと張り付く女の子の下着やストッキングに違和感を覚える。連鎖的に、胸をぐるっと一周して巻いているジュニアブラも。うん、確かまだ乃愛はそんなだったはず。
乃愛の部屋に戻り、またベッドに飛び込もうとしたが、意識し出すと止まらない。
結ったツインテールで頭皮が突っ張る感覚やら、男なら経験せず終わるだろう女性物の下着の感触。乳首も尖っている気がしてくるし、お腹を押すとお腹の中で卵巣やら子宮が象られる。
「……」
やばい、身体が熱くなってきた。胸がきゅんとして、股間も切なくなってきてしまった。
――オナニーが、したい。身体が発情していると、訴えかけてきていた。
乃愛自身はしたことがあるのだろうか。性教育にも含まれているし、中一なら経験しているクラスメイトがいて不自然でない。耳にしたこと、知識としては持っているか。
そのうえで自慰に至ったことがあるかというと、俺はその痕跡やそれらしき場面に遭遇したことはないので不明。隠れてしていたとしても、それもまああり得る妥当なラインだ。
でも俺がオナニーを覚えたのは……中学二年生くらいだったか。当時はあまり性欲がなく必要に迫られたことがなかったけれど、中二で文化祭の準備中に屈んだ女子の襟から乳首が見えて初めてした記憶がある。
「だめだ」
思考を反らし、身体の火照りから目をそむけようとしても効果はなし。ついには、股間から何かが滲み出てきて下着に到達したのがわかった。
――どうせこの身体はコピーで、なにも乃愛自身を汚すわけじゃない。それにきっかけは乃愛の方、俺だって多少の恩恵を受けても平等。
この行為は純粋な知的好奇心により異性の身体を探索するもので、実の妹である乃愛を性欲のはけ口にするものではない。
「……よ、よし」
あれこれと言い訳を並べてみると、ずいぶんとそれらしい。罪悪感が薄れ、あっという間に情欲が覆い隠していった。
都合よく、父さんと母さんは出かけ帰りは夕方になるとのこと。俺は笑顔で送り出し、乃愛の部屋に取って返した。
スマホが鳴っている。おそらく乃愛だが、邪魔されたくないので電源を落としてしまった。
それからすぐさま――俺は、乃愛の服に手をかけた。
インナーのタンクトップごと黒い長袖ワンピースを脱ぎ、ストッキングも脱ぐ。乃愛が着けていた下着は空色のもので、よく見ると犬のマスコットキャラが全面に薄くプリントされていた。お子様過ぎない、しかし決して大人ではないデザインと構造だった。
それも容赦なく脱ぎ去ると、乃愛の……あくまで乃愛のコピーである俺の裸が露わになった。
「うお……」
服で見ていたより、なんかこう……エロい。胸はおっぱいというほどの脂肪は集まっておらず、ほんのり尖っているだけ。しかしながら乳首だけは立派な大人のそれとなっている。
股間はさっきトイレで眺めた通りかと思っていたら、鏡で真下を確かめると微かに割れ目が開いている。手前だけかと思っていた陰毛も、ごく短く薄いものが大陰唇に沿って一列生えていた。皮被ったクリトリスも、マンコ全体の比率で見ると大きい。
総じて、大人になり始めた子どもということなのだろう。もっと成熟した女性が出てくる動画や、一般に性欲の対象とならないような卵型の身体とも違う。
性に芽生え羞恥心が育ち、家族でも同性でなければ見ることがないだろう成長途上の少女の身体。それが乃愛で、今の俺だった。
「……や、やば」
俺が何に興奮しているのかも、もう分からない。成長した乃愛の身体そのものなのか、そんな乃愛の身体になっている自分なのか。勝手に身体を確かめている嗜虐心なのか、あるいはそんな身体にされてしまった被虐心なのか。
とにかく身体が燃えていて、あまりに切ない。もう、我慢なんかできなかった。
鏡の前に立ち、ぐっと近づいてみる。抜けつつある童顔は、小学生からはお姉さんに見えて大人たちからはまだまだ子どもに見える絶妙なバランス。
そんな乃愛の顔はのぼせていて、頬が赤く染まっている。中々に愛らしく、同時にいやらしい。中一男子の前でこんな顔をしていたなら、すぐエロに結び付けられても全く文句は言えないだろう。
「……痛っ」
続いて、乳首に触れてみる。しかしこれが痛いばかり、気持ちよさはほとんどない。ただこれは開発がされていないのではなく、敏感すぎると言えるらしい。よだれを垂らして塗りたくってみると、少しだけ緩和された。
「……んっ、ふぁ……んっ、つっ」
これが自慰かというと、まだそこまで快楽が優位ではないといった風。乳首はコリコリとしてきて、つまむと奥にジンジンとした鋭い刺激が届き、背筋がびくんと跳ねる。ただ、総量は痛みのほうが多かった。
「うー……足りないよぉ」
やがて痛みが蓄積していき、触るのも辛くなる。ただ内側で取り残された欲求が疼いて仕方なく、ぷにっともしない胸をなぞるのが精一杯だった。中学一年生の女子、成長途上なら限界もあるんだろう。
「切ないよぉ……おっぱい足りない……全然……」
つい口をついて出た言葉は、乃愛の声で再生される。ここまでとろけた声など、乃愛本人からも聴いたことがないので、イントネーションとかも気にならず、乃愛が甘えてきてくれているように錯覚してしまった。
「ちが……っ、別に俺、乃愛で興奮してるんじゃ……ううぅ」
そのセリフにも、妙な背徳感。乃愛の名を呼ぶことで、声の主が乃愛じゃない誰かになる。それは俺なので、乃愛の双子の姉や同性の恋人になったかのようだった。
「……乃愛の、双子のお姉ちゃん」
まずい。まずい。変な方向に来ている。
おそらく自分が双子の姉であると自ら思い込むことで、乃愛の身体を弄んでいる罪悪感を減らすとともに、こんな美少女になっていることにも悦んでいる。本当は大学生の兄なのに、中学一年生である乃愛の双子の姉に。そんな妄想をすると、異様なほど気分が盛り上がってきてしまった。
「はぁ……はぁ……こ、こっち」
下も熱い。加速した興奮のせいか、おっぱいも刺す痛みが薄れてきたけど、それ以上に股間がやばい。脚をM字に広げ、間にスタンドミラーを置いた。
「うわ、うわ……でっか」
まず目に飛び込んできたのは、肥大化したクリトリス。割れ目から包皮は少し飛び出していたのは元からだったところ、さらに大きく突出していて中身がふるふると震えていた。
元をちゃんと憶えてはいないが、倍以上に勃起している気がする。
「こ、こっちも」
割れ目の方も、わずかに開いているところはねばねばの液体で満たされていた。指で掬ってみるとローションどころではない、粘り気と弾力のある愛液が溢れ出てきていた。
「すっげぇ……」
数十センチは伸びても切れず、ひたすらに糸を引いている。三点に拡げようものなら膜のようになるほど。こねればにちゃにちゃと凄まじい水音を奏でていて、ぷちゅっと空気を封じ破裂した音までした。
「あ、これ」
大陰唇の濡れていない部分を抑え、マンコを指で開く。膣の方は急激に狭くなっているところがある。膣壁とも様子が違っていて、おそらくこれが処女膜なのだろうかと予想した。
「処女、なんだ……それなのに、こんなにねばねばで、クリトリス――ひぁっ!?」
つん、と指がクリトリスに触れた瞬間、細い腰が持ち上がった。電気ショックが流れ、自分の意思に関わらず反応したみたい。それだけ、鮮烈な快楽だった。
それは胸に滞っていたもやもや、膣の奥で待ち構えていたもどかしさも全て吹き飛ばした。ここさえ触っていればいいと、クリトリスが強く主張してきている。
でも同時、俺は恐怖心も湧き出ていた。こんなものを味わった俺は、果たして元の男に戻れるだろうか。妹の乃愛がこんなに淫らな身体だと知って、これまで通りに接することができるだろうか。
「……んぁ、んっ!」
それさえも、快楽がかき消す。飢えた本能が理性を介さず指令を送って、小さな指でクリトリスをこねくり回していた。半端だった皮を剥いて、孔もなにもなくぴょこんと飛び出した器官は、俺を無限に悦ばせてくれる。
「ぁんっ、ぁんっ、ふああっ!」
きっと乃愛が変わっているんだろう。中学一年生の女の子がみんな、こんな頭がパーになるような快感を手にしていたなら、貞操観念なんてものはそもそも存在しない。世の女性はみな隙あらばオナニーに没頭しているはずだからだ。
後から後から出てくる愛液も粘っこく、潤滑油になっている。クリトリスを指を離そうとしても、愛液が捉え引っ張ってしまう。アダルトグッズでも見たことのない、生き物の粘液そのものだった。
「やっ、ばぁっ、ぐ、ぎぃ……っ!」
全てが完結していく。胸や膣はもちろん、お尻もお腹も、脳髄にまで麻薬的な快楽を行き渡らせて、不安も何もかもぼやかしていく。ただ快感だけを求めるよう全身が一つになり、俺を駆り立てる。
そして――
「――ぁあっ、ぁああああんっ!」
クリトリスをぴんと弾いてしまったとき、俺は絶頂した。
眼の前に星がチカチカと瞬く。世界は色も光も失って、快楽以外はぐちゃぐちゃ。身を任せ、全ての手綱を手放した。
「……うぅ……」
――すごかった。どうやら失神していたらしく、気がついた時身体はすっかり鎮火していた。愛液はひんやりとしているし、クリトリスも小さくなって自ら鞘に収まっていた。
「はぁ……」
それを見て、どんよりとした気分がやってくる。最中は正気を失っていたが、俺は妹である乃愛の身体の全てを知ってしまった。弱点も、巨大すぎる快楽も。
俺がこれまで通り、乃愛の兄としていることなど――
「――ちょっと、お兄ちゃんさぁ」
心臓が止まりかける。部屋の扉が開いたかと思えば、そこに居たのは乃愛その人。脱ぎ散らかした服も、まだ触っている股間も、言い逃れなどしようのない有り様だった。
乃愛は呆れてはいるようだが、あまり嫌悪感は浮かんでいない。
「スマホ見てよ。その……ちゃんと言ってなかったあたしも悪いけど……あのアプリの効果で二人の感覚、リンクしてたんだからさ」
「え」
ゆっくりと近づいてくる乃愛。すぐそばに座って、俺の股間を触ってきた。
「んぁっ!」
「んぁっ……あの、さ。別にお兄ちゃんが何しようがよかったんだよね。どうせコピーで……あたしの身体を再現しているだけだし、エッチな事してもまあ……お兄ちゃんなら、いっ、嫌じゃないし」
「で、でも……んっ」
「あとそもそも、あたしそんな気持ちよくなったりしないから、飽きてすぐ辞めるだろうなって油断してた。やるのかどうかだけ興味あったからそのままにしてたんだよね」
「ぁ、んぅ……っ!」
なおも俺の股間を愛撫しながら、述懐した乃愛。
「じゃ、じゃぁ……乃愛は買い物中」
「そーだよ! あんな気持ちいいの……あたしも知らないよ。お腹痛いって嘘ついてトイレに駆け込んで、でも結局先に一人で帰ってきてさ……」
「そんな、先に言ってくれれば……ひぁんっ!」
「だから、あたしがこんなエッチな身体だなんて知らなかったの! たぶんお兄ちゃんがあたしの身体に興奮しまくったせいで、こんな気持ちよくなったんだと思うけど……」
つまり――乃愛は感覚がつながる効果を把握しており俺がオナニーに及ぶ可能性も考慮していながら、まだ未熟で感じないからと高をくくっていた結果、俺がエロすぎたせいで出先で悶えて帰ってきた、と。
最悪じゃないか、俺。
「……そ、その、ごめん」
「謝ってくれるんならさ――」
乃愛はがばっとベッドに飛び込んできて、俺に覆いかぶさった。その目は潤んでいて、瞳にはハートが描かれているかのよう。まさしくさっき鏡で見た、発情しきった時の俺の顔と同じだった。
「してよ……お兄ちゃん。ほんっと妹にこんなこと教えるなんて、信じらんない。もう頭、馬鹿になっちゃうよお兄ちゃんのせいで……あ、今はお姉ちゃんか」
「俺がおねえちゃん――」
冷え切っていた身体が、急激に燃え盛っていく。
堕ちていった中で描いていた妄想が、現実に転写されていた。乃愛からお姉ちゃんと呼ばれ、身体を求められる。今まで感じていなかったメスの匂いが到来して、重なった肌からも他人ではない体温が伝わってきていた。
「……念の為言っとくけど、元からお兄ちゃんとそういうことしたかったわけじゃないし……女の子が好きだったんでもない。お姉ちゃんがあたしの気持ちいい所、教えてくれちゃったからだよ……」
乃愛は俺が着ていたのと全く同じ服を脱いでいき、全く同じ服が2セット散らかされる。裸になった乃愛は鏡そのもの、比べてみても俺と寸分の違いもなかった。
――一度修復された理性が、再び破壊される。色々な葛藤や後悔も引っ込んでいてって、この身体をくれた愛する妹に応えることが到達点になっていった。
返事のかわり、俺は乃愛を抱き寄せて口づけをした。ちゅ、とくっついてからは無法となって、舌を探りあう。
「んぁ、っふ……ちょ、乃愛っ、んぁっ」
「おにい、ちゃん……っふっ!」
そしてまだ感覚のリンクは切っていないようで、お互いの快楽が交差して、爆発的に高め合っていった。
これもまずい。感情は影響下にないようだけど、想いで増幅されたものはしっかり繋がっている模様。乃愛とのキスを受け入れていくほどに、口の中がショートしていった。
「ぷ……ふぁ……乃愛、そのアプリの感覚共有、切ろう。強すぎる」
「で、でも」
「俺が気持ちよくしてあげるから……さ」
「ぁっ」
俺は勃起している乃愛のクリトリスと俺のクリトリスに、両手でそれぞれ直接触れる。倍々ゲームどころではない快楽が俺にも襲ってきて、腰が抜けそうになった。
「わ、わかった」
一人分でも失神していたのだから、二人分は冗談抜きで死んでしまうかも。乃愛も危ないと理解してくれたようで、すぐスマホを操作してくれた。
すん、と身体を巡っていた熱が少しだけ治まる。それは、不満だった。
「……寂しいね、一人ぶんだと」
「だな。もっとしよう」
「うん……ぅうっ」
俺と乃愛は抱き合って、キスを続ける。さらには、ささやかな胸と乳首もこすりつけ合う。
「んぁ……っふぁ、ねえお兄ちゃん、あたしのおっぱいまだ小さいよね」
「でも中一だったらこんなもんじゃないか……ぁ、ふぅ」
「ちょっと気持ちいいけど、あんまりだなぁ……中学の友達にね、おっぱいだけでイけるって言う子がいてそれであたしもいじってみたんだけど、この通りで。それからオナニーなんて、してこなかった」
「そっか……っんっ、痛っ」
「っぷ……だめか」
触り合ってみても、やっぱり痛みは消えてくれない。乃愛は試しにと乳首をついばんでくれたけど、心地よいぞわぞわが胸に降り積もっていく一方で発散しきってくれないんだ。
「……じゃ、じゃあさ」
乃愛は恥ずかしそうに、股を開く。勃起して皮が剥けたクリトリスも、割れ目から滲み出る愛液も、俺と同じ。オリジナルは向こうなのだが。
「いいよ。あ……シックスナイン、って乃愛はわかる?」
「なにそれ?」
「こう」
「ひぁ……っ!」
俺はシックスナインを知らないと言った乃愛へ、その通りの体勢へ持ち込む。横倒しになって、お互いの股間が眼前に現れた。
「……あたしのって、こうなってたんだ」
「あ……っ、今の俺も、他人からだとこう、なんだ……んっ」
至近距離で見る乃愛の、俺の股間はごく薄い陰毛と閉じ気味の割れ目など、やはりまだまだ幼く思える。鏡で見ていたのとも、また印象が異なっていた。
それは乃愛も同じようで、ぷにぷにとマン肉をつつきながら観察している。触られる感覚や、愛液を絡め取られるところまでつぶさに感じ取れていた。
「……じゃ、じゃあ乃愛いくぞ」
「う、うん……」
お膳立ては十分、あとは野暮になる。俺は指を伸ばしていって――さっき自分自身を慰めた時とは鏡写しになるように、乃愛のクリトリスをつまんだ。
盛大に乃愛の身体が震え、ぷくっと勃起したクリトリスが上下した。手応えあり。やはり俺の身体が、性感帯まで乃愛のコピーだと確信する。
「んんっ! あ、こんなの……自分じゃ、しら、にゃいっ!」
くに、くにと指先で潰してみたり、ぴんと弾いてみたり。俺達のクリトリスが圧迫や摩擦より、衝撃により弱いらしいことも学習していた。
すっかり乃愛は何もできなくなっている。シックスナインでありながら、股間から聞こえるのは喘ぎ声だけ。まあ俺は十分楽しませてもらったし、乃愛が気持ちよくなってくれればそれで――
「っっっ!?」
――前触れなく、クリトリスに速度のついた指が当たった。デコピンのようで、たちまち俺の身体は快楽に持っていかれ、動きが鈍ってしまった。
「わかった……こう、弾くんだね……お姉ちゃん、お姉ちゃんもだよっ」
「ぁっ、んぁああっ!」
俺は絶叫する。これもオナニーの何倍にも、気持ちがいい。軽くイきかけてしまったほど。
乃愛も感じてくれているのなら、どうも俺の興奮が作用して身体のポテンシャル以上に敏感になっていなかったわけではなさそう。きっと、乃愛も本当の性欲、心からの欲情に至ったことがなかったのだろう。
それが俺のオナニーを通じて分け合った快楽により目覚めた今、一人のオナニーではなく他人の手で愛撫されたら。俺も乃愛も、急速に悦びが指数関数敵に増加していった。
一心不乱で、お互いのクリトリスをいじる、まだ幼い双子の姉妹。もしこの場を観測している人間がいるならば、その牧歌的とすら言える姉妹の営みに、どう思うだろうか。
「ぁっ、のあっ、あぁっ、のあっ、のぁああっ!」
「おねえっ、はぁっ、お姉ちゃっ、ぁあっ!」
さらにヒートアップを続けて、俺も乃愛もその境界なく絶頂を繰り返していた。クリトリスを弾き、愛液を塗りたくって、時には甘噛みする。口も、まったく問題なかった。
「のあっ、一緒に、ぃいぃっ、いこ――うああっ!」
「うんっ、お姉ちゃん、お姉ちゃ――ぁああん、ぁああっ!」
そして――ひときわ大きな波に飲まれていく。
俺が陶酔していたのは、オナニーよりも遥かに強い快楽だけじゃない。全く同じ快楽を味わっている人がいること、その快楽を与えてあげられた人が居ること、与えてくれた人がいることが、俺と乃愛を高めてくれたのだった。
「……うー。女の子同士、しかも中身お兄ちゃんなのにしちゃったなぁ」
しばらくして余韻が引き、冷静さを取り戻すと乃愛は抑揚なく言う。感情は乗っていないようで、客観的な事実を述べただけだけだった。
「ごめん」
「いいけどさ……あ、そろそろお母さんたち帰ってきちゃうか」
ベッドから壁掛け時計を眺めていた乃愛は、のっそりと起き上がる。言う通り、ずっとレズセックスをしていたのでもう夕方が近づいていた。
「お姉ちゃん……じゃないや、お兄ちゃんを戻さなきゃね」
乃愛はスマホを取って、例のアプリを操作していく。いつかはその操作を見下ろしていたはずなのに、今は同じ目線だった。
元の身体に戻るのか。そう考えると、とてつもない喪失感が這ってきて足元にすがりついてきた。まだじゃないか、と。
「あのさ、乃愛。頼みがあるんだけど」
「……ふふ、あたしはいいよ?」
「何も言ってないだろ」
今朝の意趣返しをしてくる乃愛。こういうところは、やっぱり生意気だ。
◆◆◆◆
「ほら行くよ、早く」
家の玄関、中学校のジャンパースカート制服を着た乃愛は言う。ぱたぱたと指定のローファーを鳴らして、さらに急かしてきた。
「う、うん……ちょ、ちょっと待って。ストッキングが……」
「あーもう、丸めてから穿くの。お姉ちゃん、そんなことも知らないの? ほら、立って」
俺は言われたままに立ち上がると、乃愛の手が穿きかけのストッキングをばっと下ろす。くるくると手繰り寄せてから、俺の脚を差し入れていった。最後、股間周りも引っ張って生地を整えてくれる。
「よしっ、じゃ、いってきまーす!」
「あ、いってきます」
俺も乃愛と同じローファーを履いて、家を飛び出る乃愛についていった。
「……やっぱり慣れないな、スカートもストッキングも」
「まだ言ってんの。もうけっこう経ったよ? それに自分で言い出したことでしょ、風愛《ふあ》お姉ちゃん?」
俺が乃愛の身体をコピーされてから一ヶ月。あの日、俺は元の身体に戻らないことを選んだ。
まず第一に俺が女性の快感の虜になったことが最大の理由。他にも、性を知ってから男女の兄妹に戻ったら取り返しがつかなさそうなことも重要なファクターではある。
あのアプリは、世界を書き換えることもできる力を持っていた。俺は乃愛の身体をコピーしてもらったうえで、双子の姉として産まれてきたよう世界を調整してもらった。
結果として、俺は風愛という乃愛の双子の姉、中学一年生で同じクラスに通う女の子としてやり直すことにしたのだった。アプリは触っていないうちに消えてしまったけど、使う予定もなかったのでどうでもよかった。
中学校に到着すると、乃愛の交友関係を一部引き継いだ友人らとの挨拶もそこそこに、自分の席に着いた。男子たちが、ちらちらと俺や乃愛の方を見てきて、彼らも挨拶のチャンスを窺っているようだった。
乃愛は学校で人気がある、という俺の見立ては正解だった。
元大学生の俺には中学校の内容など、ということで俺の成績は常にトップ。比べられるのも可哀想だし乃愛もその気になったので、しっかり勉強教えてやり乃愛もいつの間にかワンツーで並ぶような状態。
俺達姉妹はクールで面倒見のいい姉……俺と、元気な妹として男子の人気を二分する存在となっていた。
しかし、俺達が男になびくことなどありえない。
「んっ、ふぁ……こ、こら乃愛……っ、学校だ……んぁあっ!」
「やーだ。お姉ちゃん可愛い――ひぁあっ!?」
「やったな……こん、んぁあ……!」
俺達は俺達でいい。今日も昼休み、人の少ないトイレで睦み合っていた。
――偶然から始まった、この爛れた関係。お互い望んでいたかといえばそうではなく、きっと何も起きなかった並行世界の俺達が現状を見たら仰天するに違いない。
だとしても、俺達は十分幸せなのだった。