XaiJu
ごみんと
ごみんと

fanbox


【支援者限定】彼女の姿をコピーして彼女の服や下着を着たりえっちする話

 支援者限定です。

 完全同意、平和な他者変身であとメイクとかも描写したいなあとか思ってたらこうなりました。

 なおメイクについてはかなりひとによるというところもありますし、一応は知り合い女性の話を元にしていますので、細かいところはスルーしてあげてください。


==============================================================


「いきなりでごめん、女の子になって欲しいの!」

 恋人にして幼馴染である鈴《すず》に呼び出され告げられたのは、そんな台詞だった。

 とある春先のことで、冬は抜け気温は上がってきたもののまだまだ肌寒い。もてなされたミルクココアは甘く温かく、芯から身体がぽかぽかとさせる。突拍子もない話を切り出された俺に、心の余裕をくれた……かもしれない。

「……女装してくれってこと?」

「ちょっと信じられないかもしれないんだけど、聞いてくれる?」

「まあ」

 鈴とはお隣さんで、物心ついた時から高校生の今に至るまで付き合いがある。そんな相手のお願いを門前払いするほど、俺は冷たくはなかった。

「これ。これを右手の小指にはめて欲しいの」

 そう言って、鈴は指輪らしきものを差し出してくる。青いメッキがされているだけのシンプルなデザインながら、どこか奇妙な雰囲気。ちょっぴり不気味だった。

 少し不安に思いながらも、俺はその指輪を受け取りためらいなく右手の小指に通していく。しかしサイズは合わない。

「でもこれ、サイズ……っ!?」

 そう思っていたのもつかの間、ゴムか何かのようにきゅっと指輪は縮んでいく。痛くない程度に締め付けられ、隙間なくフィットした。

 鈴はこうなることを知っていたかのように、うんうんと頷いている。

「やっぱりそうだよね」

「鈴、なにこれ?」

 俺は訝しみながら尋ねると、鈴は似たような指輪をもう一つつまんでいた。ただ、色が紅いという違いがあった。

「うんとね、これ、不思議な指輪なんだって。これで私もはめると――」

 鈴も興奮気味に指輪を左手の小指にはめる。やはり俺のものと同じく、根本で形を変えぴったりのサイズになった。

 が、何も起きない。変形する指輪といい鈴の様子といい、何か不思議な事が起きるのではないかと俺も期待していたのだが、そんなことはなかった。

 しかし次の瞬間――まばたきのように、刹那の間だけ意識が閉じる。全身に違和感が殺到して、がくんと視点が下がった。

「うわぁっ!」

「ああ……っ、ほんとだ!」

「ええ、本当って何が……けほっ、けほっ」

 全てがおかしい。声は変で、急に服が大きくなったような。戸惑う俺に鈴が差し出してきた手鏡を見て、目を疑う。

 CD程度のサイズの手鏡、そこに映っていたのは――俺ではなく、鈴だった。

「……え、は?」

 パーカーやチノパンはだぼだぼになり、長い前髪も下りてきて目にかかる。

 鈴ははめた指輪をかざして、嬉しそうに言う。

「うんとね……この指輪はペアではめると、青い方をつけた人の姿が、紅い方をつけた人と同じになるんだって。駅前の路上でやってた雑貨屋で買って私も最初信じていなかったんだけど、はめた指輪が縮んだの見てこれ本物だって思って……!」

「はあ」

 なんとも眉唾なオカルトアイテムだが、現実を突きつけられては否定できない。サイズが変わった時点でおかしかったこともあって、俺は呆然としながらも状況を受け入れていた。白く細くなった指には、しっかりと指輪ははめられたままだ。

「あ、指輪を外せば元に戻るみたい。やってみて」

「お、おう……」

 俺は指輪をつまむ。指の根元から外れ、第二関節までずらしたあたりで――また一瞬気を失ってから、俺は元の俺に戻っていた。

「えーと……何をしたいんだ、これで?」

 この指輪の力はもう疑うべくもない。いちゃもんをつけたところで無駄だ。ふわふわとした性格の鈴のことだ、出どころも嘘は言わないだろう。

 となると気になるのは、鈴がこれで何をしたいかだ。

「最初に言ったように、鉄斗《てつと》くんには女の子になって、デートして欲しいんだ。私が女の子好き、とかじゃなく、女の子に……私になった鉄斗くんを、見てみたいの。周りからみたら、双子だろうけど」

「はぁ」

「だめ……かな?」

 それらの言葉から、何か深い事情があるわけでもなく、人智を越えた不思議なアイテムを試してみたいというだけなのは窺える。鈴はそのあたりを誤魔化したりできない、素直で優しいやつだ。

 鈴は潤んだ瞳で、俺を見つめてくる。その顔は小動物を彷彿とさせる庇護欲をかきたて、がっかりさせたくはないと思ってしまう。いや、元より鈴は大切な幼馴染にして恋人。

 俺自身、鈴の姿になるのは興味があった。きっと鈴が普段、どんな気持ちでいるのかを知るチャンスでもある。街を歩くというのは少し恥ずかしいものの、問題なく元に戻れることもはっきりしていた。

 断る理由は、ひとつもなかった。

「いいよ、鈴。俺もちょっとやってみたい」

「ほんと!? 私、断られるってばっかり思ってたから……っ!」

 鈴の顔はぱあっと明るくなって、俺に勢いよく抱きついてくる。その拍子に俺の指輪は小指の根本に落ちて――また、鈴の姿になった。

 真っ白くもちもちとしたほっぺ同士が触れ合い、乳房が重なる。驚いてぴょいんと飛び退いた鈴の顔は、真っ赤だった。

「あはは……私が眼の前にいるの、思ってたより照れる、かも」

「やめるか? またもう一回心の準備をしてから」

「う、ううん! 絶対今日やる!」

 鈴は声を張り上げる。声も同じなはずだが、案外に発声法なんかが違うのか、骨伝導のうんたらもあるのか、俺と鈴の声は聞き分けられた。

「じゃ、じゃあ今日早速お出かけしよっ! お洋服は私のを着てね!」



◆◆◆◆



「じゃあまず、服か?」

「んー……先にお化粧かな……あ、やっぱりお洋服! お化粧はあとにしよう」

「そうか……化粧もするのか」

「だいじょうぶ。全部私がやってあげる」

 女物の服を着るくらいだと思っていたところ、俺も鈴のように化粧をするのだと気付かされる。もう早速、俺は俺が自負していた以上に女の子に無頓着であると思い知らされた。

 鈴はクロゼットやチェストを開き、楽しげに洋服を選び始める。

「私ね、鉄斗くんは私になってもすっごくかっこよくて、私が普段しないパンツスタイルも似合いそうだなって思ってるの。これとか、どうかな」

 そう言って鈴が拡げたのは、タイトなジーンズと黒いプリントTシャツ。確かにいつも鈴はスカートを穿いていて、パンツは学校のジャージやパジャマくらいでしか見たことがなかった。今鈴が持っているものも、初めて見たほどだ。

「スカートがいいかな。せっかくだし、鈴とか女の子の気持ちも味わってみたいんだよな。階段とか風気にしてるの、大変そうだから」

「そっか……優しいね、鉄斗くん。わかった、じゃあね……これにしよっか」

 次は淡いピンク色のジャンパースカートと白いブラウス。袖や裾は優美に広がるフリルで飾られていて、いわゆるロリィタや姫などと言われるデザインスレスレだった。全体的に細身な造りで、スカートも短い。

 これはこれで、鈴が着ているところは見たことがないものだった。鈴は顔を服で隠しながら、俺の顔をうかがっている。

「まるっきり逆だけど……どう? えっとね、男の子だとこういうお洋服着ないから、経験になるかなー……って」

「そう……だよな。これを借りていい?」

「わかった。これね、友達と一緒に買ったんだけど、私もちょっと恥ずかしくて着たことなかったんだ……えへへ」

 鈴は笑いながら、ジャンスカを壁にかけた。もう一着、クリーム色のブラウスと空色のフリルスカート。こちらは何回か鈴が着ていたことのある、ふんわりとした洋服だった。

「それなら私も、ちょっと甘いやつにしよっ……あとは……そっか、下着も……貸してあげなきゃだね」

「だな。そこも含めて、女の子だし」

「あー……なんか、照れちゃうな。鉄斗くんが、私のお洋服に下着……」

 まさか鈴の姿なのに、ノーブラノーパンでうろつくわけにはいかない。鈴は照れまくっていて、みるみる顔が赤くなっていく。

「鈴が言い出したことだぞ」

「わかってるって。えー……その……鉄斗くん、下着も、自分で選びたい……?」

 段々と鈴は声が小さくなっていく。一応お互い初体験はしたものの、つい最近でありまだそういう機会は一度だけ。まだまだ純情な鈴は、恋人相手でも下着を見せるのは羞恥心が勝るのだろう。

「鈴に任せるかな……自分で選びたいっていうのもなんかアウトな気がするし」

「あ、私は嫌とかじゃないんだよ? でも……ごめんなさい、恥ずかしいから」

「無理強いはしないよ」

「ありがとう……じゃ、じゃあこれ、かな」

 鈴が選んでくれたのは、これまた桜色でフリルのたっぷりとついたやつ。そもそもとして鈴のバストが控えめなこともあって、ジャンスカ以上に子供っぽさが際立っている。

「お洋服に、合わせてね……あの、これもそんなに着けてないから……うぅ、新品用意しておけばよかったなぁ」

「ははは……」

「じゃ、じゃあお着替えしちゃお!」

 ぱん、と手を叩いた鈴。まだ午前中とはいえ、あんまりのんびりもしていられないというのはそうだ。

 俺は俺の服を脱いでいく。あっという間に裸となった俺の身体は、華奢でほっそりとしている鈴のものになっていた。ささやかながら膨らんだ胸に、ぺたっとした少しの陰毛が生えている股間。チンポなんてものは影も形もない。

「ほんとに鈴の身体で、女の子なんだなぁ……」

「……あんまり、見ないでほしいな」

「あ、ごめん」

 俺ははっとして、鈴から下着を受け取る。

 下はまあ分かりやすい。穴に脚を通してあげていき、股間に合わせる……うわ、想像したよりぴったりと貼り付いて、変な感じだ。男なら、スパッツなんかを穿いてもこうはならない。チンポがあるからだ。

 続いてはブラジャー。仕組みや構造くらいは知っているが、正しい装着方法は知らない。

「あ、ブラジャーはね、私はこう着けてる」

 ブラを持って硬直していると、鈴が手をとってくれる。肩紐に腕を入れて、乳房をカップの部分にまず収めてしまう。それから背中に腕を回して、後ろのホックをかけさせてくれた。

 その後、ブラの中でおっぱいや着け具合を整える。

「こう。前でホックかける子もいるけど、私はこうやってるんだ」

「へー……大変だし、締め付けられるの違和感あるな。でも女の子はみんなこうなのか」

「慣れちゃうからね。けど、ちゃんと身体に合うブラじゃないと苦しいから、変に見栄を張ってアンダーバストが小さいサイズにしてるとか、カップを大きくしていると気持ち悪いっていうけどね」

 鈴は話しながら、ぴっとなにかビニールの封を切っている。台紙から外されたのは、白いタイツだった。

「これも、男の子は穿かないよね。鉄斗くんも穿いてみたいでしょ……って言ったら、ちょっと変態さんみたい」

「否定出来ないけどな」

 女の子のファッションを味わう、という点で鈴はタイツを用意してくれたようだ。よく見るとダイヤ状の縫い目があって、これまた可愛らしい。

「丸めてから穿けばいいんだっけ」

「そうそう」

 鈴が着用しているシーンを憶えていた俺は、親指を入れてたぐってから、つま先を差し込んでいく。くるくると伸ばしながら穿いていくと、なんともいえないつんとした気持ちになった。

 俺はガニ股になって股間の具合も調節する。少々はしたない格好ながら、こうせざるを得なかった。鈴もすこし変な目をしている。

「じゃ、じゃあお洋服。ブラウスは、自分でも大丈夫かな」

「たぶん」

 フリフリのブラウスを渡された俺は、ボタンを外して袖を通す。やることは同じでありながら、ボタンが右側でなく左側についていたこと、自分自身についた胸に触れたのは女の子ならではだろう。

 丸い襟を整え、リボンタイもつける。

「次ね。ここから脚、入れて」

 随分腰が細いと思っていたジャンスカは、後ろのリボンと編み上げの裏がファスナーになっていた。そこを開くと、全く問題なくウエストまで持ち上がる。ファスナーを閉めて、前側のサスペンダーのように左右を通りホルターネックになり、後ろ側でスナップボタンを留めてからリボンが着けられた。

 最後、ジャンスカ以外にも全体的に調整をすると、鈴はぽんと背中を叩いた。

「はい、お洋服はいったんおしまい。メイクはそんなに濃くしないから、さっとやっちゃおう」

「う、うん」

 自分の姿を確かめる隙なく、俺はドレッサーの前に座らされた。

 さて、ここからは本格的に知らない。メイクなどしたことはなく、母さんや鈴がしているところを熱心に見たことはなかった。イメージだと、なにかスポンジのようなものでぱふぱふと粉を着けたり眉毛を描くくらいのものでしかない。

「んー……どうしよっかな。でもお洋服が可愛い系だし、はっきりしたのがいいよね」

「任せるよ。俺は全然わかんないし、大変だってイメージがあるな」

「お化粧ってね、学校で習わないとかお仕事だとマナーとか言われて大変だっていうのは間違いない……とも思うんだけど、楽しいんだよね。可愛く、綺麗になるのも女の子なら憧れるんだよー」

「そっか」

「というわけで、今日は鉄斗くんを可愛くしちゃいます! 私の顔だけどね」

 ドレッサーの引き出しを開けると、鈴は一つのチューブを取り出した。

「これはね、BBクリームっていうの。一言でいえば……魔法のクリーム、かな? 日焼け止めとか下地とか、これだけで済んじゃう。私は全体をこれだけにして、あとは眉とかマスカラとかだけってのが多いかな」

 いきなり知らない名前が出てきた。俺はもう余計なことを言わず、黙っていることにした。

 前髪をピンでどけられたあと、おでこや頬、顎にクリームを乗せてから指で塗り拡げていく。

「ちょん、ちょん、ちょんって顔に置いていって、そこからなじませて行けばいいよ。ムラがあると目立つし、男の子はあんまりかもしれないけど、女の子同士はチェックしてるんだ」

 距離が近いため必然的に鈴は囁くような声になり、顔も触られる。耳も顔も、くすぐったかった。

 並列で鈴も自分にメイクをしていた。少しだけ待ってから、次の工程に移っていく。

「これはコンシーラー。どうしてもくすんで見える口の端とか、眉の余計なところとかを隠すやつ」

 出てきたのは四角く薄いケースで、中にはベージュ系の色がパレットのように並んでいた。小さな絵筆で色をとって、顔の隅や眉に塗っていく。本当にキャンバスにでもなった気分だった。

「よし……っと。今度はアイシャドウだから、ちょーっと目を閉じててちょうだい。痛くはないよ」

「はーい……楽しそうだな、鈴」

「うん! 自分の顔ってのは少し変な感じがするけど、他の女の子にメイクしてあげる機会ってないからさ。私、こういうの向いてるのかも」

 鈴は軽やかにお喋りしながら、またごそごそと棚から何かを取り出したようだった。

「立体感作りながら……あ、鉄斗くんはお洋服がふりふりだから、ちょーっとだけ派手めにしようかなぁ……アイラインも作るから、動かないでね」

 閉じたまぶたが、軽く押される。円を描くように揉まれるのが何回か繰り返されたあと、フチギリギリに筆が走った。

「瞬きしてみて……あ、いい感じだね。じゃあ鉄斗くんのほうには……あー……でも、鉄斗くんとお揃いメイクもいいなぁ……うん、やっぱりなし!」

 何やら悩む鈴だったけれど、見識のない俺は全く口を挟めない。

「次はまつ毛。ビューラーは慣れないと怖いけど、大丈夫だからねー」

 鈴が取り出したのは、ハサミのような爪切りのような、なんとも言えない形状で鉄がむき出しの器具。確かに、ちょっとエグい形だ。

「これはね、まつ毛をくるんって巻いてあげる。マスカラはいいかな、今日は」

 そんな器具を、鈴は俺の目に近づけてくる。すぐ瞳のまえでかしゃかしゃと動いて、まつ毛が挟まれた。引っ張られ、まぶたがちょっとだけ裏返る感覚。

 それが両目分。ここまでの中で、一番のストレスかもしれない。

「おっけー……ごめんね、鉄斗くんにはマスカラもつけちゃおう。ふりふりに負けちゃいそうだし」

 鈴は声を弾ませながら、太いマジックペンみたいなのを取り出してひねる。蓋の方には土筆のようなブラシになっていた。何の意味があるのか、鈴はティッシュに軽くこすりつけてから目の前に持ってきた。

「ちょっとだけまばたき、我慢しててね。変になっちゃうから」

 また眼球すぐ近くに、黒いブラシがやってくる。まばたきしないと意識している間に、マスカラは終わったらしい。

 ふと時計を見ると、メイクを始めてから三十分ほどが経過している。事実上二人分を並行でこなしていることを考慮に入れても、かなり工程が多いことが実感された。

「よしよし。すっごくお目々、大きくなって可愛い……」

「だとしたら、可愛いのは鈴だよ」

「え? え、えへへ……鉄斗くんたら、すぐそういうこと言う」

 顔は鈴のものなのだから、そういうこともなにも事実だ。メイクをしているのも鈴自身。

「あ、えっと……次は眉毛。私はけっこう残してるから、ちょっとだけなんだけどね……ぴ、ぴっと。こんだけでいいかな」

 鈴が取り出したのは、まさしく鉛筆。薄い茶色の先端で、軽く眉がなぞられる。

「チークも薄めでね。指でひろげて、色だけよくして……うん、いい感じ。よおし、次が最後。リップを塗ります。やったら、リップクリームみたいに馴染ませてね」

 最後になってようやく、俺の知っている形状の化粧品が出てきた。筒からにゅっとせり出した薄めのピンク色が、俺の唇を這っていく。さらに何かまた土筆のようなものを塗られて、唇をぱっぱっと拡げた。

「……終わり?」

「うん。すっごく可愛い……私じゃないみたい。あ、最後! 髪だけ結っちゃう、こんなに可愛いんなら……」

 腰を浮かせたのに、鈴に制止される。手早く左右にちょこんと毛束を出すツーサイドアップに仕上げられ、レースフリルのついたリボンでまとめられた。

「今度こそ出来上がりだよ! やだ……ほんとに可愛い」

 立ち上がった俺は、姿見の前に立って――目を奪われる。

 袖や裾が広がるジャンパースカートとブラウスに、可愛らしいツーサイドアップ。至る所についているリボンやフリル、白いタイツもあってまさしくお人形さん。

 血色よく輝く唇や大きな目、白い肌は丁寧にメイクがされていて、美少女そのもの。中身が俺であることも働いているのか、普段の鈴ともまた違った印象だ。

「……可愛い」

「ね、ね!? 鉄斗くん、すっごく可愛い……やだぁ、私、ナルシストなのかなぁ……ううん、鉄斗くんだからだよね。はぁ……ため息でちゃう」

「……」

 メイクや服のみならず、顔だって全て鈴から借りたもの。これが自分だと認識すると、胸がきゅんきゅんとして止まらなかった。

 まずい。これはハマりそうだ。

「これ、俺なんだ……」

「そうだよ。じゃあじゃあ、お出かけしよ! みんなに見てもらおうよ」

「あ……うん」

 この姿で出歩くのは照れくさい。けど、そのために鈴はここまでしてくれたんだ。

 鈴はずっと俺に見とれている。そんな顔もまた可愛くて見返すと、共鳴するように顔が熱くなっていった。

「行こ。女の子デート、しよっ!」

「そうだな、行こう」

 鈴はクロゼットから小さな古書風のポシェットを出して、俺の肩にかけてくれる。自分もハンドバッグを持つと、一緒に部屋を出た。

 玄関で客人用スリッパを脱いだ俺は、白いダイヤ柄タイツのつま先を見てはっとする。

「なあ鈴……」

「靴はこれっ。ちょっとヒールあるやつのほうが、いいんだよね」

 靴はどうするか訊こうとすると、すかさず茶色いベルト付きのパンプスが差し出された。

「ありがとう……っとと」

 小さな足を入れて、俺は立ち上がる。ヒールもさることながらソールが厚めで、バランスが少し取りにくい。鈴が手をとって、フォローしてくれた。

「あ、でも無理はしないでね。怪我したら大変だし」

「だよな。けどこれなら平気」

「……あ、あとね。これは本当に嫌だったらいいんだけど……」

 俺と手を繋いだまま、うつむいてはにかむ。

「お、お姉ちゃん、って呼んでいいかな……? そ、その! 外で鉄斗くん、って呼んでたら、あの人男の子なのかな? って思われちゃうし!」

 確かに俺はもうどこからどう見ても、鈴の双子姉妹。呼び方は気をつけたほうがいい……となると、口調もだな。万が一知り合いに出くわして、俺に女装趣味があるなんて勘違い――今は女の子だから女装じゃないけど、とにかく鉄斗だと思われたくはなかった。

 俺は鈴に姉が居たらどうなるだろうと想像して、人格を作り上げる。

「わかったわ、鈴ちゃん。今日はお姉ちゃんと一緒にお出かけしようね」

「……っ!」

 ぎこちなくもにっこりと笑いかけると、鈴はいきなり抱きついてきた。潤んだ目で、ちゅ、とキスをする。

「好き、好き……っ、鉄斗くん……好き……っ!」

「あはは……お姉ちゃんでしょ、今は」

 鈴自身がいい出したのに、結局俺の名を繰り返す。あくまで見た目ではなく俺自身の事を好きだと言ってくれて、なんだかバカップルのようで恥ずかしいけど嬉しかった。

 何度もハグをして、見つめ合ってから鈴はようやく落ち着く。その目に浮かんだ涙を、俺は拭ってあげた。

「ごめんね、お姉ちゃん。つい、嬉しくなっちゃって」

「い、いいのよ。わたしも鈴ちゃんが喜んでくれて、すごく幸せだわ」

「……ふぅ。じゃあ、行こっか……私、心臓持つかな……」

 俺は鈴の手をとり、家を出る。



◆◆◆◆



 女の子としての外出は、緊張の連続だった。

 まず最寄り駅でプラットホームに出た時点で、男たちからの注目を浴びる。予想以上に視線を感じて、ずっと鈴の手を離せないでいた。

 階段も辛い。これはスカートと言うより靴の問題だけど、大きく踏み込まないと重心がぶれた。昇る時より下るときのほうが、筋肉を使う。

 トイレもまた男と違う常識だらけ。幸い待つことなく入れたものの、水の音を出す機械があったり、楽だろうと思っていたスカートの取り扱いはむしろ面倒。タイツやショーツにスカートを巻き込みそうになったり、飛び散るのも大変だった。

 けれども、楽しい。俺達はたくさんお喋りをして、ショッピングを堪能して、写真もたくさん撮ったのだった。


 少し早い午後4時、俺達は鈴の家に帰ってきた。ちなみに鈴の両親は今日一日、いないらしい。だからこそ、俺を双子に仕立て上げるなんてことができたのだろうが。

 鈴の部屋に戻り、リラックスしながらお喋りをする。

「鉄斗くん、今日女の子やって楽しかった?」

「うん。大変だけど、楽しいは楽しいんだね」

「よかった、楽しんでくれて……また、してくれる?」

「じゃなきゃこんな買わないって」

 俺は鈴に教わりながら、いくつかのコスメや洋服、女性用の下着さえ買ってしまった。それは、また俺が鈴の姿になってお出かけをする時のため。自宅には置いておけないから鈴に預ける形とはなるものの、もう鈴もノリノリだった。

「あはは、そうだよね。あー……私も、楽しかったな。今度さ、私が鉄斗くんの姿になってみたいんだ。いいかな?」

「もちろん。といっても男はメイクとか服とかもそんなにないけどな」

「でも、私も鉄斗くんになってみたいんだもん」

「そっか……じゃあそろそろ、服脱いで元に戻るか」

「……あ、あのさ。まだ一つお願いがあって」

 俺が立ち上がったところで、鈴はおずおずと手を挙げる。

「……本当にごめんなさい! 私ね、鉄斗くんだからしたいの! それだけは信じてほしいんだけど……その、え、えっち……してみない? 女の子同士のまま……で」

「……え、ええっ!?」

 さすがに驚く。先に強調した通り、同性愛者やナルシスト的なものではないのはこれまでの付き合いから分かるけれど、まさか女の子同士でエッチしたいだなんて。奥手奥手な鈴の口から出てくるとは思えない提案だった。

「あのね……鉄斗くんが私と同じ姿になって、お姉ちゃんとして振る舞ってるのがほんっとうに綺麗で可愛くて……え、えっちしてる時もきれいなんだろうなって思ったら、私、興奮してきた。変態なのは分かってるの、でも……鉄斗くんだったら、受け入れてくれるのかなって」

「いい、よ」

「ほ、ほんと!?」

「うん……女の子って、気持ちいいんだろ? 怖さもあるけど、興味の方があるかな」

 ――本音を言えば、自分のおっぱいを揉んでみたり、アソコをいじってみたい。ただ、鈴の身体をコピーしたものなので、勝手にはできないし直接訊く勇気もなかったのだ。

「……そっか。男の子、だもんね」

「まあ、そういうことになるな……」

「して、いいんだ……したいんだ、鉄斗くんも」

「……うん」

 どちらともなく歩み寄り、背中に腕を回し合って抱きしめる。靴もない今、背丈も全く同じ。膝と胸がぶつかり、まっすぐに目線が交差している。

 そのまま近づいて、俺達は口づけを交わした。出かける前にもキスはしたけれど、一度だけの淡いキス。今度はリップやグロス(今日薬局に行って習った)を塗った唇同士を密着させて、舌も絡めていった。

「……っぷ。そういえば、リップも普段私が使ってるやつだったから……間接キス、だったね」

「今言う? 全然それどころじゃないこと、してるのに」

「えへへ……やだ、私女の子が好きだったのかなぁ……ドキドキが止まらないよ……」

「それ言ったら俺だって、女の子になりたかったのかって話。すごく、お腹が熱くて……濡れてきちゃってるの、わかる」

 同じ声、同じ顔で言い合う。違うのは少しのメイクと服装くらいのもの。『あんまり鉄斗くんがかわいくて忘れちゃってた』なんて言って、お店で香水を買ってその場でつけたから、甘いハニー系統の匂いも同じ。重なっている心臓の鼓動もシンクロしていた。

 鈴の手が、俺の顔に伸びてくる。口元を触ってきたので、俺はぱくんと口に含んだ。

「あんっ……鉄斗くんの唇、えっちだな」

 俺は目を閉じて、無言で鈴の指を舐め回す。ほんのりとしょっぱく、それなのにとっても甘い。

「……ねえ、またチューしよ」

 鈴は指を離して、また唇を差し出してくる。再び、キスをした。

 今度はさっきよりも激しい。音が立つくらい舌をまぜて、お互い口の中を犯す。よだれも同じと考えると、本当に倒錯的でどうにかなりそうだった。

「ねえ鈴、すっごく身体熱いんだ……女の子のところ、すごいことなってる」

「……うん。見せて……鉄斗くんのアソコ、見せて」

 くらくらとしてきた俺は、ベッドの上にぽふんと座る。淡い桜色をしてフリル満点なジャンパースカートをたくし上げて、白いタイツとショーツごとゆっくりと下ろしていく。

 たちまちおまんこが空気に触れて、むわりと熱を排出していった。割れ目のところは急激に冷えていき、濡れているのが明らかだった。

「……ね、ねえ……俺のアソコ、濡れてる……でしょ」

「うん……もう、とろとろ……私じゃ、こんなにならないよ」

 そんな事を言われて、俺は恥ずかしくなる。恋人の鈴であっても、自ら脚を開き股間を見せつけるのは、今日の半日で俺に芽生えた女性らしさを刺激してくる。

 そして恥ずかしいはずなのに、鈴に見られ品評されていることにも興奮してしまっていた。体温は沸騰していて、もうのぼせる直前。

「……んっ」

「うわぁ……鉄斗くん、エッチな女の子の才能もあったんだ……」

 鈴は、俺のおまんこにぴとりと触れる。腰が浮いて、視界にノイズが走った。

 俺の眼前まで持ってこられた鈴の指は、白い液体が付着している。ぴたぴたと指先で遊ぶと、ねっとりとした糸を引いて、ぷんとした女の子臭さを撒き散らす。

「ち、ちがう……だって、鈴の身体なんだから」

「こないだエッチしたとき、私はこんな濡れてなかったでしょ? 白いエッチなお汁、出したことないもの」

「……そ、それは……んぁあっ!」

 鈴は血走った目で、俺のおまんこに指を突き立てる。全体を弄り回して、くちゅくちゅと音を鳴らす。

「鉄斗くん……声、可愛い……」

「んっ、ふぁ、んぁ……んっ!」

 女性の快楽は想像以上。鈴がどこをどう愛撫しているのかも分からないぐらいに下半身が痺れて、頭にピンク色のもやがかかっていく。喘ぎ声も演技ではなく止まらないのに、それも鈴と同じ声だからさらに興奮する。

「鉄斗くん、鏡見てみてよ。あれ、鉄斗くんなんだよ……」

「え……ぁ、あ、んっ!」

 そう言われるがまま、俺は姿見のほうを見る。

 映し出されているのは――可愛いお洋服で着飾った女の子が、同じ顔の女の子から股間を愛撫されて感じている姿。おまんこもしっかりと捉えていて、指も俺のおまんこもどろどろ、ピンク色の粘膜も露出していた。

 まさに双子姉妹の百合プレイなのに、その片割れは俺自身で――

「――あ、ぁあっ……いっく、イく……っ!」

 何から何までおかしい。おかしいのに、俺はそんなあざとくも儚く感じまくっている女の子が自分だと理解した瞬間、快感が決壊した。

 お腹の内側でとどまっていた快楽が一気にあふれて、体中に広がっていく。おまんこは強く締め付けこわばっているのに、他の全身は脱力する。目の前はチカチカと明滅する。

 絶頂したらしい。体重もなく、快楽にただよう余韻の中で俺は自分を客観していた。

「わ……て、鉄斗くん……男の子なのに、イっちゃったんだ」

「ふぁ……ん、ぁ……はぁ……はぁ……」

 鈴は俺に膝枕をして、頭を撫でてくれる。俺は何も考えられないし、身体も動かない。すべてを鈴に委ねるのだった。


「……ふぅ……死んだかと思った」

 数分後、ようやく身体のコントロールが戻ってきた。俺はつぶやきながら、ティッシュで股間を綺麗にする。

「すごくエッチな顔してた」

「だから、鈴の顔なんだって」

「鉄斗くんだからだもん。私、あんなじゃないもん」

「……本当かな」

「え、きゃっ」

 俺はからかってくる鈴の腕を取って、ベッドへと押し倒してやった。

 言うまでもなく、鈴は嫌がりなどしない。むしろ待ち望んでいたように目は潤んでいて、うっすらと口が開いていた。

「えへへ……私もエッチな子だって言うんなら、証明してみせてよ」

「なんか癪だなぁ」

「あ」

 俺は鈴のフリルスカートをめくりあげる。中に穿いていた白いショーツを下ろしてやると、ねばーっと糸を引いていった。

「や、やだ……」

「十分エッチだよ、鈴も」

「……んう、ぁあ……あ、ちょ――んぁあっ!」

 俺も鈴に倣って指でしようとしたけれど、作戦変更。俺は淡い陰毛の生えたおまんこに直接口をつけて、ぺろぺろと舌でいじめていくことにした。

「や……ぁん、は、ぁあっ!」

 この前男としてセックスをしたときより、おまんこの臭いが薄い気がする。もうちょっと生臭かったような印象があり、もっと異性を強く――ああそうか、今は同性、それどころか同一人物といっても過言じゃない。自分の体臭を感じないのと同じなんだろう。

「んぅ……っ、ふぁ、ぁあんっ」

 俺はひたすらに、口で鈴のおまんこを舐める。舌をくりくりと押し付けて、愛液も啜る。まだ経験が少ないながらも十分に感じるのは、さっき俺が体感していた。

 鈴から出てくる愛液は増えてきている。俺が出していたような白く濃いものも流れてきたということは、俺と同じくらい感じているということ。あれだけの快楽を与えられているのは、俺としても嬉しい。

「あぁっ、あ、ぁん、ぁ――ひぁあんっ!」

 そして、鈴もひときわ大きな声をあげた。ぷちゅ、と少量のさらさらとした液体が噴き出して、俺の顔にかかる。全身が痙攣していて、凄まじい快感に襲われているようだった。


「……はぁ……はぁ、ん」

「鈴もイったじゃん」

「もう……鉄斗くんのエッチ……ふう」

 またしばらく経って、鈴が快楽の向こうから戻ってきた。俺はシワにならないよう、スカートを伸ばして座っていた。

「……そろそろ、パパとママが帰ってくる時間かあ。もったいないけど、鉄斗くんはもとに戻らなきゃね」

「だな」

「はい、ばんざーい」

 俺は言われるがまま、ブラウスとジャンスカ、下着を脱がされていく。裸になったところで鈴は後ろを向き、俺は小指の指輪を外し――男に戻った。チンポもある。

「ふう……よし」

 畳んでおいた俺のボクサーパンツ、パーカーにチノパンを着込んでいった。

「おっけ。服着たよ」

「うん……ふふっ、そうなるんだ」

「え?」

「お化粧、落ちてない……なんだ鉄斗くん、男の子のままでも可愛いね」

 ドレッサーの鏡を見ると、俺の顔はなんとも女の子っぽい。変身を解いても、メイクはそのままらしかった。そういえば股間もべたついているし、これは愛液が残っていたということだろうか。

「これ、メイク落としシート。刺激強めだから、使ったあともスキンケアしてあげなきゃだめだよ」

「はーい……」

 厚手のウェットティッシュのようなそれを受け取って、俺は顔を拭う。黒や肌色のものがたくさんついて、顔はヒリヒリとしていた。

「あ、じゃあ」

 俺は今日、自分用に買った保湿ジェルとクリームを開けて、顔に塗る。

「そうそう、伸ばすのも大切だけど、毛穴に入れるみたいに、ぱんぱん、って」

「よし」

 一応風呂上がりやかを洗ったときには軽く化粧水は塗っていて男女差もあるが、鈴のを見てからでは全然足りないように思えた俺は、色々ときいてケア用品も買い揃えた。早速、肌が引き締まった気分だ。

「……よし、じゃあこんなもんか。指輪は返しておくよ」

「ううん、持ってて。そうすればさ、連絡して二人でつければ離れてても変身出来るでしょ?」

「……いいのか? 俺、絶対エッチなことするぞ」

「うん。その……鉄斗くんなら。むしろ、私の全部知ってほしい」

「わかった」

 俺は鈴を抱きしめる。今は俺のほうが大きく、鈴は腕の中に収まっていた。

「鉄斗くん……大きい。お姉ちゃんだったときも好きだけど、やっぱり男の子だね」

「そりゃあな」

 鈴はにこにことして顔を赤らめている。女の子のままでいて、なんて言われなくて一安心だ。

「……俺はそろそろ出る」

「うん! 次は男の子デートもしてみたいな」

「はは……まあ、そうだな」

 なにも変わらさそうだが、男になった鈴はどうなるだろうか。男になっても、俺は鈴が好きなのかを試したかった。

「じゃあ、また今度」

「うん、じゃあね」

 俺は見送られながら、鈴の家を出る。また今度、『お姉ちゃん』の姿になる日を楽しみにしながら。

【支援者限定】彼女の姿をコピーして彼女の服や下着を着たりえっちする話

More Creators