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【支援者限定】毎日姿を変えて、親友の恋人になる話

 支援者限定です。

 細かいところは設定していない投げっぱなし気味ですが、まあそんな感じのやつです。

 以下、本文をお楽しみください。


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「……なんだこれ」

 開いたクロゼットのセーラー服に、あみぐるみキーホルダーのついたリュック。ドレッサーにコスメに、筆記用具にテキストに……と、まるで女子高生のような部屋。

 そして、俺はそれにふさわしい年頃の女の子の姿になっていた。


 意味がわからなかった。俺はこんな子じゃなく、普通の男子高校生だったというのに。なにがあったのかと記憶を辿ってみたものの、特別なことはなにもない。何もない普通の一日だった……いや、帰宅中に何かあったような気もしたけれど、思い出せない。

 部屋のモノはレイアウトも少々変わっているものの、間違いなく俺の部屋。家のつくりや窓から覗くやや田舎な地方都市の景色は同じだった。

 スマホを確かめると、昨日のまま。ただし中身も、女子高生らしいものになっていた。

「優愛《ゆあ》ちゃんかぁ」

 スマホのデータや部屋の荷物を漁ると、俺は優愛という高校二年生――つまり同い年の女の子になっていることがわかった。といっても名前に覚えはないし、クラスメイトの誰かとかそういう話でもなさそうだ。

「うーん……あ」

 ひとまず何があったのか把握しようと頭を捻っていたところ、鏡に映った真剣な表情の優愛が目に飛び込んでくる。

 ……可愛い。

 掛け値なしの美少女というほど造形が優れているわけではないが、顔は綺麗に左右対称でバランスも悪くない。ぼさぼさのショートヘアや空色のパジャマという、寝起きの姿というのもあるか。スタイルも無難、クラスに一人はいる可愛い子といった雰囲気だった。

「……」

 まだ何が起きているのかはさっぱりわからない。ただ、万が一この優愛として生きていくことになるとしても、まあ悪くない運命だとは思えた。

 しばらく見惚れていると、遠くから足音。まもなく、俺の母さんが部屋にやってきた。俺が――優愛が起きていることに満足すると、朝ご飯できているよと言い残して下りていった。

「母さんは一緒なのか……ん?」

 びきりと違和感が走り視界がぼやける。乱れが収まると、ただ見知らぬ女の子の部屋だった景色が徐々に違って見えてくる。

 制服のサイズ、たんすの棚に仕舞ってあるもの、うさぎのぬいぐるみなら買った場所、など。それぞれの意味や背景、感情がぼんやりと頭の中に浮かんできた。

「これ、ひょっとしてあたしの……あたしの?」

 口をついて出た言葉、普段と違うイントネーションと一人称。やはりこれは、優愛の記憶や感情だ。

 さっきはそう悪くないと思っていた容姿も、そのジャッジが難しくなる。自分のものだという感覚が強まったようだった。

 このまま俺というアイデンティティが優愛に塗り替えられていくのかと怖くなり、その波をせき止めようと念じたところ、優愛の記憶や感情が伝わって来なくなった。

 何度か試すと、その優愛としての感覚は調整できた。うまいことやれば、俺を見失わない程度に優愛の人格も呼び起こせそうだった。

「……なんだこれ」

 あまりに奇妙すぎる。優愛にとって、この部屋もなにもかもが日常だからだろうか。

「……」

 夢か、今更だが。仮にこれが現実で、俺がなにかの超常現象に見舞われているのだとしたら。優愛の身体で勝手にあれこれするのも申し訳ないことだし、俺は布団に潜り込んだ。

 すぐ眠気がくる。ほんのりと甘い香りが漂い、優愛のぬくもりも残っていて若い女の子を意識させられるが、むしろ落ち着く。

 俺はそのまますとんと意識を落と――しそうなところで、母さんが再びやってきて『せーの』で布団を剥ぎ取られた。うん、やっぱり俺の母さんだ。優愛はママと呼んでいるみたいだが。

 仕方ない。俺は部屋を出て、台所へと下りていった。変わらぬ両親と食卓を囲んだあと、俺は身支度に着手した。

 優愛の身体や私物を覗き見る躊躇はあったものの、ここまでくると運命。俺は先週替えたばかりのピンクの歯ブラシで歯を磨き、花がらのタオルで顔を洗いショートの黒髪を整えた。

 そして――

「おお」

 空色のパジャマを夜用ブラやショーツを脱ぐと、ごく平均的だと思われる女子高生の裸。おっぱいはBカップほどだろうか、やや赤い乳首に白い肌、薄めの陰毛。

「女の子だ……」

 胸はとても柔らかく、触られた感じもある。出っ張りがないアソコは楽かと思いきや、複雑な構造をしていているし敏感なので、すっきり身軽という感じでもなかった。

 優愛の記憶からもわかる。ムラムラしてきて、お腹の中からじんじんとしてきていた。

「……だ、だめだよなぁ」

 流石にこのままオナニーするのは、優愛への罪悪感が勝る。俺は興奮を押し込めて、イエローストライプのブラとショーツを身に着け、セーラー服を着込んだ。

 纏った優愛の衣類や、優愛の香りに性欲がそそられたものの、遅刻しそうなものならお母さんにスープレックスをしてきそうだ。

 俺は家を出て、自転車で学校へと向かうのだった。


 学校。本来の俺は元々いなかったかのような扱いで、クラスも男子がひとり減って女子がひとり増えた形になっていた。優愛は俺と異なる交友関係が築かれていて、全く会話などしたことがなかった女子と友人だったり、逆によくつるんでいた男子とは距離があるといった具合。

 トイレは気恥ずかしかったものの午後には慣れる。放課後には、よく人となりを知らなかった女子とのおしゃべりを楽しむ余裕さえ生まれていた。

 放課後は何もない。一応美術部に籍を置きつつ普段は顔を出していないのも同じで、俺はまっすぐ帰ろうとした。

「……いや」

 ふと、頭の中でひとつの顔が蘇る。本来では俺の幼馴染だった快晴《かいせい》という同級生で、それは優愛でも同じ。けれども、ふたりはもう一つ駒を進めていて――恋人同士。

 優愛の身体に刻まれていた想いのまま、身体の深いところがとくりと胎動した。

「あいつかー……」

 俺は頭を抱える。確かに幼馴染にして親友と呼べる仲ではあったが、男同士としてそんな感情を抱いたことはなかった。この世界で優愛と快晴は何度かセックスをしているほど。半ば親公認のようでもあった。

 嫌いではない。嫌いではないが……抱かれるとなると話は別だ。

 しかも今日は快晴と一緒に帰り、誰もいないあいつの部屋で……その約束までしている。

 急で悪いが断ろう。俺はそう思っていたが、そうはいかないらしい。

「よ、優愛。帰ろうぜ」

「……う、うん」

 どのみち家が隣同士、一緒に帰宅するのは避けられないだろうと快晴に会った瞬間から、胸のドキドキが止まらなくなってしまった。

 やっぱり今日はごめん、体調があんまりよくなくて。

 いつもの通学路で、どこでそれを切り出そうかと機を窺っている内に、もう到着してしまった。まっすぐ快晴の家、快晴の部屋へと入っていって――

「……んっ、っふぁ……」

「優愛……好き、好きだ」

「っふ……私も、快晴……」

 あれよあれよという間に、俺は快晴の腕の中で抱かれていた。セーラー服を脱ぎ去り、情熱的なキスを交わして、すこし汗ばんだ身体を重ね合っていた。

 とにかく全身のどこでも、触られるだけでファンファーレが鳴り響く。それは同時に電流でもあって、段々と思考が快晴に愛されたい一色になっていった。

 男同士なんて感覚はどこかに行った。優愛への罪悪感も。

 俺はごろんと寝転び脚を開いて、とろとろのアソコを快晴へと向けた。

「……ねえ、快晴」

「ああ……」

「……ん、ふうぅ……っ!」

 コンドームが装着された快晴のチンポが、俺の奥へ奥へと進入してくる。女性の身体は男より敏感、と言っていたのは間違いではない。しかしそれ以上に、愛する人のものを受け入れられるという自尊心こそが、俺を幸福に包んでくれていた。

 若い高校生同士、達するのもすぐ。五分とピストンせず、快晴と俺は絶頂することとなった。世界が真っ白になって、身も心も快晴で一杯になる。

「優愛……っ」

「っふ……快晴、好き」

 二回戦に移ることはなかったものの、時間ギリギリまで裸で抱き合う。一応、元の男の姿で女の子とセックスはしたことがあったものの、それがちっぽけな凄まじい万能感だった。


 やがて服を着て帰ると、母さんにはナニをしていたのかすぐ見抜かれる。いくらしてもいいけど妊娠だけはやめてね、何かあったら快晴くんをどつくから、とまではっきり言われた。恋人がいると話したとき、ちゃんとゴムを使えと言ってきた母さんらしいと思った。


 このまま優愛として生きる。全然悪くない。

 元の男としての自分に未練がないと言ったら嘘になるが、優愛は可愛らしい。

 なにより、快晴とのセックスは本当に気持ちよかった。このままだとこちらからおねだりすることが増えてしまい、エッチな女の子だと快晴に嫌われてしまわないかと心配になってしまうほど。

 俺は夜眠る前に、また快晴のことを思い出して自慰をしてしまう。それは快晴とのセックスには及ばないものの、十分な心地よさだった。

 明日からも優愛としての満ち足りた日々が始まる。俺はオナニーの余韻の中、程よい気だるさに包まれ眠ったのだった。



◆◆◆◆



 ――ところが、翌朝には優愛ではなくなっていた。

 今度は二十代半ばほどの女性……うん、25歳の由利《ゆり》というOLさんだと、記憶から呼び起こした。

 実家であることは同じ。部屋はだいぶ様子が異なっていて、落ち着いた雰囲気の家財や洋服など。記憶の上では、大学を卒業したあと一般企業に就職したようだった。

「どういうことだ」

 雨の音、じめじめとしたベッドの上でぼやく。昨日と同じく記憶を読みとることは出来るため、優愛の時のように由利のフリをするのは容易なのだが……なぜこうなっているのか。

 もしかして、毎日別人になる……とかそういうものなのか? それか、なに引き金となる行為をしてしまったか。

 不明。俺は、今日を生きることにする。

「綺麗だなー」

 鏡に映る由利は少々目つきが鋭いものの、比較的に美人。芸能人級ではないにしろ、会社で一番の美人、とは評せるくらいには綺麗だった。体つきもそこそこ。優愛よりはずっといいスタイルで、胸も大きかい。

 しかし一つ大きく変わっているのが、俺を取り巻く環境。元の俺は18歳で父さん母さんが43歳だったところ、俺が25歳の由利になると、父さん母さんもきっちり7歳重ねて50歳。

 もう一つ変わらないのが、快晴の年齢。17歳で、8歳という小さくない年齢差がありながら――俺とも、恋人同士。

 ハナ垂れ小僧と憧れのお姉さん。その関係のまま歳を重ね、結局快晴の告白を受け取ったらしい。

「……ま、いっか」

 あれこれと考えたものの、面倒になってくる。答えは出ないし、俺の意思ではきっとどうにでもならない。ほとんど諦めだった。

 俺は由利として朝のルーチンをこなす。手早くメイクを済ませ、レディススーツ姿で家を出ると、由利の軽自動車へと乗り込んだ。

 車なんか運転したことはなかったのに、由利の記憶と経験があるのでやり方は分かっていた。しかしすぐには発車せず、すこし待つ。間もなく、濡れたパワーウインドウに影が浮かび、助手席の扉が開いた。

「おはようございます」

「おはよ、快晴くん」

 俺の勤める会社の途中に、快晴の高校がある。晴れている日は自転車で通う快晴だが、雨の日は送ってあげることにしていた。

「お願いします」

「なんか、久々の雨って感じ」

 学ラン姿、まだすこし眠そうな快晴の顔を見る。

 ――とっても、可愛い。優愛だったときは、ずっと一緒に居て自分のことを分かってくれる優しい彼氏、という感情だった。けれども今は、だいぶ年下なのにがんばって告白してきてくれて、甘えてくる可愛い年下の男の子だった。

 俺は車を出して、雨の道を進んでいった。

「ネイル、変えたんですね」

「わかった?」

「はい。とっても綺麗です」

 ハンドルを握りながら、一昨日新しくしたネイルに言及する快晴。細かいところに気づく機微も、お世辞でもなく褒めてくれる素直さがとてもいじらしい。

「それに……あ、いえ……」

「どうしたの?」

「……いえ」

 快晴は俺の赤いリップやネイル、ペダルを操作するパンストに包まれた脚をじっと見つめていた。

 ――とっても、エッチです。快晴はこう言いたかったに違いない。わかりやすいやつだ。もう何度もセックスしているのに、初心なのがこんなところが、とっても可愛らしい……というのも、由利としての想いだった。

 まずい。こうして快晴を車に乗せたのもしばらくぶりだし、そもそも最近は会えていなかった。快晴からはオスの匂いと高校生のヤリたいオーラがぷんぷんに漂っていた。

 仕方ないんだから。

「……ねえ快晴くん、まだ学校って時間余裕あるよね」

「……! はい。えっと、どこか寄るんですか?」

「もう、知らんぷりしなくていいのに」

 俺は通りを抜けて数分、人気のない林付近に車を付ける。エンジンを止めて、シートベルトを外した。

「快晴くんったら、わかり易すぎ。学校でそんなおちんちん大きくしてたら、女の子に嫌われちゃうよ?」

「う……っ」

 俺は身を乗り出して、快晴の股間を撫でる。学ランのズボンを下ろしてやり、ビンビンに勃起していたチンポを握ってあげた。

「車じゃ狭いから、エッチはさせてあげられないけど……一回お射精ぴゅっぴゅ、したいよね」

「はい……っ、っふ……」

 すぐに快晴の目はとろんとしていき、チンポも硬さを増していく。

 ……本当は、俺もエッチがしたい。優愛より成熟した身体だから、どれだけの気持ちよさをもたらしてくれるのだろう。もちろん記憶にもはっきり刻まれているけれどあくまで記憶。

 自然とタイトスカートをたくし上げて、肌色のパンストと白いレースのショーツの中へと俺の手が忍び込んでいく。

「……っふ……そろそろ……出ます……っ」

「んっ、ふぅ……っ、んっ……よく言えました。じゃあ……はむ」

 俺は身を倒して、助手席にいる快晴のチンポを口で咥えた。すごく男臭くて、俺の下半身もきゅんきゅんとうなった。

 快晴は俺の髪を撫でたり、おっぱいを触ろうとしてくる。

「んっ、んんっ、っふ……んっ!」

「由利さんっ……ううっ!」

 快晴が叫ぶと同時、口の中に熱湯がぶちまけられたかのように熱くなる。男の匂いと味が鼻からも抜けて、脳髄に届く。自分で慰めていた俺も、絶頂した。

「っふ……んう」

「大丈夫ですか……」

 俺は起き上がって、首を縦に振る。よだれで精液を潤して、こくりと飲み込んだ。

「……全部、飲んじゃった」

「由利さん……ありがとうございます」

「朝から元気すぎだよ、変態さんだね」

 落ち着いてから発車する。朝からすっきりさせた快晴を、学校すぐそばで下ろしてやってから、俺は仕事へと向かったのだった。



◆◆◆◆



 そして翌日は――小さな女の子になっていた。

 両親は変わらず。部屋はぬいぐるみやファンシーな小物で一杯になっていて、姿は幼いものの今までで一番可憐だと思えた。

 名前は陽毬《ひまり》、小学生四年生。

 流石に快晴と恋人ではなかったものの、陽毬は一方的に『快晴お兄ちゃん』が大好き。普段は無口で、ちょっぴり素直になれないことはあるものの、無邪気にもずっとべたべたとしているようだった。

「なんだかなぁ」

 この現象が始まってから、俺は毎回女の子で、かならず快晴に恋愛感情を抱いている。このあたりが謎を解く鍵になりそうなのだが、具体的には何も思い出せていなかった。全くの見当違いで、ただ親友という関係が再構成されているだけかもしれないが。


 黒いワンピースに長い黒髪という大人しそうな風貌の、幼い女の子が俺。これまでと違いブラジャーはなく、ショーツももこっとした女児用でゆったりしていることもあって、かなり身は軽い。

 母さんに送られてきた小学校は色々と発見があり、俺の時代とも変わってきているなと思いながら過ごした。

 そして放課後、家に帰って来る。

「……あれ?」

 母さんはずっと家にいるはずなのに、鍵が開かない。持たされている通話用携帯電話で母さんに連絡してみると、叔父さんが倒れたとのことだった。事情を話しお泊りセットも預けたから、快晴の家でひと晩預かってもらう……とのこと。

 俺の中に息づいた陽毬は、歓喜する。要は、快晴お兄ちゃんの家にお泊りということだ。叔父さんは遠く離れ住んでいてほとんど会ったことがないので、その感傷もない。

 小学生だからまたエッチなことにはならないだろうという、安堵と落胆。快晴はロリコンではなかったはずだし、陽毬もあまり性の知識がない。優愛や由利のように、女性の快楽は味わえなさそうだ。

「ごめんくださーい……」

 俺は快晴の家のインターホンを鳴らす。おばさんが出てきてあれこれと話をしたあと、俺はお菓子を頂きながらリビングで宿題を済ませた。

 快晴が帰ってきたのは夕方になってからだった。

「あ、快晴お兄ちゃん……!」

「こんばんは、陽毬ちゃん」

「おかえり……なんちゃって」

 自分で言ってて、気恥ずかしくなる台詞。けれども陽毬としては、お嫁さんになった気分でとっても楽しかった。

 快晴は身を屈めて、俺の頭を撫でてくれる。こういう年下扱いはちょっと嫌みたいだけれど、顔はにやけて尻尾を振ってしまっていた。まあ、このぐらいの歳だとそんなもんだよな。

 おじさんは帰りが遅くなるというので、俺と快晴、おばさんの三人での夕食となる。その後は、お風呂。客人である俺が一番風呂をもらうことになる。

 俺は、自室のデスクで宿題をしていた快晴のところへ赴く。

「……快晴お兄ちゃん、一緒に入って欲しいな」

 快晴はたじろぐ。

 なんでだ? と疑問に思ったが、初日の優愛は同い年だったのに、昨日の由利は一回り歳上でもしっかり愛し合っていた。自分でいうのも照れるが、つまり今は近所のお兄ちゃん以上の繋がりになっていないだけで、快晴が陽毬を好いている可能性は高い。

 立派なロリコンだがそれは置いといて。歳上としての葛藤に苛まれている、ということだ。

「……お兄ちゃん」

「わ、わかったから」

 俺は泣きそうな目をして、快晴のシャツをくいくいと引っ張ってやる。ここまでやったならきっと、多少陽毬の裸を見たり触ることになったとしても、付き合ってやらないほうが可哀想だと思ったはず。

「もう、小学三年生になったらだめだって言ったのにな」

「ごめん、なさい」

「いや、いいんだけどね……あはは」

 そうだな……由利の時はさんざん甘やかしたことだし、今度は甘えさせてもらおう。元の俺ならば即座に切腹するくらいの羞恥心だが、あいにく今は快晴お兄ちゃんが大好きな10歳児の陽毬ちゃんだ。

 俺はちらちらとこちらを見てくる快晴へと、両手を掲げる。

「……お洋服、脱がせて」

「え、ええ……」

「お願い、お兄ちゃん」

「まったく……陽毬のあまえんぼ」

 快晴は膝を折って、俺の黒いワンピースの裾から手を入れていく。持ち上げて脱がすと、キャミソールとショーツも脱がせてくれた。

「……ありがとう」

「よーし、お風呂だお風呂」

 なるべくこっちを見ないようにしながら、快晴は俺の手を取って浴室へと一緒に入る。身体を流したあと、俺は快晴の腕の中に収まって湯船に浸かった。

「ふー……お兄ちゃんとお風呂入るの、久しぶり」

「もう陽毬だってレディーなんだからな。俺だからってあんまり裸になるなよ」

 お手本のような、紳士の回答。子供扱いせず、それでいてうまいこと子どもの舵をとっているような言葉だ。

「お兄ちゃんだから、いいの」

 俺は全身を快晴に預ける。もう陽毬の小さな身体は、一生懸命に発情していた。アソコが濡れる感覚はなく、まだ気持ちいいというより痺れていると言ったほうが近いものの、現に快晴とくっついてとっても気持ちがいい。

「ねえ、快晴お兄ちゃん……陽毬ね、最近おっぱい膨らんできたの……ほら」

 快晴の手を取って、陽毬の胸に導く。桜色の乳首がほんのり尖ってきた程度だが、快晴がロリコンならばその微かな突起こそが心地いいはず。

「あ、ちょっと……だめだよ。おばさんに知られたら、怒られちゃうって」

「ママに、言わないから……こっちも、触って……んっ!」

 さらに快晴のもう片方の手を、つるつるのあそこに運ぶ。指が割れ目の中に分け入って、敏感な粘膜に触れた。

「……っ、お兄、ちゃん……っ、気持ちいいよ……」

「ひ、陽毬ちゃん」

「陽毬、知ってる……えっちな事、知ってるよ。お兄ちゃんに、えっちなことして欲しい……ぁっ」

 舌足らずの声で、精一杯に誘惑する。俺もその気になってきて、体中が切なくなってきていた。

 お尻には、もう勃起しているチンポ。俺はとどめをさすため、浴槽からあがり風呂マットの上、ボディーソープを垂らして泡立てた。

「……じゃあ快晴お兄ちゃん、陽毬の身体、洗うのならいいでしょ? 陽毬、ママにも誰にも言わない……お風呂上がったら、忘れちゃうから……」

「……ごめんっ!」

 快晴の理性は吹っ飛んだ。俺の膨らみかけのおっぱいや小さなお尻、無垢な割れ目を撫で回す。途中からは洗っこという建前もなくなって、泡を流したあとにとにかくおまんこをいじられまくった。

「んっ……お兄ちゃん、陽毬のここ、きれい……かな」

「すごく綺麗だよ……本当に」

 割れ目をくぱっと開いて中を確かめたり、ぺろぺろと舐め始める快晴。想像以上の暴走で、終いには――

「入る……もう少し……っ」

「あぁ、あぁあ……っ!」

 俺が寝転んで股を開くと、快晴は小さなアソコへと挿入してきた。当然きつきつで、痛みもある。そもそも亀頭が入り処女膜を破ったのが、やっとだった。

「……んっ、ふっ……っ!」

「お兄、ちゃん……! 陽毬、まだ生理きてないから……っ!」

「っく、くそっ!」

 血を流しながら、半分ほどまで出し入れしていた快晴。最後にはみちみちとチンポを奥まで突っ込んで、まだ初潮さえ迎えていなかった陽毬の子宮へ大量の精子を流し込んだのだった。


「お兄ちゃん、大好き……お嫁さんに、なる」

「俺も。けど、まだ当分は秘密だぞ」

「うん……」

 風呂から上がったあと、快晴のベッドで抱き合って眠る。朝には見つかってしまったが、逆に幼いから本気だとは思われず、おばさんからは仲がいいねと言われるだけだった。



◆◆◆◆



 それから何度か、立場を変え関係を変え、時空さえ変えて快晴の恋人であり続けた。


「……?」

 しかしその日は、これまでと違っていた。朝起きるとすぐ隣で、快晴が――だいぶ歳を重ねた快晴が眠っていた。

 どういうことか、記憶を辿ると――俺はこの現象が始まった初日と同じ優愛になっている。しかし今はお互い25歳で、その時より成長している。

 家は二人の実家から少し離れたところにあるマンション。就職し環境が落ち着いてから、俺達は結婚に踏み切ったようだった。

「マジか」

 隣り合う家の幼馴染の恋人という点はぶれていなかったのに、ここにきて新展開。嫌というわけではないが、俺は戸惑っていた。

「……おはよう、優愛」

「え、あ……おはよ、快晴」

「きゃ……っ!」

 けれども、それもすぐにどうでもよくなってくる。俺は抱き寄せられて、いきなりめちゃくちゃにキスをされた。かと思うと、まだ何のケアもしていない口の中を蹂躙される。

 枕元のデジタル時計には土曜日とあって、二人とも休日。

 そうだ――これは優愛が言い出したこと。昨晩求めたのに快晴は疲れたからといって相手にしてくれなくて、なら朝からして……子作りしようって優愛が決めたんだった。

 思い出した瞬間、子宮が燃え上がって、俺のアソコが疼いてくる。

「快晴……っ」

 俺は起き上がって、快晴のおちんちんにしゃぶりつく。男の人の朝立ち、ってやつでもう十分。そうだ、一回もらったら朝ご飯を食べてシャワーを浴びて……快晴の精力が続く限り、したい。

 俺はすぐに快晴に跨って、騎乗位になる。必死で腰を振って、快晴のペニスを刺激する。高校生の時からずっと恋人であり続いていて、身体はすっかり馴染んでいる。とても良いところが突かれ、そして締めつけてやっているので、すぐに絶頂してしまった。

「んぁああっ、ああああっ!」

「っふぅ……う、うっ!」

 びゅるびゅると、俺の中に大量の精子が放たれる。とろけていき――受精したんじゃないかと思うほどに、暖かかった。

「……ふう。朝から元気だな」

「あなたが悪いんでしょ。構ってくれなかったんだから……じゃ、ご飯……ぁんっ!」

 ベッドから下りようとしたら、快晴に後ろから抱きつかれる。そのまま組み敷かれて、バックで挿入された。

「ちょ、んぁあっ!」

「お前が言い出したんだろ……っ!」

 腰を掴まれ、ピストンが繰り返される。じゅぷじゅぷとはしたない水音が鳴って、快感で全身が震えた。

 快晴、こんなに積極的だったっけ。いつも優愛から誘っていたのに、こんな激しい性欲をたぎらせる快晴は初めて見るほどだった。

「ひぁ、んっ……んぁあっ!」

 そんな快晴に、俺はまたすぐイってしまった。我慢できずにおしっこも漏らして、ベッドをびちゃびちゃにしてしまう。間もなく快晴も射精して、俺は解放される。

「はぁ……はぁ……」

「ごめん、なんだか優愛が可愛くて……」

「……ん、いいよ。マットレス、乾かさなきゃね」

「やっとくよ」

 タオルで軽く身体を拭ったあと、シーツを剥ぎ取る。マットレスは消臭スプレーを吹き付けたあと、ベランダに出してくれた。

 洗濯機にシーツを突っ込んで、快晴と一緒にシャワーを浴びる。

「快晴」

「どうした?」

 身体を洗いあいながら、俺は快晴に抱きつく。

「……大好き」

「俺も」

 幸せの度合いでいえば、間違いなく過去一番。夫婦だから当たり前か。

 予告通り、俺達はほとんど1日中セックスをしていた。


 これまでと違って、明日が来てほしくなかった。どんな関係、どんな環境でも、夫婦という絆には勝てない。眠ってしまったら、夫婦ではなくなる。

 俺は泣きながら、夜も快晴に抱かれた。



 ――けれども。翌日も俺は、快晴の妻の優愛だった。その次も、ずっと。

 やがてお腹が大きくなり、子どもを産んだ頃には、そんな現象があったことも、俺が元々男だったとかも忘れていくのだった。

 結局なんだったのか。それはわからないけれど、ベビーベッドで眠る我が子を見ていると、"私"は幸せな気持ちで一杯になる。それでいいと思うのだった。

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