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過去作の同名タイトル(https://gmnt-tsf.fanbox.cc/manage/posts/4380944)と似たような話ですが、つながりはないです。まだ擦れる。
ギミック的なところでいえば、最後のれずえっちがちょっとやったことないパターンかもしれません。
では、以下本文をどうぞ。
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★入れ替わりのマナー★
・入れ替わりたい相手を見つけたら、まずは声をかけましょう。入れ替わりには両者の合意が必須となります。
・声をかけたら、入れ替わりたいことを最初に伝えましょう。その後、肉体だけか、立場だけか、その両方なのかの希望を言うと、スムーズです。
・入れ替わりは一瞬です。入れ替わった直後、とくにヒールのある女性の身体になった場合や、体調が優れない方になった場合に、体勢を崩したり転んでしまわないように注意しましょう。不安なら、そのことを相手に伝えて、座る、壁によりかかるなどどうするか話し合うとお互い気持ちよく入れ替われます。
・以上のことを守れば、きっと相手も入れ替わりに応じてくれるはずです。また、入れ替わりを申し込まれたら、出来るだけ入れ替わってあげるようにしましょう。
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インターネットを検索し、一番上に出てきた入れ替わりのマナーについてのページ。スマホを遠ざけたり近づけたりして、目元を揉み、あるいは別のページを参照しても似たようなことが書いてある。
――なんだ、入れ替わり、って。
いつも通りに朝目を覚まし、支度をしてアパートを出たところ、すぐ近くの一軒家に住む新婚夫婦が朝からいちゃついていた。
いちゃつくと評するのは独身暮らしが長い俺の僻みも多分に含んでいるが、とにかく玄関前でスーツを着た旦那とエプロン姿の嫁さんが、いってらっしゃいのキスだのなんだのをしていた。
俺は少しばかり苛つきながらも、その脇を通ろうとする。すると、嫁さんの方から声をかけられた。
身体と立場を入れ替えませんか、などと。
俺は何を言っているのか分からず、完全に固まる。入れ替わりといえば、映画やドラマでたまに見かけ、精神が別の肉体に移動して一悶着起こすやつだ。
何か変な遊びに付き合わされたのだろうか。俺は混乱しつつ生返事をした。
すると――俺と嫁さんの身体が、入れ替わってしまっていたのだ。
俺の姿となった嫁さんと旦那は、ひとこと礼を告げ頭を下げる。そのまま、男同士でごつい手を絡めながら駅へと向かっていった。
呆けるどころの話ではない。まだ夢の中かとも思ったものの、冬の冷たい空気が現実だとあざ笑うかのようだった。
寒かったものの、鍵も何もかもそっくり持ち去られたので俺のアパートへは戻れない。仕方なく新婚夫婦の一軒家に飛び込んで、二階にある夫婦の愛の巣、大きな姿見の前でつぶやいた。
「……どういうこと?」
まずその声も間違いなく、入れ替わる前にお伺い立てられた嫁さんのもの。少々間延びしつつも優しげな女性の声だった。
鏡に映る俺の姿も同じくお隣の嫁さん。すっきりとしたショートヘアに厚手の白いリブニット、もこもことしたズボンの上からピンクのエプロンを着けている。
鏡を介さず見る姿も以下同文。ささやかながら膨らんだ胸と、胸囲を締め付けるなんらかの感触。チンポのない平らな股間を包むなんらかの感触。
そして、俺はそれがブラジャーやショーツと呼ばれる女性用下着であることも分かった。
入れ替わってから、頭の中でうっすらとした映像が流れ続けている。それは家の構造であったり、これからすべきことのタイムテーブル、朝に嫁さんが着替えた光景もあった。それに、旦那との……真っ最中。
おそらくはこの嫁さんの記憶なのだろう。それは例えるなら、ショート動画を流し見するような感覚に近い。そのひとつには、この身体――歩美《あゆみ》さんについての情報もある。
なんでも俺より一回り歳下の25歳、旦那とは大学時代からの恋人だという。
その後もあれこれと物色しているうち、歩美さんのスマホを見つける。かじかむ手で顔認証をパスし、入れ替わりについて調べた結果が、先ほどの入れ替わりマナーのページ。
俺は数秒あれこれ考えて、半ば現実逃避ぎみに結論付ける。
どうやら俺は――社会常識も、生命の理も全く別ものに書き換えられてしまったのだと。
そう判断したのは、ぼんやりとした歩美さんの記憶の中で、一度も入れ替わりの経験がなさそうであることも理由のひとつ。どうも、異世界に来たとはわけが違いそうだった。『もしもボックス』で改変された世界を彷彿とさせる(あれは仕組みに諸説あるが)。
なんにせよ、俺ひとりの力では覆しようのない世界になってしまったのは、疑うべくもなかった。
「……んっ?」
しばらくぼんやりしていると、下半身の奥がむずむずとしてくる。それがなんの感覚なのかは、すぐにわかった。
尿意だ。歩美さんの身体が、小便をしたがっている。
「いいのかな……」
小便をするなら、少なくとも下は脱がなければならないし、アソコを見たり触ったりしなければならない。少しばかり見せつけられて苛ついたのは事実だが、別にそれ以上の敵意を抱いてはいない。さすがに配偶者のいる女性の排泄という恥ずかしい一部始終を観察したうえ、あまつさえ体験することには躊躇いがあった。
「……いや、いいのか」
けれども、それを容認しているのが、今の世界の法則。我慢も出来そうになかった。
「トイレトイレ……っと」
俺は階段を下りて、一階にあるトイレに駆け込む。ラベンダーの香りが満ちて、薄紫のカバーやスリッパで統一された上品なトイレだ。
さて。意を決して、俺はズボンを下ろす。
「……お、おお」
歩美さんが中に穿いていたのは、白い花柄のショーツ。サイドが二本のリボンで繋がれており、若い女性らしいセクシーなデザインだった。
ショーツもさげると、いよいよ歩美さんのアソコがお目見えした。陰毛はほとんど手入れされておらず、全体を淡く覆っている。まあなんてことのない、エロ動画なんかでよく見るのとそう雰囲気は変わらず、膣などの入口の方は真下なので良く見えなかった。
だがそれが自分の股間だというのは、少なからず興味をもって迎え入れられる。
「へえ……っとと」
俺はズボンとショーツを一旦脱いでしまって、便座に座った。なんとも表現しにくい身体の内側、力を緩める。
「……んっ……お、おお……」
ぴちぴちと、小便がアソコから迸る。溜まっていく小便は黄褐色で、朝起きてから初めての小便なのだろうことが窺えた。量もたくさん出て、女性の小便という不思議な感覚を長く味わうことが出来た。
水音もなんだかいやらしい。女子トイレには水音を紛らわせるためだけの機械があるというが、そこまでして誤魔化したいものを聞いているといいう構図が、俺を掻き立てていた。
「……っふ……ぅ……結構出たな」
ぶるりと身体が震える。小便が出きったらしく、大陰唇周りに生えた陰毛を伝い、滴っているのが感覚でもわかった。
これを、トイレットペーパーで拭かなければならない。確かにこのままショーツを穿こうものなら、びっしょりになってしまい不衛生だ。
そのためには紙ごしとはいえ、アソコを触らなければならない。さっきまで、たいした交流もない女性の排泄シーンの当事者になることに気が引けていた俺だったが、実際に体験すると好奇心と僅かな興奮が上回っていた。
ペーパーをちぎり、畳んで重ね、股間へと這わせる。
「……んっ」
加減が分からずゴシゴシと力を入れると、痛みとささやかな心地よさ。驚いて手を弱めると、くすぐったさに僅かなもどかしさが混じった。
「これが女性の……」
ドキドキとしてくる。下を向いても、身体に視界を邪魔してくる小山があるのも新鮮だった。それも触ってみると、柔らかい。
「……げ」
もっと探索しよう。そう思って水を流した俺は、歩美さんの穿いていたショーツを拾い上げて顔をしかめた。
股間の部分が、べっとりと汚れている。しかも真新しく濡れていて、チーズやら甘酸っぱいような臭いと、これは間違いなく――精子の臭い。
「……」
きっと歩美さんは、朝起きてからセックスをしてきっちり中出しを決められたと見えた。俺の思い過ごしかもしれないが、いずれにせよ男とズッコンバッコンしていた身体なのは、なんだか気色悪かった。
女体を追求したい欲はあるが、この歩美さんの身体ではやりたくなくなってしまった。
「……あ、それなら」
そこで閃く。ならば、他の女性の身体を借りればいい。
決まれば行動は早かった。俺はズボンだけを穿き、外へ出る。まだ寒く、ショーツなしだと大事なところが異様にスースーしたものの、あれをまた自分の意思で穿く気にはならなかった。
狙うは女子高生……いや中学生。でも今どきの子は、セックスくらいしているだろうか。それなら小学生ほど……さすがに幼稚園児まで行くと俺もあまり興奮しないし、そもそも性感などなさそう。
「お」
何人かOLさんをスルーして、ターゲットは見つけられた。水色のダウンジャケットを着て黄色い帽子を被っている、小学生の女の子だった。
まだ低学年ほど。まだ子どもは作れないだろうし、女性の快楽があるのかは不明だったものの、別につまらなかったら次に乗り換えればいい。それにあの歳なら間違いなく処女で、男を知らない。
今からこの女の子になれる。ロリコンのつもりはなかったのに、そう考えてどうこの娘の身体を弄んでやるかと妄想すると、興奮が止まらなかった。
俺は近づいていって、入れ替わりマナーを思い描きながら話しかけた。
「あの、少しいいかな?」
「ひょっとして、入れ替わり?」
その女の子はにっこりと笑う。上目遣いでこちらを見つめてきて、そう返してきた。
話の早さに俺も面食らったが、見ず知らずの人に話しかけられたなら、入れ替わりを持ちかけられるのだというのもまた新しい常識なのかもしれない。
「……う、うん。ええと……身体だけ、お願いしたいんだけど」
「いいよ、お姉さん美人だもん――」
そう女の子が頷いた瞬間、視点が切り替わる。
「――じゃーねー!」
気がつけば俺は、元気よく手を振るエプロン姿の歩美さんを見返していた。その歩美さんは――さっきまで小学生だった子は、そのまま小学校の方向へと走り去っていった。
「成功したのか……」
さっきまで冷えていた身体は、ぽかぽかとしている。ダウンジャケットはとにかく暖かく、ラベンダー色のランドセルのおかげで背中は熱いほど。デニムのフリルスカートからは白いリブタイツの細い脚が伸びていて、ピンクのラメ入りシューズも女の子らしい。
名札には、『3年D組 青山 あゆり』とあった。
「……へくしっ!」
遠くからくしゃみの声。歩美さん……の身体になったあゆりちゃんのものだった。
「あれ、ランドセル……」
あゆりちゃんは手ぶらのまま、着の身着のまま行ってしまった。今朝、俺と歩美さんで入れ替わった時は立場も交換していたはずだから問題なさそうだが、今は身体しか換えていない。あれで勉強できるのだろうか。
「……?」
考えてみれば、歩美さんも立場を入れ替えると言っていたが、旦那とは手を繋いでいた。俺と入れ替わる前の旦那ならありえない睦まじさだが、旦那は中身が歩美さんだと分かっていることになる。あのままきっと、歩美さんが俺の職場に行くこととなったとして、それは俺として扱われるのか、俺の身体を使う歩美さんとして扱われるのだろうか。
よくわからなかったが、無駄そうなので考えるのをやめた。
「……さてさて」
それよりも、あゆりちゃんの身体。俺はすぐさま歩美さん夫婦の家へと取って返し、暖房をつけておいた寝室に戻る。ランドセルを下ろし、鏡に向かった。
「おー……」
第二次性徴前の女の子の声が、自分の喉から紡がれる。さっきより視点が低く、家財が大きく見える。スカートやタイツのみならず、インナーのシャツもぴっちりとしている。
全てが本来の俺ならば、決して味わうことのなかった体験だった。その瞬間に、他人の肉体となる魅力に取り憑かれる悦びを知った。
「はぁ……はぁ……」
たちまち、華奢な身体が熱くなっていく。しっかり防寒をした服装は、暖房の中においてはとても暑い。タイツが蒸れて、上半身も汗ばんできた。
「……ぬ、脱ぐね」
俺は許可を求めるように、水色のダウンジャケットを脱ぐ。肩にフリルのついたピンク色のセーターで、一見でも安っぽくはない。そこらの衣服量販店ではなく、比較的に上等なものだと推察できた。
ジャケットやスカートも、タイツもそう。あゆりちゃんのロングヘアもよく手入れされているので、結構裕福な家庭なのかも。
さらにセーター、ポリエステルの長袖シャツ、ちんまりとしたリボンのついたキャミソールも取り払うと、平らな胸にぽつんとついた乳首が露わになった。
胸に膨らみはなく、乳首の周りがほんの少し尖っているかという程度。腰もくびれというにはなだらかすぎて、下腹部がぽこっとしている。手脚も細く頼りなく、これまで性的欲望の対象として見たことのなかった少女が、ひどく美しく淫猥なものに見えてきた。
「……」
スカートも前ボタンを外し、ファスナーを下ろして脱ぐ。リブタイツは厚く下着の色こそ透けていなかったものの、輪郭だけが象られていた。
汗ばんだ素肌にひっかけながら、タイツも下着も下ろす。ショーツはもこもことした女児向けのもので、後ろ側にファンシーなユニコーン柄がプリントされていた。
そして――アソコ。歩美さんのものとは全く別物で、白くつるつるとしている。無垢そのものであり、あゆりちゃんの記憶を掘り返すまでもなくセックスの経験などないことがわかる。それどころかオナニーも、股間がどういう過程を経てどういう役割を果たすのかさえ曖昧だろう。
「……へへ」
割れ目を引っ張ると、ぷにっとした感触とともに中身が開かれる。鮮やかなピンク色をしていて、手前側には僅かな膨らみ、幾つかの穴。歩美さんの時によく見えなかったのは、胸が邪魔だった以外にも、身体が固かったからだろう。あゆりちゃんは柔軟で、鏡越しではなくとも膣口が見えた。
「痛っ」
もう我慢出来ない。勢いのまま指を伸ばしアソコの粘膜をさするが、俺を襲ったのは痛みだけだった。歩美さんの時はなんとも切ない心地よさが走ったのに。
だが、あゆりちゃんの身体が未成熟で無理でした、と引き下がるのもつまらない。何かローション代わりになるようなものは――
「……いや?」
歩美さんの乳液か、若い二人なのだしセックス用のローションくらいあるからそれを探そうと思ったのだが、よく見ると俺のアソコが光を反射した。
「……ぬれ、てる……っ」
膣口周りに再度指を這わせると、確かなぬめりでアソコをすべり、指にもまとわりついた。
これが、あゆりちゃんの愛液。まさかこんな小さい身体で、セックスの準備を着々と進めているらしい。爆発しそうなほどの俺の興奮が作用しているといっていいだろう。
「……はぁ……っ、はぁ――んっ!」
俺はあゆりちゃんの愛液を集めて、アソコに塗りたくっていく。
鏡の中ではあどけない顔の小さな女の子がオナニーに没頭していて、その顔は楽しげに歪んでいる。
俺の性癖が、完全に歪んだ。
それはロリコンになったという意味ではない。入れ替わりという謎の現象によって、見ず知らずの女性の身体を手に入れ、我がものとして弄ぶ行為の愉悦を味わってしまった。
女体の快楽が男の倍うんぬんだとかではなく、おそらくは支配欲じみたもの。今この時、まだサンタクロースを信じているような幼い女の子の身体で、性感を得ているという事実もまた、俺を掻き立てていた。
「ぁ……っ、ぁああっ!」
そして――必死にアソコをこすっていると、ひときわ大きな快楽が押し寄せてくる。同時に自然と声が出て、家にあゆりちゃんの絶叫が響いた。
視界が真っ白になる。暑さも消えて、瞬間的に涼しさへと反転した。全身が痙攣して、いつの間にか俺は転んでしまっていた。
「……はぁ……はぁ……すご、かった」
俺はアソコを触り、愛液をにちゃにちゃとこねながらつぶやく。
きっとこれが、女性の絶頂。まだ下半身がじんじんとするし、頭もぼうっとしている。
「……やば」
全く開発していないあゆりちゃんの身体でこれだとしたら、旦那と毎晩セックスしているだろう歩美さんの身体だったら、もっとよかったのかも。
少々勿体ないことをしたと思ったが、まだ余裕で取り戻せる。歩美さんにこだわる必要はまったくなく、人妻か……いや人妻はやっぱり嫌だな……誰か、若い女の子の身体を貰い受ければいい。
折角だ、立場も借りてもう少し遊んでみたいところだ。
俺は脱ぎ捨てていたあゆりちゃんの服を着ていく。冷静になってから女児の服を着るというのも変な感じで、やはり別人の身体であることが強調されるようだった。
「……さてと」
歩美さん宅を後にした俺は、街へと繰り出す。よく見れば、いびつな光景はそこかしこにあった。
コンビニのレジにセーラー服そのままの女子高生が立っていたり、工事現場でエプロン姿の主婦がつるはしを握っている。女子トイレには平気でおっさんや学ラン姿の少年が出入りしているし、中には女装男装している者も。幼稚園の運動場では、園児と保母さんに混じって老人が駆け回っている。
「へー……」
彼らの本来の姿を推し量ることは出来ないのに、他の人間はまったく平常でいる。きっと俺が異常で、この入れ替わりなどというものに適応できていない。
駅ビルに入った俺は、本格的に次になりたい相手を探す。ランジェリーショップ店員の立場を借りれば女性の下着姿を見られるのかとも思ったが、青年がスケスケの下着を持って試着室に入っていくのを見て、男の身体となった客を相手にするのは嫌なのでやめた。
「お……ひとまずアレでいいか」
あゆりちゃんの身体は元気いっぱいなものの、背が低くそれだけでも大変。ならばと見つけたのは、改札前で誰かを待っているらしい女性。
ピンクメッシュのツーサイドアップ、派手なアイラインに黒めのリップ。リボンの編み上げとたっぷりのフリルがついた黒いブラウスとスカート、ガーターベルトにストッキング。キャラもののぬいぐるみめいたバッグに、厚底ブーツ。
あまり詳しくないものの、おそらくは地雷系だとか量産型だとか、とにかく街でたまに見かけるような、今風の女の子だった。
俺は迷いなく近づいていく。
「すみません、身体を入れ替えてほしいんですけど……」
「ん……あ、いいよいいよ。立場はどうする?」
無愛想に見えていたその子は、すぐさま笑顔になって屈み込んでくれる。一応、俺の今の立場は25歳の歩美さんのはずだが……ここも謎だ。
「立場も入れ替えてもらっていいですか?」
「いいよ――あ、もう」
「終わり。えっと……私は主婦か。今彼氏待ってるところだから。じゃねっ!」
水色のダウンジャケットを着た、小学生女子姿の主婦。あゆりちゃんの肉体、歩美さんの立場を得たギャルは、にこやかに手を振りながら立ち去っていく。
俺はその様子を、だいぶ高くなった視点から見送った。
「たっか」
あゆりちゃんの身体からでも大きく見えたが、実際になってみるとかなり高い。このギャルの背はそうでもないものの厚底ブーツが凄まじかった。
穂波《ほなみ》ちゃん、20歳専門学校生。それが、この身体だった。
「ってか彼氏か……」
去り際に言われた、彼氏を待っている所だという話。なぜだか穂波ちゃんの記憶にはそれ以上アクセスできず、詳細は不明なもののこんな時間から会ってどうするのだろうか。
ていうか、よく考えてみればずっと待ってやる義理もないか。また誰かの身体と立場をもらえば、そいつの責任になるのだから。
そう思った俺は、スマホを使い穂波ちゃんの家に帰ろうとする。
「ほなみー!」
どこからともなく、この身体の名前を呼ぶ声。しかし彼氏を待っていると言っていたのに、その声は女の子のものだった。
「待った、穂波?」
振り向いた背後、駆け寄ってきていたのは――クールな美女。レザージャケットをマントのように羽織り、中はニット。脚は長くタイトジーンズに包まれていて、ショートヘアもあって非常にかっこいい印象を受ける女性だった。
「ええと……穂波です、よろしくお願いします」
「ありゃ、中身変わってるのか……まあ俺も身体変わってるしな」
「彼氏さんですか?」
「おう。竜一《りゅういち》っていうんだ、よろしく」
どうすればいいのか分からなかったものの、中身が別人だと理解して接してくれた。また竜一という彼氏も身体だけ入れ替わっているらしい。
「今の穂波って、どんな感じ? 男? 女?」
「あー……おっさん、です」
「へー。とりあえず行こっか……あ、穂波の家ね。場所わかる? 案内したほうがいいよね?」
「は、はい……」
「じゃいこっか」
竜一という男はなかなかにさっぱりとした男のようだ。多少は入れ替わりという常識が追加された影響なのだろうが、彼女の身体を知らないおっさんが使っていても嫌な顔ひとつしない。当人のつもりで接している様は、演劇やドラマでキャストだけ変わったかのようでもあった。
「いやー……昨日寝られなくてさあ。穂波も夜勤バイト明けなんだっけ? 眠くない?」
「多少は。けどそんなにですかねー」
「あはは。固い固い」
竜一は肩で風を切って歩く。ブーツに慣れず一歩遅れる俺の前を行く姿は女性ながらかっこよかった。
だが俺は、このスマートでクールな女性の中身が男であることに興奮していたし、俺がこんなあざとい格好の女の子になって、女の子扱いされていることにも欲情していた。
かつての俺ならば竜一を抱きたいと思っていたはずなのに、女の子の身体になっているからか今はそうでもない。
彼氏彼女で、彼女の部屋。そそのかすまでもなく、セックスを始めるだろう。肉体的に女性同士だが、それは実行されるのだろうか。もしも夫婦が男同士になったり、カップルの片方があゆりちゃんのような幼い子になっても。その好奇心もあった。
「さ、ここだよ……って、穂波の家なんだけどね。おじゃましまーす」
「おじゃまします……じゃなくて、ただいまか」
そうしてやってきた穂波の家は、この格好から想像できる雰囲気だった。
何から何までラベンダー色、キャラもののぬいぐるみやシーツ、枕カバー。イメージ通りじゃないところをしいてあげるなら、しっかりと片付いているところくらいなものだった。
そわそわとしてくる。これらが全て、自分のもの。
「あのさ、竜一くんだっけ」
「どうしたの?」
「俺らは今身体が女の子同士だけど、セックスはするの?」
「ちょっと穂波、大胆だなぁ。そんなにすぐしたい?」
爽やかに笑う竜一。俺を壁に追いやって、ドンと腕を突き出してくる。
「当たり前だろ。俺が女の子になっても、穂波の心がおっさんになっても、穂波は穂波じゃないか」
「そ、そっか」
意味不明。こういうセリフは見た目が変わったりしたときに言うべきものじゃなかろうか。それだけ、俺の持っていた常識とは異なることを示していた。
「……穂波……綺麗だ」
「え、あ……っ」
竜一はそのまま、顔を近づけてくる。間もなく唇同士が触れ合って――女性同士のキス。口紅の色が混じって、吐息か交差する。背中にも腕が回されて、胸が押し付けられた。
「……っふ……ぅ。どうだ? 身体が変わっても違わないだろ?」
「ちょ、ちょっと。俺は穂波だけど、穂波じゃないって……」
「そうかも知れないけどさ……俺からすれば、穂波だし」
「ふーん……竜一くんは、女の子の身体になるの初めて?」
「そうだよ。あ、最初は穂波にしたほうがよかったね――ひぁっ!?」
俺は少し考える。このまま彼女気分で抱かれるのもいいけれど、むしろ竜一を手籠めにしてやれないかと画策する。女の身体になった男を抱いてやったら、どうなるのか知りたくなってしまった。
俺は歩美さんとあゆりちゃんで実体験で知った、女性の弱点を突く。股間だ。
ピタピタのタイトジーンズは張り詰めていて刺激は極端に少ないだろうが、初めての女体である竜一には十分有効だったようだ。
竜一は顔を赤らめ、自らの股間を押さえながら笑っている。
「ちょ、ちょっと……恥ずかしいって。女の子みたいな声出ちゃったじゃん」
「もう竜一くんは女の子だろ」
「お、おい……ふぁっ」
俺は竜一の腕を絡め取って、ベッドに押し倒す。鏡の中では、クールな美女を地雷系の少女が折り重なっているという、なんとも百合百合しい光景になっていた。
そのどちらの演者も、男。女性同士でしか起こり得ない百合カップルになっているというのもまた、俺の倒錯感を強くくすぐってきていた。
「竜一くん……美人だよ」
「は、恥ずかしい……」
俺は全身を密着させて、お互いの柔らかさを堪能する。
俺のブラウスとニットがこすれ静電気が発生する裏、お互いのおっぱいがぶつかって形を変える。細い腰を抱いてやると竜一はびくんとするし、耳を甘噛すると声を漏らす。
竜一のタイトジーンズは、俺のガーターストッキングだけの脚だとざらついているだけ。しかし脚を挟んだり、逆に挟ませたりすると竜一はわかりやすく震えていた。
「穂波……やめてぇ……照れる、って」
しかし、竜一はあくまで俺を穂波扱いしてくる。俺を女の子として見たいようだった。彼氏としての、男の矜持なのだろう。
それなら――
「じゃあ竜一くん。立場だけ、交換しようか」
「え……?」
「それなら君が穂波になれる。彼氏に大人しく抱かれていればいいんだよ」
「……い、いいけど」
――かちりと、頭の中で何かが切り替わる。
「あ、あぁ……俺……じゃなく、私が穂波……」
下敷きにされてなお強気を保っていた美女の顔が、一気にとろける。竜一はたった今、彼女に押されている彼氏から彼氏に抱かれている彼女の穂波になったらしい。
「……そうだよ。ね、穂波? 俺も女の子になったけど、えっちしてくれるよね?」
「う、うん……嫌なわけ、ないじゃん……」
その豹変ぶりは不気味ですらあったが、細かい理屈はもう抜きでいい。
俺達はお互い服を脱がせていき、手早く裸になった。部屋には、俺が着ていた地雷系の洋服と際どいレースの下着や、穂波が――クール美女のジーンズや黒いTバックが散乱していた。
「……んぁっ! や、女の子ってすげ……んぁあっ!」
そして俺は、穂波を責め立てている。元の身体の持ち主はモデルか何かなのかもしれない。陰毛は剃り残しがなく脱毛しているようだった。アソコの形も大人しく、身持ちが固いことも窺える。
対して、俺の元穂波の身体も十分綺麗。この外見は俺にとって軽薄なものに見えていたが、一途でひたむきな少女だったのかも。
それは、今俺の腕の中で悶えている穂波があまりにいじらしいことも作用していた。
口調こそ元竜一のものそのままだが、一切俺に文句を言わず身を預けてくれている。時折、女性の身体に感動するような言葉をこぼしてはいたものの、それ以外は素直に喜んでくれていた。
そろそろ、俺も欲しくなってくる。
「……なあ、いいか? 女同士だし、ゴムもいらないだろ?」
「う、うん……そっか俺、竜一くんと生で繋がるんだ……」
この穂波がどういう精神状態で、どういう自己認識なのか推測すら不可能。ぐちゃぐちゃ具合が、俺をまた奮い立たせて――
「ん……ぁあっ!」
「おおっ!」
俺と穂波は、濡れたアソコを重ねる。腰をひねったり、前後させたり、震わせたり。刺激はそれほどではなかったが、いずれも女性同士のレズセックス特有の動きだ。
それを、中身は男のふたりが熱中している。見た目だけなら、ツーサイドアップにピンクメッシュの入った地雷系女子が、ショートヘアのクールなモデル風女性を犯しているような景色。
そのギャップはSNSで流れてくる漫画のようでもあり、しかしその実は彼氏彼女でありながら、どちらも精神は男だった。
あまりにもアンバランスで、理解不能で、いびつな状況に俺は酔いしれていた。
そんな官能を流し込まれた身体が、そう長く耐えられるはずもない。
「んぁあっ、穂波っ、イく、っ、イくぞっ!」
「俺も、ぁあっ、穂波イっちゃう――うぁああっ!」
「ぁあっ! ふぁああっ!」
――俺達は、仲良く絶頂した。
膣からは潮が大量に噴出して、どちらがどちらのものか分からなくなる。穂波のクールな顔は恍惚に融けて、俺の可愛い顔は快楽にゆがむ。
そのまま俺達は、裸で積み重なった。
「はぁ……はぁ……竜一くん、激しいな……」
「へへ……でも、気持ちよかっただろ。女の子の身体」
「……まあ」
ベッドで語らいながら、俺達は手をつなぐ。中身が男というのは興奮材料だったし、そこに目覚めていれば人妻である歩美さんの身体と立場も楽しめたのかも。
まあまた誰か、見つければいいか。俺はそう思いながら、意識が閉じてくる。この身体は夜勤明けだったらしいので、抗うことなく眠りに堕ちていった。
――この改変されてしまった世界が、どういう方向に進むのかはわからない。絶対に何処かでほころびが産まれ、取り返しのつかないことが起きる。
しかし俺はどうでもいい。とにかくいろんな立場、いろんな身体で遊ばせてもらうだけだ。