XaiJu
Sunny3257
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Japanese short story Part04


「……以上が被害状況です。」


報告書を片手に説明を終える知的な雰囲気の女性。

その視線の先には窓から街を見つめる上司であろう金髪の女性。


「そうか……わかった。」


報告を受けるとポケットからスマートフォンを取り出し、どこかへ電話をかける。


「……私だ。緊急招集をかける。事態は悪化の一方だ……これ以上の被害を防ぐために早急に手を打つ。場所はいつもの場所で良い……あぁ、そうだ。では皆にも伝えておいてくれ、では。」


「総隊長、ご命令があれば私がすぐにでも……」


「対策もなしに飛び込むのは危険だエイミー、君も被害にあってしまう……我々の誇りにかけてもこの件は必ず解決してみせるさ。」


「はい、総隊長……ファウスト様!」


国土防衛少女隊、総隊長ファウスト、そしてその右腕のエイミー。

グレイス達を阻むべく、少女たちも動き始めた。



「さぁ!今日もダークワールドの世界を築くために進撃よ!」


少女たちが動き始めだそうとするそのころ、グレイス達は制圧箇所をさらに増やすべくまた作戦を考え始めていた。


「グレイス様!お待たせしました、ようやくシスターズの液体を解析し新たなアイテムが完成しました!」


研究開発担当が懐から取り出した瓶には緑色の液体が詰められている。


「あらこんな色だったかしら……?」


「成分を抽出し濃縮した際の変化ですね……このままでは怪しい液体ですが他と混ぜれば溶け込んで無色となります!」


なるほど、と便を手に取り作戦を思案するグレイス。

しばらくするとポンッ!と手を叩いて


「そうだわ!これならアイツに使えそうね!」


早速そのひらめきを実行に移すべく、小瓶を片手に部屋を飛び出していった。



「残念ね、何を狙っていたかは知らないけれどあなたはこれで終わりよ。」


「っ…………!」


少女の右腕から伸びる液体に拘束されるグレイスの姿。

流石にミラクルガールやシスターズたちの被害を聞いてか警戒が強くなっており簡単に変装を見破られ窮地に立たされていた。(そもそも口調でいつもバレそうになるが)

今回のターゲット、アクアマリン。

水を操る戦士で定期的に水を補給する必要があり、そこを狙ったわけだが失敗に終わってしまった。


「さぁ、ミラクルガールたちの居場所を教えなさい。でないと……」


水の拘束の圧力を強めていく……

ミシミシとグレイスの身体が悲鳴をあげていくが応える様子はない。


「強がっても無駄よ!これ以上締め付ければあなたは……!」


さらに力を入れる。……と、


バッキィィイイインッ!!!!


「!?」


グレイスの身体が砕け散る……それはまるでガラスのように、いや、ガラスそのものだ。

割れたグレイスから「緑色の液体」がアクアマリンの液体化した腕へ浸食していく……


「な、何だこれはっ……!?」


液体化を解除するにもすでに遅く、緑の液体は彼女の身体に染み込んで溶けていった。


「おほほほほ……どうやら成功したみたいね!小瓶を私の髪の毛と混ぜて怪人化させたダミーグレイス……」


物陰から終始様子を見ている女性……

そう、グレイスは警戒が強化されていることを計算に入れ事前に準備してきたのだった。

まんまと罠に落ちたアクアマリンは変身が解除されその場に倒れ込む。


「さて、液体の効果がどれほどのものか少しばかり観察させてもらいましょうか……」



数時間後。

アクアマリンが気が付いて起き上がるとそこには何もなかったように自分一人だけが残されていた。


「どういう事……?罠にかけておいて何もしなかったって言うの……?」


辺りを見回しても何も変化はない。

一体何が目的だったか見当もつかないままアクアマリンはひとまず家に帰宅することにした。


「あむっ…むしゃむしゃっ…おかわり…!」


「まりんちゃん今日はよく食べるわねぇ~」


「ちょっと…お腹が空いてて……」


帰宅後、夕飯を食べるマリン。

いつもは茶碗一杯で満腹になる程度のはずが今日は3杯食べてもまだまだ空腹感に襲われていた。


(戦闘でエネルギーを使いすぎた影響かしら……倒れる事なんてなかったからそのせいかな……?)


4杯目のご飯を平らげていき、ようやく落ち着いたのか箸を置いて自分の部屋へ戻っていく。

明日の学校の準備をし、風呂を済ませ、寝間着に着替えて眠りに着こうとするが……


(……お腹空いた……)


空腹で眠れず、今日まで少しづつ食べていたお菓子の残りを一気に食べつくし、空腹感を紛らわしてなんとか眠ろうとする。


(おかしい……こんなにお腹が空くなんて……まさか昼間の……?でもこんな事して一体……)


疑問に思いながらも結局一睡もできず朝を迎えてしまった。

そしてその一部始終をモニターで見ながらニヤニヤと笑みを浮かべるグレイス。


「なるほどねぇ……こういう効果が発揮されるのなら放っておいても大丈夫そうね、フフフ♡」



1週間後。


どすんっ……どすんっ……


通学路に重たい足音が鳴り響く。


「ふぅーっ……はふぅーっ……ふぅーっ……」


ぽたぽたと汗を垂らしながら巨体を揺らす肥満体……そう、アクアマリンだ。

あれから空腹が抑えられず、ひたすら何かを食べていないと落ち着かず薬の効果も相まって体の贅肉は大増量。

制服の新調も間に合わず巨大な腹をせり出しのっしのっしと必死に登校する。


「なにあのすげぇデブ……」


「まりんちゃんに似てるような……」


「1週間であんなにデブるかよwww」


「お腹出してて恥ずかしくないのかな……」


周りの生徒達は驚きや蔑みの声で溢れかえるが当の本人はそれどころではなかった。


「ぶふぅっ…ふぅ…はぁ…ふひぃ……おなか…すいた…はやく…たべたい……ぶふっ…はふっ……」


息を荒げながらも頭の中は食欲で埋まってしまっていた。

もはや自分の姿、学校や平和なんてどうでも良い……ただずっと食べ続けていたい。


水の戦士、アクアマリンは食欲の塊へと変貌を遂げてしまった……。


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