【先読み】亡国王女のフレーム引き回し刑
Added 2025-07-14 12:38:25 +0000 UTCこの国はもうだめだ、と。本来なら絶対にそんなことを考えてはならないはずのわたくしがそう思うようになったのは、いつからだったでしょうか。 魔族は凶悪な蛮族であり、必ず滅ぼさねばならぬ絶対悪である。わたくしもそう教わって育ちました。それが実は全くの欺瞞であると知ったのは、辺境領の貴族に半ば強引に実態を問うたときのこと。そのときわたくしは、それまでのことを恥じました。 始まりは……鳴り物入りで魔族討伐へと出発した、あまり態度のよろしくなかった勇者の訃報。魔王城から王都へばら撒かれた映像の中には、彼の同行者たちが見るも無惨な姿で捕らえられている様子ばかりが映され、当の勇者は遺骸を捨てたと一言で済まされていました。 それを受けて即座に口さがない噂や風潮を規制した王国中枢は、勇者の姿がなかったことを根拠に「彼は生存し逆襲の機会を窺っている」と主張しましたが……気付いているのでしょうか。もはや誤魔化しようとないとはいえ、王国最強と王自ら謳った勇者が少なくとも、完膚なきまでに敗北していると認めていることに。 わたくしはこれを見て、我が国のほうを疑いました。それまでの優勢との発表も、とても強硬な姿勢も。実態を知りたくて、魔国領にほど近い辺境貴族に話を聞いた結果が……ずっと負け続きでありながら魔国は攻めてはこないという事実と、魔族は中央が思っているよりもずっと紳士的で話が通じるということ。あまりの衝撃にあれこれ聞くに、もはや王都で聞く魔国や魔族についてのお話は、正しいもののほうが珍しいありさまでした。 わたくしは、できることを片っ端からやり始めました。話の通じる貴族を密かに味方につけ、気取られない程度にほんとうの情報を王都の民に伝え、王国中枢そのものが腐敗していることを知ってそれも押しとどめようとしました。 ですが、特に腐敗の阻止はうまくいかず……やむなく、事実を知った民の王都脱出、ひいては魔国亡命を支援するほうへ切り替えました。それに加えて。 「……ご苦労さま。あなたのおかげで、本当に楽になったわ」 「いえ……わたくしには、これが限界でした。ほとんどの民はいまだ刷り込まれたままで、貴族も大半が靡かず。あまりに強硬手段でしたが、あれしかなかった」 「あなたが頑張ってくれなければ、あのまま戦闘になっていたわ。数千の命を救ったこと、ちゃんと誇ってちょうだい」 わたくしは、王国民のほとんどがその存在すら知らなかった、魔帝陛下に内通しました。その存在を聞いたその瞬間、王国に勝ち目は万に一つもないと悟ったのです。 地方視察と称して、かなり無理をして魔王と顔を合わせて。どうにか取り次いでいただいた魔帝陛下に実態と王国の腐りようを直訴して、あまり乗り気でなかった魔帝陛下に、王国の征服を願いました。 ……せめて直轄地を中心に重税と圧政が行われたりしていなければ、わたくしもそこまではする気がなかったのですが。民のためを思えば、もはや心を鬼にするほかありませんでした。動き始めるまでは全く知らされてもいなかったものですが、この国の民衆は反乱寸前だったのですから。 辺境にも話を通し、先に投降する領も増えてきたところで、魔帝軍が進駐してきました。それが王都に到達し、結局ろくに説得を成せなかった王国軍が迎え撃とうとしたところで……わたくしは、生身で魔帝軍の目の前に飛び出して、この身を盾に降伏を強行したのです。腐敗している王侯貴族を除いて、王国民の命と生活を保証する、という条件付きで。 そうして王国は魔帝国へ併合されました。昨日、あくまで度を超えた悪政を理由に一部王侯貴族の公開処刑が行われて、自治領となった旧王国領の君主は王子……数少ない味方だったわたくしの兄へ引き継がれました。 「……それで、本当にやるの? 何もあなたが被らなくてもいいと思うのだけど」 「自分で蒔いた種です。これから主となる魔族への印象をいたずらにこれ以上悪化させるわけにはいきませんし……わたくしが行ったことは、国への大逆です。償わないわけにはいきません」 「……わかった。そんなあなただから、こうして国を受け取ったわけだものね」 そして今日は、王国を滅ぼした直接の主犯であるわたくしを罰する日。刑罰は既に決まっています。市中引き回しの上、人としての権利を剥奪。加えて旧王国領からの追放、です。 目の前に、わたくしを縛める拘束具が運び込まれました。金属でできた、体全体を固定するフレーム。……わたくしはそれを手で撫で、執行人となる元側近たちの手で衣服を脱がされながら、本音を口にしました。 「それに……」 「それに?」 「…………実は、少し興味があったのです。聖女たちの、あの映像を見てから」 ……あれ以降、映像を見た女性を中心に、かえってああした恥辱的な扱いに焦がれてしまう者が現れはじめました。なんでも魔族のあいだでは元より当たり前のもので、マゾ、という言葉で呼ばれるそうな。 そんなマゾに、わたくしも目覚めていたのです。……これは公には、絶対に秘密です。この身を犠牲にしての行動すべてが、茶番と化してしまいますから。わたくし自身への醜聞はいいとしても、民に「王女の我儘に付き合わされた」という徒労感を与えることは、少なくとも魔帝国のもとで実際に生活が改善するまでは許されないのです。 ……側近以外の者の前で裸を晒すのは、物心がついてから初めてです。ドレスも下着も、飾りやその他全ても取り上げられて、ひどく心許ない感覚に襲われました。 ですが、いつか政略結婚のためにと整えられ続けた身体。美にはそれなりの自信がありました。まずは絶対君主であり主となる魔帝陛下へ、両手を挙げて曝け出すことに。 「惚れ惚れするほど、綺麗ね。もらっちゃっていいのかしら」 「……ええ。大罪人の身柄ですから、邪魔でなければではありますが……」 「もらえるなら、逃がしたりしないわ。他の子にあげたりもしない」 罪人であることを示すため、昨晩のうちに綺麗に剃ってある子供のような女陰も。ほぼ触ったこともないおかげか綺麗な色を保つ乳房の先端も。不思議と嬉しくなるような褒められ方をして、それを表に出さずにいるのは大変でした。独占欲のようなものまで不意に向けられて、思わず目を見開いてしまいます。 それから、寝かされたフレームバインダーに自ら寝転がり、この日のために作られたぴったりのサイズのそれに姿勢を合わせました。すると、元側近たちがそれぞれの位置の拘束を施してくれました。ある者は悲しそうに、ある者は尊敬の眼差しを込めて。そして追放後もわたくしの世話役を続けるある者は、隠してはいつつも興奮を瞳に宿して。 「完成ね。痛いところはないかしら」 「問題、ありません……とても、恥ずかしいですが……」 「そう、よかった。……その恥ずかしさを自ら求めてしまう子も多いようだけど」 「…………まだ、わかりません……どきどきは、していますが」 全身を完全に拘束されてしまったわたくしの格好は、ひどいものでした。 胴体は首元と胸の下の二箇所を金属パイプに閉じ込められる形で固定されています。両腕は頭の横で降伏したときと同じ形になるよう挙げられ、二の腕と手首をそれぞれ拘束されているため肘を前に出すことすらできません。 極めつけは下半身。つるつるになってしまった乙女の秘所をこれでもかと曝け出すように、思い切り股を開かされています。それでいて見世物として運びやすいよう、そして形から視線を恥部へ誘導するため、膝は曲げて脚で菱形を作る形となりました。足の裏は合わせるように内側へ向けられており、この姿勢のまま床に降ろされたとしても自力で立つことすらままなりません。 これが、国を売り渡した裏切り者の罰です。王国始まって以来の恥知らずとして恥ずかしいところをこれでもかと晒され、魔族に屈した者として手を挙げた降伏のポーズを取らされて。そしてこのまま吊るされて、今から王都を晒し引き回されることとなります。 全ての王都民にこの恥ずかしい姿を見られてしまう、耐えがたい恥辱という形での尊厳剥奪。そうして始まるわたくしの服役は、二度と人間に戻らぬまま魔帝陛下の所有者として生涯続くのです。 「……それなら、行きましょうか。吊るすための舞台は用意してあるから、それがあるところまで運んでちょうだい」 「っ……は、はい……どうぞ、よろしくおねがい……します」 頭に、王族であることを示すティアラが着け直されました。もはや滑稽なだけのそれは罪人の身分を示すものであり、また落差を演出し辱めるものにもなります。 元側近たちに、魔帝陛下の従者の魔族も混ざって、フレームごと持ち上げられました。自分の関わらないところから感じる浮遊感は、今の自分がどうしようもなく無力であることを実感させてきて……不思議と熱を帯びてしまいそうな感覚を我慢しながら、舞台へ運ばれていくこととなりました。 制圧済で、わたくしの集めた貴族たちからなる暫定政府が詰めている王宮を運ばれていきます。ここにいるのはその全員が、わたくしの意図と行われることを知っている者たちですが……それでも、このあんまりな姿は人目を集めてしまっていました。 労るような視線ばかりなのが、かえって辛い。こんな惨めな姿で、これまでは絶対に晒したりしなかった王女の玉体を見世物にされて……ぞくりと、贖罪なら抱いてはいけない感覚に襲われているのが、申し訳なくて仕方ないのです。 かえってすれ違う魔族の目の方が楽でした。そちらは貴族のように自らの不出来を悔やむような反応しがたい色がない上に、聞いていた話の通りに紳士的で。しかもそれでいて卑猥なものとしては見てくださるものですから、心置きなく恥ずかしくなれるのです。 それらにはあくまですれ違って見えるだけで、まっすぐ通過することになります。王宮の正面玄関を出て、贅を凝らした広い前庭に。 「う、ぁ……」 「……どうかしら。恥ずかしいとは思うけれど……嫌? それとも、気持ちいい?」 「…………嫌でなければ、ならないのです。これは、わたくしが受けるべき処刑なのですから……」 暖かな日差しが、本来は浴びるはずのない胴体にも遠慮なく降り注ぎます。細く保っているお腹にまで陽の温もりを感じると、ありえないことをさせられているという自覚が強まって……それまで以上に、猛烈に恥ずかしい。 しかも、そよ風まで肌を撫でてきました。それがつんと立った胸の先端を舐め回す感触など、知らないでいるべきだというのに。 ……こんな返答をしているということは、当然。わたくしは、この恥辱を───気持ちよく、感じてしまっていました。マゾという概念を聞き及んで、興味を抱いてしまったときに薄々と感じていた懸念は今、わたくしのものとして実体化しています。 わたくしは王女でありながら、マゾだったのです。こんな屈辱的な姿で拘束されて外気に曝されることで、興奮できてしまうほどの。 「そうかしら。別に、それを楽しんでしまってもいいんじゃない?」 「い、いえ……そんな、それでは勝手に暮らしを変えられた民に示しが……!」 「償わなくていいと言っているわけじゃないのよ? けれど……こんな仕打ちを受けて、興奮している王女を見て、民はどう思うかしら」 しかしわたくしは、魔帝陛下のこのお言葉にはっとしました。わたくし自身は、己の罪を王女として償うことしか考えていなかったのです。 わたくしが無様な姿で晒されて、興奮しているともし知られたとして。民はきっと、こう思うに違いありません。あんな目に遭って喜ぶような王女、いや雌豚から解放されてよかった、と。 あくまでこの刑の目的は、王国を売り払いながらのうのうと生きている裏切り者を貶めること。それなら、王女だったその大逆犯は実は蔑むべきマゾ豚だったと、侮蔑という形で浴びることでも達成できるのです。 ……わたくしは、心と下腹の深いところにこびりついていた、ぞくぞくとした感覚を受け入れました。数人がかりで運ばれていたフレームが小さく揺れて、股から一筋の汁が垂れました。 これは、魔族の価値観ではむしろ可愛らしさとして歓迎されるものだそうです。ですがわたくしはこれを、王都民たちに拒まれるために見せつけに行くのです。 そのまま前庭の脇へ。わたくしの記憶では、確かここは……。 「……さあ、着いたわ。これがあなたの舞台よ」 「…………こんなものも、あるのですね」 「我が国では、ポニーガールは憧れの人気職業なのよ?」 そう、厩舎でした。今もその通りの扱いがなされているようですが、しかしその横に初めて見るものがあったのです。 普通のものと変わらない馬車に繋がれているのは、馬ではなく人。胴体をハーネスに引き絞られて後ろ手に拘束され、蹄鉄の形をしたブーツと馬銜の形をした轡を装着して、いかにも馬の代わりという様子をしています。 ところが、これ……ポニーガールは魔国ではむしろ引っ張りだこの人気職なのだとか。やはりなり手はマゾであるとのことで、そうした性質を当たり前に活用している魔国の文化の違いを目の当たりにすることとなりました。 「あなたの特等席は、ここ」 「っ……!」 そのままわたくしは、馬車の一番後ろ。乗合馬車なら出入口にあたる後壁の部分に、後ろを向く形で取り付けられることとなりました。 いざ固定されると、あくまで捕虜という感もあった手運びとは比較にならないほど、屈辱的。馬車の一部にまで貶められたような、とにかく晒すために用意された情けなさに浸されてしまいます。 しかもこれ、どうやら本当に扉を兼ねているようで。魔帝陛下とそのお付き、そして最低限のわたくしの世話役……先ほど興奮していた者の計三人が馬車へ乗り込むにあたって、わたくしはフレームごと横開きのドアとして動かされてしまいました。 その動きと浮遊感のみっともなさは相当なもので、しかも乗り込んだ三人はわたくしの背後だから、見ることも叶わない。恐ろしいほどの屈辱感と、息を呑むしかないほどの興奮が、わたくしを襲いました。 「このまま旧王都を一周するからね。亡国に幕を引いた王女の処刑、じっくり堪能なさい」 「は、い……この度は、申し訳ございません、でした……っ」 それから、お付きの魔族が御者として、手綱を振るう音が聞こえて。ゆっくりと馬車が動き始めました。馬として働くため鍛えられた魔族のポニーガール二頭は、馬車と四人を軽々と牽いて王宮の正門から外へ。 そうしてわたくしは、これまで王都だった都市の中を引き回されはじめました。 かぽ、かぽ……から、から。背後からはひたすら、ポニーガールたちの足音がします。異文化でありそれを受け入れる土壌のまだない旧王都ですが、それでもあの二頭は誇りと恥辱をもって歩いているのでしょう。自由を制限され歩くことしかできない存在が二頭だけで、四人分の重量を載せている馬車を問題なく動かしているのは、魔族の高い膂力に加えてコツもあるのだとか。 人族からすれば今のわたくしと同等となるほどの辱めですが、魔族からすれば簡単にはなれない花形職業。わたくしが馬として使役されるような未来は、来ないであろうことはわかります。それが歓迎すべきことかというと、わからないのですけれど。 「あれが王女様……」 「あんな目に遭って、大変だな……」 「悪いのは親や周りだったって話なのにね」 街中に出ました。街ゆく民衆はまずポニーガールに目を奪われ、おおよそ「話には聞いていたが実際に見ると……」といった様子の反応をしています。やはり異文化をすぐには受け入れられない様子や敗戦から目を逸らすさまが多数派ですが、思っていたよりは適応しつつある者もいるようです。 性的な目で見ているらしき声も少なからず聞こえてきますが……それに興奮しているのか否か、魔帝陛下が旧王都まで連れてきた御用ポニーは足並みを乱すこともありません。 「しかし……なんというか……こう」 「エロいな……」 「こ、こら!」 それを見ていた民衆が次に目にするのが、わたくし。馬車の後方に磔にされた王女の姿に向けられる反応はさまざまでした。 中央が教育してきた人間至上主義や、長らく続いてきた戦いに敗れたことを突きつけられて泣き崩れる者。度を超えていた圧政の打倒として歓迎する者、わたくしも被害者として受け止めて晒し刑を悲しむ者、そして思わずかいやらしい視線をわたくしにも向けてくる者……。 もちろんわたくしには向けられる劣情を嫌がる権利もありませんが、わたくしに対しては同情的な目を向ける者が妙に多かったことに驚きました。 「処刑前、ほとんどの罪人があなたを口汚く罵っていたのよ。民にとっては、あなたは悪政から民を解放した存在でもあるの」 「………そんな」 「お兄さんもあなたに繰り返し謝罪していたのよ。……そんなあなたをこうして晒すことには、融和政策として意味もあるのだけれど」 「わたくしは、そんな理由などなくここに晒されるだけのことをした、咎人だというのに……」 そうして周囲の反応を窺うことこそできていましたが、それはそれとしてわたくしの頭の中はぐちゃぐちゃでした。恥ずかしくて、仕方ない。 胸の膨らみに、剃られた股に、裸で開かされた全身に多くの視線が突き刺さるのが肌でわかります。思わずといった様子で目を離せずにいる青年も、見ていられないとばかりの老夫婦も、遠慮なくじろじろと見てくる中年の男も、顔を赤くしてちらちらと何度も見ては目を逸らす少女も。 わたくしはただ、佇んでいることしかできません。何も隠していない全裸を晒し、降伏を示す姿勢で固定され、恥を見せつけるために股を開いたまま。 ですが……。 「…………ぁ」 「あら。やっぱり、本当に素質があるのね。嬉しいわ」 「……っ」 もうひとつ、できることがありました。……股を、濡らすことです。 白状します。わたくしは、この状況で、羞恥で性的に興奮しています。あまりに屈辱的で恥ずかしいさまをこれでもかと見られて、ぞくぞくと妖しい感覚に襲われ続けているのです。それがマゾなのだというのなら、もはや言い逃れの余地はありません。 なのに。ついには何も触れていないのに湿っていた縦の筋から滴を垂らしてしまたのに、周囲の視線は変わりません。救いようのない変態だと喧伝しているに等しいのに、なぜか民はわたくしを蔑みません。 「どうして……」 「ここにね、こう書いてあるの。『媚薬投与中』って」 それはどうやら、わたくしの頭上に看板が用意されているからである様子。媚薬を盛られて資質にかかわらず発情させられているから、股から垂れる蜜も科されている辱めであると見えるようです。 もちろん、嘘。わたくしは媚薬など一切盛られておりません。こんな仕打ちを受けて、自分で発情し地面に水滴を垂らしているのです。 「どうしてそこまで」 「そのほうが都合がいいのもあるのだけど……一番は、私のペットなのだから、皆に愛されるままで私のものにしたいからね」 「…………お見逸れ、しました」 これは、わたくしの負けです。ここまで徹底的に尊厳を破壊しておいて、それでいつつ私情でわたくしの尊厳を保ったまま受け取りたいと。魔帝陛下はどうやら、思っていた以上の支配者気質であったよう。 わたくしはもう、彼女の思うままになることしかできませんでした。マゾ発情による粗相を庇われ、いくら乳首を勃てても自分のせいだと思われず、魔帝陛下による支配のものだとされながら、自分自身だけは突きつけられる。 もう、よくよく理解していました。わたくしはもはや、彼女の物になること以上の道を持たないと。 「恥ずかしい……」 「それは、晒し引き回しだけのものかしら?」 「いいえ。これから飼われることを、嬉しく思ってしまっている自分が……とても恥ずかしい」 「よく自覚できたみたいね。……ご褒美をあげようかしら」 「ひゃん!? ……魔帝、陛下……っ、そちらは、ちが……っ」 それを認めて、本当の服従宣言を行ったわたくしに、魔帝陛下は触れてきました。……尻の、孔。下手をすれば女陰よりも恥ずかしく、また屈辱的なそこを、遠慮なく弄り解してきます。 もちろん、制止などで止まるはずもなく。ひどく楽しげな声を聞き、その顔を見ることも叶わず、わたくしはペットとはどういうものなのか思い知らされることに。 「違うでしょう? 気持ちいいです、ご主人様、よ」 「ん、ぁっ……は、ぅ、…………きもち、いいです……ご主人、さま……」 「いい子ね」 「はぅ!? ……っ、ん、ぁ、ぁぁっ……!」 わたくしの身柄を受け取ることも当初は躊躇していたとは思えません。魔帝陛下……ご主人様は、わたくしに自らさらなる恥を晒すよう、それまでより大きな声で促してきました。 当然、意図がわからないわたくしでもありません。民に聞こえるよう放たれた躾の言葉には、応じる服従の言葉も民に聞かせなければなりません。……やはりご主人様によって無理やり辱められ、言わされているように見えるのでしょうけれど、そんなはずもなく。わたくしは本当に気持ちよくて、本心からご主人様に飼われ従いたいと思いはじめていました。 とはいえ、披露されたのはこの通り、恥ずかしい服従を強いられつつ、完全拘束晒し姿で尻を穿られて喘ぐ元王女の姿。媚薬と言い訳されたそれが、今後の魔帝国自治領のありかたを暗示していると見られることでしょう。 その中心に、片手間に尻へ指を挿入されてたらたらと愛液を垂らし続ける変態マゾペットがいたとしても、それは変わりないのです。 「気に入った?」 「…………はい」 「それなら、この格好のまま魔都まで帰るのもいいかもしれないわね。安心して、ちゃんとお世話はしてあげるから」 「……お、仰せの、ままに……」 「ええ。……戻ったらどうしようかしら。ティエラちゃんにいくつかやり方を聞いているのだけど……やっぱり最初はヒトイヌかしらね?」 そんなことを囁かれて、興奮のあまり膣を締めて愛液を噴き出すのも、これでもかと見られていて。だけどそれは、あくまで人々を守るために身代わりとなった王女の献身と受け止められて。 わたくしにとってはもはや、そのズレからなる罪悪感のほうが、よほど罰になっているのでした。