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雪中アヤメ
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お狐さまはラバーがお好き

「お狐さまー、遊びにきたよ!」  社の外から元気な声がした。最近よく遊びに来る子等じゃ。新品の制服をまだきっちり着こなして、大きな鞄を肩にかけながら嬉しそうに駆けてくるこ奴らは、最近では常連となりつつある可愛い来客であった。  しかし、その表情だけは年相応とは呼べないものとなっておる。相変わらずませておる、悪い子等じゃ。 「おお、茉白に杏か。よく来たのぅ、ほれ、上がるとよい。ちゃんと裏からの」 「えへへ、お邪魔します」 「なに、気にするでない。わしも暇だったところじゃ」  わしは社の屋根でのんびり陽を浴びておった。もう五百年はこうしておるが、人というものはどんどん変わってゆくのだから面白いものじゃ。  多くの人々には認識できぬが、わしのような存在はどこにでもおる。それらとわしの違いを挙げるとすれば、わしのことは見える者がそこそこおることと……やはり、人間が異国より持ち込んだ文化に興味があることじゃろう。  昔はこうしておるときも、いわゆる狐神らしく和装をしておった。じゃが今は違う、わしは自分の好きな格好をしておる。  たまに掃除をしに来る者に靴やらで気取られぬよう、手水舎で手を洗った茉白と杏は社務所の裏口から回って入ってくる。わしはそれを迎えるため、ラバースーツ一枚のみに包まれた体を翻し屋根を降りた。 「さてと。……まあ目を見ればわかるが、いつも通りかえ?」 「うんっ! ことしからちょっと門限が伸びたから、五時半までできるの!」 「うむうむ、4月じゃしのう。その調子で、ここでの楽しみ以外は良い子になるのじゃぞ?」 「はい。そのためにも、息抜き。これからもたくさんさせてくださいね?」  わし自身と連動させておる、わしが見える者にしか認識できぬ社務所の一室まで迷わずに来た二人は、もう待ちきれぬという様子で自分たちから服を脱ぎはじめた。全く、悪い子等じゃ。  恥じらいはしておるくせに、期待丸出しですっぽんぽんになりおった二人。わしがいつも通り二人に向けて妖術を放つと、現れた黒い液体が二人の首から下を薄く覆った。……これがわしの今の趣味であり、ここは来る子等のお目当て。わしもずっと着ておるラバースーツじゃった。 「んっ……やっぱり、これすき……」 「はふ、っ……ありがとうございます、お狐さま」 「二人とも、似合うておるぞ。ほれ、これも着けよ」  背徳感と呼ばれる感覚については、わしもよくわかる。まさに今感じられるもので、悪い子になる良い子のみに許された気持ちよいものじゃ。現に茉白も杏も、液体から固まったラバーに全身を包まれただけでぞわぞわしておる。  すりすりとラバー越しにおのれの体を撫でておる二人には、わしのお気に入りの証であるまじないの品を貸してやるのが常になっておった。カチューシャと呼ばれておった西洋由来の髪飾りに、わしと揃いの狐耳飾りをつけたものじゃ。 「ん……〜〜〜っ」 「茉白、ちょっと支えて……ん、ひぁ、ふ」 「うむうむ、やはりこれじゃのう。わしはこれが至高じゃと思うておるが、二人はどうじゃ?」 「わたし、もっ……!」 「できれば、ずっとこれがいい、くらいです……っ」  それを着けた二人の頭に飾りが同化して、一時的にじゃが体の一部になる。さらには腰からは狐らしく愛い尻尾が一本生え、それがそのままラバーに包まれ締め付けられた。二人が鳴いたのは尻尾にも感覚がついて、これが気持ちよいからじゃろう。  わしにはわかるのじゃ。なぜなら、わしも同じ格好をしておるから。揃いになった二人を見て、わしはやはりラバー狐こそが至高じゃと改めて思うのじゃった。 「お狐さま、あそんで」 「うむ。……じゃが、茉白と杏が来るなれば……少し待っておれ」 「はぁい」 「……ほれ、藍里。時間じゃ。名残惜しかろうが、そろそろ起きよ」 「んぅ…………っ」  小狐二匹の愛らしいおねだりを暫し待たせ、わしは別のものへ振り返る。……実はこの部屋におるのはわしら三人だけではない、より変態な先客が何人もおった。  そのうち一人……というよりは一つ。頭までしかとラバーに包まれ、四肢も胴体にまとめられておった真っ黒な塊を抱き起こす。気が乗らなそうに呻き身じろぎをするそれの頭を露出させれば、艶めかしく蕩けた大人の雌が現れた。 「ん……もう夕方ですか……?」 「うむ。夜にはしばし時間があるが、寝過ごさぬよう起きてはおれ。物足りねば、この曜日の今はじきに……」 「お狐様ー」 「ほれ、恵が来おった。いつも通り遊んでもらえばよい」  藍里は昨晩からずっとこうしておる変態で、毎週一日ここに来てはストレスを発散しおる。その方法はもっぱらこのようなもので、週の貴重な休日を半分も注ぎ込む物好きじゃった。  そして慣れた様子で直に裏口へ来おった恵は、そんな変態共を可愛がりたがる趣味じゃ。未だ体は囚われたままの藍里には丁度よかろうと、あとは恵に任せて藍里を転がし直した。 「待たせてすまんの、二人とも。さて、何をして遊びたいか言うてみよ」 「うんっ! いつも通り、さわってほしいの。すっごく、うずうずしてるから……っ」 「それと、その……藍里さんがされてるようなの、されてみたいです」 「……悪い子じゃな。あれは変態マゾのための悪い遊びじゃが、なれば試してみるとよい」  改めて構うこととした二人は、興味を持ってしもうたらしい。二人ともとうにラバーの沼には引きずり込んであるが、これはそれだけに限らぬ被虐に手を出すこととなるが……まあ、同じ空間におるのじゃから無理はなかろう。試させてやるのがわしの責任じゃ。 「ぁ、あとねっ。ふたりでいっしょに、ひとまとめにされてみたいの」 「ふむ。仲がよくて良いのう、もちろん構わぬぞ。なればひとつの塊にしてやろう」  ずっとも、などと言うのじゃったか。茉白と杏はそれほどの親友で、何をするにも一緒の間柄じゃ。わしはこの社でしか知らぬが、少なくとも片方だけ来たことは一度もない。そればかりか別々のことをしたがることすらないのじゃから、筋金入りじゃ。  健気なことを言い出す二人を正面同士から抱き合わせて、密着した部分のラバーを癒着させてゆく。ラバー拘束は他で味わえぬと人気じゃが、構造は単純じゃ。試しにと剥がそうとする腕が全く動かぬ様子を確認すれば、二人はそのままこちらへ体を預けてきよった。何するかと思えば……。 「ん、っ……ほんとに、うごけない……!」 「くっついてる……うれしい、茉白……っ」 「うん……このままじゃ、さわってもらえないよね……っ!」 「主ら……随分と素質があるようじゃな。自分たちでやったのじゃ、恥ずかしくともやめさせぬぞ?」 「ぁっ……!」  わかりやすく好き合うて浸る二人は、互いにいわゆる「だいしゅきホールド」とやらの形となった。互いの腰を脚で抱え合うようにして片方ずつ上から被さり、下から見てしまえば恥ずかしい開脚を二つ密着させておる。  自分たちから取ったその姿勢もラバー拘束で固めてやれば、さらに興奮が一段増したらしい。雌の芽生えを感じさせる興奮顔を零距離で突き合わせる二人を、わしはそれごと横から抱きしめてやった。 「ほれ、ここを触って欲しいのじゃろう? 恥ずかしくおっぴろげおって」 「ひぁん!? は、はいっ……そう、です……っ!」 「それ、もっとっ……!」 「全く、仕方のない子等じゃ」  わしは胡座をかいた脚の上にソレを載せ、下から手を潜り込ませた。そのまま尻を撫でざまに股間へ触れなぞってやれば、ぴっちり写し出されたソコを震わせながら甘ったるく鳴きおる。向こうで恵に好き勝手されておる手本は気をつけにしておったというに、自分達から股を開いたのじゃから期待しておったのじゃろう。  とはいえ、こ奴らはラバーの魅力に溺れただけで色狂いではない。しばらく膜越しに撫で回し、ついでにくっきりしておる尻穴も軽くつついてやれば、充分に満足して互いを貪りはじめた。 「ぁっ、あっ、ひぁ」 「んぅ……んっ、あれ!?」 「この、感触……っ」 「ラバー同士が擦れるのも良いが、主らはもっとひとつになりたいのじゃろう。ほれ、境界なぞなくしてやろう。くふ」 「ぁ……、茉白、茉白っ……!」 「んっ、きもち、ちょっと、まっ……!」  そのまま暫し手を貸してやる。それぞれに片手ずつ、欲しがりな股間をそれぞれ弄り回せば嬉しそうに鳴きおるのじゃからわしとしては面白い。素質があるのじゃろう、ろくに開発もされておらぬ尻穴を外から捏ねてやるだけでこの有様じゃ。  それにこの二人は、互いの関係性でもわしを楽しませるのじゃから良い子らじゃった。間にあった二枚のラバーを全て消してやり、一枚のラバー膜の中で裸で抱き合う形にしてやればこの通り……不自由な体で抱擁を強めながら、触れ合うこととなったおめこを必死に擦り合うておる。 「んむっ、ぁっ、んぅ〜っ!」 「ふっ、んっ……杏、すきっ……」  こやつらは外ではただの友のようにしておるが、その実本気で好き合うておる。今の世間は昔よりもそれに厳しいようじゃが、ここはわしだけが見る隔絶された空間じゃ。好きなだけ欲しがり合うても、誰も咎めなどせぬ。  深い口付けまで交わして腰を擦り合い、二人だけの世界に溺れていきおった二人をいつも通り床へ転がして、わしは他の子を見ることにした。なに、毎度のことじゃ。わしはわしの欲を満たしつつこ奴らの幸せを与えてやり、ついででこのような面白いものを見られればそれでよい。  わしは元々、大昔に神力を芽生えさせた狐神じゃった。八百万の神々にはありふれた経緯で、ほかにも狐神はおったから何も特別なことはあるまい。  しかし最近……百と五十年ほど前じゃろうか。この国は大きく変わりおった。風景も文化も技術も、何もかもが。神への信仰は増したようじゃが、さらに何十年か経てばそれも薄れ始めたものじゃ。  そうして他と同じように稲荷神社で忘れ去られていくこととなったわしには、しかし転機があった。静かさを利用してか、どこぞの変態が恥ずかしい格好で夜の散歩に来おったのじゃ。その女はぴちぴちのラバースーツを身につけ、鳥居の影でコートを脱ぎ落として徘徊し始めた。  わしはそれに釘付けになり……その女に気付かれた。あやつがわしを見ることができたということは、少なくとも信仰心はあったということになるが……どうせ、これを見てくれる誰かがいたらいいのに、程度の思いじゃろう。  しかしそれが弱みになりうると知ったわしは、薄れゆく信仰や存在感をどうにかする機会も兼ねてあやつを取り込むことにした。なに、吐かせた欲を満たして変態行為を繰り返してやっただけじゃ。最終的には犬の格好で放尿して善がる、どこに出しても恥ずかしい雌となり果てた。  そして代わりにとこの社を広めるよう言い含めたまではよかったのじゃが……あやつは何を思うたか、同好の集まりに「遊びに付き合ってくれるお狐さまがいる」などと吹き込みおった。それがこの社がラバーフェチの溜まり場となった瞬間じゃ。  もっとも、その頃にはわしもラバーの魅力に取り憑かれておった。妖術でラバーを再現し、液状にもして応用できるようにした上であれこれ遊ぶばかりか、自分でも常に着込むようになっておったのじゃから人のことは言えまい。  それからはわしの方から迎え入れては遊んでやり、この部屋のような環境も整え、さらには素質のある子をわしの方から引きずり込むようなことまで始めた。茉白と杏も恵もそのクチじゃ。……なに、曲がりなりにも神たるわしにとっては素質の有無を見分けるなど容易いことじゃ。  自惚れでも自己愛でもないが、やがてラバー狐こそが何よりも愛いものという考えにも至った。そこで貪り合う小狐のようなものを鑑賞するのは、今のわしの大きな楽しみじゃった。どうなるかはわからぬが、いずれは望む者は眷属にしてやるのもよいかもしれぬな。  とはいえ、今はもう手ずから勧誘はしておらぬ。そんなことはせずとも勝手にこ奴らが新入りを誘って来おるから、あまり増やせば手が回らなくなりかねんのじゃ。全く、この国の女は存外変態が多いらしい。わしも含めてな。  暇潰しに吊るされたラバー繭の女をつついて呻かせておると、やがて外からまた新たな常連が転がり込んで来た。 「お狐様!」 「おお、侑香か。よく来たの」 「はい! ……それと、今日は友達を連れてきてて」 「友達とな。素質のある子等とは違うのかえ?」  侑香は最初にここに来た変態で、わしにラバーの素晴らしさを伝えた張本人じゃ。当然遊んだ回数も誰よりも多いのじゃが、それ以外にもひとつ特別に与えたものがある。輪を広げて楽しめるようにと、わしが元々持っておった素質の有無を見分ける力を分け与えておるのじゃ。  仲間がそれなりに増えてきおったゆえ、わしが探しに出ておる間に暇をする子がおると。自分は結局その恩恵を受けぬというのに、探し誘う役に名乗り出た奇特で仲間思いな子じゃ。  しかし、そのような際にはこやつは「仲間」と呼ぶ。友達と言い出したのは初めてなのじゃが……。 「はい。見た感じ、素質は五分五分でわからないんですけど……勇気を出して。変なの見せるけど、興味なくても引かないとは言ってくれたので」 「なるほど、よい友を持ったのう」 「はいっ。じゃあ、呼んできますね」  それがどれほど難しいことか、わしにもわかっておるつもりじゃ。茉白と杏のように傍におる者が同じ素質を持つ例は希少で、多くの場合は連れ立つうち一人といったところじゃから。誘うにも解散したところを狙っておった。  多くの者の素質は、侑香が言うように五分五分。つまり知るまでわからぬという状態じゃ。世に広まっておらぬ趣味にしては受け入れられようもあるものなのじゃとわしも驚いたくらいで、むしろこれは高い方じゃろう。  それでも侑香は、素質を置いてただ友ゆえに連れてきたという。受け入れられずとも友を失うわけではないとはいえ。大した勇気じゃが、それほど受け入れられれば大きいということじゃろう。 「うわぁ……なにここ、なにこれっ」 「ここに神社があるのは知ってたけど、こんなところがあるのね」 「うへー、なんか異文化ってカンジだわ。ちょっとおもろいかも」  侑香が連れてきた友は三人じゃった。  まずは天真爛漫とばかりにふわふわとした様子の子。この手の娘はなんでも先入観なく楽しめることも多い、見せ方次第じゃろう。  続けて真面目そうな、聞いた言葉を借りれば委員長とやらのタイプか。あまり適性のない子も多いが、たまに見かけによらぬ娘もおる印象じゃ。  そして軽い雰囲気の、いわゆるギャルとやらにしてはしかとしておりそうじゃが。この手のは特に思いよう次第じゃから、いかに興味を持たせられるか。掴みは悪くなさそうじゃな。  仲良し四人組だそうじゃが、随分と特徴が分かれておる。人間は似た者で集まると思っておったが。 「それで侑香ちゃん、ここにはお稲荷さま……神様がいるんだよね」 「あちらの方かしら。……神様だなんてにわかには信じ難いけれど、あの尻尾、動いているわね……」 「はじめまして! 神様ですかー?」 「も、もうちょっと礼儀とか言葉遣いってものが……」 「うむ、いかにも。すぐには信じられぬかもしれんが、千年近くは生きておるぞ」  なかなか賑やかじゃが……思いのほかすぐにわしへ興味が向いたのう。我ながらなかなか奇特な部屋になっておると思うし、あちこちで楽しむ子等の中にはまだ仲間と限らぬ客に固まる子や恥じらう子も多かったが。  やはり現代、神やら何やらと科学の外にあるものには弱いのかもしれぬ。まあ、望まれるようならそれも応じてやってもよいじゃろう。 「で、えっと……これは?」 「うん。実はここ、同じ趣味を持った……ラバーフェチってやつの巣窟で」 「ってーと……見てわかっちゃいたけど、エッチなやつだよね? 侑香っち、こーゆーの好きだったんだぁ」 「う、うん……」 「早く言ってくれればいーのに」 「そうね。恥ずかしいでしょうけど、隠されていたのは心外だわ」 「そうそう。それにこんな秘密、ずるいよ侑香ちゃん」  ……なるほど、引かないなどという口約束に心配しておったのは杞憂じゃったか。この光景を見て一様に興味を持つとは、やはり人は見かけによらぬか。  改めて見れば、確かに四人とも素質ありへと変じておった。そしてその内容は……ふむ。 「さて。ではまずは、侑香の着替えを見てみるとよい。……ほれ、いつも通り準備せい」 「あ、そうだった。侑香ちゃんがこうなるのも、見れるんだよね」 「どんなカンジなのかなぁ?」 「は、はいっ。……うぅ、いつもとは比べ物にならないくらい恥ずかしい……」 「主が連れてきたのじゃろう? いつもより惨め願望を満たしてやってもよいのじゃぞ」  あれこれと見たいものもあるようじゃが、やはりまずは友である侑香を見せてやるのがよい。三人に囲まれて恥ずかしそうではあったが、観念した侑香は大人しく脱ぎはじめた。  やがて裸にはなったが……しおらしくも手であれこれ隠しておる。らしくもない。 「ほれ、いつも通りにせい」 「ひゃっ……うう、ぅ……いつもより、きついじゃないですかっ……」 「わぁ……」 「これ、思ってたよりだいぶやらしーわ……」  侑香は最初に着ておったラバースーツも自前で持っておるが、ここではもっぱらわしのラバーを使っておる。その方があれこれ使いやすいからじゃったが、おかげでこうして着替える際にも絵になるというものじゃ。  継ぎ目のないラバースーツに包まれ、人間の品では難しい乳首や股までくっきり浮き上がらせた侑香を見た三人は、それぞれ興味津々の様子で見つめておった。顔を真っ赤にしながらじっくり見てから、おもむろに手が伸びる。 「ひぅ!?」 「へえ、いい感触ね。……こんな格好をわざわざ見せるために連れてきたのだから、覚悟くらいできているのよね」 「そ、れは……してきた、つもりだったけど……揉まな……ンっ」 「すごい声……気持ちよさそう。わたし、これ興味あるかも……」 「わかる。ちょい試してみたいわ。にしても侑香、こんなやらしー体してたんだ」 「ふッ……、ちょっと、はなし……ぁっ、ぁ」  胸を揉まれ、後ろから抱き着かれ、おまけに尻も揉まれと。くんずほぐれつで箍が外れそうな三人に閉じ込められて可哀想なことになっておるが、とはいえこれを望んだのは侑香自身じゃ。助けなどは必要なかろう。  それに、今日は侑香ばかりが楽しむ日ではなかろ。悪いが少し待っておってもらうとするかの。 「ひぁ!? ま、待って、そこはっ……はぅっ、ぐ」 「……ん? これは……」 「なに、ちぃと拘束しておくだけじゃ。侑香は暫しそのまま待っておれ」 「ああ、触れ合ってるところ同士がくっついているのね。そんなことまでできるなんて信じがたいけれど、さっきの様子を見れば操れて当然なのかもしれないわ」 「へーぇ、じゃあ侑香っち、今はほんとに立ってることしかできないんだぁ」  外から見れば首から下を全てラバーに包み込まれ締め上げられたような形じゃ、藍里と違い頭は出ておるが恥ずかしさに違いはあるまい。俗にラバー拘束などと呼ばれておるが、人間の手ではバキュームチューブでもなければ再現できなかろう。  もともとできておらなんだ抵抗が完全に封じられた侑香に興味津々の三人じゃが、ここはこちらを向いてもらうとするかの。欲しがればではあるが、わしからプレゼントじゃ。 「三人とも。ここまでを見てどう思うた。……ラバースーツ、着てみたいとは思わぬか?」 「! 着られるんですか!?」 「もち! すぐ脱ぐから、ちょーだい!」 「もう、二人とも……でも、私も興味はあります」 「そうじゃろうそうじゃろう! では着せてやるとするかの!」  三人してこの反応じゃった。侑香はまたお手柄じゃな、わしもいよいよ気分が乗ってきてしもうた。  三人にはまず服を脱いでもろうたが、より恥ずかしい侑香を見ておるからか案外平然としておる。が……それぞれぴっちりと体を黒ラバーに包み込んでやれば。 「んっ……なんだろ、ちょっと、きもちぃ……」 「あは、これはけっこー、恥ずかしいカモ?」 「……不思議な気分ね。なぜか体が熱くなってくるわ」 「えいっ……!」 「きゃ!? お、驚かせないでちょうだい!」  三者三様、それぞれに独特の魅力を文字通り肌で感じたようじゃった。向こうでぎしぎしと藻掻く侑香をよそにそれぞれが、自分の体をラバー越しにすりすり。恥じらい気持ち良がる様子をしばし見せたあと、さらに貪るように抱き着いて擦り寄りあう。……うむ、わしから見ても眼福じゃ。興奮しておるとはいえ軽率に抱き合うとは、よほど仲がよいのじゃろう。 「こんなのをずっと独り占めしてたなんて、なんか侑香っちにムカついてきた」 「えっ!? い、言わなかったのは謝るけど、引かれるかもってずっと悩んでただけでっ」 「引くわけないでしょう。私たちを信じなかった悪い子には、お仕置きが必要よね?」 「ひぅンっ!? ま、まってっ、いま、びんかんで……ふぁ、!」 「侑香ちゃんかわいい……でも、今日いっぱいは許してあげないよ?」  やがて三人は侑香のもとへ戻っていきおった。誰かしらはマゾの方に目覚めるかとも思うたが、少なくとも今日のところは侑香を三人がかりで苛め倒すつもりらしい。  より容赦のなくなった三人は、三方向からそれぞれラバー2枚越しにサンドイッチをはじめたばかりか、くっきり浮き出ておる割れ目を指先で撫で始めた。元々はそのような一線は越えておらぬよき親友であったように見えたが、誰もが悦楽を貪るこの部屋と初めてのラバーに浮かされておるようじゃ。……もっともこの分じゃと、時間の問題ではあったじゃろう。機会があっただけで、おまけにその機会を作ったのは侑香のほうじゃ。 「はっ、はっ……まだまだ、イケるよねっ……!」 「ん、っ……もっと、気持ちよくなりたいよぉ……」 「お尻の穴まで気持ちいいのに、それすら隠していたのね。さっき隠し事はなしって思い知ったでしょうに……まだお仕置きが欲しいのかしら」 「ひンっ!! も、わかんにゃい、よぉっ! よにん、ぐちゃぐちゃ、で……ふぁ!?」  結局あの4人はそのまま、急にお泊まり会をすると連絡を入れて居座りはじめおった。今はリクエストがあって渡した、真っ黒な狐の着ぐるみ型ラバーマスクを全員が被っておる。  おかげでもはや区別がつかぬ……かと思いきや、生えておる尻尾が侑香のものだけアナルプラグになっておった。今はそれを抜き差しされてお仕置きを受けておるところじゃ。ここならばとわし相手には変態を隠しもせずに開発を許しておったのが裏目と出たのう。  ラバー狐こそが何よりも愛らしいと思うておるわしにとって、全身全てがラバーでできておるあの狐たちは至高の品じゃ。いくらでも見ておれる。  帰り際だという娘に極薄ラバー越しの股を舐めさせて奉仕を許しておったわしは、結局4人が力尽きてくっつき合い眠りに落ちるまでずっとそうしておった。慣れぬことや執拗なお仕置きで体力を使ったのじゃろう、早めの時間に寝入りおったから明朝は問題なかろ。朝餉くらいはわしが作ってやる。 「さてと……わしも寝るとするかの。今夜の抱き枕は……」 「んっ、んぅっ!」 「ふンっ、ぅー……!」 「はっ、はっ、ぁう、ぅーっ……!」 「うむ、これにするかの」  わしはいつも、定期的にこの社を寝床にしたがる不届き者を抱き枕として寝ることにしておった。見えもせぬであろうラバー塊たちがしきりにアピールをしてきおるから、その中からなるべく均等になるよう選んでやるのじゃ。  今日も一匹を吊るされておった天井から収穫して、この部屋の隅に布団を敷き潜り込む。特別などはないが、普通ではない日常じゃ。なに、神などそんなものじゃろう。


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