今月より、【週刊ぶんかま】という題で、絵とエッセイの企画を始めることにしました。
SNSは、そのシステム上、「タイムライン」というものが形成され、自身が発信したものは他人と他人のスキマに入り込むことになる。その一連の流れの中で行う言動や行動は、本当に自分のものなのだろうかと、常々疑問を抱くことがあった。
だからこそ、SNSとは離れた場所に「自分」を置いておける基地があるといいなと思った。要は、「ブログ」である。ここなら、プラットフォームのシステムに関係なく、100%自分の息遣いを置いておくことができる。
それこそ、誰かの日記帳や近況報告の記事は、SNSにはとても収まらない温かみを感じられるので大好き!!
【週刊ぶんかま】は、そういう理由で始まったエッセイ企画です。普段の日報の文章をおもしろがって読んでくださってる方々になら、楽しんでもらえるかもしれません。文章は別にいいという方には、絵を見てほしいと思う。(来週以降は限定公開にする予定です。)
結局SNSが好き
・6月の後半から始まって、7月まるごとSNSをお休みしていた。
・お休みした理由は、日報にも書いた通りだけど、生活そのものがSNSへ偏ってしまってたということにある。机の上の積読、スケッチブックには手を付けず、SNSの情報に置いて行かれないように生活を送っていた。何かにムキになってるかのように。
・日々の色々で、ふと我に返る瞬間があった。「今のおれ、ヤバいかも!!!」って。生活を重んじる身としては、とても人間らしい生活とは言えない事態だったと思う。
・そういう要因で、早すぎる情報の波から抜け出し、立ち止まって頭を冷やそうと考えて、アプリを削除した。これが6月のことです。
・事件ごとのように言ってるけど、自分勝手にほんの一カ月ぽっち休んだに過ぎない。大病からの復活を果たしたわけでも、戦火をくぐり抜いたわけでもない。
・それでも、「おかえりなさい!」という温かいコメントをたくさん頂いてしまって…胸がいっぱいになりましてね……。
・危機感を感じて離れたSNSだけど、ちゃんと自分の居場所があったなんて、皮肉でもあり、同時に希望でもあるなと思います。
・SNSをやらないと困るということは、確かに無かった。じゃあやらないほうがいいのかといったら、それも違った。
・これまでにあった本当におもしろくて楽しい時間、そのほとんどは得てしてネットの世界がきっかけなのだから。気の合う友人も、かけがえのない時間も、ほとんどがここで見つけたものだったから。
・大げさでおこがましい事を言ってしまうけど、SNSとは、ぼくにとっては自分の力で切り開いてきたフィールドでもある。広大な世界に向けたあくなき挑戦の先にこそ、思い出が待っていたのである。
・だからこそ、休止中は寂しくもあった。
・結局ぼくは、SNSが好きなんです、、、そんなことに気づく機会でもあった。
・ただし、そういう「オン」の世界を支えているのは、身の回り「オフ」の世界であるということはもちろんなので、きちんとそこを整えられたここ一カ月は大変良いものだったと思ってるし、充実していました!休んでよかった。
・例えば「毎年7月はいなくなります」って決めてもいいくらいだと思った。それくらい、色々と気付きが得られると思いますよ。
画材屋の店主と常連さん
・この日、ぼくは町にある小さな画材屋さんを訪れていた。
・コピック売り場で見本帳を見ながらウンウン考えていると、店主と常連さんが立ち話を始めたのが聞こえてきた。
・この店は、店主とその奥さんの二人で切り盛りしているのだけど、今日は奥さんの姿が見えないな、と思ってた矢先、「先月妻を亡くしまして…」という店主の声が聞こえてきたものだから、息を止めてしまった。
・いつだか店を訪れたときには奥さんがいて、用があったので声をかけたら、カテーテルが繋がっており、袋いっぱいのおしっこを引っ張りながら出てきたのを見て、ギョッとしたことがあった。長い間具合は良くなくて、常に治療を受けていたのである。
・会話を聞いているところ、常連さんは、地元の会社の経営者で、海外とのつながりもある大きな事業を手掛けているそうだ。太くて芯のある声色ながら、丁寧な言葉遣いをしている。
・店主は、いつも通りのゆっくりと穏やかな口調で、常連さんと話を続ける。
・「私の目の前で亡くなりました...」
・「今は、何を見ても涙が出てしまう…」
・「もっと優しい言葉をかけてやればよかった...」
・「恥ずかしいはなし、精神安定剤を飲んでいる...」
・悲愴な言葉に対し、常連さんは優しく相槌を打ち、言葉をかけている。
・(ぼくだったら何を言ってあげられるのだろうか...)なんの言葉も浮かばない。人生経験が違いすぎる。ただただ色見本帳を見つめながら、聞き耳を立てることしかできなかった。
・常連さんが言った、「どんなにつらくてもね、仕事はやめないほうがいいよ。町とのつながりがなくなったら、いよいよ本当にダメになっちゃうからね。僕の友人にもそういう人がいて―――」
・やがて常連さんは帰っていき、ぼくは選び抜いた9本のコピックを、おずおずとレジカウンターに並べた。
・「いらっしゃいませ、今日はお仕事休みですか?」
・「はい」
・ぼくもそれなりの常連なので、店主とは買い物のたびに世間話をしている間柄である。でも他のお客さんも入ってきたし、そもそもこの流れだから、あまり話せる感じでもない。かと言って何も言わず出ていくのも違うよなと思って、必死に言葉を探し、探した。
・「ぼくはこの店が大好きですよ」
・か細い声でそう言って、店を後にしたのだった。
ぶんかま
ぶんかま
2024-08-08 11:13:40 +0000 UTCあああ
2024-08-08 08:33:36 +0000 UTC