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【無料小説】縮小マッサージ①~5倍の手のひらに包まれる恐怖~

「…はじめて来たな、マッサージ店って…」 日も暮れた後の暗い夜道を歩いて、僕はある一軒のマッサージ店の入り口の前にたどり着いた。煌々と光るネオンサインの看板が眩しい。ぱっと見いかがわしい店にも見えるが、れっきとしたマッサージのチェーン店だ。 1時間5000円。入り口の看板に書いてある金額は、大学生で飲食店のバイトをしているだけの人間にとっては決して安い金額ではない。しかし、僕にはこのマッサージ店を訪れる動機があった。 カランカランッ…… 「いらっしゃいませ~……あれ?立川君?」 扉を開けてすぐに出迎えてくれたその店員さんは、僕の顔を見るとすこし驚いた顔をした。 「……あ……夏川先輩…?ここで働いてたんですか…?」 僕は心底驚いたような顔をしながら、サークルの先輩の名前を呼ぶ。いつも平日の火曜と木曜に体育館で一緒にバドミントンをしているのに、それ以外で会ったことが無い。スポーツ用の服以外の姿をそういえば見たことが無かった。…マッサージ店の制服なのか、紺色のTシャツに、全く同じ紺色の短パン。豊満で白い太ももが眩しく光っていて、思わず目を背けてしまった。 「うん、そうだよ~…立川君、マッサージ店とかよく来るの?」 「は、はい、そうなんです」 しどろもどろで大嘘をつきながら、ちらと先輩の顔を見上げる。夏川瑠衣先輩。同じバドミントンサークルの、2歳年上の先輩。栗色のセミロングの美しい髪を持つ先輩は、僕が入サーしたときからとっても優しくて、フレンドリーで、よく気を遣ってくれる人だった。その気さくな雰囲気で男女問わず人気があって、背が高くてバドミントンがすごく上手い。比較的背の低い僕よりも、6,7センチほど上背があった。 「まさかこんなとこで会うなんてね(笑)」 「あはは、ほんとですね…」 「じゃ、担当私だから、部屋の方いこっか」 先を歩いていく先輩の後ろ姿を追いかける。先輩の通った後の空気はふわっといい香りがして、これがあの綺麗な髪から漂う匂いなのか、先輩の身体から出ている匂いなのか、分からなかった。 「立川君、今日の練習行ってたの?」 「はい、行きましたよ。今日はずっとミニトーナメントやってました」 「そっか~行きたかったなあ」 「用事があったんですか?」 「講義終わってからずっとバイト!シフト入れられすぎちゃってさー」 …憧れていた。入学してサークルに入ってから1年ちょっと経つが、僕はいつも夏川先輩の姿を気づけば目で追っていた。シャトルを打つときの美しいフォルム。揺れる髪に、ちょっぴり童顔な顔。それでいて、体つきが結構ふくよかで…ユニフォームの袖から覗くむちっとした二の腕や、惜しげもなく曝け出される健康的な太ももが、試合中の僕にはいつも目の毒だった。 そんな先輩が、有名なマッサージ店でバイトしていると小耳に挟んだ。先輩に、全身をマッサージしてもらえる。そんな妄想に一瞬で取りつかれた僕は、その日の夜に公式アプリからその店を予約していた。偶然を装って先輩を予約指名し、今日のこのことやってきたのだった。 ガラガラッ…… 「はい、じゃあうつ伏せになってね~」 素直な先輩は、僕が偶然このマッサージ店にやってきたというのを疑う素振りもない。いつものふわりとした笑顔のまま、スムーズにお客さんとしての僕をもてなしていく。気づけばこげ茶色の固めのベッドにうつ伏せになっていた僕は、狭い個室の中で先輩と二人きりになっている事実に、照れっぱなしだった。…こんなに近いと、常に先輩の匂いが漂ってくるのだ。いつも体育館で嗅いでいる、汗交じりの甘酸っぱい匂いとはまた違って。フローラルな、女性としての甘い香りだけが純粋に香ってくるのだ。 ぎゅっ…… 「はじめるねー」 「あふっ……」 予告より先に、柔らかな手が背中に触れられて。思わず小さく声が出てしまった。…聞かれていないよな。 ぎゅうっ……ぎゅっ…… 「力加減はどう?」 「大丈夫です…」 知り合いだから普通なのだけれど、店員の口調ではなくタメ口で聞かれるのが無性に恥ずかしくて、嬉しかった。憧れの先輩の、直接触れたこともない手のひらで優しくマッサージされて、多幸感でいっぱいになる。サークルで運動し続けて疲弊した身体が、二重の意味で癒されていく。 ぎゅっ、ぎゅっ、… 「………」 「…………」 「……ここってね、かなり給料いいんだよ」 「…そうなんですか。マッサージ店って相場がいいんですか?」 「ここまで条件がいいのはうちだけだと思うよ?その分覚えなきゃいけないこと多いけどね~」 「へえ……」 肩甲骨の当たりを入念にマッサージしてくれている先輩が喋ると、たまに吐息が首筋に触れて心臓に悪い。平静を装って会話しているが、内心は心臓バクバクだった。今、胸のあたりをマッサージされたら非常にマズイ。 「た、たしかに、オプションメニューが多いですよね、この店」 「そうそう、それを全部こなせないといけないんだよ」 「……『縮小コース』…?あれ、何ですか?」 「ああ、」 頭部のマッサージをするべく、立ち位置を僕の頭の方に変えながら、先輩が続ける。 「最近開発された縮小薬をお客さんに飲んでもらって、それでマッサージするの。店員側の負担が極端に少なくなるから、格安になってるんだよ?」 「そんなプランが…でも、怖そうですね、小さくなるの」 「そうかな?私は手先器用だから、優しくしてあげるよ~」 悪戯っぽく笑いながら、広げた手のひらをわきわきと開閉する先輩。冗談と分かっていても、ドキリとしてしまう。小さくなって、先輩の大きな指にマッサージされる。何だか倒錯的な光景が脳裏に浮かび、それが恐ろしいことなのか、ドキドキすることなのか、よく分からなかった。 「まあ、気が向いたら来てみれば?私が対応してあげるよ」 ぎゅっ、ぎゅっ、… 頭皮マッサージをしつつ、先輩が微笑みながら呟く。どこか積極的にも捉えられるその言葉は、しかし誰にでも優しい先輩の底抜けの好意でしかないことは、痛いほど分かっていた。…でも、それでもいいんだ。先輩が許してくれるなら、憧れの先輩と一緒にいられるなら、何だっていい。 今度、縮小コースで頼んでみようかな。 手慣れた先輩のマッサージにウトウトしながら、そんなことを考えて。そのうち僕は、運動後の疲れと眠気に勝てず、眠ってしまった。 ------ 「お、立川君おはよ!」 「あ、おはようございます、夏川先輩」 「この前はぐっすりだったね~」 「い、言わないでくださいよ!」 次のサークル日で、体育館で会った先輩に軽くからかわれる。マッサージ中に爆睡してしまった僕は、先輩に最後起こしてもらうことになったのだ。…あまりに無防備な姿を見せてしまったことが、恥ずかしかった。が、こうやってからかわれるのも、少しだけ嬉しかった。 スポーツ用の薄いTシャツが、胸のあたりで豊満に張り詰めている。健康的な身体付きながら、いやらしさは全く無く、しかしあまりにも魅力的なその姿。少しだけ僕より背の高い先輩の胸に、思い切り飛び込んでみたい。 …そんな妄想をしていたら、今日の試合は一つも勝てなかった。 ------ 「いらっしゃいませ…あ、2回目だね~」 「は、はい」 明らかに不自然な、知り合いの2回目の来店にも、夏川先輩はいつもの爽やかで柔らかな笑顔を向けて挨拶してくれた。 「や、えっと、縮小コースってのに興味があって…」 「ああ、…あはっ、立川君、お金ないんでしょ~?」 「あはは、そんなところです…」 笑いながら先輩に指をさされつつ、都合の良い解釈をしてくれたことにホッとする。あくまで格安でマッサージが受けられるコースそのものに興味がある振りをしつつ、また先輩と一緒にマッサージの個室に向かっていく。 縮小コースというものに興味があるわけではない。むしろ小さくなるという得体の知れない変化が怖くもある。が、それを補っても、この店で、この個室で先輩と二人きりになれるという下心の強さが勝ってしまっていた。 「じゃあ、どの縮小倍率にする?」 「へ?…何か選べるんですか?」 「そうだよ?1/2なら元の値段の1/2。1/5なら元の値段の1/5。お客さんが小さいほどマッサージする側が楽になるから、縮小倍率がそのまま値引きの割合になるんだよー」 マッサージ用のベッドに腰かけた僕の前で立ち、そう説明する先輩。 「…それって、どこまでの倍率があるんですか?」 「安全のため、一応1/10までかな。…どうしてもお金が無いって言うなら、内緒でもっと小さくしてあげるけど♪」 「い、いや、それは怖いから、いいです」 「あははっ」 いつもの調子でからかわれる。1/10よりもさらに小さくなってしまったら、どんな世界が広がっているのか想像もつかない。いや、というか…1/2になることすら、ちょっと怖いかも。なにせ、目の前の先輩の身体が、僕から見て2倍に膨れ上がるということなのだから。 「最初だし、1/5くらいにしとく?それぐらいなら怖くないと思うよ」 「あ……はい……」 当然のように提案してくる先輩の言葉に対し、「1/2でも怖いんですけど」という男らしくない発言が憚られた。つい頷いてしまった僕は、気づけば1/5縮小分の縮小薬と、水が入った紙コップを手渡されていた。 「さ、そのまま飲んでいいよ」 「はいっ……」 覚悟を決めた。これも、先輩と二人きりでマッサージしてもらうためのチャンスだ。僕は5錠もの白い錠剤を口に頬張り、水で一気に流し込んだ。喉の奥を、5つの異物が通っていくのを感じる。 「5分くらいしたら縮み始めるから、ベッドで仰向けになって待っててね」 「…分かりました」 何かが身体に効き始めているのかどうかよく分からないまま、僕はやや硬いベッドの上で仰向けになる。先輩はマッサージの準備をし始めたようで、一度部屋から出て行ってしまった。 「……眠い…」 不自然な眠気を感じ始める。薬の副作用であることは容易に想像できた。瞼がとろんとして、その欲望に抗えない。僕は冷房の効いた快適な部屋の中で、運動後の疲れにも負ける形で、すぐに眠りについてしまった。 ------ 「「おーい、起きてー」」 「……っ!!は……あ……」 すぐ耳元で、ふんわりとした声が響く。その甘い声に飛び起きた僕は、ほんの数分自分が眠っていたことを理解した。 「すみません、ちょっと眠っていたみたいで……す……」 周囲の異変にはすぐ気づいた。何せ、あまりにもだだっ広いこげ茶色のベッドの上で、自分が寝ていたのだから。自分の身体がちょうどぴったりくらいのベッドだったのに、もはやベッドの両脇に手が全く届かない。20畳くらいの大広間の中で寝転んでいるような感覚。 しかしその大広間は一つのベッドでしかなく。 「「ちょっとびっくりしてる?」」 大広間のすぐ傍に立っている、大きな大きな巨人。それは紛れもなく、ついさっきまで同じ目線で話していたはずの、夏川先輩だった。 「あ……え……はい……」 「「あははっ…可愛い反応~」」 後ろ手にベッドの脇に立ち、こちらを高みから見下ろす先輩の巨大な上半身。2階建ての家がそびえ立っているような存在感。先輩の上半身で影が生まれ、僕はその大きな影の中に閉じ込められてしまっている。それはもはや人間の存在感ではなく、何か自分よりも上位の存在、建物とか、タワーとか、そんなオブジェクトにも思えてしまう。 「「じゃ、マッサージ用のタオルかけるね」」 ずいっ…… 「ひっ……」 巨大な先輩の手が、こちらに向かって伸ばされる。手の届かない場所から急に手を伸ばされ、思わず小さく悲鳴を上げてしまう。…その悲鳴は先輩の耳には届かなかったようで、その大きな手は小さなタオルを手に取り、僕の身体にふわっと優しくかけてくれた。 「………」 目の前に差し出された手のひらの大きさに絶句する。僕の頭をそのまま鷲掴みに出来てしまうくらい大きい。いつもラケットを握っているはずの先輩の手のひらはとてもきれいで、むにむに柔らかそうな見た目をしていて。とても女の子らしい可愛い見た目の手のはずなのに、その大きさに対して本能的な恐怖を感じてしまう。…自分の力の強さが通じないことが、一瞬で分かってしまうのだ。もしこの手が僕の身体を強引に掴んだら、頭を握りつぶそうとしたら。どれだけ抵抗しても、片手でねじ伏せられてしまう気がする。 ズッ…ズッ…… キュッ……ズンッ…… 「「………」」 ベッドの枕もとを歩きながら、マッサージの準備をする先輩の巨体が、あまりにも迫力がありすぎる。今まで感じていなかった、先輩の歩行音と振動。軽く一歩踏み出される度にベッドがギシッ…と軋み、その上に横たわっている僕の全身に等しく振動が与えられる。先輩の一歩一歩に何かプレッシャーをかけられているような気分になってくる。 そして、5倍の体格差になるだけで、今まで聞こえてこなかったような音が耳に届いてくる。マッサージ店の制服が、先輩が少し上半身を捻って棚の上の物を取るだけで、ぎゅっ…と布が擦れる音を発するのだ。8メートル級の巨体に纏われた服は、豊満で健康的な身体に引き絞られ引っ張られするたびに、小さく悲鳴を上げていた。…そんな音、同じ体格だったときには聞こえても来なかった。 「「大丈夫?気分悪い?」」 「ひゃっ……だ、だいじょうぶです」 いきなり大きな可愛い顔に覗き込まれ、視界が全て先輩の表情で埋め尽くされる。反射的に小さく悲鳴を上げてしまったことがあまりに恥ずかしく、赤面しながら返答する。 「「くすっ…怖くないから大丈夫だよ~」」 こちらをからかうような、もしくは子どもをあやすような、そんな声色で囁かれる。夏川先輩の声と同時に吐かれた吐息の音さえ聞こえてくる。怖がっている心を、温かな手のひらでむぎゅっ…と抱きしめられているような、人差し指でつんつんいじられているような。そんな感覚に明らかにドキドキしている僕は、きっと"そっち側"の人間なのだろう。 「「じゃあ、うつぶせになってくれる?」」 「はいっ…!」 「「あはっ、そんなにかしこまって返事しなくてもいいよ?」」 8メートルの巨人から言われた台詞は、僕の本能の中で勝手に命令として変換されて脳に届いてしまう。思わず大きな声でしっかり返事をしてしまった。僕はお客さんとして来ているはずなのに、自分の立場が先輩よりもずっと下の位置にあるようにしか思えない。 「「じゃあ…」」 ズンッ…… ぐぅーっ…… 「はあっ……あっ………」 それは鮮烈だった。うつ伏せになった僕の背中に、巨大な暖かいものが触れた。それは間違いなく先輩の手のひらであり、面積が25倍に膨れ上がった可愛らしい手のひらは、もはや僕の背中全面を片手で覆えてしまう大きさになっていた。そんな手のひらが、背中に対してぎゅっ……と優しく着地して。夏川先輩の体温が、ものすごい面積を媒介にして僕の体内に強制的に送りこまれる。 怖い、これ、…こんなに…… 縮小プランは格安すぎて、こんなのお客さん全員がこれを選んでしまうのではないか、店の経営が成り立たないのではないか、…そう心の中で思っていた。でも、今、分かった。身体を小さくしてマッサージを受けるということが、人間の本能にどれだけ訴えかけるのかということを。 知り合いで、信頼していて、憧れている先輩にも関わらず、こうして背中に巨大な手で触れられただけで怖いのだ。すっごく優しく触れられていることは分かっていて、先輩が細心の注意を払ってくれていることは理解している。でも、この巨大で分厚い手にちょっとでも体重がかけられたら。自分の身体は、先輩のちょっとした悪戯で体重がかけられただけで簡単に潰れてしまうだろうと、この状況で容易に想像できてしまうのだ。 オーバーに言ってしまえば、喉元にナイフを突きつけられているのと同じ状態。命を、憧れの可憐な先輩に握られている。 「「だいじょうぶだよー」」 さわぁっ……♡ 「っっ……!!!」ビクビクッ…!! 僕の恐怖をくみ取ったのか、先輩はそのまま触れている巨大な手をすりすりと動かし、僕の小さな背中を優しく撫でる。大きな大きな先輩の手の肉の厚みは指紋が、僕の背中にぞりぞりっ…♡と擦り付けられる。巨大な物体が自分の背中の上で動く恐怖と、先輩の手になでなでされている幸福感。じっとりと暖かい手に全身を撫で回される。おっきな手は、僕の背中だけではなく、下半身から頭に至るまで全ての部位をさわさわぁっ…♡と簡単に一撫でしていく。ペットを戯れに撫でるかのように、片手で容易に全身を撫で上げられてしまう。先輩のペットになったら、こういうことをされるのだろうか。抵抗できるはずもない巨大な手で、手だけで、嬉しさも恐怖も支配される。 「「さすがに1/5サイズだとそこまで怖くないかな?」」 「は、はい、大丈夫です……」 本当は怖い。ものすごく怖い。でも、そんな言い方をされたら、恥ずかしくて怖いなんて言えるわけがない。…僕が小心者なだけなのだろうか。普通、5倍サイズの女性に触れられたくらいで怖いと思う人なんていないのだろうか。先輩がどういう常識を持っているのか分からず、しかし男らしくないと思われるのがとても嫌で、怖いとは言えなかった。 「「ちょっと握るねー」」 むぎゅぅっ……♡ 「っっ!!ああっっっ……ううっ……」ビクビクビクッ…!! 背中に押し当てられていた手のひらが、そのぶっとい指を僕の身体の側面から差し込み、片手で握りこむような形をとる。マウスを片手で握るかのように、分厚い強靭な手のひらにむぎゅぅぅ……♡と包容される。 これ、怖すぎるっ…!!いやだっ、怖いっ……!! 自分の腕よりもずっと太い先輩の指が、脇腹から強引にぐにぃっ…と差し込まれ、その太さ分、僕の身体は浮いてしまう。何本もの指がお腹の方に侵入し、その指と手のひらの表面で上下から挟み込まれる形となる。上半身全てが、先輩の片手だけで360度握りこまれてしまったのだ。 「ひっ……う………」 僕は震える身体を必死に抑えようと、出そうになる悲鳴を必死で抑えようと、ベッドのシーツを掴んでぷるぷると震えるしかなかった。だって、こんなの、先輩がちょっと強く握ったら、潰されちゃうじゃないか…! 「「…ちょっとこの状態で慣れよっか」」 僕の恐怖は完全に夏川先輩にも伝わっているようだった。何せ、手のひらの中で小動物がぷるぷると実際に震えているのだ。…しかし、恐らくこういうことはよくあるのだろう。先輩はいたって落ち着いていて、この状況に僕の精神が慣れるまで、このままでいるつもりらしかった。 それが、僕にとっては少し残酷でもあり。もはや一刻も早く中断してほしいのに、当然のようにそういう対応をされてしまったら、頑張って恐怖を克服しないといけない気がしてきて。 じわぁっ…♡♡ 優しく握りこまれたまま、先輩の体温に蒸されていく。人の手のひらって、こんなに熱を持っているのか。むちむちと柔らかい手のひらの表面から大量の熱が注ぎ込まれ、自分の身体の奥からじんわりと汗が滲み出てくる。いや、先輩の手のひらから滲み出てきた手汗かもしれない。とにかく、頭がぼーっとするくらいの熱量に浮かされながら、少しづつ、おっきな先輩の手に握りこまれている状況に精神が追い付き始めていた。 大丈夫、これは夏川先輩の手だから。このコースを先輩はやりなれているはずで、何の危険性も無い。むしろ、先輩の手に触れられて嬉しいと思わないとおかしい。 必死で自分に言い聞かせる。この柔らかな指、ずっと触れたいと思っていた憧れの先輩の綺麗な手のひらに、上半身全てを包み込まれているのだ。幸せな状況なんだ。怖がることなんて何一つない。 「「ん、大丈夫そうかな?」」 「っ………」 僕の身体の震えが小さくなったことも、手のひらの感触を通じて全て先輩に筒抜けだった。かるく握りこまれただけで震えるほど恐怖していた感情の動きを、余すことなく先輩に認識されているというのが、もう恥辱以外の何物でもなかった。…こんなの、明日からサークルでどんな顔をして先輩と会えば良いか分からない。 …でも。こんなものは、あまりにも序章に過ぎなかった。 「「じゃあ……」」 ギギィィッ……!! 改めて、という感じで、先輩は僕の上半身を握りこんだまま、その巨体を恐らくベッドに腰かけた。、先輩の5倍のむちむちヒップで思い切り潰し込まれたベッドが、恐ろしい爆音を立てて軋む。ガタガタッ…!!と大きく揺れるベッドに翻弄されそうになる僕の身体は、先輩の手のひらにぎゅうぅっ…♡と抑え込まれる。 ベッドに腰かけた先輩のお尻と、その右手、ベッドの枕もとで握りこまれている僕の身体との距離は、およそ3メートルほど。先輩は腰かけつつ、右に身体を捻りながら、僕の身体を優しく右手で包み込む体勢となった。 そして、 「「マッサージ本番、始めますね」」 先輩は店員としての敬語に一瞬戻り、本格的にマッサージを始めることを宣言したのだった。 そして、 ぶっとい柔らかな指が、僕の脇腹を押し込み始めた。 ---続く---

【無料小説】縮小マッサージ①~5倍の手のひらに包まれる恐怖~

Comments

ありがとうございます!今までになく手のひらメインで書きました😊

konan

毎回、目の付け所が素晴らしいです。 巨大な手に包み込まれる感覚がイメージできそうです!

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