俺は、激しい揺れと高温地獄により、グロッキー状態になっていた。 バスが京都に到着した後、俺は女子高生の巨大な手に掴まれた。下手すればワンルームほどありそうな広さの手に優しく包まれた瞬間は、俺は気持ち良さや嬉しさを感じていた。 女の子の手のひらの匂いに包まれて、また手のひらはしっとりと暖かく、居心地がよく感じた。少しだけ手汗で湿っていたが、それもまた女子高生の成分を感じることができ、俺は興奮してしまっていた。 時折ぐにゅっ、ぐにゅっ、と俺の存在を確かめるように、巨大な手のひらが優しく圧迫を加えてくる。指の付け根の腹の部分が押し付けられるのが柔らかくて気持ちよく、俺は全身をくまなく撫で撫でされているような気分になった。外の光は手のひらによって完全に遮断されていたため、ひたすら暗い世界。何も見えない空間で、女子高生の手の肌の感触、匂い、熱だけが俺の五感を支配していた。 そしてバスから女子たちが全員降り、点呼が終わり、班に分かれて自由行動の時間が始まった。 …あれ、俺をどこか、カバンとかにしまうんじゃないのか? 小さな男子をずっと手に持っているわけもないので、そのうちカバンに入れられるか、もしかしたらスカートのポケットや胸ポケットに入れられることを期待していた。しかし、自由行動が始まり、女子高生が友達と談笑しながら歩き始めてもなお、俺は巨人の手のひらの中に囚われたままだった。 「「あれ、男子握ってるの?どっかにしまわないの?」」 「「うん、なんか危ないかなと思って」」 外から、女子高生たちが話す声が聞こえてくる。どうやらこの女子高生は、小さい男子をカバンやポケットに入れると危ないと感じているらしい。確かに、カバンの中で女子高生の大きな持ち物に圧し潰される危険もあるし、ポケットに入れられたまま大きな胸や太ももにぎゅうぎゅう潰されてしまう恐れもある。女子高生は、常に自分の手のひらで力を調節しながら握っていた方が安全だと考えたらしい。 そんな女子高生の気遣いに、少しだけ嬉しさを感じる。バスの中ではかなりの塩対応、というかほぼ無視されていたため、存在を認識されているだけでちょっと喜んでしまう自分がいた。 しかし、そんな気持ちはすぐに裏切られた。 「うげぇっ!!げほっ!!」 最初は俺を握ったまま、手の位置もあまり動かさずに歩いてくれていた女子高生。しかし自由行動が始まって10分ほど経ったくらいから、女子高生の動きはどんどん雑になってきた。 一人の人間を握り込んだ手を、歩きと同時にぶんぶん振り出す女子高生。いや、本人からすれば自然に手を振って歩いている程度なのかもしれないが、その中にいる俺からすれば10数メートル単位で前後に思い切り振り回されるのだ。ジェットコースターに乗ってるとか、そんなレベルではない。常にGがめちゃくちゃにかかる状態で、ぐわんっ、ぐわんっ、と脳が揺れるほど振り回される。握り込んだ手の中の空間にはほんの少しだけ余裕があるため、俺の身体はばんっ!!ばんっ!!と手のひらの肌に何度も打ち付けられる。いくら柔らかい手のひらだからといって、こんな勢いで何度も叩きつけられてはたまらない。 やめてほしいと願うも、今の俺はこの手のひらに包まれていることで生かされているのも事実。女子高生が今ふっと握る力を弱めれば、俺の身体は外の世界に向かって投げ出されるのだ。その後は、何十メートル下の地面に落ちて落下死するか、助かっても通りかかった女性に知らないうちに踏みつぶされて終わりだ。俺は、この女子高生の手の中で守られ続けなければならないのだ。なのに、その手の動きに振り回されて地獄を見ているという矛盾。 「「わぁ、めっちゃ景色いいね~!」」 ぎゅうぅぅぅっ… 「がはあぁっ!!??」 女子高生が少しテンションが上がるたび、無意識に握りこまれる手。骨がミシミシと鳴るくらいの激しい圧力を与えられる。さらに、京都を練り歩いた女子高生はそこそこ手汗をかいてきており。じとーっと湿った肌が思い切り擦り付けられ、汗の成分を俺の身体に染み込ませてくる。俺が着ていた服はたちまち女子高生の手汗でびしょびしょになってしまった。 「「歩いてると結構暑いねー」」 (暑すぎる…死ぬっ……) 汗をかいてほかほか温まった手のひらは、殺人的な熱と湿度のサウナを作り上げていた。普通に外にいたらまず経験しないレベルの温度、それに女子高生の匂いがたっぷり染み込んだ汗の蒸気がむんむんと立ち込める。俺は死の危険を感じ、軽く握りこまれた手のひらから何とか脱出できないか試みる。ぷにぷにの巨大指の隙間に手を入れ、必死でこじ開けようとする。 ぎゅうぅぅっ…!! 「い、痛っ…!!」 俺が脱出しようとしたのを感じたのか、女子高生が指の間を固く握りしめる。その間に手を入れていた俺は、その手を思い切り挟み込まれる形となる。あまりの痛みに慌てて手を抜き取る。 「「じゃあ、次のとこいこっか」」 女子高生は特に反応も見せず、相変わらず友達とおしゃべりしながら観光を楽しみ続けている。俺の脱出など、軽く指をぎゅっ、と握り込むだけで阻止できるのだ。…脱出を試みたペットが飼い主に軽く阻止されるような、そんな気分にさせられる。 (も、もう…限界だ……) 俺は脱出することも諦め、サウナ状態の手の中の空間で丸くなり、ひたすら時が進むのを待とうとした。暑いが、さすがに命に関わるほどではないはずだ。そう自分に言い聞かせ、女子高生のお手ての中で蒸され続けることに甘んじる。 自由時間はまだ1時間くらいある。1時間この責め苦が続くだろうと覚悟していた俺は、悪い意味でそれを裏切られることとなった。 「「ここ、人混みすごいねー」」 「「ほんとだね~はぐれないようにしよ?」」 「「ねえ、男子握ってたら危ないんじゃない?」」 「「ん、確かにー」」 そんな声がしたと思ったら、突然俺を包んでいた手が上昇し始めた。激しいGが与えられ、少し吐き気を催す。手の上昇はすぐに終わり、手のひらが上に向いた状態でゆっくりと開き始める。ずっと暗闇だった空間に外の光が差し込み、俺は眩しさに思わず目をつぶってしまう。 「「どうしようかなあ」」 (…っ!!で、でか……) 開かれた手のひら。そのすぐ傍まで、女子高生の巨大な顔が近づけられていた。というか、女子高生の顔の前まで俺が連れてこられたのだ。 (すごい……) 目の前に広がる、一軒家ほどの大きさの女の子の顔。こちらを見つめる女子高生の顔のあまりの迫力に、口を開けて呆然としてしまう。…バスの中ではずっと女子高生の股の間にいたため、正直顔は遠くの方にしか見えていなかった。ほとんど俺の方に顔を向けてくれていなかったのもあり、どんな顔をしているのかもあまり分かっていなかった。 それが、今こんな異常な至近距離で顔を近づけられている。一つ一つの顔のパーツが、あまりにも大きい。こちらを覗き込む目は俺と同じくらいの大きさで、まばたきの音すら聞こえてきそうなほど。大きな鼻からは音を立てて鼻息が吐かれており、本人が気づいていないほど小さな呼吸音でもはっきりと響いてくる。その下には形の美しいぷにっとした唇。しっかり手入れされているようで、その表面はなめらかで荒れ一つない。 「「んー……」」 唇に指を当てながら何か考えている女子高生。…一般的に言って、可愛いと言われる方の女子だろう。喋っている感じで活発な女子であることは分かっていたが、顔の造形や綺麗なセミロングの黒髪など、相応な感じだ。この女子の太ももの間に座らされてたり、手で握りこまれていたのかと思うと、また変な気持ちになってきてしまう。 「「靴下の中とかは?絶対落ちないでしょ」」 「「確かに、そっちのが安全かも」」 …え?靴下の中? ぐわっ!! 「うわあっ!!!??」 突然、手の平の上の俺に、もう片方の手が近づけられる。逃げる暇もなく、俺の腹あたりを巨大な親指と人差し指で優しく挟まれる。指の腹から、女子高生の体温がじわぁっ…と感じられる。 「「移動させるねー」」 「うわあっ!!ちょっと、待って!!」 のんびりとした声と共に、女子高生は俺を摘まんだ手をどんどん下の方へ降ろしていく。女子高生の顔から首元、胸、お腹、スカート、とどんどん景色が変わっていく。そして、ビルのように太く巨大な右脚の、存在感のある膝のすぐ前まで連れてこられる。 「「こっちの方がいいかな」」 俺を摘まんだ指はさらに移動し、膝の裏側まで連れてこられる。そして天からもう一つの手が降ってきたかと思うと、女子高生のふくらはぎを包んでいた紺色のソックスの端をぐいと摘み、後ろ側にぴんと引っ張る。 まさか。いや、こんな所に入れられるわけが…。人を、ましてや同級生を入れる場所ではない。 「「じゃあ、入れるよー」」 だが、女子高生の無慈悲な宣告と共に、クレーンに吊られた状態の俺はゆっくりと下降していく。真下には、女子高生のふくらはぎと靴下が作り出した縦穴が口を開けて待ち構えている。中は真っ暗だ。この中の環境など、快適なわけがない。 するっ…… ぱちんっ!! 「うげえっっっ!!!!」 (きついきついきついっ!!!) 俺は女子高生のふくらはぎの一番膨らんでいるあたりまで下ろされ、そのまま分厚い靴下に勢いよく捕らえられた。その圧力たるや、手のひらの握り込みとは全く別次元。女子がただ履いているだけの靴下のゴムの力が、こんなにも強いなんて。肺がぎゅうぎゅうと締め付けられてまともに呼吸ができない。大の字の格好となった俺はみっちりとふくらはぎの肉に押し付けられた状態となり、顔がふくらはぎにこれでもかというくらい押し付けられて目も口も開けられない。指一本すら動かせいのが、本当に怖い。手のひらの中にいたときは多少動けるスペースがあったが、100%自由を奪われるというのはこんなにも恐怖を感じるのか。 「「じゃあ行こっか、時間も少ないし」」 「「そうだね~」」 ズウゥンッッ!!ズウゥンッッ!!ズウゥンッッ!! (っっっ!!???!???) 俺をふくらはぎに密着させた状態で、女子高生の強靭な脚が地面を踏みしめて歩き出す。巨大な足がぐわんっ!!ぐわんっ!!と信じられないスピードで前後に動き、ズウゥン!!ズウゥン!!と地響きを立てながら歩を進めている。頭も、胃の中も、思い切りめちゃくちゃにされて思考が追い付かない。あまりにも激しい歩行に、矮小な男子はふくらはぎに張り付いているだけで生命力が失われていく。何も考えることができず、凄まじいスピードで振り回される恐怖に怯え続けるだけ。 「「最初からこれで良かったかも」」 「「ね、いちいち気にしなくていいし」」 先程の可愛い顔の女子高生のふくらはぎに張り付いているという事実も、頭で考えている余裕がない。女子高生たちが何をしゃべっているかも聞き取れない。ズウゥン!!ズウゥン!!と響き渡る暴力的な歩行音と、なにより歩行の恐怖に耐えることに脳のリソースを使い切ってしまい、他の事が考えられない。 ズウゥンッッ!!メリメリッ…♡ ズウゥンッッ!!メリメリッ…♡ 「「もー、階段疲れる~」」 (潰れるっ!!肺がっ!!頭がっ!!) 階段を上り始めた女子高生が、俺を捕えている右足を次の段に乗せた瞬間。盛り上がったふくらはぎが靴下の生地をぱつんぱつんに広げ、その間にいる俺に絶望的な力の圧迫を与えてくる。女子高生が365日履き倒している普通の靴下に、肺も頭も締め上げられる。本当に潰れてしまう、と思ったくらいで解放されるも、その1秒後にはまた同じ地獄が到来する。女子高生が階段を上がりきるまで、その連続だった。 こんなの、修学旅行じゃない。観光とか、友達としゃべるとか、そんなレベルの話じゃない。なんで、この女子たちはこんなに楽しそうなのに、俺は名も知らない女子高生のふくらはぎに張りつけられて景色も見れず、会話にも入れてもらえず、こんな責め苦を受けなければいけないんだ。 そう考えると、女子とのあまりの格差に涙が出てきそうになる。 「「着いた~♪神社に来るのって大変だね」」 以前としてふくよかなふくらはぎにみっちりと貼りつきながら、俺は今日の観光が終わるまで死なないように、神に祈るのだった。 ------ 「「はーい、じゃあ今から部屋分け発表するから、それぞれカギを持って部屋に行ってねー。明日は8時にここ、ホテルのロビー集合だから、遅れないこと」」 「「「はーい」」」 修学旅行の1日目の夜。ホテルのロビーに集められた女子生徒たちは、先生の注意事項を聞き終わるとワイワイと話しながら自室へ向かい始めた。 (……………) 俺はというと、依然として女子の巨大靴下とふくらはぎに挟まれたまま、ぐったりとしていた。…自由時間中に俺を靴下の中に入れた女子高生は、京都の観光地をその巨体で好き放題歩き回った。靴下に囚われている俺のことなど気にもせず。俺は全身が慢性的に潰される地獄を味わせ続けられ、旅行の楽しさなど全く享受できなかった。 それどころか、自由時間が終わって再びバスに乗り込んでも、女子高生は俺を解放してくれることはなかった。存在を忘れていたのか、いちいち出して股の間に置くのが面倒だったのか。ともかく俺は、その後のバス移動や全体行動の時間中はずっとふくらはぎの匂いを吸わされ続けていたのだった。 今日は天気が良かったこともあり、歩き回った女子高生はそこそこ汗をかいていて。紺色のハイソックスも、脚から染み出た汗でじっとりと濡れていた。そこに幽閉され続けた俺は延々と甘酸っぱい汗の匂いをかがされ続け、もう嗅覚が麻痺してしまっていた。 「「私たちは2人部屋だって」」 「「早く行こ!歩きすぎて疲れたよ~」」 ドンッ!!ドンッ!! 俺のペアの女子が、相部屋になった友達の女子と喋りながらホテルを歩いている。やっと、この地獄から解放されるのか。俺は靴下の中でぐったりとしながら、解放される時を待ち続ける。 がちゃっ…… ズンッ!!ズンッ!! 「「わ、めっちゃ綺麗~♪」」 「「早く座ろー」」 部屋に入ったらしい女子たちは思い思いにしゃべりながら、ドサッ!!ドサッ!!と、自分たちのカバンを置いている。 そして、 グンッッ!!! (重力がっ……きついっ…!!) いきなり巨大な脚が持ち上げられ、強烈なGが俺を襲う。 ドスンッ…… 「「靴下蒸れちゃったから、早く脱ぎたかったんだよねー」」 そんな声と共に、上空から光が漏れ始める。女子高生が、靴下の端に指を入れたのだ。数時間ぶりの外界の景色に、思わず眩しくて目をつぶる。 ぐぐぐっ…… 俺がいくら力を入れてもびくともしなかった靴下の生地が、女子高生の華奢な指一本で簡単に変形し、脚から脱がされていく。一気に靴下が下げられたことで、挟まれていた俺は支えを失い、空中に投げ出される形となる。 「ひいっっ!!」 ぽすんっ…… かなりの恐怖を感じる高さを落下する。建物の2階から落下するくらいの高さはあっただろう。しかし落ちた先はとても柔らかい生地で包まれており、落下して転がりつつも大した痛みはなかった。 「「あ、そっか、靴下に入れてたんだった」」 上空から声が降り注ぎ、反射的にそちらを見る。 (うわっ…!!でかっ……!!) 俺がいる地面に右足を立てた状態の女子高生を見上げる形となる。…どうやらここはベッドの上で、女子高生は普通に床に立ちながら、右足だけベッドに立てて靴下を脱いでいたのだ。 靴下から解放された巨大素足がベッドの上に置かれ、素足の重量でシーツがぐぐっ…と大きく沈み込んでいる。迫力のある素足からでかすぎる生足が天に向かって伸びており、さらにその先にはスカート、白のYシャツが遠くに見えている。この女子高生の全身を足の方から見上げたことが無かったが、こんなにも大きいのか。 「「あーすずし~♪」」 ズウンッ!! バサッ!! 「うわあっ!!」 女子高生はベッドに乗せる足を変え、左足の靴下も脱いだかと思うと俺のすぐ近くに乱雑に脱ぎ捨てる。蒸れた靴下からは足汗の匂いが存分に放出されており、俺は靴下から解放されてもなおその匂いから逃れられなかった。 「「ねーいつお風呂入る?」」 「「ちょっと休憩してからにしよっか」」 ぷちっ…ぷちっ… 俺の目の前の女子と、部屋の少し離れたところにいる女子が、会話しながらYシャツのボタンを外し始めている。 (ちょっ……脱ぐのか…!?) 存在を忘れられてるのかと思ったが、さっき靴下から落ちたときに俺のことを言及していたはずだ。…最初に女子高生たちと相部屋だと聞かされた時、正直胸が躍った。しかし、女子高生たちがこんなにも男子の存在を気にせずに振る舞うとは想像していなかった。 ぷちっ…ぷちっ… するっ…… 「「ふぅ~♪」」 目の前の女子高生がYシャツをするりと脱ぎ、上半身に当たるクーラーの風に気持ちよさそうに目を細めている。 (うわっ……やばい……) Yシャツの下は、可愛らしいピンク色のブラジャーのみ。女子高生の巨大な上半身の下着姿が露わになっていた。比較的スリムなお腹や、ブラジャーの間から見える胸の谷間。決して女子が男子に見せることはないはずの着替え姿が、今当然のように見せつけられている。 バサッ…!!! ふわっ……♡ Yシャツもベッドの上に脱ぎ捨てられる。俺の位置から少し遠い所にふんわりと着地したYシャツは、女の子のフローラルで良い香りを風と共にまき散らし、俺の身体を包み込む。その匂いと、上空で見せつけられる美しい下着姿が相まって、あまりにもえっちで煽情的な気持ちを誘発させられる。 (はあっ…はあっ……) 既に股間はギンギンの状態。バスの中で、女子高生の太ももに両側から睨まれた時の比ではない。今まで同級生の女子を見たこともなかった俺が、いきなり大迫力の着替えを見せつけられているのだから。…俺はバレないようにベッドの生地の上に座り込み、目線を下げようとする。しかし、 ドンッ…ドンッ……!! ジー………パサッ…… 大音量で降ってくる、生着替えの音。スカートのジッパーが外され、紺色の生地が巨大な太ももに沿ってするするっ…と下に降ろされる。こんなの、目線を外せるわけがない。意識しないようにしても、着替えの音が大きすぎて気になってしまう。…何の躊躇いもなくスカートを脱いだ女子高生は、上下下着姿となっていた。 (すごい……綺麗……) ピンク色で揃ったブラジャーとショーツに包まれた女子高生の身体は、その途方もない大きさも相まって神々しい雰囲気を醸し出していた。太ももも、お腹も、胸の谷間も、肌の質感がきめ細やかで綺麗。着替えの最中に脚を踏み下ろすたび、太ももの肉と谷間がぷるんっ…♡とえっちに揺れる。地面に落とされたスカートを拾うためにかがみこめば、突き出されたお尻でショーツの生地がみちぃっ…♡と広げられ、巨大なヒップの柔らかさと大きさを物語る。 「「もう部屋着にするの?」」 「「うん、何枚か持ってきてるし」」 ズンッ…!ズンッ…! するするっ…… 上空で依然として繰り広げられる、巨大な女神たちの生着替え。着替えを覗いているどころか強引に見せつけられているような状況の中、俺はいきり立った股間を慰めることもできず、我慢しながら俯きつつ、しかし耐えきれなくなってちらちらと巨大な着替えを見ては興奮するのだった。 「「よいしょっと」」 下着姿だった女子高生が、自分で持ってきた白のTシャツ、そして柔らかな素材の青色の短パンで身を包む。 (へ、部屋着だ……) 同級生の部屋着。かなりリラックスしたその恰好は、先ほどの下着姿と同じくらいインパクトがあった。惜しげもなく露わになった太ももに、Tシャツの袖から伸びる二の腕。白いTシャツの生地は少しだけ薄めで、その中のピンク色の下着がうっすらと透けている。生々しい生活感が滲み出るような姿に、俺はドキドキせざるを得ない。 「「ん、ベッドに置いたまんまだった」」 と、突然女子高生がかがみこんできたかと思うと、大きな手を伸ばしてきて俺の身体を摘まむ。 ぎゅっ…… (っ!!びっくりした…!) もはや何の断りもなく、一瞬にして身体を大きな指で摘ままれ、目もくらむ高さまで勝手に連れていかれる。まるでこの女子高生の玩具かぬいぐるみにでもなった気分だ。 「「テーブルの上に乗せとくね」」 それは俺に向かって言ったのか、相部屋の友達に向かって言ったのか。俺はホテルの壁際にあるテーブルの上に降ろされ、女子高生は置いた後すぐにベッドの方へ向かい、ベッドの端に座ってスマホを弄り出した。 (やっぱりこんな扱いか……) 会話する気など微塵もないようで、俺は女子高生の所有物かのようにテーブルに置かれる。周りには、女子高生のカバンやそこから出された充電器、ティッシュ、ペットボトルなどが雑に置かれていた。そのどれよりも小さい俺は、ますます自分の矮小さを思い知らされる。 「「今日行ったお寺、エモかったよね~」」 「「分かる、自然が超きれいだった」」 女子高生2人はベッドの端にそれぞれ腰掛けながら、スマホを弄りつつ会話を始める。遠くの方で繰り広げられる会話に入れるわけもなく、俺は広いテーブルの上で待機するしかない。…どうやら人数の関係で、この部屋には俺以外の男子はいないようだった。故に、話し相手もいない。娯楽もない。俺はただ、巨大な女子たちのホテル生活を遠巻きに眺めることしか許されていなかった。 そして、退屈な時間が30分ほど続いた後。 「「ねえ、そういえば男子をお風呂に入れなきゃいけなかったんじゃない?」」 「「そうだね、パパっとやっちゃおっか」」 そう言って俺のペアの女子高生が立ち上がると、ズンッ!!ズンッ!!と地響きを鳴らしながらテーブルの方へ近づいてくる。 …これは前から聞かされていたが、男女合同で修学旅行を行う時のルールだ。小さい男子は巨大なホテルのシャワーを自力で浴びることができない。そのためペアの女子高生が手伝ってあげるように、と言われているのだ。 「「なんかお湯入れるものないかな~」」 女子高生がテーブルの上に視線を配らせている。恐らく、俺のような小さい人間が入れるくらいの湯船替わりの入れ物を探しているのだ。 「「このコップ、使っていい?」」 「「いいけど、まだ水入ってるかも」」 「「おっけー」」 相部屋の女子が水を飲んでいたコップを、目の前の女子が手に取る。そして、 「「んっ…んくっ……ふぅ」」 コップの端に唇を付け、その中に入っていた水を軽く流し込む。そしてそのコップを洗面台に持っていき、お湯を流し入れ始めた。 (それを使うのか……) 男子の湯船として、使用済みのコップを使うなんて。2人の女子高生が両方口を付けたコップ。しかも飲み干したコップを洗わず、そのままお湯を注ぎ始めている。水を飲む際に女子高生の成分がコップの中に入っているかもしれないのに。年頃の女の子として、そんなことさえも気にしていないのか。…それは、相手がコップ以下の小ささの男子だからだろう。 ゴトンッ…!! 「「じゃあ、脱いで入ってねー」」 そう言うと、女子高生はテーブルの前にあった椅子に腰かけ、テーブルに肘をついてこちらを見つめ始める。肘をついた女子高生の顔の下に、コップと俺が位置している状態。 「え…えっと……」 いきなり脱いで、と言われても。いや、分かっている。小さい男子が溺れないように、風呂に入れてあげるときは見張っているように先生から言われているのだ。だから、この女子高生が見張っている前でお風呂に入らなければいけない。 (こんなの…恥ずかしいって…) 同じサイズの人間に裸を見られるのとはわけが違う。上空から巨大な顔が覗き込み、俺の行動の一部始終をくまなく見られているのだ。この状態で服を脱ぐなんて、あまりに恥ずかしすぎる。先ほど女子高生が着替えをしていた時は"強引に見せつけられている"という感覚だったが、いざ自分が服を脱ぐとなると見せつけている感覚は微塵もなく、やはり"強引に見られている"という被害者意識が強かった。 「「早くしてねー」」 女子高生は既にスマホを弄り始めており、ちらとこちらを見ると気だるげに催促する。この女子にとっては、小さな男子の風呂の世話など面倒でしかないのだ。 (くそっ…考えるな……) 見られている意識を何とか外しながら、俺は手っ取り早く服を脱いで全裸になる。…普通に服を着てリラックスしている女子の前で全裸になっている状況が、立場の違いや屈辱感を煽る。 「「ん、じゃあ入れるね」」 俺が脱ぎ終わったことに気づいた女子高生は、表情を変えることもなく言う。同い年の男子の裸を目の当たりにしているはずなのに、何も感情の動きが感じられない。小さな俺のことなど、一切異性として意識していないのか。女子高生はそのまま、俺の方に手を伸ばしてくる。 ぎゅぅっ…… 「ひあっ……!!」 お腹の当たりを、親指と人差し指で挟み込まれる。肌と肌が直接触れ合い、指の腹の柔らかさや温かさをダイレクトに感じる。俺はそのままコップの上まで連れてこられ、ゆっくりとお湯の中へ降ろされた。 (っ…!結構、ちょうどいい……) コップ内のお湯は、そこそこちょうど良い温度となっていた。お湯は少しだけ深めで、俺が立った状態で首から上が水面から出るくらい。俺はお湯の中で立ちながら、温かい入浴を始めた。さすがに身体を拭くものはないが、お湯に浸かれるだけでもありがたい。 「「………」」 (ち、近い……!) コップは少し高さがあるため、その中を覗き込もうと女子高生が顔を近づけてくる。今の俺の視点からは、コップの口から見える景色が女子高生の顔で埋め尽くされている状態。大きな目、鼻、口で景色が埋まり、無の表情を投げかけられる。整った見た目の女の子の顔を至近距離まで近づけられ、コップ内に良い匂いが漂ってくる。裸の状態の俺は、無防備な姿を巨大な顔に見つめられてあまりに落ち着かない。 「「ふうぅ~~……」」 ぶわぁっ……♡ (と、吐息が…) 女子高生の無意識な溜息が、コップの中に思い切り吹き付けられる。コップの中は直ちに女子高生の口内の空気の匂いで満たされる。リップクリームのさわやかな匂いと唾液の匂いが混ざり合い、俺はその空気を嗅がされたことで一気に勃起させられてしまう。 (やばい…隠さないと……) 俺は湯船の中でリラックスもできず、固くなった股間を強引に股で挟み込んで隠し、直立不動で入浴を続ける。…お風呂の時間すら、俺は自由に楽しめないのか。 「「ちょっとトイレいってこよ」」 女子高生が独り言のように呟き、コップの口の景色から顔が離れていく。足音が離れていき、俺は巨大な瞳の視姦から束の間逃れることができた。ため息をつき、コップから見えるホテルの部屋の天井をただただ見つめる。 すると、 「「喉乾いた~」」 相部屋だったもう一人の女子高生がズンッ、ズンッ…とこちらに近づいてくる。ずっとスマホを弄っていて、喉が渇いたらしい。 ぐらっ…… 「ひいっ…ちょ、ちょっと待って…!!」 いきなり、コップが持ち上げられる。まさか。このコップを湯船に使っていることを忘れているのか?そうであれば、この女子が次にやることは一つしかない。俺は青ざめながら、コップの振動で溺れそうになる。 「「んむっ……」」 「あ……ああ……」 コップの口からの景色が、女子高生の口元で覆い隠される。巨大な唇がコップの端をむにゅっ…と挟み込み、少しだけ口が開けられて液体を流し込む準備が完了する。そして、 ぐらっ…… 「ちょっと待って!!入ってるからっ!!」 コップが傾き出し、俺の周りにあったお湯がどんどん流れていく。俺はコップの壁に何とか張り付きながら、巨大な唇の間にみるみる流れ込んでいくお湯を見て戦慄する。 「「んぐっ…んむっ……」」 液体を飲む巨人の声がコップ内に響き渡る。さっきまで俺を温めていた大量の液体が、いとも簡単に女子高生の口内に流し込まれ、喉を通って胃の中へと吸い込まれていったのだ。自分がその立場になることを想像すると、あまりにぞっとして、必死でコップの壁に貼りつく。しかしどんどんコップの傾きは増していき、俺はずるずると壁をずり落ち始める。 少しづつ、少しづつ、巨大なむちむちリップが近づいてくる。俺は必死に逃げようとするも、無慈悲に傾けられるコップがそれを許さない。液体を取り込んでむにゅむにゅと蠢く唇が、もう少しで俺を捕える。 「「んんー……」」 女子高生が残り少ないお湯を一気に流し込むと同時に、俺は一気にずるずると壁をずり落ち、 「うわああっ!!」 眼前に迫る唇に向かって手を伸ばす。 むにゅっ……♡ 柔らかく巨大な上唇に手を付いたことで、俺の身体は一瞬動きを止める。その一瞬の時間の後、全てのお湯を飲み切った女子高生がコップの傾きを戻す。俺はコップの底に向かって、ずるずると再び落ちていく。ぎりぎりのところで、助かった。あと一歩のところで、女子高生の口内に投げ出されていたかもしれない。 ごとんっ…… 女子高生はコップの中の俺に気づきもせず、お湯を飲み切ってベッドの方へ戻っていく。…俺が上唇に触れたにも関わらず、全く気付かれなかった。巨大な唇でコップの端を挟み込み、散々騒ぎ立てる小人に気づかずに飲み干したのだ。なんという立場の違いだろうか。 そして。一瞬触れたあの唇の感覚が、手から離れない。女子の唇って、あんなにも柔らかくて良い匂いがするのか。きちんと保湿された、荒れがない綺麗な唇。あの唇にキスされたら、どれだけ気持ちいいのだろう。…俺はまだ手の中に残る温かな感触に頭が浮かされ、お湯の無くなったコップの中で必死に股間をまさぐり始める。 しかし、 グラッ……!! 「「これ、洗面所に置いてあったやつだよね…置いてくるか」」 ズンッ…ズンッ…… 再び声がしたかと思うと、コップが持ち上げられてさらに移動させられていく。女子の巨体に合わせて移動させられるだけで、男子にとってはかなりの負荷がかかる。俺はコップの底に這いつくばりながら、何とか振動に耐える。 ごとんっ…… 「「ふわ~ぁ……」」 バスルームの中にある洗面台に置かれたコップ。コップを移動させた女子はあくびをしながら、バスルームから出ようとする。 「ま、待って!!まだ入ってるんだけど!!」 必死で叫ぶ声が聞こえるはずもなく。 バタンッ…… バスルームの扉が閉まってしまった。 ------ (もう何十分こうしてるんだ…) 気づかれないまま洗面台の上に移動させられてから、かなりの時間が経つ。コップの高い壁に阻まれ、外に脱出することすらできない。ひたすらバスルームの天井が見えているだけで、他の景色すら見えない。 トイレに行っていた俺のペアの女子すら、気づいていないらしい。トイレから帰ってきてからすぐスマホを弄り始め、俺のことを完全に忘れてしまっているのかもしれない。 「「見て見て~この服可愛くない?」」 「「ほんとだ、でもちょっと高いかも」」 バスルームの外から、部屋で喋っている女子たちの声がかすかに聞こえてくる。…コップに入れられただけで、身動きが取れないなんて。俺は大きい女子から見守られていないと、この大きな世界でお風呂にすらまともに入れず、湯船から自力で出ることもできない。何て弱い生き物なんだろう。 「「そろそろお風呂先入ったら?私後でいいよ」」 「「そう?じゃあ入っちゃおうかな~」」 (…え?) お風呂に入る。確かに、そんな声が聞こえた。この部屋のお風呂、すなわちこのバスルームだ。え…まさか…… ガチャンッ!! 突然バスルームの扉が開く音。天井しか見えていないが、それは分かった。 そして。 「「ふぅ~」」 ズンッ…ズンッ… 巨大な女子高生が、激しく足音を立ててバスルームに入ってきたのだった。 ---続く---