XaiJu
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リップクリーム!

「……最近乾燥がひどくなってきたなあ。寒いし」 「……だねえ」 石川君は何の気なしにそういって、私の頭をなでてくれます。 普段なら優しい彼の対応ですが、その時の私は、何というか、すごく嫌な予感がしました。 「……なあ」 「……」 「……あのさ。志保」 「……」 無言を貫く私。 それでも、変に頑張り屋さんの石川君は、私の肩に手を置くと。 「……あのさ。リップクリームに変身してくれないか?」 「っ、嫌だからね⁈ 変身なんてしないからね⁈」 ブルブルと後ずさる私。 しかし、目の前の石川君は、どこまでも真剣な表情で、私の両肩をつかむと。 「お前の体はリップクリーム。小さな円柱となって、キャップを取れば優しい香りがして、俺の唇を柔らかく……」 「やっ、やめ……ああっ……」 抵抗する暇さえなく、私の体に変化が生じます。 もともと小柄であるはずの私の体は、見る見るうちに小さくなっていきます。いつ見てもおかしな光景ですが、私の体は驚くことに、身動き一つとれません。 「石川君、やめ……てぇ……」 ……毎度のことですが、私にどうにかできることではありません。 そのまま私の体は、見る見るうちに小さくなっていって― 「いい加減慣れてくれればいいのに」 (む、むりだよう……っ) すっかりたった一つのリップクリームになってしまった私を、ひょいとつかみ上げる石川君。 (あっ……だめぇっ、脱がさないで……) 「脱がすって……キャップ外すだけだぞ」 (やあっ……) 私の文句など聞きもせず、そのままリップのキャップを外してしまった石川君。 そのまま、自分の口を、私のクリーム部分に押し当てて。 (んっ、やっ、やだあっ、そこっ、舐めないでっ……) 「なめてない。塗ってるだけだ」 石川君はそんな風に言うけれど、やられる側からすればどちらも同じようなものだ。 必死に抵抗しようにも、ひょいとつかまれたまま、敏感なところに口をつけられる。 (ああああんっ、待ってっ、や、やあっ……石川君、待ってっ、んッ……) 「慣れない奴だなあ」 そういうと、石川君は私の体をくるくると回転させる。 (あっ、ダメえっ、そんなにむき出しにしないでぇっ) (こすりつけちゃダメえっ、そんなにされたら、わたしっ、あっ、んああああっ!) 「……そっか」 これだけ私が声を上げているというのに、石川君は短い返事をすると、より執拗に私の敏感な部分を責め立てる。 (やめっ、お願いっ、これ以上クリーム部分、舐めないでっ、こんなにされたら、私っ、私っ……イッちゃう……んああああっ⁈) そして、頭が真っ白になって、私の記憶は、そこで途切れた。 「や、お疲れ様」 「……石川君の、バカ」 気が付くと私は石川君の膝の上にいました。体はすっかり元に戻っています。 「どうしていつも、石川君はこんなこと……」 「あはは、でも、気持ちよさそうで、かわいかったぞ?」 石川君は、おそらく真っ赤になっているであろう私の顔を見て、柔らかい笑みを浮かべました。


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