XaiJu
さとる
さとる

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15歳の男子が小便小僧の像になって、見られる世界①

「ヤーーーーーーーーーーーー」


空高く飛び上がり、装着したスーツのエネルギーの全てと、自分の持てる全ての力を注ぎ込んだ必殺のキックは、高層ビルをも上回るサイズの怪物の急所を貫いた。

その勢いのまま飛んでいった俺は、近くのビルの屋上に着地する。

キックの勢いは残っていたため、屋上の地面に足を擦り付けることで減速することになり、地面に足が擦れた跡が残る。

後ろから、俺のキックで貫かれた怪物の断末魔の叫びが聞こえた後、地面に倒れ伏す音が聞こえる。

完全に倒せたのか、振り返りそちらを見ると、怪物の肉体が灰になり、散っていく。


「やったー!勝ったー!!」


思わず、その場で、ガッツポーズをした。

背後に、誰かが着地する音が聞こえる。

振り返ると、そこには一緒に共闘した男が立っていた。


「やったな!」

「ああ!」


手を掲げて待つその男の元に向かい、ハイタッチする。

そして、変身解除すると、参加者に配布されるお揃いのジャケットを着た男がいる。

まだ幼さが残る顔つきだが、それでも戦い抜いた男の精悍さも持つ男だ。

幼さが残るのも当然、なぜなら彼はまだ15歳なんだから。

俺もまた変身解除する。

目の前の男が、俺より少し背の高い関係で、やや上向きの視線を送ることになる。


「ああ、クッッソー、トドメ取られた。優勝逃したー。」

「イエーイ、俺の勝ち。まあでも、あの一撃に繋げれたのも、ユウ君や脱落しちゃったみんなの協力があったからだよ。偶然偶然。本当にありがとうね。」

「そう言ってもらえると、まだいいか。優勝したかったなあ。それで俺の理想の世界『俺がサッカーで世界一の栄光を掴み取れる世界』を叶えたかったけど、自分の実力でかなえろってことだよな。」

「うん、そうだよ。ユウ君ならできるって。」

「ありがとう、そう言って貰えると嬉しいよ。そんで、改めておめでとう。しかも、歴代最年少の優勝者だろ。俺より年下なのに、ヤベエよ。」


そう、俺はユウ君より一つ下の14歳。

ユウ君が中3で、俺が中2である。

ある日突然、この欲望グランプリへのエントリーを告げられ、よくわからないまま参加。

全部で4回戦あったこの戦いで、他の参加者より全然若い俺とユウ君は、みんなに舐められていた。

だから、歳も近いこともあって共闘することにした俺たちは、他の参加者をはめ、順調に勝ち抜いていった。

俺はともかく、ユウ君はサッカーのU-15に選出され、先日の国際大会では得点王になるほどの運動神経の持ち主だ。

そんな彼の力もあり、俺たちは、他の参加者からも実力を認められ、最後には、全員で力を合わせ、絶対に勝てそうもないラスボスを、撃破することができた。


『ただいまを持ちまして、ラスボスの撃破を確認しました。

今回の欲望グランプリの優勝者は、榊原心様に決定しました。

すぐにこの世界は、榊原様の望む世界に書き換えられます。』


二人で、ラスボス戦の感想をテンション高めに話し合っていると、案内役の声が響く。

この声で、自分の優勝を告げられ、実感が湧いてきた。

俺の欲望を詰め込んだあの世界。それがとうとう現実になる。


「そういえば、シンが望んだ世界って、どんなのだ?」

「うーん、内緒。でも、ユウ君はすぐにわかると思うよ。」

「え?どうし、へ?なんだ、何が起こってるんだ?」



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