固められ行く世界⑥
Added 2022-07-10 15:00:00 +0000 UTC-6-
『全ての地球人の検査完了。カタメール指数の高い人間の覚醒措置を開始する。』
動けない拷問のような快感地獄は、このアナウンスで終了を告げた。
快感を与える液体が動きを止め、まるで元から水だったようにダラっと流れ落ちる。
だからと言って、僕のちんこも目の前のテツヤのちんこも萎えさせてもらえない。
すぐに石像に戻る。勃起したまま。舌ももう動かない。
カタメール星人がたくさんやってきた。視界の中で、何体かの石像の周囲に立ち、何かを始める。それがオナニーだとわかったのは、テツヤの横に立ったカタメール星人がラバー状のスーツに包まれたちんこを扱き、人間のように勃起させ、喘ぎ出したからだ。
僕の周囲にもやってきた。テツヤや視界に入る多くの石像の周囲には一人だけが多いが、僕の周りには3人も来ている。
全員、オナニーを始める。きっとこれは僕は精液をかけられるのだろう。
男に興味のない僕。異星人だろうと、ちんこのようなものから発射される液体をかけられて喜ぶ趣味はない。
だが、無情にも、僕は今石像。逃げ出すことはおろか、声も出せない。
あ、テツヤが精液をかけられた。カタメール星人の精液は黒い。白い石像のテツヤが黒い液体で胸や腹を汚された。頬にも飛んでいるようだ。
嫌だなあ。そう思っても逃げれないのは辛い。
そして、僕の右隣にいるカタメール星人が、僕らと同じように、逝くと言って、絶頂に達した。右腕や腹・胸・そして、右頬が黒く汚される。左側も正面も、それぞれに立つカタメール星人が逝ったため、汚された。正面に立つやつなんて最悪だ。鼻や口の中にまで飛ばしてくれた。
石像でも五感は全て生きている。だから、精液の味も匂いもよくわかる。人間と同じ粟の花の匂いだ。味はとりあえず苦いことがわかる。
すると、不思議なことに頭の中に思考が流れてきた。それは、カタメール星人についてだった。
カタメール星人は、もともとカタメール星に住む人間のようなもの。ただし、僕たち人類と違い、男しかいなかった。だから、同胞を増やせず、絶滅の危機が常にあった。
しかし、寿命はとても長かったため、その間に科学が発展。絶滅の危機を脱するための方策を練ったようだ。
もともと、彼らの精液は、触れた生物を黒く固める性質があったらしい。そして、それで固められた生物には、カタメール星人の遺伝子が侵食する。
だから、他の種族の生き物、可能な限り自分たちに近い生物に精液をかけて、強制的に同胞を増やすことで、絶滅の回避を考えた。
だけど、それだけでは問題の解決にならなかった。
まず精液による固めを短期間行っただけでは、遺伝子の侵食割合が低く、その割合から計算して、完全に同胞に変えるまでに、カタメール星人が絶滅するかどうかという長い期間が必要になった。
また、もう一つの問題として、カタメール星人の遺伝子の侵食割合を急速に高めると、その生物の人格が崩壊したり、生殖能力が失われ、結局は次の世代にカタメール星人の遺伝子を伝えられないことがわかった。しかも、カタメール星人の遺伝子が侵入できるのは、男だけである。
そこで彼らは、別の方法で同胞を増やす実験を、自分たちと似た生命体のいるここ地球で開始した。
まず、遺伝子の侵入の方法を変えた。彼らの科学技術で、その精液を直接対象に塗ることなく、エネルギーを抽出し、固める光線を生み出した。と同時に解除の光線も生み出した。
この光線は、浴びても人体を白く固めるだけで、遺伝子の侵入を引き起こさない。
そして、固めた人間を回収し、精液を地球人が行う生殖行為と同様、肉体に直接注ぎ込む。ただし、専用の薬を飲むことで、その精液に触れてもその生物は固まることがないという状態でだ。この薬を飲んだ状態の精液は、一度でも光線で固められたことがある人間以外には遺伝子が侵入しないし、その割合も、直接精液を塗って、黒く固めた時ほど高くない。
だから、このやり方でカタメール星人の遺伝子を注入された人間は、精神も狂わないし、生殖能力も失わない。
これでも遺伝子が侵入できるのは、男だけ。だから、カタメール星人の遺伝子を注いだ男を元の生活に戻し、雌と子供を作らせる。
そうすることで、カタメール星人の遺伝子をごくわずかだけだが先天的に受け継いだ子供が生まれてくる。
その子供をまた白く固め、カタメール星人の精液を注げば、より遺伝子の濃い地球人が生まれ、わずかなカタメール星人の遺伝子を持つ雌と交尾させることで、次の世代がよりカタメール星人に近い地球人となり、最終的に完全にカタメール星人の遺伝子を受け継いだ地球人が生まれるという計画である。
副作用として、カタメール星人の遺伝子が侵入した地球人はカタメール星人に忠誠を誓うことになり、そのための社会整備が行われた。
また、カタメール星人の遺伝子を持って生まれた地球人は、カタメール星人と触れ合うことで、カタメール星人の事情を理解できるようになるという。
その情報量は、持っているカタメール星人の遺伝子の量に比例し、現代の地球人の持つ遺伝子量では、カタメール星人の根元が同じ遺伝子に対する母性を感じる程度の感覚が得られる程度が平均らしい。
では、なぜ僕がこれほどの情報を理解したのか。それは、いわゆる覚醒遺伝らしい。
地球人の中で、何世代もカタメール星人の遺伝子の侵入が行われた結果、奇跡的な確率で、カタメール星人の遺伝子を多く持つ人間が生まれるらしい。
もちろん、両親が持つカタメール星人の遺伝子量が多いことが必要だが、それでも、かなりの奇跡が必要ということらしい。
しかも、僕はその奇跡の中でも、かなり遺伝子の比率が高いらしい。
今、カタメール指数が高いとして、精液をかけられて記憶の覚醒を受けているテツヤたちで、大体カタメール星人の遺伝子を5%くらい持つ。(その他の人は、0.1%以下)
その一方で、僕が持つのは、30%超えらしい。
だから、カタメール星人の事情もわかるし、男だけの世界に生きてきたから、男に欲情して、こうやって男に向かって平気で射精できる気持ちも理解できる。
だからと言って、僕がそれを受け入れられるわけではないけれど。