固められ行く世界②
Added 2022-06-20 15:00:00 +0000 UTC-2-
10年に一度、15歳から25歳の男子がカタメール星人に献上される日。世界各地に、その船が降りてくる。
僕も、にいちゃんとの再会と、自分自身の献上のためにそこにやってきた。
多くの人が集まるこのイベントは、各国政府の仕切りで行われ、10年前献上された人の家族と、これから連れて行かれる男子とその家族以外、周囲の敷地に入れないようになっている。
当然、このようなイベントを行うと、まだ納得していない人たちによる抗議集会も行われるのだが、それを行うのは今や全て女性。初めの頃は高齢の男性もいたのだが、一度でもカタメール星人に献上された男子は、決してカタメール星人に逆らわないようになるので、現在では男性の抗議の声は聞こえない。
15歳以下の少年が参加することも稀にあるが、噂によると、抗議集会に参加した男子は、カタメール星人に献上される未来は変わらないし、その際に他の男子よりも辛い目にあったという話があるために、ほとんどみられない光景になっている。
10年前に連れて行かれた男子の返還が始まった。
男子たちは、石像の姿で返還される。その石像は、『敗北者の塊』にある兵士さながらの姿である。
皆10年前よりも肉体は鍛え上げられており、腹筋は割れ、全身引き締まっている。その肉棒もより大きく立派なものとなっている。
しかし、その顔つきは、当時のままのものが多く、皺が増えたりと、年齢を重ねた感じは一切ない。
船より一体ずつ光のエレベーターで地上に下ろされた石像は、家族や引き取り手が合流したのち、申請書を政府の係のものに提出することで、カタメール星人の解除光線を浴び、元の姿に戻れることになる。
その際に引き取り手がいない場合、政府で保管されるか、カタメール星人にもう10年所有されることになる。
僕と両親、それににいちゃんがカタメール星人の物になってから生まれた妹は、カタメール星人の船から光のエレベーターで降りてきた兄を見つけ出した。
兄は、他の家族の反応と同じく、以前と変わらない顔つきだが、その肉体は雄々しく鍛え上げられていた。
当時8歳の僕は、よく一緒ににいちゃんとお風呂に入っていた。だから、その体を何度も見ている。もちろん純粋な兄を見る目で、だ。だから、その変化はよくわかる。
15歳までサッカーをしていた兄は、サッカー部らしく足の筋肉がよく発達するも、上半身は比較的筋肉は少ない方であった。
しかし、目の前の白い石像の兄は、腹筋は割れ、腕の筋肉も増え、そう、細マッチョと言う感じだろうか。それでも無駄な筋肉はついていないように見える。
そして、にいちゃんの下腹部。今や立派に男となった僕から見ても、そのそそり立つもののサイズは大きい。
当時、クラスの女の子の話をしていたら、突然僕の前で勃起したにいちゃん。そんな風に大きくなったこともないし、皮の中から大きな亀頭で、カリが張ったものが出てきたものだから、興味津々で触っていた。
その記憶をもとに、絶対にあの肉棒は大きくなっている。ぶら下がっている玉も、巨大だ。
周囲のちん毛がないのは、献上する際のルールで脱毛することになっているから、当然だから気にしない。というか、自分も今、パイパン。
石化解除を行う順番待ちの間、父さんの勧めでにいちゃんに触れてみることにした。
『敗北者の塊』にある石像は、展示品のため、触れるのが禁止であり、何気に触れたことがない。
これから自分がなる姿である以上、どんな感じなのかは興味があった。だから、にいちゃんに触れてみた。
顔を触る。表面は少しざらざらする石って感じ。でも、肌のキメが細かいのか、すべすべ。胴体も触ってみたし、足も。そして、勃起したちんこも触ってみた。思った以上に亀頭がツルツルだった。
妹も緊張しながら触っている。流石に、ちんこは両親が止めているが。
そして、にいちゃんの石化が解除される順番に。
カタメール星人が、光線銃を放つ。光に触れた兄は、すぐに白い肌から肌色に、髪も黒く戻り、亀頭は綺麗なピンク色に戻った。
光線が止まった後、動けるようになった兄は手をグッパグッパさせて動くことを確認し、笑顔でこっちを見る。
「ただいま」
「おかえり」
両親を見て言った言葉に、両親が返す。
僕と妹は緊張して声が出なかった。妹は初対面。僕は成長して僕だとわかってもらえるかの不安で、だ。
「タクもただいま。」
それを察してか、昔みたいに優しく手を伸ばし頭を撫でてくれる。
昔は背がずっと小さかったが、今は僕が17歳、兄が15歳の肉体。僕の方が背が高くなったため、手を上に伸ばして撫でてくれている。
久しぶりの再会。兄の優しさに涙が出る。
「おかえり、ユウ兄。」
次に当時の僕くらいの身長の妹に向き、
「えっと、妹かな?なんて言うの?」
「ほら、名前お兄ちゃんに言いなさい。」
普段は元気の良い妹が、兄に緊張している。両親が言ってもすぐに声が出ない。
「緊張してるのか。じゃあ、まずは俺から。ユウヤって言うんだ。よろしくね。」
妹に目線を合わせ、自分の名前を言って、優しく妹の頭を撫でる。それで緊張が解れたのか、
「ユキ。」
ようやく自己紹介できた。
「そっか、ユキちゃんか。よろしくね。」
昔と変わらない優しいにいちゃんのままで安心した。