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男子高校生石像美術館 プロローグ

プロローグ


あれは本当に偶然だった。そう、偶然なのだ。

偶然、私は石化魔法を手に入れてしまったのだ。

石化させたい物を魔法陣の上に乗せ、エネルギーを注ぎ込む。

そうすると、その物質は、そのままの形で白い石像になる。

私は、もともととある研究機関で、材料工学の研究を行っていた。

趣味の一環で、錬金術を調べていた私は、研究室の装置と期限切れとなった試料を用いて、冗談半分で『錬金全集』という本に書かれた魔法陣を再現し、起動させたのだ。

すると、私の愛用の万年筆が、立派な石像に変わった。

そう、これが始まりだったのだ。

その後、この魔法についての研究と、本に書かれた他の魔法陣の研究を秘密裏に行った。

初めは、石化させることができる物は、非生物のみであった。しかし、他の魔法陣を試した結果、生物も石化させることが可能な魔法陣、または生物限定で石化させることが可能な魔法陣も存在することがわかった。

魔法陣に注ぐエネルギーもなんでもいいことがわかった。電気エネルギーでも、運動エネルギーでも、熱エネルギーでも。ただ、効率面では、圧倒的に電気エネルギーが使いやすい。

電気エネルギーなら、その量や注ぐ魔法陣の場所も容易に変えられる。それらを変えることで、石化のスピードを変えたり、魔法陣の上にある物の一部だけを石化させることも可能となる。

さらに、石化の魔法陣だけでなく、それを解除する解呪の魔法陣も同様に使用できることが判明している。これで、石化させた生物を元に戻したりできる事になる。


そうなると、私の性癖が疼き出してしまった。

私は、かっこいい男子好きなのだ。その彼らが石像になって動けない姿で屈辱を感じていると考えると、さらに興奮する。

こんな素晴らしい力を手にしたら、実際にそんな石像を作って、楽しみたくなってしまうだろ。

そこで、私は長い年月をかけて、ネットで同じ性癖を持つ人間を集めた。

出資してくれる人間を探し、場所を用意する必要があった。

人の手は同じ性癖を持つ人間が想像以上に多く、困らなかった。

お金に関しては、私や私に実際手を貸してくれる者たちが求めるものが男の石像だけであるが、女の石像に興奮する人間もたくさん発見することができたため、彼らに計画の途中で得られる女の石像を売ることで解決することになった。そして、それらの伝で場所も確保した。

次に、ターゲットの選定。

こちらは、場所と協力者を基準に行った。

場所の近くのホテルに協力者を潜り込ませた。

ここは、時期によっては、高校生が修学旅行で溢れかえるホテル。

そう、私の性癖を満たすための計画は、ここにやってきた高校生を全て石化させ、回収し、望んだ姿の石像に変えるというものである。

この計画には、多くの同胞が賛同した。また、その過程で、我々の性癖とは一致しない部分があるが、ゲイとして協力してくれる人間も得られた。

よって、計画をより具体化するために、修学旅行にやってくる学校の生徒の情報をSNSを通じて調べ、もっとも多くの同胞の欲求を満たしてくれそうな生徒が多い学校を選び抜いた。


そして、今日、実行のとき。

ホテルの建物の下に気づかれないように魔法陣をひいた。そこに大量の電力を一度に入れると、中の人間が全て石像になる。

そのあとは我々で生徒の石像を一体ずつ丁寧にトラックに移して運び出し、完了次第、ホテルの従業員や教師を解呪の魔法陣で元に戻すことになる。これがなかなか大変な作業だが、時間がかかると、ホテルの外に人間に気づかれる。

石化している最中は意識がある状態で石化すると意識が残るが、短期間だと記憶が混乱し、石化した自覚がないままとなることもわかっている。我々の性癖を満たすためには、生徒たちを相応しいポーズにしないと十分に楽しめないのに、情報が残りすぎると警察の介入などで邪魔が入りかねない。だから、急いで作業して、残った人間には石化したことを気づかれないようにしないといけない。うまくいけば、生徒たちが突然消失したという話になり、警察の捜査も混乱するはず。

つまり、時間との戦いなのだ。

さあ、同志諸君、準備はいいか?

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