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最近の「AIイラストには著作権がない」という話について

noteに掲載した記事をこちらにも転記しておきます。

(frame embed)


概要

・本記事の背景

・米国著作権局の発表の概要

・AIイラスト自体に著作権がないのか?

・AIイラストをマンガ、背景素材として利用した場合や加筆した場合は?

・AIイラストの著作権の有無は確定したのか?

本記事の背景

先日のコミック「Zarya of the Dawn」に関する米国著作権局の発表を受けて、「AIイラストには著作権がない」という話がtwitter上で拡散されていたので、前述の発表資料やニュース記事などを読みました。その結果、twitterで拡散された内容の一部には、誤解や誇張表現があると感じたので、個人的な理解と解釈を書きたいと思います。

なお、私は著作権関連の専門家ではないので、不正確な解釈などがあるかもしれません。また、私は画像生成AIに肯定的な立場から見ていますので、ご承知おきください。

米国著作権局の発表の概要

Midjourneyの画像を利用した「Zarya of the Dawn」というコミックについて、米国著作権局が「作品のテキストの著者であり、作品の選択、調整、および配置を行った者である」として、その著作権の一部を認めました。一方で、Midjourneyで作成した画像自体の著作権は認められませんでした。

AIイラスト自体に著作権がないのか

今回の件で、Midjourneyで作成した画像について、米国著作権局が著作権を認めなかったことは事実です。

発表の中でその理由として述べられていることの一部を抜粋して翻訳しています。

今回の発表では、Midjourneyでの画像作成についてしか言及されていません。画像生成AI全般についての見解ではありません。一方でノイズとプロンプトを利用した生成手法については言及があるため、Midjourney以外のdiffusion modelについても同様の見解になるのではないかと考えています。

現在、AIイラストに一般的に利用されているStable diffusionやその派生もdiffusion modelです。すなわち、この発表に従うのであれば、プロンプトのみを利用したAIイラストには著作権がないと解釈しています。

しかし、プロンプトのみでは生成物を十分にコントロールできていないことが理由としてあげられているので、image2imageやControlNet、あるいは今後開発されるであろう生成画像をより具体的にコントロールできる手法については、著作権が認められる可能性が残っていると考えています。

AIイラストをマンガ、背景素材として利用した場合や加筆した場合は?

twitter上では「AIを一部でも利用すると著作権が無くなる」のような言説も一部みられましたが、それは誤りだと思います。

まず、元の発表でもAIイラストを利用したマンガのテキストやコマ割りについて著作権を認めています。これはマンガ自体としては著作権によって保護される対象になっていると考えていいと思います。(マンガの各コマの絵だけを抜き出して利用されたケースでどういう判断になるか分かりませんが)

背景などの素材での利用についても、通常の著作権フリーの素材を使った場合と同じに考えていいように思います。著作権フリーの素材を一部使ったからと言って、その作品自体の著作権が消滅するなんてことはないはずです。


AIイラストに加筆したケースについては、元の発表で言及されています。

これについてもAIイラスト関係なく、加筆によって通常、著作権が認められる範囲に準じているように思います。

具体的な例としては、以下の画像のように一目では分からないような軽微な加筆に対しては著作権が認められませんでした。

一方で、Midjourneyの画像を利用したとしても、人の手による編集が十分に行われていれば、著作権が認められるとも明言されています。よって、過去の事例に即して、加筆の程度によって著作権の有無が判断されると思われる。

AIイラストの著作権の有無は確定したのか?

「AIイラストに著作権が無いことが『確定』」のようなセンセーショナルな伝え方が一部されていましたが、これは誇張した表現で「判断が出始めた」くらいの状況だと思います。今回の発表は、個別の事例について米国著作権局から米国の政府見解が一例出たものです。まだ、裁判の判決やそれを元にした法律ができたわけではありません。この見解は他の判断等にも影響すると思われますが、「確定」というには早すぎると思います。AIを利用したイラスト作成の手法は多岐に渡りますし、すごい速さで進歩しているので、判断のためにはより多くの事例の積み上げが必要だと思います。また、この発表はあくまで米国の著作権の考え方に則ったものなので、日本では判断はこれからとなり、違った見解となる可能性もあります。

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