感染する慕情(旧作)
Added 2024-07-01 00:33:39 +0000 UTC「ねえクリスティーナ、フクロムシって知ってる?」 栗原千華はクリスティーナに質問を投げかける。 「いや、初めて聞くわ。」 「甲殻類の一種なんだけど、カニに寄生する生態を持っているんだ。フクロムシに寄生されたメスのカニはそれを自分の卵だと誤認して愛情を注ぐようになる。面白いのはこれはオスにも同じ効果を与えるということだ。しかも体も次第にメス化していく。どうかな、君が好きそうな生物だと思うんだけど。」 「へえ、確かに興味深い話ね。でも急にそんな話を?」 「実は田沢さんに作らせた似た生態の寄生虫があってね。あれは心のエナジーを糧にして感染者の理想の姿を...」 ~~~ 「ねえ、もう帰らない?ここ絶対普通じゃないよ。 「わかってる。でも...」 ここはとある山。登山をしていたカップルが何やら揉めているようだ。 「...まさか道がわからなくなったとか言わないでよ?」 「も、もちろん。」 「どうするのこれ!完全に遭難じゃない!」 ポツン、ポツン... 悪いことは続くものである。ここにきて雨が降り始めてしまった。 「まずい、このままだと体力を消費するだけだ。どこか雨を凌げるところは...」 その時、男は数十メートル先に洞穴があることに気付く。 「とりあえず、いったんあそこに避難しよう。」 これは幸いと天候回復を待つことにしたカップル。しかしそれが異常事態の始まりだった... ~~~ 雨音だけの音がしばらく続いた後、重い口を開いたのは彼女だった。 「...ねえ、これって警察に通報するべきなんじゃないの?仮に雨が止んだとして、安全に下りることが出来るとは思えないんだけど。」 「で、でも人に迷惑をかけるわけにはいかないだろう?ちょっと道を間違えただけで、ゆっくり地図を確認すれば...」 「また始まった、あなたの悪い癖!何でいつもいつも問題を隠そうとするの!余計に被害が増えて迷惑かけるくせに!もう任せてられない、こうなったら私の方で~」 彼女がポケットからスマホを取り出そうとした瞬間。 ブスリ。 「痛っ!?」 何かに刺されピクリと静止した。スマホが手から落ちて、画面が割れても身動き一つとらない。 「ど、どうしたんだ!?」 「わ...わから...ない。で、で、でも体、が...」 口を動かすのもやっとの状態らしい。流石にこれはまずいと通報しようとしてー ...無理だった。男性にも同じ症状が現れていたのだ。見つめ合ったまま硬直してしまう二人。次の瞬間、 「ああぁぁぁぁぁ!!!!」 激痛か快楽か、絶叫を上げて倒れ込む彼女。次に男の目に入ってきたのは、信じがたい光景だった。 「頑張れ♡元気に育ってね...♡」 突然彼女が優しく呟いたかと思うと、何もないお腹を愛おしそうにさすりだす。狂った光景だが、これは更に狂気的な出来事で塗り替えられた。 「そ、お腹...ど、どうなっ...」 彼女のお腹が突然膨らみ始めたのだ。風船のように大きくなったそれは明らかに妊婦のそれである。 「アハァ♡もう準備万端みたい...♡」 いつの間にか胸も2回りほど膨らみ、白い母乳を吹き出し始めていた。 「んふぅ...♡」 それを見た彼女は上着を脱ぎ捨てると、自分の乳に吸いつこうとする。あまりの事態に男はこう尋ねるしかなかった。 「お、お前...自、分が、何やってるか、わ、わかって...いる、の...か...?」 「何って、赤ちゃんに与えるおっぱいを準備しているだけだけど?クリスティーナ様との子どもだもん、吸われる回数が増えれば沢山のおっぱいがでるから一杯飲ませなくちゃ!」 クリスティーナ?そんな名前は聞いたことがない。ましてや聡明な彼女が怪しい何かを妄信しているなどありえないことだった。 「あぁ、クリスティーナ様ぁ♡あなたとの子どもが待ちきれません♡」 この状況からして、異常な「何か」が見えていることは明らかだ。そう思った男は彼女を正気に戻すために声をかける。 「ダメだ!君は幻覚を見ているんだ!そんなものに惑わされちゃいけない!」 「これは現実だよ。私は「子種様」を頂いて妊娠したの。それはあなたもそう。言葉も明瞭になっているし、もうすぐ~」 ...自分もそうなるのか!?男は底知れぬ恐怖に襲われる。 「ば、馬鹿言うな!そもそも男が妊娠するわけ~」 ドクン!!! 「ひぐぅ!?」 恐怖を振り払うために自分に言い聞かせようとした言葉は突然の快楽に遮られた。 「あっあっあっ...」 あまりの快楽に言葉にならない声しか出ない。何も触れていないのに、男根は勝手に隆起していく。 ドピュルルル!!!! たまらず彼は射精した。しかし、いくら出しても濁流は止まらない。むしろ出せば出すほど勢いは増していく。 「何これ、服が...」 男の精液は下半身のズボンを濡らした部分から溶かしていき、遂に男根が外気に晒される。そこで分かったことだが、この精液は液体ではなく、クモの糸のように粘ついていた。 「助け...」 解放された精液の糸はまるで意志を持っているかのように彼の体に纏わりつく。つま先から服を溶かしながら登っていくと、ついに全身を覆いつくした。 「まずは相応しい体になろうね...♡」 そう呟く彼女の先にあるものは、巨大な蚕の繭だった... ~~~ 「ここはどこだ...?」 気が付いた時には、男は全てが闇に包まれた世界にいた。いくら見回しても、光の一筋も見当たらない。 「ようこそ、私の世界へ...」 突然静寂の中から呼びかけられる。その声の主を何故か男は知っていた。 「クリスティーナ...!?」 相手を睨みつけようとして、男は自分の声に驚く結果となった。 「あら、気付いちゃった?あなたは「男のエナジー」を出し切って女の子になっちゃったの。それも「女のエナジー」が反映された理想の女の子にね。」 慌てて体を見下ろす男。そこにあった景色は本物の金よりも輝く長髪、白磁のような肌の上の程よい大きさの美乳、ピンク色のぷっくりとした乳首、そして何もないすっきりとした股間の下にガゼルのような細い足をたたえた人形のような美少女の体だった。それを見つめる瞳も大きなサファイアブルーに変わっている。確かに夢にまで見た理想の女性だった。しかし自分がなるのはまた話が違う。それに... 「彼女まで巻き込んで、いったいどういうつもりだ!?」 「私は開放しただけよ。あなたの変身願望を、そして...」 目の前まで近づいた魔女は淡々と語りながらビキニアーマーを脱ぎ始める。 「あなたの欲望を。」 そう耳元で囁かれた時、もはや美少女には何も聞こえていなかった。 「あぁ...こんな...♡」 本来魔女の体にあるはずのない大きく凶悪な男根に釘付けになっていたのだ。怒りや絶望、そして男としての自意識は快楽への期待の前で瞬く間に霧消した。 「それじゃあ、あなたを頂くわね。体も、心も。」 そう言うと「クリスティーナ様」は美少女の女陰に男根を挿入した。 「いいの...来て...♡」 パンパンパン!! 「あんっ、いいですぅ!もっと、もっと!!!」 愛情を際限なく求める美少女。その愛くるしさに、変貌ぶりに魔女の男根はさらに隆起する。 「あぁ、この女が数分前まで野郎だったのが信じられないわ!」 このギャップと勝手に人を曲げてしまう背徳感こそが魔女の全てなのだ。あまりの快楽に絶頂までの時間も短い。 「さあ出すわよ、ありがたく受け取りなさい!」 「お願い、中に、中に出してぇぇぇぇぇ!!!!!」 それは美少女もまた同じだった。 ドピュルルゥゥゥ!!! 体の中に入った精液は卵子を食い荒らし、魔女との子どもを身籠らせる。 「あぁ、幸せ...♡」 母子を愛おしそうに微笑む魔女の顔を見たのを最後に、美少女は意識を手放していった。 ~~~ ピキッ... 一方その頃、現実世界では繭にひびが入り羽化の瞬間が近いことを告げていた。 バキッ、メリメリメリ... ひびから縦に線の入った繭は左右に崩れるように崩壊し、中からは男は出てくる...はずだった。そこにいたのは男ではなく、人形のような美少女。それもお腹と胸は華奢な体格には不釣り合いなほど膨らみ、妊婦であることをはっきりと示していた。 「また一緒になれたね...♡」 羽化した元男の美少女に声をかかる女性。 「はいお姉様、クリスティーナ様の元ではどんな願いも叶いますから...♡」 美少女はお腹をさすりながらそう返す。現実で会ったことは一度もないが、お腹の赤子が魔女との子供であることを確信しているようだ。 「「さあ、準備を始めないと...」」 しばらくして二人はそう言い合うと、お互い真正面に向かい合う。背の低い美少女が女性の乳首に吸いつくと、女性の胸は瞬く間に母乳を生成し始めた。 「ふふ、一杯飲んでね♡」 一方女性は美少女の乳首をつまみ、乳しぼりの要領で絞り始める。 「あぁっ、お姉様!クリスティーナ様ぁ!」 ぷしゅ、ぷしゅ♡ 辺りは白い水たまりで染まっていく。その中心で二人の妊婦は母乳の生成量を増しながら狂った授乳を続けるのだった。 ~~~ 「...いませんね、どこにいるのやら。」 「くそっ、そろそろ48時間だ。流石に見つけないと命が危ない。」 その頃、登山中に消息を絶ったカップルの行方を追って救助隊のヘリコプターが捜索を行っていた。 「昨日は雨だったからなあ、捜索が遅れてしまった。寒さで凍えていなければいいが...」 「隊長、あれ...」 「ん?」 隊員の一人が何かを指差す。そこにあったのはチョロチョロと流れる白い流れだった。湧き水だろうか?いやそれにしては色が濁りすぎている。 「確かに、何かおかしいな。どうやら流れはあの洞穴から始まっているようだ。人も入れそうな大きさだし、一度確認してみよう。」 「了解。」 救助隊はその原因を探るため、ロープ降下の準備を始める。しかし彼らは知らなかった。その恐るべき正体を、その原因は人から人へ感染していくという事実を...。