アンヌさんに「宇宙一の怪力」って言わせたいだけの会話
Added 2025-02-26 13:27:22 +0000 UTC怪力自慢がイキりじゃないというか、本人的には最強という事実を淡々と言ってるだけだし事実最強、みたいな娘いいですよね…。宇宙一の怪力アンヌさんが地球も守ってくれてるのオーバーパワーすぎて好き…。
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「あれ、そういえば昨日の重量物テストってどうだったんですか?まあ聞くまでもないですが」
「うん、だいぶ開発が進んだみたいで前の10倍くらい重くなってたな~。小惑星くらいのサイズで5𥝱トンくらいだから凄いよね~」
3メートル以上の巨体のオリカと小柄スレンダーなアンヌの凸凹コンビがトレーニングルームで話している。見た目と正反対に宇宙最強のパワーを誇るこのアンヌという先輩の発言にも慣れたものだ。
「またよくわからない数字を…。で?少しは重かったんですか?」
「重い??」
アンヌは一瞬きょとんとして笑う。ふくらはぎまで伸びる長い黒髪をさっとかき上げると細い細い腕をぐっと曲げて見せつける。
「オリカくーん、いつも言ってるでしょ?私、宇宙で一番力持ちなんだから。5000垓トンが10倍になろうと100倍になろうとまだまだ誤差だよ」
「まあ、わかってて聞いたんですけどね」
オリカもふっと笑う。さっきもトレーニング中に自分がかろうじで持ち上げられる数十万トンのウエイトを、片手でサポートしてくれた細い細い腕。
ドヤ顔でぐっと腕に力を籠めるが、手首から上腕まで棒のように凹凸のない細腕には浮き出る筋肉もない。何度見ても、見せつけられても不思議な身体だ。
この警備隊の全兵力、戦闘部隊の屈強な兵士たち、宇宙艦隊の船や戦車といった兵器、すべてまとめて綱引きをしてもアンヌの小指を動かすこともできないだろう。それほどのパワー。アンヌが口癖のように言う“宇宙一の怪力”は自慢でもなんでもなくただ単純に事実を言っているだけ。
「っていうか100倍でも誤差ってマジですか」
「うーん、わからないけど、あの感じだと全然いけると思うな~。私も強すぎて自分でもよくわからないところあるけど…」
「…前言ってましたもんね。限界はわからないって」
「そうだね~。今まで持ち上げられなかったり押し負けたりしたことないし」
宇宙怪獣、敵対する大宇宙艦隊、はたまた惑星、星系など、アンヌが任務で打ち負かしてきたものはたくさんあるが、物理的な力でアンヌが苦戦、いや“力を入れたこと”はほぼ無いと言っていい。
つい先日はワープ航法で逃亡直前の密輸船を拿捕。ワープに入る直前の一瞬の加速は大型の惑星すら動かせるほどのパワーを出すらしいが、アンヌが船首に取りついたままエンジンが一瞬眩く輝いただけ。
拿捕されたとは言っても小さな少女が船首に居るだけとあってはワープで踏みつぶして逃げようとするのも無理はない。
笑顔でワープの加速度を受け止めたアンヌに目を白黒させていた密輸犯は、全長200メートルの船体を片手で持ち上げ、巨大なエンジンをむしり取るアンヌの怪力を見て卒倒したらしい。オリカは密輸犯に同情した。
目の前で自慢の細腕を撫でながら信じられないくらい可愛らしい笑顔を向けるアンヌ。オリカの指よりも細い腕がノースリーブのトレーニングウエアから伸びている。筋肉のほとんど見えない凹凸のない上腕と二の腕。光を反射するほどきめ細かい肌。長い長い黒髪も照明を反射し、まるで身体全体が輝いているよう。
正体さえ知らなければめっちゃくちゃ可愛いんだけどなあ、と種族の違うオリカですら思う可憐な姿。
胸には肋骨が浮き出るほど薄い身体は身長130センチ台の小ささ。しかしその身体は存在するすべての兵器の連射を浴びてもどの部分も傷つかない。恒星の中心の温度と圧力ですらアンヌにとってはそよ風らしい。どんなに可愛らしく見えても間違いなく化け物なのだ。
「…強すぎますもんね、アンヌさん」
「いつも言ってるでしょ~、宇宙で一番の怪力だよ」
「あきれてるんですよ」
「ひどい」