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作品No.25-3-1について

こんにちは、こんばんは。

先ほどこちらの作品投稿させていただきました。

作品No.25-3-1【期間限定無償公開中 4/4まで】

本作は4月4日まで無償公開予定です


今回はSkebでご依頼いただいた作品を元にして、内容を若干調整するなどして制作させていただいた作品となります。ご依頼主様にはこの場を借りて改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

月末ギリギリの更新となってしまったこともあり4月4日までは無償公開とさせていただきたいと思います。ご了承ほど宜しくお願い致します。


なお今回はこのイラストのイメージがより広がるよう、このイラストを元にしたシナリオを書いてみました。拙い文章で申し訳ない気持ちもあるのですが、もしよろしければお読みいただければ幸いです。


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アイビス学園 演劇部


アイビス学園演劇部の最大の魅力は、なんといっても全ての演技が「本物」であることだ。

主に学園の文化祭、演劇コンクール、学園の卒業公演などで一般の方向けに公演を行っているが毎回チケットは即完売、立ち見が出るほどの集客能力がある。それほど世間からも注目度の高い劇団ではあるが、卒業生からは有名女優や役者を一人も輩出していない。それはそもそもこの演劇部に在籍したまま学園を卒業した者がいないからだ。彼女たちに求められる演技は「本物」、つまり演者が死ぬストーリーでは、彼女たちは本当に死ぬことが求められる。そんな演劇部が成立するのかとお思いの方もおられるかもしれないが、元々自らの命をささげる覚悟を持つ生徒のみが入学してくるアイビス学園では、それは大した問題にはならない。満員の観客という衆目の中で最後を遂げられるこの演劇部にあこがれる者も多く、生徒からの入部希望数は毎年1位。厳しいオーディションに合格したものだけが入部を許される状況だ。演劇部員たちは時には死者が出ることもあるほどの厳しい稽古を日々行い、公演に備えている。そして今年も学園祭の時期が巡ってきた。今年もチケットは即完売、満員御礼である。


今回の演目は忍者(くのいち)をテーマにしたものだ。シナリオ自体は対立する忍の一族の抗争を描いた割と陳腐なものなのだが、演劇部の公演の中でもかなり人気のある演目だ。それは主演女優の人気によるもので、主演の名はミズシマサイカという。今年で2年生だ。サイカの家は代々続く真剣術の名門であり、サイカは幼少からの修行により一流ともいえる剣の技術を既に習得している。そして役者としては欠かせない美貌が備わっており、彼女の剣術の美しさをより一層引き立てている。彼女は入学当初から周囲を魅了した。演劇部入部オーディションではその場で即合格を言い渡され、入部後は即主演級の扱いを受けた。今回のくのいちの演目も、彼女の剣術を活かすために急遽制作され取り入れられたものだった。彼女が1年の夏に開催された最初の公演で主演に抜擢されると、その公演がウワサとなり、次の秋の文化祭公演では元々普段より高額に設定されていたチケットは更に高額の超プレミアチケットとして流通していた。2年目の今年は、その倍の値段にまで跳ね上がった。


そんな今回の公演のサイカの出番もいよいよクライマックスを迎えつつあった。最大の見せ場は敵の一族にサイカが1人で乗り込んで壊滅させるシーン。今回は有志の1年生6名による敵役とサイカが殺陣を演ずる。いや正確には殺陣とは言えないのかもしれない。他のシーンにはセリフなどシナリオが存在するものの、このシーンだけは実際に双方本気で斬りあうだけなのだ。シナリオ的にはこの殺陣の勝敗の結果でマルチエンディングになるようにしてあり、もしサイカが負けた場合はサイカにとどめを刺した者がそのまま主人公として次回公演より主演の座を務めることができる。野心に燃える1年生や主役になれないまま進級した3年生などが一発逆転を狙って毎回挑戦するのだが、この演目が公演された過去4回、サイカに傷つつけた者は誰もいない。最大で12名が同時に襲い掛かった回もあったのだが、彼女はあっというまにその全員を斬って捨てた。5回目の今回は6名、結果はやる前から明らかだった。


1年生6名がサイカを取り囲んだ状態で、殺陣が始まった。「わあぁッ!」という声と共に6人が襲い掛かる。しかしサイカは華麗な身のこなしで刃を避けると、躊躇することなく1年生を斬って捨てていく。彼女は幼少の頃より月に1回は人を斬る訓練をしており、人を斬ることに対して全く躊躇いが無い。それは彼女の強さの大きな理由の一つだ。あっという間に全員を斬り終えると、彼女は片膝をついて決めのポーズを取った。


次の瞬間、予想外の展開が起こった。舞台セットの岩陰から7人目の刺客が姿を現したのだ。今回の参加人数は6人、と事前に顧問の教師や舞台監督の3年生、部員スタッフ、そしてサイカ本人にも伝えられていたのだが、1年生は結託して7人目を密かに忍ばせていた。その試みが成功し7人目の彼女が、サイカの背後から忍び寄る。顧問の教師や他の部員にとっては予想外の事態なのだが、みんな何も言わず見守っている。サイカがもし斬られたなら、これはこれで筋書きのないドラマだということを一瞬で感じ取ったからだ。何も知らない観客は引き続き固唾をのんで見守っている。そしてその7人目がゆっくりと剣の間合いに入り、斬りかかろうと刀を振り上げたその瞬間だった。サイカは背後に一瞥もくれず、右手に持っていた刀で背後にいる7人目の刺客の腹部を貫いた。腹部を貫かれた7人目の彼女は、自分に何が起こったのか一瞬わからなかっただろう。それぐらいサイカの刀の速度は目にもとまらぬものであった。サイカはまっすぐ前を向いたまま、背後で刺客の腹部に刺さった刀の手ごたえを一時確認すると、次の瞬間一気に刀を抜き斬った。7人目の刺客の腹部が大量の血液と共にはじけ飛んだ。7人目の刺客は手に持っていた刀を落とすと、彼女自身も地面に崩れ落ちた。


ワーッという歓声と共に、万雷の拍手が沸き起こった。サイカは立ち上がると観客へ向かって一礼した。そして切って捨てた下級生に目をやることなく、舞台を後にした。その冷徹な雰囲気が本作の忍の役にはマッチしている。やはり人を斬り慣れている彼女だからこそ出せる「本物」の魅力だ。サイカが卒業公演を迎えるまでにはあと6回程度の公演が計画されており、すべて主演を務める予定になっている。卒業公演までに彼女が斬るエキストラの数は稽古も含めれば100名をゆうに超えるだろう。しかし最後の公演だけは彼女は1人も斬ることはない。最後の公演はサイカが敵の一族に捕まったところから始まる予定だ。捕まった彼女は、これまでの恨みから長時間に渡る激しい拷問を受けて最後には処刑されるというストーリーになっており、その長時間の拷問処刑は24時間公演としてすべて舞台公演として公開する計画だ。その計画はサイカには一切知らされていない。サイカはその計画を卒業公演当日の舞台上で知ることになる。



さて、本来ならサイカの殺陣が終わったところで終了となるが、今回はその続きが用意されていた。主役は3年生のハルキユウミとアイミの姉妹だ。2人は貴重な双子であり、目立たないながらも堅実に与えられた役をこなしてきた。そんな2人に、今回少し早い卒業公演の場が与えられたのだ。その2人が主演するストーリーはこうだ。

2人は姉妹ながら幼いころに生き別れ、対立する忍の一族にそれぞれ引き取られた。2人は抗争の場で敵として巡り合うが、戦いの最中お互いに身に着けたお守りを見て、お互いが姉妹であることに気付く。しかし戦う運命であることには逆らえず、お互い実力が拮抗している2人は最後は相討ちとなって果てる、というよくあるパターンのものである。しかしそんな陳腐なストーリーも、すべてが本物であるアイビス学園演劇部にかかれば手に汗握る演目となる。


サイカの演技の興奮も冷めやらぬ中、ユウミとアイミ、2人の演技が始まった。まずは2人の斬り合いからだ。サイカに比べれば技術的に劣ることは明らかだが、2人が真剣に斬り合う姿に観客は惹かれていく。それはやはり本物のなせる業で、この決闘もマルチストーリーになっており、もし相手を斬って倒すことができればもう一度、今度は単独で主演の舞台が与えられることになっているからだ。姉妹とはいえ、部内ではライバルなのだ。2人の剣先は何度もぶつかり、会場内に金属音を響かせる。2人の荒い息遣いが聞こえてくる。アイミが押す場面もあったが決着はつかなかった。時間切れだ。5分間で決着がつかなければ、相討ちのシーンへ進むことになっている。2人はアイコンタクトでそれを確かめ合うと、アイミがユウミの背後へ回り込み、背後からユウミの体を舞台セットの大木に押し付けた。そしてしばらくの間その体制のまま2人はもみ合うと、アイミが右手に持った刀をユウミの腹部と大木の間にねじ込んだ。腹部を斬られまいと必死の抵抗を演じるユウミだったが、背後から羽交い絞めのような形で組まれて最後はアイミに体ごと体重を乗せられるように木の幹に押し付けられた。


その瞬間ザクッというような鈍い音と共に血が飛び散った。

ユウミとアイミ、2人の腹部と背中から…。


アイミが右手に持った刀は柄の部分が大木の幹に突き立てられ、それを支えとして刃のほうはユウミの腹部を貫いた。そしてそのユウミに覆いかぶさっていたアイミの腹部も同時に貫く形となった。2人は見事に相討ちを演じきった。観客席からは再び万雷の拍手が起こり、今度はスタンディングオベーションとなった。2人は成功を確信した。アイミは観客に気づかれないようにほんの少しだけ笑みを浮かべると、これも観客に気付かないようごく小さな声で「ありがとう…ユウミ…」とつぶやた。声をかけられたユウミもほんの少しだけ笑みを浮かべると「わたしも…ありがとう…アイミ…今まで楽しかったよ…」と答えた。腹部に致命傷を負った彼女たちはほどなく力尽き、一つにつながったまま崩れ落ちて果てた。


こうして今回の公演も大成功のうちに幕を閉じた。これから徐々に卒業シーズンを迎えアイビス学園演劇部の公演はますます盛り上がっていくだろう。彼女たちの命がけの演技からは今後も目が離せない。


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