露出体験:前編
Added 2022-02-04 04:00:00 +0000 UTCとある獣人たちだけのすむ異世界では多くが犬や猫といった有毛種のほうが多くいるが、鰐に蜥蜴や蛙といった無毛種だけが住む町も存在する。数の多い有毛種に追いやられたというわけではない。有毛種も無毛種もともに住む町もあるのだから。 過去の時代のどこかで無毛種だけが町から離れて小さな集落を作り、村にそして町にと発展させていったのだろう。そんな町の一つにとある不思議な風習のある町がある。 無毛種と一言に言っても雄においては大きく違うといえる器官がひとつある。それは股間部にある大切な部位。そうチ●ポである。無毛種でも生えている者もいれば、スリットと呼ばれる収納機関に完全に収納されたままのものもいる。 不思議な風習のあるこの村では雄は全員スリット式であった。おそらく過去に村を作った無毛種が全員スリット式だったのだろう。町の外から有毛種やついている無毛種の来訪もあるが、村の住人はオスもメスも分け隔てなく通常時には股間部から生えていないことになる。 そんな村事情だからこそできた風習なのだろう。特に仲のいい者同士で挨拶する際に相手の股間部を撫で合う挨拶をする風習があるのだ。雄と雌でも、雄同士であろうと、雌同士であろうと。 もちろん住人皆が服を着ている、とはいえ服の上からとは言え性器部分を撫でるという行為なのだから本当に仲のいいもの同士でしか行わない。この村でも皆が皆相手に行うような風習ではないので、露出式の雄の来訪者が撫でられるというようなことはない。 とても筋肉質でガタイのいい鰐獣人のガイナと、一見蛙かのようにも見えるほどのふくよかな蜥蜴獣人のデビスも雄同士で見た目も種族も違えどとても仲が良く、出会うと軽くお互いに手をあげ合ってあいさつした後、さらに寄り合いお互いの股を服の上から撫で合った。 「よーデビス。ちょーしはどうだ?」 「土地が土地だからなぁ、外の奴らはあんま来ねぇよぉ。」 お互い恥ずかしがる様子もない。周りの住人も本当に仲のいい者同士はガイナとデビスと同じように股を撫で合うものもいる。この風習は彼らからすれば当然で、恥ずかしがる方がおかしいのだ。 「やーっぱそうか。それだとしょーばいあがったりだろー?」 「あぁそのことだけどよぉ。随分羽振りのいい奴が一人だけきたんだぁ。あいつのおかげで何とかなりそうだぁ。」 「ほー、そうなのかー。ならよー、俺にも仕事回ってきそーだな。」 ガイナはガタイを生かした荷運び屋でデビスは外から来たものを相手に村のものを卸す売り子。デビスが売ったものをガイナが運ぶことも多く彼らは仲がいいのだ。 「ほらぁ、あの人だぁ。外の人ってすぐわかるだろぉ?」 「あぁ、ゆーもーしゅかー。それならすぐわかるなー。」 丁度この町の露店付近を歩いていたからかデビスの言っていた外の人である犬獣人と出くわす。デビスは取引した縁もあって二人に気づいた彼に対して軽く手をあげてあいさつし、彼も同じように返して近寄ってきた。 この町の主な産地品は何と言っても魚介類。水中にも行ける海豚獣人や鯱獣人も住んでいるために漁業が盛んであり、取ってきた魚を水中に行けない町の人に露店で売りさばく。 だが外からやってきたものが運ぼうにも海近くのこの町から運ぶのは鮮度の問題で難しい。だがデビスなら魚介類を凍らせることができるため外の人も持ち帰ることができるのだ。 「どうもデビスさん!今日も鮮度のいいのが入ってるようなのでつい買い足してしまいそうです!また凍らせてもらえますでしょうか!」 「追加料金かかるぞぉ、それでいいならだがぁいつでも受けてやる。」 「もちろんです!あの、失礼ですがお隣の方は?」 「あぁ、荷運び屋のガイナだぁ。もしあんさんが買いすぎて持ち運びに困ったら頼めぇ。」 「もし荷運びのようなら俺に言えよー。」 「わかりました!ありがとうございます!」 軽くお辞儀をして二人のそばを去ると、始めてみる楽しいものに夢中という感じで露店の商品をまた見つめ始める犬獣人にガイナは軽く肩をすくめた。 「あの調子じゃーデビスの仕事増えるだろうなー。」 「そうだねぇ、昨日も結構冷凍したのになぁ。まぁ金ぶりはいいからいいんだけどなぁ。」 デビスも同じように肩をすくめたが、顧客あってこその生活なのでそれ以上何か言ったりはせずデビスの仕事場となる場所を目指してまた歩き始める。 「なー、唐突にだがよー、こんな朝っぱらから変な話してもいいかー?」 「俺たちの仲だろぉ?好きに話せばいいさぁ。」 「そうかー、いやさー、あいつは犬獣人なわけだからよー。当然下に出しっぱなしのがついてるんだろー?」 「ぶっ!?」 唐突に下ネタを振られたことでどんな話でもと思っていたデビスも少しびっくりしたようで何かを吹き出すような声をあげた後にせき込んだ。 「おー、さすがに唐突すぎたかー?」 「あぁ、さすがになぁ。もう大丈夫だぁ、続きを聞こうかぁ。」 「いやー、俺たちよー朝にお互いいつものように触りあっただろー、だから意識しちまってなー。」 「あぁ、なんだぁ、そういうことかぁ。まぁついてたらあんなあいさつできねぇよなぁ。」 何を言い出すのかと思っていたデビスだがこの町独特の風習の話なら仕方ないと思いなおす。ガイナは荷運びで他の町にまで行くこともあるのだから、触りあう風習が染みついていても他の町ではありえないことは理解しているのだ。 「俺たちだってついてないわけではねーけどなー。あんな風に出しっぱなしだとどーなるんだろーと思っちまうんだわ。」 「どぉなるって言ってもなぁ・・・」 「なかなか興味深い話をしていますね!」 「どわー!ってさっきの犬獣人かー、朝っぱらから変な話きかせちまったかー?」 いつの間にかガイナのすぐ後ろにいた犬獣人に声をかけられ驚いて振り向くガイナ。どうやら話を聞いていた風だが、他の町の人も話しながら歩いていて聞こえてそうにないというのにとデビスは一瞬思う。それよりもいつの間に露店に夢中だったはずのこいつがすぐ後ろにいるんだろうとも。 「あんさんさっき露店のとこ見てなかったかぁ?」 「すいません!デビスさんに用があって追いつこうとしたら聞こえてしまったんですよ!ガイナさんは収納式のようですけど、僕のように出たままの状態に興味があると!」 「あんまでかい声で話すなー、さすがに周りにも聞こえちまうぞー?まー、興味はあるが・・・」 ちらっと近くを通り過ぎた誰かが振り返ったような気はしたが向こうも二人組で話していて聞こえてはいなかったようだ。活気のいい露天通りだからこそ平気だったのだろう。 ガイナはほっとした様子で最後の言葉はさらに小さな声で付け足すようにつぶやいただけだった。だが犬獣人はその言葉に一瞬にやぁっと笑った。 「では明日だけでも体験するといいですよ!」 「んなっ!?は?あいつはどこ行ったー?」 目の前で指をパチンとならされてガイナはびっくりしたが、そのびっくりした一瞬でいたはずの犬獣人がいなくなっていた。 「もう露店見に行ったぞぉ?ほんと早いやつ、何だったんだろうなぁ?最後意味わかんないこと言ってたしよぉ。」 真横で見ていたデビスも意味不明というようにもう露店にと目をやっている犬獣人を見つめていた。金ぶりはいいのだろうが気味の悪いやつだとガイナも思い、足早にデビスの仕事場にと向かっていった。 デビスの仕事場の裏の冷凍室ではすでに凍らされた魚介類がたくさん置かれていた。ガイナはそれらをメモを見ながら箱詰めしていく。おそらくほとんどが先ほどの犬獣人の買い物だろうと思いながら。