華々しいクラッカー
Added 2021-10-22 04:00:00 +0000 UTC様々な獣人の暮らす世界で、エナジーと呼ばれる特別な力を持つものが現れ始めた。あるものはその力を私利私欲のために使いヴィランと呼ばれた。あるものは私利私欲にまみれた力持つものを罰する立場となりヒーローと呼ばれた。 この地域では有名となったヒーロー団体の中に不仲なペアとして有名な二人がいた。体中に帯電させる力を持つ狐獣人のエレキフォックス、手から爆発する毛玉を作り出せる虎獣人であるボムズタイガーの二人だ。 「なぜ僕はずっと君とペアなのか、理解しかねる。」 「そーれは俺もだぜ!なーんでずっとペアのままなのか!先輩たちみたいにさー、そろそろソロでやらせてほしいぜ!」 冷静だが慎重すぎる面のあるエレキフォックスと大胆過ぎるといわれるボムズタイガー、相反する性格だからこそカバーしあえてもいるのだが、二人とも20代前半の若さにしてはヒーローとしてすでに何度か活動していて、お互い独立したい気持ちが強まったのもあって不仲が悪化していた。 「でーだ、今回の目的地って、ほーんとにここなのかよ?」 「先輩の調べが間違ってると?それとも君は記憶力がない?」 「そーじゃねぇだろ!お前だって変だと思わねーか!?完全に祝い会場だぜここ!」 「まぁそのようだけど、ヒーロー以外のエナジー反応があった場所がここであるのは確実だ。」 入り口からして華やかに飾れている建物一つ丸々パーティー会場なこの建物はいつにもましてお祝い事の雰囲気を醸し出している。とてもヴィランがいるとは思えない場所なのだ。 「でー、どうはいるんだ?一般人もいるかも知れねーよなこれ?」 「そうだな。一般人でなくすべてヴィランに加担している可能性もあるが、君が爆発してはいるのは絶対ダメだぞ。今は情報が少なすぎる。」 「わーかってる!言われなくてもな!で、どうするんだよ?」 「普通に入ればいい。急な一般客も歓迎と書いてある。幸いヒーローのコスチュームもしていない。」 「あー、そうだな。それもそうか。」 まずはいつも通りの衣装で向かうようにと上から言われたときはどういうことかとエレキフォックスは考えていたが、始めに自分たちで情報収集が必要な案件なのだと今までよりもワンレベル上の仕事に期待感と緊張感を膨らませていた。 「まぁ罠かもしれないから慎重に動く必要はあるけど。君が勝手に暴れた場合、僕は他人の振りして情報を持ち帰るぞ?」 「んーだそりゃ!そんな簡単に暴れねーよ。」 エレキフォックスの言動にイラつきつつボムズタイガーも何を祝っているのかわからないパーティー会場という不穏な場所に入ることに緊張感は持っていた。いつものようにただヴィランだという相手を倒せばいいわけではないと。 パーティー会場に入った二人は想像以上の豪華さに目を引く。様々な料理がバイキング形式で並び、飲み物もジュースもお酒もふるまわれているようで、シャンパンタワーなんかも飾られている。 行きかう人々の中にはコスプレや怪しいマスクにほか種族のお面を付けているものまでいる。明らかに出ている肌は毛があるのに蜥蜴の面をしていたり、蜥蜴獣人が有名なドラゴン獣人のヒーロー衣装をしていたりと様々だ。 「いらっしゃいませ。本日はダイアフラム様のお祝い会にご参加ありがとうございます。事前予約の方ですか?一般のお客様ですか?」 「予約は入れてない。何やら楽しそうで表の看板を見て入ったのだが、名前でも必要か?」 「いえ、見ての通り自由な催し物です。参加費用もいりません。事前予約の方の場合は事前金をいただいているかもしれないので、ダイアフラム様に直接お会いしたいかもしれないと思いまして伺いました。どうぞ、ご自由にお楽しみください。」 「そうか、でわ楽しませてもらおう。」 エレキフォックスは少し足取り重くよく見まわすようにしながら入っていく。ボムズタイガーは合わせるように歩いているが、見回しているのようにみえてほとんど料理に目が行っているようだ。 「なー、ダイアフロムって確か超成金のやつだろ?こんな祝い事やってるなんて知らなかったぜ。」 「僕は聞いたことあるよ。特に理由もなくいろんな場所でパーティーを開いてるって。彼ではないかもしれないね。」 「なにがだよー?」 「・・・声を小さくしろよ?主催者がヴィランじゃないかもってことだ。」 「・・・なーる。確かに他でも開催してるならヴィランとは限らねーか。」 エレキフォックスでなくとも一番い怪しむのはパーティーの主催者なはずだが、ボムズタイガーは怪しんでいなかったようで、言われて初めて気が付いたようだ。 パーティーでにぎわってるとは言えヴィランを探しているとしれたら騒ぎになる。声を潜めろと言わなければボムズタイガーも声を荒げていたかもしれない。だがボムズタイガーにはそれよりも段々と我慢ができなくなってきているものがあった。 「なー、やーっぱ食ったらまずいと思うか?」 「・・・さっきまでの警戒心はどこに行ったんだ?」 「でもよー、他の客だーってバクバク食べて飲んでしてるぜー?お前は食わないつもりでー、俺が何かあーっても逃げんだろー?ならよーいいじゃねぇか。俺だけなら食ってもよー。」 「暴論だな。知らないぞ僕は。」 漂ってくるいい匂いで増す空腹感に負けてボムズタイガーはエレキフォックスから離れて一人バイキングを楽しみ始める。さすがに酒には手を付けず子供も飲んでいるジュースを手に取っていたが、アルコールが入っていない保証などないのにとエレキフォックスはボムズタイガーをあざけるように見つめていた。 だがうるさい付き添いがいなくなったことで他の客の会話に耳を傾けられた。だが誰もかれもダイアフラムの誉め言葉かコスプレの誉め言葉でヴィランの情報などかけらもない。 少し喧騒から離れた壁際で袖をめくる。エナジーが付近で使われたかどうかの計測器だ。ヒーローならばこの計測器に反応しないように登録されているが、今は少しばかり針が動いている。 この会場にヒーロー以外でエナジーを持つものがいるということだ。計測器がエナジーもちに反応することはあまりある事ではない。だいたいそういう場所にいるのはヴィランになるのだ。 エレキフォックスが他の客に見られぬようにしながらも計測器を見つめていると、何やら騒ぎが大きくなる。どうやらダイアフラムが会場に現れたようだ。針自体の動きは変わらないのをみて、袖の中に計測器をしまい込む。 「みなさん!お集まりいただきありがとうございます!楽しんでいただけていますでしょうか?私も今から参加させてもらいます!ではこの後もお楽しみください!」 成金らしく金の服に身を包むブルドックの犬獣人であるダイアフラムが簡単な言葉を終えると、周りにいる4人が一斉にパーティークラッカーをパンパンと鳴らした。 「っ!」 その瞬間思わず計測器のある袖をつかむ。計測器が熱くなったのだ。それはつまり登録されてないエナジーが発動した証拠でもある。あの4人の誰かがヴィランなのだろうか?でもクラッカーを鳴らしただけでなぜとエレキフォックスは悩んでいた。 「おーいお前たち!誰かがヴィランだろー!何をしたかは知らないがなー、こーのボムズタイガーはヴィランを許さない!」 「・・・あのバカ。」 ボムズタイガーがいつの間にやらダイアフロムに近づき威嚇と牽制を込めて威力の低いバクダンをばらまいていた。 大胆すぎる行動に頭を抱えそうになりながらも、周りがヴィランという言葉とボムズタイガーの爆弾に恐怖して騒ぎ始める。便乗してエレキフォックスも逃げる体勢をとっていたが、ダイアフラムを含める5人の動きを見る。全員慌てるようにボムズタイガーの爆弾から逃げていた。 演技ならばすごいことだが力をひた隠す必要などあるのだろうかと後ろを向いて動いていたせいで誰かとゴツンとぶつかってしまった。この色んな衣装がパーティでも珍しいきっちりとしたスーツ姿のドーベルマンの犬獣人だった。 「うっ!す、すいません。」 「ぐっ、こっちこそごめんよ?エレキフォックス君。」 「んなっ!?うっ・・・」 どこで気づかれたのかという疑問を解消する余裕もエナジーを発動させる暇もなく、何かを嗅がされて眠りにとおちていく。 一方ボムズタイガーも戦うそぶりなく逃げる5人に爆弾毛玉を直接当てようとしていたわけではない。向かってこないならば怪我をさえてもいけないし、そもそも誰がヴィランかわからないので一般市民を巻き込みすぎる恐れもある。 「くっそー!誰がヴィランなんだよー!ヴィランなら向かってこーい!」 「ひぃぃ!な、何の話だね!私はヴィランではない!」 「くー!ほーんとだよ、お前からも反応ねー。わーるかった!つーかあいつマジで逃げたのか?来やしねー。」 5人それぞれを追いつめて計測器を向けたボムズタイガーだったが計測器の振れは変わらなかった。つまり5人ともヴィランではないしエナジーすら持っていないということだ。どういうことだと頭を悩ませてもいつもの考え役のエレキフォックスはいない。 「んー、なんだー?急にー、眠くー・・・」 考えすぎかと一瞬思ったが、そんなわけもない。ふと見ると追いかけておびえていたダイアフロム達も眠ってしまっていた。食事か何かに睡眠薬がと思ううちにボムズタイガーも眠ってしまった。 ヒーローの二人が目を覚ました時、二人とも同じ場所にはいたが、どこともわからない薄暗い地下室に貼り付けにされていた。少し先に目覚めたエレキフォックスはボムズタイガーが捕まっている姿を見てうなだれ、後から目覚めたボムズタイガーもエレキフォックスの姿を見て逃げれなかったのかと絶句する。 「お前、逃げたんじゃーなかったのか。」 「先につかまったよ。僕のことを知っている相手だったらしい。君も捕まったんだね。」 「・・・どうやらなー会場全員寝ちまってたしー、睡眠薬を使われたーんだろうな。」 「そうか・・・」 エレキフォックスがもし今捕まっていなければ、怪しい場所で料理なんて食べるからだと言っていただろうが、先につかまった手前、そんな大口は叩けなかった。ボムズタイガーも先につかまるなんてと言いたかったが食べて眠ってしまったのを悔いていた。 目の前の扉が開くとエレキフォックスがぶつかったスーツ姿のドーベルマンの男が姿を現し、驚いたそぶりも見せずににっこりと笑い話しかけてきた。 「やぁ君たち。起きたんだね。普通の人ならまだ寝てるんだけど、やっぱりヒーローはすごいね。」 「何で僕がヒーローだと知っていたんだ?普通の服なのだというのに。」 「始めはわからなかったんだけど、ボムズタイガー君を見たらすぐにわかったよ。明らかに一人逃げる動きがおかしくてね。」 確かにエレキフォックスは5人に集中してしまい後ろを振り返っていたせいでこいつにぶつかった、いやぶつかられたわけだ。その失敗は慎重ゆえの行動で歯噛みするようなミスである。 「僕もあの5人のうちだれかがヴィランだと思ってよく見ておかないとと思ったのが失敗だったよ・・・」 「いやー、俺が先走ったせいだよなー。わーるい・・・」 あまりにも大胆すぎたボムズタイガーも反省を見せる。いつも相手にしてきたヴィランは真正面から戦ういかにもなやつらばかりだったせいでもあるが。 「いやぁ、でもほんと運がいいよ私は。今回のターゲットはキンピカのダイアフロムさんだったけど、もっとすごい獲物を釣れたわけだからね。君たちはいい作品になる。」 「いい作品だー?なーにいってやがる!油断しすぎーつうの!・・・あ?」 「残念ですけどエナジーは使えませんね。拘束具がそういう素材なんだよ。私、この会場の切り盛りしてるおかげでお金はあるんでね。外との輸出入で得たものなんですよ。」 「っ!海外ものだと!エナジー制御は必要な技術だが、悪党にわたるとは・・・」 力を使おうとしたボムズタイガーは不発に終わり困惑したままだが、海外技術のエナジー制御に驚愕しつつ、ヴィランの手に渡ってしまい自分たちに使われていることに歯噛みするエレキフォックス。 「ふふっ、そうだね。でも海外のほうは金さえはずめば誰でも買えちゃうみたいだよ。この国とはヒーローヴィラン事情が違うんだろうね。悪く言っちゃだめだよ。」 「んーなことはどうでもいい!俺たちをどーするつもりなんだー!解放しろー!」 「あぁ、私のことが済んだら鎖からは外れるよ。じゃあ先に君からやろう。」 「な、なーにするんだ、やめー!ひっ!」 机にあるナイフを手にする。煽ってしまったことに後悔しながら突き立てられるナイフに思わず目を閉じたが、切り刻まれたのは自分の私服だけだった。だがボロボロにされて布切れとしておちれば素っ裸の状態になってしまう。 「性的趣味のあるヴィランがいるとは聞いてたが、本当にいるとは・・・」 「半分正解だが半分違う。それにしても体格に似合わずなかなか可愛いいチ●ポだね。」 「い、いうなー!」 怒りと恥ずかしさに顔を赤くするボムズタイガーの股間部には虎獣人でも虎よりの小さいチ●ポが収納袋から少し顔をのぞかせていた。 「じゃあちゃんと勃起しきろうね。」 「ひー!触るなー!」 嫌がろうとも貼り付けのボムズタイガーが逃げることも出来ず、チ●ポをドーベルマンの男の手によって揉みしだかれていく。雄であり経験も薄い彼のチ●ポが経験豊富なテクニックによって勃起しきってしまうのに時間はかからなかった。 「勃起しても小さいままだけど、体格はいいからいい作品になるはずだよ。じゃあね。」 「やめっ・・・・」 「んなっ!?」 ドーベルマンの男が完全に勃起したボムズタイガーのチ●ポに口づけすると、ボフンというへんてこな音を立ててボムズタイガーの姿が消える。地面にところりとおちたのは半分に切った500mlペットボトルくらいの大きさで、ボトムズタイガーの毛肌の色柄と同じ色柄をしたパーティークラッカー。 色や形や大きさは少し違えどパーティークラッカーに変わったペアを見て思い出す。この会場でクラッカーが鳴った瞬間、エナジーの反応が上がったことを。 「さぁ、次は君の番だ。」 「嫌だ、やめろ!やめろぉぉ!」 服を裂かれて裸にされるボムズタイガーと違い人間型のチ●ポを持っていたが、萎え切っていて立ち上がる様子などはない。だがドーベルマンの男が触り始めればはなしは変わる。 嫌だ嫌だと思っていても巧みな指の動きで刺激されてむくむくと起き上がっていき、完全に勃起しきってしまう。勃起チ●ポにボムズタイガーと同じように口づけされた瞬間、ボフンとへんてこな音ともにきつね色に濃い黄色の一本の線が入ったパーティークラッカーが出来上がる。エレキフォックスが尻尾から尻にかけて黄色い毛並みを持っていたのに非常に酷似していた。 『どーなんてんだ?まーったく体動かねー!勃起収まらねー!』 『クラッカーにされたはずなのに、勃起してる状態が、変わらない・・・?』 二人は困惑して声を出したつもりだったが、声など出てはいない。クラッカーなのだから当然だ。だがまだ二人の意識は残っていた。 「ふふっ、それじゃあ君たちの出番まで待っていようね。」 数日もすれば当然二人のヒーローがこの会場を最後に行方を絶っていることをヒーロー側が感知するのだが、そうなる前にごたごたがあったにもかかわらず、すぐ次の日にダイアフロムがこの会場を使ってのパーティーを行っていた。 「いやぁ、実はここの料理と、何よりあのクラッカーにそそられてね。なんというか華やか中にはかなさというか切なさというか、そういうものを感じてね。もう一度見たかったんだ。でもさすがに怖かったのか融資者は来なかったよ。」 「それはそれは残念です。ですがすごく良いクラッカーを入手したのです。よければ一緒に使ってみませんか?」 「おぉぉ!この間よりも良いのかね?」 「えぇ、おそらくは。」 「それは楽しみだ。」 パーティー会場にと向かい大きめのクラッカーを手に、短く盛大に前回同様に盛り上げる。 「みなさん!前回は少しごたごたがありましたが、またお集まりいただきありがとうございます!楽しんでいただけていますでしょうか?ではこの後もお楽しみください!」 『なーにがお楽しみくださいだ!隣のはヴィランだぞー!うぅ、俺のチ●ポに触るなー!』 『僕の声は聞こえていないのか・・・やめろ、鳴らさないでくれ、さわらないでくれ・・・』 ボムズタイガーのクラッカーを握るのはドーベルマンでそれがチ●ポを触っている感覚だと知っていて嫌らしく触る。ダイアフロムは知らずにエレキフォックスのクラッカーを握る。そして二人のクラッカーはパンッ!と鳴らされた。 『いっひいぃぃぃぃー!!!』 『んほぉぉぉお゛っ!?』 誰かに聞こえていればはしたなすぎる声だと眉を曲げられたかのような声をあげたのは、強烈な射精したかのような快感が一瞬で襲い掛かってきたからだ。こうして打ち出されるまでずっとずっと勃起した状態でおあずけを食らっていたかのような感覚だったのが、一瞬で解き放たれたのだからしょうがないともいえよう。 いや、実際にはクラッカーが鳴ったのは一瞬だったが二人にとってはその一瞬がとてつもなく永遠かと思うほどに長く感じていただろう。自分たちの最後であるからこそ。 「おぉぉ、こちらはまるで電気が飛び散るような演出!そちらは本物の爆弾化のような演出!少し前回のヒーロー事件を思い出すものもありますが、素晴らしいクラッカーですね。」 「そうでしょうそうでしょう。もうこれらは使えないのが残念です。」 使い終わった二つのクラッカーにすでに二人の意識は残っていなかった。精神とエナジーの力を込めた火花を射精と同じ快楽の中で散らしたのを最後にこの世から完全に消えたのだ。 そしてヒーロー側によってこの会場が調べられたが、持ち主がドーベルマンからダイアフロムにとその日のうちに代わっていた。ヒーロー側はドーベルマンのことを知ることもできず同じく行方不明となったダイアフロムを調べるが、当然何も出てこない。 人をクラッカーにするヴィランはヒーロークラッカーの美しい光景に思いをはせ、新たな会場を手に次の美しい作品を作り出す策を練り始めていた。