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《特別解説記事》レモン・カノン:第8楽章:全ページ解説。《全体公開》

『レモン・カノン』を全ページに渡り解説するハイパーロング:コラムです。


前回、第7楽章はこちら。

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タグ #レモカノ解説記事 で全部読めます。


《レモン・カノン:第8楽章:全ページ解説》


漫画はここから。

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過去のを全て読むのはここから。

twitter post: 1410961593660174343




全ページに渡って見ていきます。

最初のページのインパクトが全ての始り。という意思の元、十字架の形に見えるコマ割りにしました。


漫画を読むと分かるのですが、今回檸檬くんの登場が少ないです(葡萄先生メイン回なので)ですが、このページの「もうじき死ぬ」は本当で、次の第9、10楽章にて檸檬くんは死に直面します。


レモカノは初期からエヴァの影響を受けてますが、このページも分かりやすいですね。

このコマ割りは、最近のある櫻と日向のアイドルの文字をイメージして割りました。


葡萄先生は、あの日神に助けられましたが、なぜ助けられたのかをずっと知りたかったというのが今回のメインのお話です。


第7楽章でやってみて個人的にハマったのが、檸檬くんに憑依した神様の構図。

葡萄先生が生きたことによって"変わった"世界の話。


上の絵は檸檬くんと西瓜くんの父親、甜瓜(めろん)さんです。構図はミュシャのこの絵をイメージしてます。血塗れの舞台で何があったかは、第11楽章以降で明かされます。


パッチワークと呼ぶかは不明ですが、独特な衣装に身を包んでいます。頭に天使の輪みたいなのがあります。


ここで持ってる刃物は、はるかげ中心本編に出てきたものと同じ種類のものです。同じ役目を持った刃物なんです。

twitter post: 1361674286650429441


鎮魂曲葡萄はあの日死んだ。

葡萄先生はあの日死ぬはずだった。あの日死ぬのが本来の世界だったが、生きてしまったのが今のレモン・カノンの世界です。


このページはもろエヴァな感じですね。このページの柱(私は柱のつもりで描いてる)は、レモン・カノン2巻にも出てます。

若干描くたびに形が変わりますね。この二人は、この柱にとても縁が深いのです。


Twitterでつぶやきは「Conversations avec Dieu.」でした。翻訳すると「神との対話。」

「受難の地、マタイの庭」の詳細は不明ですが、死ぬ時に訪れる場所のようです。元ネタは「マタイ受難曲」という曲名です。


ここから登場するの白い彼はD=D=Dを名乗ります。刻名とは、生まれ持ってる刻まれた名前です。


D=D=Dの本当のフルネームは考えてあるのですが、毎回嘘をつきます。ちなみにこの絵のやつを翻訳すると「父の死は闇」になります。


甜瓜さんと同じく天使の輪のようなものがあります。また、手が出てません。

葡萄先生と対話しています。ここにあげた9つは、醒め夢の9人に連動した9つです。もしかしたら一生分からないままかもしれない9つの単語です。意味のある9つの単語なのです。


葡萄先生は死の淵にいるため、意識が朧気です。

D=D=Dは言ってしまうと天使のような物で、葡萄先生に死を告げに来た感じで思ってくれるといいです。D=D=Dはちょっと変な話し方をします、が、それを表現するのは難しいですね。セリフが無駄に長くなると読みにくいし。難しいです。


葡萄先生は死を宣告されます。

葡萄先生(厳密には少年の頃なので先生ではない)は死ぬことが分かっていたようです。諦めのような表情。


最後に「いいえ」と。キラキラした十字と波紋は神様が介入してきた証拠。


ここでのTwitterでのつぶやきは「Ange ou Faucheuse.」翻訳すると「天使または死神。」でした。

死なないし、死ぬべきではない。


「主よ」よ言ってる通り、D=D=Dにとって神様は「主(あるじ)」。

神様降臨。


オクトグラマトンおよび神聖八文字とは、ヤハウェのことをテトラグラマトン、神聖四文字と呼ぶのに由来でテトラ(4)をオクト(8)にした造語。神様は8という数字が好きなのです。エイト。

葡萄先生を生かすと宣言する神様。神様にとって葡萄先生はれっきとした"人間"です。


葡萄先生は無理だと言います。手術のシーンがあります。医者からも"絶対"に助からないと宣告されてしまっているようです。


この手術のシーンは背景資料集で病院の資料の本が手に入ったので描けました。お気に入りです。獣人だとマスクのデザインが難しそうです。立体マスク?

手を出してなかった神様が手を出すシーン。これ自体が奇跡なのです。左手には8という数字あるいは無限のマークがあります。「何かに手を出す」という言い回しがありますが、それを意味します。葡萄先生に神は手を出すのです。


Twitterでのつぶやきは「יהוהיהוה」翻訳すると「ヤハウェヤハウェ」です。神様の名前八文字に由来します。

鎮魂曲葡萄は此処で死んではならない役目とは……。


神様は柱を握ります。奇跡を起こそうとしているシーンです。

登場してるのは"ほんとうのかみさま"です。ほんとうのかみさまにとって神様は"我が神"なのです。余談ですが結構描くのが難しいです。この顔。


電燈と書いて人間と読ませているのは結構お気に入りのシーンです。宮沢賢治の「春と修羅」に有機交流電燈という単語があるが好きなんです。


天に使える模擬体=天使のこと。ただしD=D=Dは模擬体なので天使そのものではない。


神に使える現象=神使のこと。作中では「天=ほんとうのかみさま」、「神=神様」になってます。上のもそうですが所詮全ては単なる現象であるという認識です。


模擬体は「手を出す」ことができません。"神に手出しができない存在"であることを暗喩しています。D=D=Dには神が奇跡(葡萄を生かす)を起こすことを封じることはできないのです。

今回で一番お気に入りのシーンかもしれません。うまく言えませんが、日本っぽく縦長なコマ割りにしました(もっと縦長にしてもよかったかもしれません。)


描かれているのは陰陽のマーク……魂魄です。はるかげ中心と話は別ですが、魂魄にまつわる設定の根幹は繋がってるんだと思います。


鎮魂曲葡萄の鎮魂は鎮み逝く魂のことを表してた……という名前にまつわる伏線回収でした。はるかげ中心のストーリーを考える時に浮かんだ設定です。つまり第6楽章(3巻)を描いてる辺りまではこの設定はなく、はるかげ中心を描くことによって新たに付与された後付け的な設定ですが、名前にまつわるエピソードになったのでとても気に入ってます。


この魂にまつわる設定でもう一つレモン・カノンにある設定(割と物語の根幹に関わる)が付与されたので、いつか披露できるといいですね。第13楽章以降です。


本来葡萄先生の魂は此処で鎮むはずだったのです。鎮むのが"善"のはずだったのに。

ほんとうのかみさまも、D=D=Dも「葡萄を生かすことは世界に大きな影響を与える」ことを知っています。


ですが神様には時間もなく、手段もこれしかないのです。


神様は何でも出来るようで、実は時間も手段もないのです。


このコマの目、かなりリアル…というか、うまく言えないけどかなり描き方変えてますね。レモカノはこれくらいでもいい気がしてます。劇画調……ではないでしょうか?うまく言えません。


最後の空白のコマは何か入れたかったけど、何をいれるべきか浮かばなかったので白紙のコマになりました。


この次のページから「これから何が起きようとも」の「何が起きたか」の描写に移ります。


Twitterでのつぶやきは「Requiem.」翻訳すると「鎮魂曲。」

「醒めない長い夢」より黄恭くん、桃華くん、青樹くんでした。


このお墓、登場する度に若干デザインが変わってるのは単純にベストな形が掴めないので描くたびに変わってるだけです。


桃華くんは「お兄ちゃん」と呼んでます。

「どんなに離れても」


葡萄先生が生きたことと、桃華くんの兄が死んだことに繋がりがあるのでしょうか?


献花はひまわりです。桃華くんの好きな花だから、お兄ちゃんもきっと好きだったと思ってるのです。(醒め夢でも桃華くんはひまわりの絵を描いてますね。)


墓にはAiKA(藍華)とあります。桃華くんの服に毎回"A"の文字があるのは、藍華くんのAなのです(ちなみに藍華くんの服には"M"の文字が毎回入ってます)。

ここに出てる「羅針盤軸朝さん」は過去の漫画に出てたキャラです。深くは言いません。自分ぽくなく、かっっこいい苗字だなって思います。「羅針盤軸(らしんばんじく)」。


下のコマは甜瓜(めろん)さんですね。拳銃の詳細は不明です。


初期のネームでは「これで、142人目」というセリフでしたが、名前に変えました。

「どんなに悲惨だろうとも」


葡萄先生が生きたことによってこの殺害が起きたのでしょうか?


絵的な話ですが、このコマの「バンッ」の文字がお気に入りです。クリスタのこのブラシで描きました。お勧めですよ。


ちなみにミスリードではなく、間違いなく羅針盤軸朝さんを追走曲甜瓜さんが殺害してるシーンです。


Twitterでのつぶやきは「Les miracles ont un prix.」翻訳すると「奇跡には代償が伴います。」

こちらは『やちく短編集 雪降り星』のマスターとメイドでした。


この「私ちゃんと どこにも行かなかったでしょう?」のセリフは過去に出した『やちく断片集』という本の以下のページのセリフにかかってます。

マスターはどうなったのでしょうか。

「あの日の終末まで」


神様が目指すのは「あの日」そして「終末」です。そのためなら神様は何だってします。死ぬ筈だった葡萄先生を生かし、甜瓜さんの事件にも関与してゆくのです。


この絵の奥にあるのは"地球"ですね。巨大の2本の柱がある背景が好きで昔からよく描きますね。マスターとメイドくんの乗ってる宇宙船は地球の周りを飛んでいます。


(マスターとメイドの世界はほのぼのしてて欲しかった(意訳)と言われたのですが、そもそも人類が滅亡したあと宇宙に残された人間の物語……として描いてたので元々バッドな話なんですよね……)

葡萄先生が生きることによって起きる問題に対して神様は「辻褄は合わせます」と言っています。


神様は葡萄先生に刺さっていた柱を抜き、生かすシーン(奇跡のシーン)です。


"生きるべきヒト"とはなんでしょう?


Twitterでのつぶやきは「Scénario de la fin de l'humanité.」翻訳すると「人類の終焉のシナリオ。」


第6楽章でも胸に穴が開いてますね。位置がちょっとずれてますが。

奇跡が起きて生還するルートになった葡萄先生の病院服の模様が変わってます。葡萄の枝だけのマークから、葡萄の実のマークになりました。

柱が抜けて、十字架から落ちていく葡萄先生。描写は現実世界へ。意識が回復した葡萄先生。

遠ざかってゆく神様。柱を持っていきます。この柱は、レモカノ3巻(第5楽章)でも持ってますね。


奇跡的生還をした葡萄先生。ここでニュースになったりしてる新聞に出るシーンが本当はあったのですが割愛しました。車椅子の葡萄先生も先ほど言った資料集を見て描きました。今とデザイン違いそうですね(この本は1995年の本でした。あれ、同い年。)


葡萄先生のこの話はいつの時代かを明確には決めずに描きましたが、2019年に43歳設定なので……10歳頃だとすると、1980年代後半くらいのエピソードですね。

時代は変わって、現代(よりちょっと前、檸檬くんが小さかった頃)。檸檬くんがお見舞いに来てくれたヒトの絵を描く習慣があるのを第3楽章あたりから描いてましたね。


葡萄先生、神様関係ないと普通にめちゃくちゃ優しいお医者さんなので、檸檬くんに対して否定的なことは言いません。


絵を見て驚愕する葡萄先生。

神様の絵を描いてます。当初のプロットだと、神様が檸檬くんの前に姿を現すエピソードが第7楽章で入る予定でしたが、テンポ重視で大胆にカットされました。


ちなみにクリスタに初期搭載のえんぴつペンで描きました。ペンタッチがすごい!


葡萄先生はこの時まで実に20年くらい、あれが夢だったのか現実だったのか分からずに生きてきたことになります。


Twitterでのつぶやきは「Un miracle qui détruit le monde.」翻訳すると「世界を破壊する奇跡。」

檸檬くんに憑依した神様と葡萄先生の対面シーン。


「彼の奇跡の果実酒」はイエスが水をワイン(葡萄酒)に変えた奇跡……的なエピソードがあったのが元ネタ。鎮魂曲葡萄さんの名前の伏線が全て回収された回でした。


神様と直接対面は負荷がかかるので、檸檬くんを通して…という話。この件も初期のプロットだと長く語るパートでしたが大幅にカットされました。


最後の四角がいっぱいのは、現代まで長いことかかったのを意味してます。電子楽器の音がたたみ掛けてるみたいで好きなシーンです。

神様の目が今までで一番リアルで不気味……睫毛まで描いてます。


葡萄先生は「生かしてもらったこと」には感謝しており、その役目を果たしたかったが結局役目が何かを教えてもらってなかったのでずっと聞ける日を待っていた(第7楽章のくだりに続く)のです。


神様のシーンは基本背景が黒いので、画面が重いですね。第7楽章から縦線にできたのは良かった。第8楽章を描くために一部のみ使えた縦線パターンをより多彩な縦線パターンに増えた有料素材を購入しました。


日十つ(ひとつ)は桃華くんの苗字、日十色(ひといろ)に由来。

このセリフは当初「貴方はもう 生きるべきヒトではない」だったんですが、わかりにくい気がしたので変えました。ミニコマ割りだと葡萄先生と神様が逆位置でしたが変えました。


リアルな感じにしたい……と絵柄にちょっと変化をもたらしたら神様がなんだかどんどん怖いモノになっていってる気がします。


友人にこのシーンは結構ショッキング(意訳)と言われました。そうだといいですね。

神様にずっとなぜ生きなければならないかを聞こうとしていた葡萄先生が、答えは聞けずに役目はとっくに終わってると指摘されるお話で幕を閉じました。


さよなら、と言ってますがこの後も神様との縁は切れてはないと思います。


Twitterでのつぶやきは「Je voulais ton enfant.」翻訳すると「私はあなたの子供が欲しかった。」

EXパートです。


私は何を果たしたのか?の答えがこのコマで、葡萄先生は結婚指輪をしています。ちなみにネームだと分娩室の絵だったんですが、伝わりにくそうなので結婚指輪にしました。

 

葡萄先生の子供、鎮魂曲 監獄(ちんこんきょく かんごく)くんの登場です。顔がそっくりですね。ぎりぎりまで描き分けができてなかったのですが、葡萄さんは丸みがあって監獄くんはちょっと角ついた目になってます。


後述しますが、監獄ってとんでもない名前ですね。やちキャラの中でトップクラスのヒトに付けるべきじゃない名前になった気がします。気に入ってはいます。


監獄くんは10代くらい。帽子でツノを隠しています。

1コマ目はまたまた背景資料集から、病院の洗濯機です。監獄くんは泊まり込みの多い葡萄先生によく着替えを持っていくようです。


監獄くんの動きが止まります。

葡萄先生の背後にいる神様の存在を認識した瞬間です。


ハローレクイエムと言っています。


「あの日に生きるべきヒト」は分かりやすくしたセリフで、当初は「真に生きるべきヒトだ」でした。

「あの日」と言われる日。マスターとメイドのいた宇宙船の背景。いるのは左がメイド、右が監獄くんでしょうか?


「プリズン・レクイエムさん」の意味が絶対に分かり得ないセリフだと思うので、2019年に私が描いたマスターとメイドの絵を見てください。

この絵にいるのが「プリズン・レクイエム」さんですね。


マスターとメイドがいるのは未来の宇宙船なのに、監獄(プリズン)くんは年齢が変わってないようですが……さて。


「あの日」は、やっぱりマスターとメイドのいる未来なのです。


Twitterでのつぶやきは「S'il vous plaît, dites-moi la vérité du jour.」翻訳すると「その日の真実を教えてください。」


以上で『レモン・カノン:第8楽章:鎮魂曲葡萄の鎮魂篇』完結です。


第7楽章が前編、第8楽章が後編って形でしたね。



この2篇は『レモン・カノン4巻』に収録されます。続報をお待ちください。


次回

『レモン・カノン:第9楽章:輪舞曲苹果の輪舞篇』

に続く。


第9楽章の話をちょっとだけ……タイトル通り、檸檬くんや西瓜くんとも親しい看護師の輪舞曲 苹果(りんぶきょく りんご)さんの話になります。所々で謎めいてる描写のある輪舞曲 苹果の正体、そして目的とは…?な回です。


4巻が鎮魂曲葡萄の回で、5巻(第9、10楽章)が輪舞曲苹果の回になる予定です。


分かりやすく描きたいですが、今回以上に突拍子もない展開の連続になる予定ですので、よろしくです。いつ描かれるかは未定です。



長文でしたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。


2021・07・14・水・23:11


青海原・Y・やちく



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