XaiJu
Adam
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完全コピー試合(2)

僕のカラダがここまで変化した理由。それは、野球部で懸命に汗を流していたからではない。ある特殊な『スプレー』を使ったからだ。自分がなりたい人物にスプレーを吹きかけ、次に自分に吹きかければOK。欲しい肉体パーツを“コピー”することができるのだ。それは見た目だけではなくて、皮膚のニオイから細胞がもつ記憶まで変化させることができる優れモノだ。……ネット広告で出てきて、残り一品だったし速攻ポチってみたんだ。


(まずはどこからコピーしようかな〜♪)


一番最初にコピーしたパーツは、周りからも気づかれにくい、あの部分だ。僕は忠彦の写真を集めた。写真でも問題ない。


(やっぱり最初は……)


彼の股間の部分にスプレーをシュッとかけると、アソコは黄色く発光をはじめた。次に、僕の股間にもスプレーをかける。少しひんやりとした感覚があり、股間はもっこりと変化した。部活中も、スラパンからよくわかる巨根――それは他校にいる彼女と会うたびにヤリまくっている、忠彦のおチンポとまったく同じものだった。高校2年だというのに、アソコだけは大人顔負けだ。


「忠彦はこんなヤラしいおチンポなんだ」

「あぁ、気持ち……イイ!忠彦って、こんなに気持ぢイイこと好きだったんだ……」


僕は毎日鏡の前でそれをシゴいていた。部活のときに彼のもっこりを見るたびに、「自分も同じモノをぶら下げているんだ」と思って、勃起をおさえるのに必死だった。


(もっと忠彦に近づきたい)

(ぜ〜んぶ、同じカラダを手に入れたい……)


僕はおチンポのコピーだけでは物足りなくなり、周りにバレないように少しずつ彼のカラダを貰っていった。次にコピーしたパーツは、あのプリっと引き締まったおケツ。忠彦は大きなケツがすこしコンプレックスだって言ってたけれど、こんなエロいケツの良さを知らないだなんて。僕がかわりに、可愛がってあげないとね。


「あぁん、プリップリで気持ちイイ〜♪」


僕は『忠彦のケツ』を揉んで、揉んで、揉みまくった。ユニフォームのうえから。学ランのうえから。長年の野球人生で鍛えあがったプリケツは、想像以上にヤラくて淫らだった。おかげでスラパンは、これまでのサイズでは合わなくなってきた。脚全体とのバランスもわるい。次に脚も忠彦のものを貰うことにした。スプレーをかけると、棒のように細く華奢だった脚が様変わりした。太腿は太くたくましいエロ脚に、ふくらはぎはエロくウマそうな筋肉の塊に。脚力が付いたのか、その頃から走力も伸びていき、おかげで部活でも結果を残せるようになってきた。


「お前、最近頑張ってんなー」

「なんか、背伸びた?」


周りは僕の成長に驚いたり、褒めたりしてくれた。僕は「そんなことないよ」とか適当に流しながら、心の中では“このコピー試合、うまくいってる!”と喜んだ。その頃から、忠彦とも自然と仲良くなっていた。似たような体格になると『類は友を呼ぶ』じゃないけれど、どこか親近感を覚えるようになるのだろう。僕は『同じチンポをぶら下げた仲だな』と、内心ニヤニヤが止まらなかった。


(次は、どこをコピーしようか……)


そうして、上半身をコピーしていった。もう高校2年になっていた。そろそろ体格が大きく変化していてもおかしくないだろう。まずはボリュームのある大胸筋をコピー。トレーニングもろくにしていないのに、右胸も左胸も自由にピクピクできるくらい、厚くたくましい雄っぱいに仕上がった。そして「翔太のガタイがヤバイ」と言われるようになったきっかけでもある、肩まわりのコピーだ。肩幅がぐんと広くなり、両肩には筋肉の盛り上がりができた。逆三角形のカラダを手に入れたのだ。でも、脇をコピーするのは後回しにした。高校球児たるもの、汗臭さの象徴でもある脇の臭いまでコピーされたら、さすがに怪しまれてしまうから。……このエロ脇をコピーしたのは最近のことだ。雄臭くて酸っぱい、忠彦のニオイ。それをいつでも嗅げるって考えただけで、あの“忠彦チンポ”がギンギンに硬くなってしまった。


「おーっす、翔太?」


待ち合わせの時間。玄関のドアを開けると、忠彦が部活のときの格好のまま立っていた。アンダーシャツに、上着のユニフォーム、ズボンを穿いて、ベルトを締めて、キャップを被っている姿。僕が頼んでいた通り、彼は着替えずにうちまでやって来た。


「んで、先にスウィングの練習とかすんのか?」

「……先に、エロ動画観ない?おかん、帰ってこないうちに」

「あぁ、そうだな!」


忠彦を部屋に入れると、ドアの鍵を閉めた。そして忠彦の背後から、準備していた例のスプレーを首元に思いきり吹きかけた。


「冷たっ!!翔太、なにするんだ――って、なんだこれ!?」


忠彦はその場にうずくまった。途端、彼の首まわりが黄色く発光をはじめた。


「なんだよ、これ!?……あぁ、力が入らねぇ」

「まぁ、黙って見てなよ」


僕は自分の首筋にもスプレーをシュッとかけた。ひんやりと冷たい感触。すると忠彦と同じように発光をはじめた。僕のデカいカラダとは不釣り合いだった細い首から、筋肉がムキムキと膨らみ、大きな血管が浮き出た。やがて発光が弱まると、僕の首は雄らしく若い首筋に、突き出た喉仏――忠彦の太い首になっていた。


「翔太、なにしたんだ?」


忠彦は訝しがった。彼の首の発光は終わっていた。まだ力は出ないようだ。


「あーあー、よーし、声帯のコピーも完了っと」


僕は声の変化を確認した。間違いない。いつもグラウンドで大声を上げている、少ししゃがれた忠彦の声だ。


「翔太?その声……」

「あ、うん。忠彦の首をコピーしたよ。おかげで、声も同じになったね」

「どういう……?」

「初めて忠彦に会った日から、忠彦に憧れてて、ずっと忠彦になりたくて。毎日野球で汗を流して、バキバキに鍛えあがったそのカラダを2年かけてコピーしたんだ。残すは、忠彦の顔だけ」

「お前、正気かよ……?」


僕は忠彦のエナメルバッグからスマホを取り出した。


「なに……するつもりだ?」

「あ、もしもし。俺だけど」


僕は忠彦の彼女に電話した。他校にいる、あのデカいチンポで会うたびにヤリまくっている彼女に。


「あ、俺もうお前と別れるわ。俺、もう女に興味ねぇから。それじゃあな」


僕は電話を切った。忠彦は力を振り絞り、怒りに満ちた表情で発狂した。


「ふ、ふざけんじゃねえよ!」

「へぇ、そんな顔するんだ。その表情の作り方、覚えておくよ。その顔を奪ったとき、表情のクセとか仕草とかぜんぶ、真似できるようにね」


僕は“忠彦”の声で笑い声をあげると、スマホで忠彦の顔をパシャパシャと撮影した。



<続く>


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