XaiJu
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20年以上ぶりに憧れてた隣の兄ちゃんに再会することになった 中

俺はボストンバッグをドサッ!と畳に放り、ふー、とため息をついて座り込んだ。 広すぎる敷地と、歴史と格式を感じさせる馬鹿でかい平屋の家に少しビビっていたが、入ってみると中は程よく生活感があり、息がつけた。 「旦那は、お客様が来る前に風呂入る言うてたわ。もうすぐだと思うし、ここで待ってもらえますか」 お手伝いさんだというおばあさんにそう言われとおされた大きな木彫りの座卓がある畳の部屋に通された。 炊事場に隣接しているようで、テレビもあり普段からここで食事をしている雰囲気。 座卓の上は鍋やら肉野菜、もちろん高級料理とは違うが今すぐがっつきなるようないい匂いのするいっぱいのご馳走が並んでいた。 「さすが和さん、いい生活してるな…」 家も人の雰囲気も暖かく、気配りが行き届いている。 自然豊かで静かで、時間がゆっくり流れているようだ。 もちろん、実際の農作業は色々と大変なのだろうが、体が壊れる寸前まで追い込むアスリートのトレーニングとは比べようもないだろう。 あー、と座布団に座った背をそのまま畳に倒す。 藺草の匂い。 気持ちが緩んでいく……。 ドスッ!!ドスッ!!! 重々しく勢いの良い足音が近づいてくる振動でハッ!とした。 和さんだ。 慌てて起き上がる。 「悪い、待たせたな」 スラッと襖を開け、鴨居をくぐって入ってきた渋い紺の浴衣を着た和さんの姿に、思わず言葉を失う。 デカい。 俺自身も180cm以上あるし、世界の強豪たちの、骨格からして違うのが如実にわかるような大男たちも何人も相手にしてきた。 だが……。 どんな相手も、これほどデカさ、分厚さを感じさせる相手がいたか…? 「はは!デカくなったな拓海!」 立ち上がった俺に、和さんがドスドスと近づいてくる。 照明を覆う規格外の上背。 俺の頭が顎にも届かない長身。 段違いの肩幅と、浴衣を隆々と盛り上げる、ドラム缶のような胸板。 「は、はい、和さんもなんか…」 俺が気圧されてモゴモゴ言うのも気にせず、グローブのような手でバシバシと肩を叩かれた。 熊のようなパワーに膝が抜けそうになる。 「あんなちっこかった拓海がこんな立派になって……テレビで見た時は目ぇ剥いたぞ?」 日焼けしたがっしりした顎に髭を生やした厳つい顔の相好を崩して和さんが笑う。 笑うと急に色んな温かい記憶が蘇ってきた。 「ああ、和さんに憧れて頑張ったんだ」 俺が嬉しくなって言うと、和さんの手が俺の頭にうつり、ワシワシと力強く撫でられた。 「おー嬉しいこと言ってくれるな。ただテレビで言ってたのはちょっと違うな?」 そう言ってニヤッと笑う。 大人の余裕ある笑みに、しばらく感じていなかった、自分が年少であるという感覚を思い出される。 和さんの掌で転がされるような…。 「俺に"勝ちたかった"んだろ?」 フッ、と笑む和さんの、風呂上がりの熱気と、石鹸、そして和さんの匂いとでも言うべき男らしい香りが急に知覚される。 「いや、それは…!」 バツが悪くて否定しそうになるのを、「違うのか?」とからかうように笑われた。 その、俺を子どものように扱う和さんにプライドが刺激され 「そ、そうだよ」 としっかり目を見返して言い切る。 ははは!!と和さんが笑って俺の背をバンバン叩いた。 有り余るパワーに俺は思わず、げほごほとむせる。 「まあとにかく飯にしよう。飲めるよな?」 憧れていた人と対等に飲みに誘われることが嬉しい。 「はい!」 と高校生みたいな返事をしてしまった。 恥ずかしい。 酒の強さには自信があった。 ザルとよく言われる。 だが和さんは桁が違った。 沼だ、沼。 あと食べ物がめちゃくちゃうまい。 野菜も肉も。 和さんは今や牛豚鶏、野菜、米、なんでもやる大農場の当主らしい。 「裏の山もうちのだぞ」 ぐいぐいと日本酒を煽りながら和さんが言う。 立て膝をしてはだけた浴衣から覗く毛脛が、嘘みたいにぶっとい。 ふくらはぎなど子持ちシシャモどころではない。太りきったマグロだ。 堅そうな濃い毛も和さんの男性ホルモンの如実に表れていた。 「うおお…すごいっすね」 うますぎる日本酒がぐるぐる頭を回り、丸太模様が浮き上がる座卓に肘を預け、俺は返事する。 「おい大丈夫か?弱いな、お前…」 ゴツい拳で軽く額をこづかれる。 アルコールで理性が緩み、"弱い"という単語にムッとする。 「今までパフォーマンスのためにろくに飲んでなかったんすよ。毎日飲むようなぬるい生活じゃ勝てないんで」 言うなぁ!と和さんが笑う。 「酒くらいで勝てなくなるようなら、やっぱ弱いんだろ」 悪意のない声音だったが、その分カチンと来た。 あのですね、と体を起こして身を乗り出す。 「和さんは大学レベルで辞めたからわからないでしょうが、世界レベルになると極限の闘いなんですよ。限界までトレーニングして自分を最高潮まで高めないと、勝てない」 目の座った俺にも和さんはそんな俺に苦笑するだけだ。 「じゃあ俺に教えてくれないか?世界と闘える強さってやつを」 「はい?」 予想外の言葉に毒気を抜かれる。 「前から興味あったんだよな。俺も体力には自信があるというか、年々、更に色々有り余ってくるようになってな」 そう言ってゴツい拳をグーパーする。 太い血管と腱の浮き上がった、俺の倍以上太そうな前腕がぐううっと膨れ上がる。 「毎日畑仕事してるとそれがおっさんの勘違いなのかどうなのかわからなくなる」 和さんの言葉に俺は笑って被せる。 「勘違いっすよ、勘違い。上手いもんばっか食ってるから体はデカくなるかもしれないっすけど、農業やってるだけじゃあ……」 俺が言うと和さんが笑った。 「じゃあ腕相撲してみないか?」 「はい?」 「腕相撲。それかあれか?単純な力比べじゃ、なんだっけ、世界レベルの力が見せつけられないか?」 からかうような言葉にカチンとくる。 「んなわけないです。いいっすよ、やりましょう」 よし、と和さんがいつの間にか全て平らげ飲み尽くした座卓の食器たちをどける。 俺はなんだかんだ胸が高鳴っていた。 ガキと大人だったあの時から何年も経って、ようやく対等の男として向かい合える。 そして、俺が勝つ。 あの強さの象徴のようだった和さんを完膚なきまでに打ち負かして俺は初めて……。 ドン、と和さんが目の前に肘を付き、むき出しの前腕を至近距離で見せつけられ、俺の思考がぶった切られた。 「右手でいいよな?」 和さんの確認の声も頭に入ってこない。 メリメリ…と筋肉が軋む音がしそうなほどのバルク。 サイズ感がバグったように違う。 俺の倍では効かぬその容積と重量感。 青黒い血管が浮かび上がり、日に焼けたそれは、はち切れんばかりの和さんの精力を感じさせた。 「おら、手ぇ出せ」 和さんに言われるままに、あ、ああ、と同じように肘を付き、手を組む。 ボールを片手で安々と掴み切る俺の手が、すっぽりと分厚い手に包まれる。 俺の倍以上太く長い指が、俺の人差し指から小指までを、めしゃっ!とまとめて握り潰されそうだ。 「デカくなったと思ったが、こうするとまだまだ小さいな」 笑う和さんにムッとする。 「行きますよ」 「ああ、いつでもいいぞ」 余裕綽々の態度を今すぐにひっくり返してやりたく、 「じゃあ遠慮な、く!!!」 と和さんの腕をへし折る気持ちで一気に力を込める。 俺のブランドもののポロシャツの袖が、盛り上がった上腕二頭筋ではち切れんばかりになる。 椰子の実のようだと称される程鍛え上げた、俺の自慢の筋肉だ。 メリメリメリッ!!!!と音を立てて盛り上がる筋肉!!! 「ん?どうした?」 何が起こっているのかわからなかった。 和さんの手は、俺の血管が切れそうなほど力の込められた手を、未だ柔らかく包んだまま1mmも動いていなかった。 俺は思わず「えっ!?あっ…!?」と声を上げ目を見開いた。 確かめるように何度も勢いつけて「フンッ!!」とその剛腕を押し倒そうとするが、がっしりと俺の手を掴んだグローブのような手は超合金のように微動だにしない。 「くっ……!!」 力を込め過ぎて体がぶるぶる震える。 汗が頬を伝い落ちる。 おかしい……!!! 世界レベルのアスリートである俺の本気を、まるで子どものようにあしらえるなんて、ありえない。 何か仕込んでるのか…!? 見開いた目で和さんを見るが、なんと和さんは立て膝をついて座っており、本当に腕の力だけしか使っていないようだった。 動揺する俺の様子を見て、はは、と和さんが息も乱さずに笑う。 「まあ酔ってるしな。両手使ってもいいぞ?」 鼻歌すら歌いかねない和さんの陽気な声にブチッ、と俺の中で何かがキレ、その余裕をぶち壊したいという一心で両手で和さんの右手を掴み体重をかけて一気に引いた。 だが、びくともしない。 「おいおい…7歳のガキの頃と変わらねえじゃねえか」 和さんが笑うが、俺は理解を超えた状況に思考が追いつかない。 岩壁を押し込むようにただただ全身に力を込める。 「ぐ……ぁ……」 張りっぱなしの筋肉が悲鳴を上げ始め、思わず顔をしかめる。 「そろそろやめるか」 俺の様子を見て和さんがそう言ったかと思うと、浴衣に覆われた丸太のような上腕の筋肉が、ゴギュゥッ!!!と膨れ上がり、俺の手が両手まとめて圧縮されるように握られた。

Comments

腕相撲エロいですよねぇ… なんでこんなにエロいんでしょう… いろんな意味で"ねじ伏せ"られる経験の少ない拓海くん、どうなっちゃうんでしょうか…

hage

拓海くん、早く自己認識改めないとえらいことになりそうです♥

hage

予想はしていたけど、和さん、でかい……!!世界レベルで戦ってた拓海よりはるかにでかいなんて……!! そして和さんの何の気なしに肩や背たたいたりするのが拓海レベルでも結構きついってのが尋常じゃないパワー感じさせますね……!!いったいどんだけ強いんだ…… 腕相撲、怪力男の腕相撲大好きです……!アスリートとして限界まで努力してきた拓海のパワーが全く通じないなんて……それで和さんは涼しい顔してるし……いやもう圧倒的で……和さんの底知れないパワーに興奮しきりです!!

ichiya

あぁ…もう既に圧倒的…たまりません。 この先も楽しみですー!

智之


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