20年以上ぶりに憧れてた隣の兄ちゃんに再会することになった 上
Added 2024-05-31 15:00:00 +0000 UTC隣に住む、約15歳上の和くんは少年時代の俺の憧れだった。 背が高くて、スポーツ万能。 頭も良くて一流大学の理系。 だが俺は和くんの「強さ」に1番憧れていた。 当時は小学校に入る前とかだったから、和くんがイケメンであることとか頭が良いこととかはあんまりピンと来ていなくて、フィールドを誰よりも速く駆け抜け、その疾走を止めようとするディフェンダーを、文字通り吹っ飛ばし、時にはそのパワーで引きずりながらタッチダウンする様に、「カッケー!!」と騒ぎ、自分も和くんのようになりたいと、真似したりしていた。 そう、和くんはアメフト部のキャプテンだった。 それもチームを大学日本一に導いた代表レベルの。 もう20年近くも前だから記憶が定かではないが、当時の和くんは身長180cmは超えていたし、体重は3桁を超えていたかもしれない。 記憶を美化しているかもしれないが、フィールド上で誰よりもデカく、それでいて誰よりも速かった。 文字通り、フィールドの王だった。 王の前に立ち塞がろうものなら、まるで大型ダンプカーが軽自動車に突っ込むように、潰され、吹き飛ばされる。 そんなフィールド上では畏れられる偉丈夫だったが、普段は快活で優しく、俺もよく遊んでもらっていた。 体当りしてもびくともしない体、俺は軽々と担ぎ上げる力強い腕。 めちゃくちゃカッコよくて大好きだった。 親が仕事で遅い時は風呂にまで入れてもらって、父親とは比べ物にならないボコボコと筋肉のついた体、毛むくじゃらの陰毛のジャングルからずろん…と伸びる、これまた父親とは比べ物にならない太さと長さのチンコをむんずと掴んで、「すっげー!!すっげー!!」と騒いで苦笑された。 (帰ったあと、「母さん!!和くんのちんちん、こーんなでけえの!!!ぶらんぶらん!!ぶらん!!!ぶらん!!!」と騒ぎまくってどやされた) 恐らく当時の和くんには色んなチームから、もしかしたら代表や海外からも声がかかっていたはずだ。 だが、和くんは大学卒業と同時にあっさりとアメフトを、スポーツをやめた。 なんと田舎の親類の農家を継ぐらしい。 当時の俺は、その事実を受け止められなかった。 俺の、誰よりも強くてカッコいいピカピカのヒーローが、じいちゃんばあちゃんがやるカッコ悪い仕事(当時の知識ではそれくらいのイメージしかなかった)なんかのためにアメフトをやめる!!あんなにかっこいいのに!! 「なんでだよぉ!!!」 子ども向けのアメフト教室のユニフォームを意気揚々と和くんに見せに行った時、そのことを告げられたのだ。 太い足にすがりつき、その堅い腹をボカボカとめちゃくちゃに殴りながら、俺は顔を真っ赤にして泣き喚いた。 「ごめんな。でも俺は"ずっと強いままだから"さ」 和くんの男らしい声音に俺はキッ!と顔を上げた。 「じいちゃんたちと働くんだろ!?強くなるわけないじゃん!!」 「はは……じゃあこれから拓海がアメフト頑張って、俺に勝てるか試してみるか?」 和くんが笑いながら、「よっと」と俺の体を掴み上げ、玄関にそっと放り投げた。 うわっ!と玄関マットの上にゴロゴロと転がされる。 「軽いなぁ。こんなんじゃ到底俺に勝てないぞ?」 しゃがんで俺にそう苦笑してみせる頬に、「うわぁ!!」とパンチを入れる。 だが、ペチッ、と軽い音がしただけで、和くんのガッシリとした顎は小揺るぎもしない。 フッ、と笑い、ぬっと立ち上がった和くんが俺の頭をそのデカい手で撫でる。 「ほら、男なんだから泣くなよ」 優しい和くんの声に、また熱い涙が溢れそうになり、それでもアメフトを辞める和くんが許せなくて、俺は家を飛び出した。 それが和くんとの最後の記憶だ。 「へ〜いい話ですねぇ!」 カメラマンの声に、物思いが遮られる。 俺の引退前後を追うドキュメンタリー番組に何ヶ月も密着されていて、今は飲み屋で昔話をしていたのだった。 「それから"和くん"とは全く会ってないんですか?」 隣りに座った女性ADが俺のゴツい腕に身を寄せるようにビールを注いでくる。 けっこう可愛い。 「あー、そうっすね。俺もすぐ引っ越して……親同士も付き合いなかったから、今どこで何してるかもわかんないです」 俺の言葉に少し撮影陣は残念そうな顔をする。 再会でもできればいいエピソードになると思ったのだろう。 「でも大学日本一になってそのキャプテンしてたのなら、すぐ調べられそうじゃないですか!?ちょっと…」 と別の茶髪のADが意気込んで来たのを、俺はドゴンッ!!とデカいジョッキをテーブルに叩きつけて黙らせた。 テーブル上のものが全て浮き上がり、ミシッ!とテーブルが軋む。 ビクッ!!と固まった取材陣に俺はニッコリと笑ってみせる。 「やめてくれますか。これで相手が普通の小太りのおっさんになってたら残念だし」 俺の上腕二頭筋と上腕三頭筋が膨れ上がり、紺のポロシャツの袖がギチッ!!ギチッ!!!と悲鳴を上げる。 「すすすすみませんッ…!」 ADが額をテーブルにつけんばかりに頭を下げる。 ここにいる全員まとめても到底敵わぬ筋肉量。 身長185cm、体重120kgを超える日本代表アメフト選手(つい先日引退したばかりだが)に至近距離で凄まれて耐えられる一般人はいない。 そう、あれから俺は本当に和くんに勝とうと、俺が正しかった、俺の方が強いと証明しようと、猛烈にアメフトに打ち込むようになったのだ。 引越し先の指導者や、もって生まれた資質にも恵まれ、あっという間にスターダムを駆け上り、今や日本最強、最凶のクォーターバックと言われるまでになった。 正直、大学レベルだった当時の和くんとは次元が違う。 今の俺が相対すればぶちのめせるだろう。 興醒めした俺は黙って再び、ゴクッ、ゴクッ、とビールに喉を鳴らす。 その様子を、黙って取材陣が見守っていた。 数ヶ月、ドキュメンタリーが放映された。 居酒屋での場面も、ほぼそのままだ。 ジョッキを叩きつける音は消されていたし、俺の「圧がある」と称される笑顔も、画面越しじゃ爽やかに見えて笑った。 俺は引退してもそれなりに忙しくやっていた。 広告の仕事や、テレビのゲスト、そして指導。 金銭的には十分に満たされていたが、全盛期で電撃引退した俺の体力精力は余りに余っていた。 VIP専用のジムで体をいじめ抜き、トレーナーに教わり力任せにサンドバッグをどつき回す。 夜は無限に寄ってくる女達をまとめてホテルに呼び、朝までセックス三昧。 俺のモノはデカく、チームメートにからかわれることも多かった。 平常時からぼってりと太く、ズル剥け。 見せて恥ずかしいモノじゃないからブンブン振り回して笑いを取っていた。 勃起すれば20cmを超える。 ……記憶の中の和くんを軽く超越していく自分が、誇らしいような少し寂しいような。 鍛え上げた下半身の精力は自分でも恐ろしいほどで抜かずの6発なんて軽い軽い。 朝まであらゆる体位で女達を犯し尽くし、全員失神しピクピクと痙攣するベッドの上で一服するのが、今の生活で1番満足する瞬間だった。 ……だが、それでも物足りない。 もっと己の力、精力を本気でぶちまけたい。 そんなある日だった。 見慣れない番号からの着信。 仕事がらそれは珍しくないので、迷いなく取る。 「はい、もしもし?」 「拓海か…?」 耳朶を打つ俺より低く深い声音。 「どちら様……」 と反射的に返しかけて、ぐわっと記憶が蘇る。 「……和くん?」 迷いながら問うたその言葉に電話の相手が豪快に笑う。 「ははは、すごいな!20年以上あってないのによくわかったな!」 記憶の中の和くんの声より、当然ながら年輪を重ねた声音だが、1度思い出すと懐かしさで興奮してきた。 「えーマジで…!!どうやって俺の番号……」 と意気込み俺を、まあまあ、と押し留め、 「テレビ見たぞ?」 と笑いを含む声で言われた。 「まあ好き勝手言ってくれやがって…」 冗談めかした言葉に、俺は自分の小太り云々発言を思い出して泡を食う。 「い、いやまさか和…さんが見てるとは思わないじゃん」 この年でくん付けは恥ずかしいなと何気なく訂正する。 フン、と和さんが笑う。 「まあいいさ。拓海、引退して時間に余裕できたか?1度うちに遊びに来ないか」 「うち?」 なんと和さんは本当にあのまま農家になり、畜産、農作、稲作、全てを手掛ける大農園の代表らしい。 「田舎の家だからな、部屋はいくらでもある。来週末は嫁さんもいないし」 あの和くんに嫁さん!そして家は出てるが成人する息子もいるらしい。 「行く行く!!」 俺は二つ返事で答えた。 単純に会いたかったし、デカく、強くなった俺を見せたかった。 和くんを圧倒して、本当に昔の憧れを消化できる気がする。 「よし。楽しみにしてるからな」 和さんの笑いにどんな意味があったのか。 俺はそれが自分の人生を変える旅になるとは思わぬまま、来週末のスケジュールを調整し始めた。
Comments
力の誇示に慣れた男の雄仕草、だぁい好きなんですよね……全くもう………わからせなくちゃ……(小声)
hage
2024-06-14 14:43:15 +0000 UTC流石に世界と戦う猛者ですからね、農家のおじさんじゃ、ね、勝負にならないはずですよね(白々と)
hage
2024-06-14 14:41:10 +0000 UTC憧れの兄ちゃんに勝とうと正しいと証明しようと強くなった拓海、ビールジョッキ打ち付けてテーブルきしませ腕膨れ上がらせるとこゾクゾクしちゃいますね…力の誇示だけで黙らせちゃう…… そして和くんを圧倒して……と思っているようですが、いや~~和君の登場が楽しみです!
ichiya
2024-06-11 11:38:41 +0000 UTCとっても最高のシチュエーションです!!次作がとっても楽しみです。育った雄の自信がどうなっちゃうんだろ。。
あ
2024-06-01 04:38:46 +0000 UTC