観戦編①→ https://teopi.fanbox.cc/posts/6441346 ~*~ <観戦者②:五十嵐リュウタ、スポーツカメラマン> カシャ!カシャカシャ!カシャ! 他のカメラマンたちと所せましと並び、僕は裸の選手たちに向けてシャッターを切った。チラリと周りを見渡すと全国規模の大手新聞社やテレビ局のロゴが確認できた。去年は僕みたいなローカル新聞くらいしか出張っていなかった大学競泳大会だが、今年は明らかに注目の規模が段違いだ。その理由は間違いなく、男子選手の「水着禁止ルール」の発足……。 「今年はチンポコだらけだねぇ、リューちゃーん」 準備運動をしている選手たちにピントを合わせていると、後ろから笑い交じりに声をかけられた。顔を上げると知り合いの同業者が隣でカメラの準備を始めていた。 「山川さん、ご無沙汰してます。いやぁー、ホントにすごい眺めですよね」 「まったく、彼らもよくやるよねぇ、いくら競技人生のためとはいえさ。俺ならこんな人前でフルチンになるとか絶対にヤだけどね」 「そっすね、僕も親とか女に見られるのはさすがに……」 大学生の時、僕も水泳部に所属していた。結果こそ残せなかったものの、小さな大会に出場したことぐらいはあった。その頃はもちろん普通に水着を着て試合に出ていたのだが、指定の競技用水着が極小のブーメランタイプで、始めはそれが恥ずかしくて堪らなかった。それが今や水着そのものが禁止されてしまうなんて、現役選手たちには想像を絶する葛藤があったに違いない。それでもめげずにに競技に挑む彼らの姿は凛々しく、野性的でさえあった。 カシャ!カシャ! 僕はスタート台に上がる一人の選手にレンズを向け、再びシャッターを切った。筋肉が浮き出た鍛え抜かれた体、除毛をしているであろう滑らかな肌、突き刺すような真っすぐな眼差し――若さ特有の刺々しさが彼の美しさを一層際立たせた。陰毛が剃り落され、慎まやかに皮の被った彼のイチモツは古代ローマやギリシャの彫刻を彷彿とさせた。 「今日はやけに気合い入ってンね、まるでハンターの目だ」 山川さんの言葉に僕はギクリとした。そんなにあからさまだっただろうか。 「べ、別にそんなことは……」 僕が言い訳をしようとすると鋭いホイッスルの音が鳴り、選手たちは位置に付いた。数秒の沈黙の後、電子音と共に選手たちはプールに飛び込んだ。とりあえずおしゃべりは保留となり、僕たちカメラマンはレンズに意識を集中させた。周りからもカメラのシャッター音が鳴り響いたが、そんな雑音は観戦者たちの声援によってかき消された。 距離の短い50m競技なだけあって、あっという間に選手たちはフィニッシュに迫っていた。次々と選手たちはゴールして、期待の表情で結果を見上げた。僕は優勝者にズームインして、その喜びの表情を何枚もの写真に収めた。他のショットも撮り終え、僕がカメラを下ろすと山川さんは再び話し始めた。 「大昔のオリンピックって全裸でやってたんでしょ?こんな感じだったのかね」 「……まぁ、さすがに水泳競技はなかったと思いますけど、裸ではあったらしいですもんね……」 確かに、元来アスリートとは裸が正装だったのだ。男なら尚更、鍛え上げた自慢の肉体を見せびらかす絶好の機会だったのかもしれない。もしイチモツに自信があるのなら、それも然り―― 「みんな若くてピチピチだねぇ、キレイな体しちゃってさ。チンチンは被っててまだガキっぽいけど。最近のコは包茎とかあんまり気にしないのかね」 「あぁ、それも規定らしいですよ、見栄剥きはダメとかなんとか」 「なんじゃそりゃ?チン毛剃らされてるのは聞いてたけど、皮のことまで言われるのか……」 「不正防止の一環らしいっすけど、実際どうなんでしょうね……」 しかし、包茎のドリチンしかいないのかというとそうでもなく、立派な剥けチンを持つ選手も少なからず混じっていた。デカいイチモツを堂々とぶら下げる彼らが少数派なのは確かで、それ故に他の男子より明らかに目立っていた。 「間もなく男子200m平泳ぎを開始します。出場選手は速やかに位置に付いてください」 落ち着いたアナウンスと共に次の試合の出場選手たちがプール脇から姿を現した。 「おっ、あのコはかなりデカいね。顔は地味だけど、ムスコは恵まれてて羨ましいこった」 山川さんに言われるまでもなく、僕はすかさずその男子にカメラを向けていた。シャッターを切るのも忘れて僕は彼の陰部を見て息を呑んでしまった。長く重量感のある竿は低くぶら下がり、剥き出しの亀頭はカリ高で肉厚――ふてぶてしいイチモツは奇しくも、あの日見た「先輩」のチンコと瓜二つだった。それはずっと忘れられずにいる、先輩とイチモツを見せ合った遠い日のこと……――。 「水着禁止令」なんかが発足されなければ、こんな記憶は呼び覚まされずに済んだかもしれないのに、一度解放されてしまった魔物は僕の脳裏から消えることはなかった。フラッシュバックと共にもどかしい欲情が僕の胸を締め付けた……。 ~ 鴨井先輩は水泳部内で特段目立つ存在ではなかった。顔はイモっぽくてお世辞にもイケメンとは言えなかったし、背丈はあったが水泳部にしては若干だらしない体型をしていた。競技成績が振るうことは決してなかったが、本人は純粋に水泳が好きらしく、結果やタイムを気にしている風でもなかった。 そんな先輩でも他よりずば抜けているトコロが一つだけあった。それは彼の水着姿のモッコリの大きさだった。男なら誰しもがこさえている「モッコリ」だが、特に面積が小さくフィットした競技用水着となるとそれは余計に強調された。まず先輩はチンコを収納する方向からして他とは違っていた――普通は上向きか下向きなのに、先輩は明らかに横向きに収めていた。水に濡れると水着越しにも亀頭の形がくっきりと浮かび上がり、ズル剥けなのが丸わかりだった。先輩自身、イチモツがデカいことをさほど気にしておらず、同期の部員にそのことを茶化されても恥じる素振りは見せなかった。 僕たち一年部員の間でも鴨井先輩のモッコリは少しの間だけ話題になったが、僕自身なんとも思わなかった。そりゃあ世の中、短小がいれば巨根もいて当たり前だし、なによりその頃の僕はチンコを変な目で見る趣味はなかった。そう、まだその頃は……。 事件はとある日、練習後の更衣室で起こった。普段はなんとなく同じ学年同士で固まってシャワーと着替えをするのだが、その日はなぜか僕と鴨井先輩だけが居残って、更衣室に入った頃には他の部員はすでにいなくなっていた。 「シャワー浴びるかー」 先輩の提案通り、僕たちは更衣室のシャワールームに向かい、隣同士の個室に入った。ただ、個室と言ってもカーテンで仕切られているだけで、頭上も吹き抜けている簡易的な作りだった。初めは二人とも無言でシャワーを浴びていたのだが、ちょうどシャンプーを流し終え、シャワーの湯を止めたタイミングで先輩が壁越しに話かけてきた。 「五十嵐はさぁー、彼女とかいるの?」 僕の勝手なイメージで鴨井先輩は恋バナが苦手だと思っており、この問いかけはかなり意外だった。 「い、いえ、いないですけど。先輩は?」 「……俺も!」 「へぇ……」 「うん……」 「……」 「……」 話は急に始まり、急に途切れた。気まずい空気に緊張していると、急に背後のシャワーカーテンが開け放たれた。 「――えっ」 振り向くと、裸でびしょ濡れの先輩が立っていた。普段は水着に収まっている先輩の肉棒はだらりとぶら下がり、シャワールームの湯気越しにもはっきりと見えた。僕は反射的にソレから目を逸らした。 「ちょっ、なんスか?!先輩――」 「――五十嵐さぁ……」 先輩はうろたえる僕に構わず、ずかずかと個室に侵入してきた。カーテンが再び閉められ、僕は先輩によって狭い空間に追い詰められた。 「……俺の事見てるよな、いつも」 「……えっ?」 「気になってるんだろ、俺のチンコ」 「――そっ、んなこと……」 湯気が充満するシャワールームは声がよく響き、その反動で沈黙が耳に重くのしかかった。先輩のデカいカラダが更に距離を詰め、申し分程度に生えた彼の胸毛が視野に入った。逃げ場が無くなって怖いはずなのに、堪らなく胸がドキドキしていることに僕自身困惑していた。先輩の顔を見上げると、彼は今まで見たことのない高揚した笑みを浮かべていた。 「チンチン好きなんだ」 「……ち、ちが――」 「いいよ、ほら、ちゃんと見てよ、俺の」 「せ、せんぱい――」 「ほらっ、比べっこしよ、五十嵐のと」 そう言って先輩はデカいイチモツを僕の粗末なチンコに押し付けてきた。 〆 「【全裸競泳】男子選手の水着禁止令~観戦編③」へ続く……→ https://teopi.fanbox.cc/posts/6441363