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教育実習生は〇教育の教材となるべし(3)

②→ https://teopi.fanbox.cc/posts/6277076 ~ 「オレたち、一体なにやってンだろうな……」 殺伐とした空気を断ち切ったのは赤松だった。 「考えても仕方ない、単位のためだ」 そして赤松の愚痴に返事をしたのは青桐だった。 裸の実習生たちはトイレに着くなり隣同士の個室に入り、便器に腰を下ろした。三人とも情けなさを感じながらも硬くなった肉棒をがむしゃらに扱き始めたのだった。 「青桐はいいよなぁ、デカチンだし。みんなに見られて嬉しかったんじゃね?」 「バカ言え!中学生の前で見世物にされて嬉しいわけあるか!お前こそ見栄剥きとかして見せる気満々だったな。パイパンでつるっつるだし」 「パイパンは別にいいだろ!それに、これは見栄とかじゃなくて普段から剥いてンの!はぁあ、ウブな童貞くんにはムケチンのカッコよさが分からんか、やれやれ」 「だっる!剥けていようがなかろうがチンコはチンコだろ。そういう陽キャ特有のムケチン至上主義みたいなのホント理解できん」 「いんや!絶対に剥けてる方がかっこいいね!なぁ、黄瀬くんもそうお思うだろ?」 赤松は口を閉ざしていた黄瀬に話を振った。依然三人がチンコを扱く音が環境音の如くトイレに静かに響いた。 「えぇ?なんでボク……」 「だって、黄瀬くんこそさぁ!ぽっちゃりなのにズル剥けカリデカとか、スペックバグってるって。で?ドリチンとムケチン、どっちがいいと思う?」 「……いやぁ……まぁ、男のカッコよさはチンチンだけじゃないから……」 「赤松にも俺にも角が立たない完ぺきな回答、さすが黄瀬くんだ」 赤松は低く笑い、また口を開いた。 「でもまぁ、剥けてる被ってる関係なく、デカい方が見ごたえあるのは確かなんだよな。女子たちも青桐のチンコに釘付けだったし。結局、俺の粗チンなんて全然よ」 「まぁ、そう卑屈になるなよ、赤松」 「いいんだよ、俺は膨張率に自信があるからな。にしても、青桐はよかったじゃん、皆の前でエッチの予行演習ができて。オレ、AV以外で他の奴がヤってるとこ初めて見たわ」 「いや、別にヤってはいないだろ。俺はただオナホに出し入れしただけだ」 「じゃあ公開オナニーじゃん、エグー。お前も早く彼女の一人でも作ってちゃっちゃと童貞卒業しちゃえよ。せっかくいいモン持ってるんだからさ」 「それは黄瀬くんにも刺さる言葉だぞ」 「いや、ボクは――」 黄瀬くんは躊躇いがちに言葉を紡いだ。 「――実はボク、最近彼女ができたんだよね。エッチはまだなんだけど、そろそろそういう雰囲気になってて……」 「そ、そうか……黄瀬くん、やることはやってるね」 「ははっ、青桐、お前メッチャショック受けてるじゃん。黄瀬くんは仲間だと思ってたのにな」 「あっ、ゴメン、青桐くん……」 「いや、謝られると余計にダメージ食らうんだが……」 「あっ……」 黄瀬が言葉に詰まり、何とも言えない沈黙が三人を包み込んだ。 「えっと、ボクたちもそろそろ集中した方がいいかも……皆が待ってるし。っていうか、二人ともよく普通に話せるね。ボク、人と一緒にオナニーとか初めてだから正直かなりテンパってる……」 黄瀬のごもっともな発言に他の二人は納得してしまった。 「確かに、赤松が喋りかけるから返事してたけど、俺も人と一緒にシコるの初めてだわ」 「なんか、俺も身ぐるみ剥がされてテンションおかしくなってたかも」 「……じゃ、集中するか」 「……そう、だな…」 「…うん……」 再びトイレにはチンコを扱く乾いた音が反響した。開け放たれた天井付近の小窓からは飛行機のエンジン音が彼方に聞こえた。 ~ 己の精液が入ったプラスチック容器を手に、三人はいそいそと教室に戻った。彼らはやっと萎えてくれたイチモツを再び両手で隠していた。 「おぉ、三人ともちゃんと出せたみたいですね。では、早速――」 体育教師は精液の入った容器を三人から受け取り、マッキーでそれぞれの容器に持ち主の名前を記した。体育教師は三つの容器を持ち上げ、生徒たちがよく見えるように傾けたり小刻みに振って見せた。 「はい、皆ここに注目!これが正真正銘、出したてほやほやの精液だ。俗にザーメンとも呼ばれる。男子はほとんどが見たことのある代物だろうが、女子はさすがに実物を見るのは初めてだろ。精液と一重に言っても、実は人によって微妙に質が違ったりする。例えば、赤松先生の精液は他二人のと比べると薄くて真っ白だな。比べて青桐先生と黄瀬先生の精液はもっとドロドロしている。黄瀬先生は量が一番多くて色も黄色っぽいね。もしかして溜まってました?ははっ、答えなくて結構ですよ。では、ちゃんと精子がいるかミクロで見ていこう。誰が一番元気な精子を持ってるかな?」 体育教師はうきうきした様子で顕微鏡を黒板の横の棚から出してきた。 「そうだな、じゃあ……桃井先生!」 教師は見学をしていた女子教育実習生の一人に突然声をかけた。 「――へっ?!はっ、はい!」 「君も理科教師志望ですよね。三人の精液サンプルを顕微鏡で見ていくから、こっちにきてスライドの用意を頼みます。僕は顕微鏡用カメラの用意をするので」 「は、はい……」 ただの傍観者だった桃井は急な命名に戸惑いを隠せなかったが、とりあえず教師の言うとおりにするしかなかった。彼女は教室の前へ行き、未だに体温でホカホカの精液サンプルを受け取った。 「青桐先生と黄瀬先生のは濃いからこの溶液を一滴垂らして薄めるといいよ。スライドとカバースリップはそこに置いてるから。あぁ、それとスポイトはそっちね」 桃井は必要なものを集め、早速スライドの用意を始めた。普段から理科の授業で扱いなれている道具をまさかこんな風に使う日が来るとは……依然裸で立たされている三人の同期の前で桃井は作業に集中した。赤松の精液が入った容器を開けると、桃井は立ち上がるオス臭い香りに顔をしかめた。 『変な匂い……生臭いような、イカ臭いような。それに、まだ温かい……さっき出したばっかりだもんね、そりゃそうか……うわぁ、私、本人の前で精液をスポイトで吸い上げてる……彼氏のだってこんな近くで見たことないのに……』 桃井は赤松のスライドの用意を終え、他二人のサンプルに取り掛かった。 『うわっ、確かに青桐君のめっちゃドロドロしてて、こりゃそのままスライドに乗せても何も見えないわ。色も透き通った部分と濁った部分が混ざり合ってまだら模様になってる。黄瀬君もすごい量……赤松君の倍はありそう。黄瀬君って大人しく見えて意外とエッチだったりするのかな……おちんちんもすごい形してるし……っていうか、赤松君の精液ってもしかしてかなりショボかったりする……?ムキムキで男らしいのに、ちょっと意外……』 赤松のスライドを顕微鏡に設置し、桃井はレンズの高さとピントを合わせた。その間、当の赤松たち三人は股間を隠しながら、目を閉じて気まずい空気を耐えているようだ。 「大丈夫そうかな、桃井先生?」 「はい、できました」 「じゃあ、カメラをここに設置して、っと。青桐君、プロジェクターで投影するから、黒板の上のスクリーンを引いてくれる?」 「あっ、はい」 青桐は再び生尻を生徒たちに見せながら、普段は天井付近に収納されている白いスクリーンを引っ張り下げて黒板を覆った。 「じゃあ最初は赤松先生のサンプルだ」 教師がカメラのスイッチを入れると、顕微鏡の視野らしい青白い丸がスクリーンに大きく映し出された。そこには紛れもない、正真正銘の新鮮な精子たちが小刻みに動いていた。 「みんな見えるな、頭と尻尾みたいなのがついてるのが精子だ。泳いでるのが分かるよな」 生徒たちからは感心の唸り声が上がった。男子たちも自分の精液を見たことはあっても、動く精子を拡大して見るのは初めてだった。 「でも、ちょっと数は少なめかな、動きも遅いし。最近体調不良だったり食生活が乱れてるとか、思い当たることってありますか、赤松先生?」 「い、いえ……特には……」 「うーん、じゃあ一度医療機関で生殖検査を受けた方がいいかもしれませんね。最近は男性由来の不妊のケースが増えてますから、早期発見ができれば治療する術もあるでしょう。まぁ、僕の考えすぎかもしれないのであまり心配することはないですよ。では、次は青桐先生のと比較してみましょう。桃井さん、お願いします」 「はい」 今度は青桐の精液がスクリーンに映し出された。生徒たちからは思わず驚きの声が上がった。 「ねっ?赤松先生のと全然違うよね。数ももっと多いし、何より動きが活発だ。尻尾が激しく動いてすぐに視野から出て行ってしまうのが分かるね。卵子までの道のりはかなり過酷なので、このぐらい活発じゃないと受精はおろか、卵子にたどり着くことすらできないんだ。健康な精子と卵子でも受精する確率は3分の1程度と言われているので、弱い精子だとさらに確率が下がる。男子の皆も今は子供を持つなんて考えられないだろうが、欲しいと思ったときに作れないのはとても辛いことなので、普段から健康な生活を心がけて元気な精子を作れるようにしておきましょう。じゃあ、最後に黄瀬先生のを見ていこう」 自分のとあまりにも数も動きも違う青桐の精子に赤松は見るからに青ざめていた。普段から普通に性欲はあるし、彼女ともステディーだし、自分の生殖機能が劣っているとは夢にも思っていなかった。そしてそれを中学生たちの前で指摘されたことに赤松は何とも言えない劣等感がこみ上げてきた。 「はい、黄瀬先生のサンプルだね」 そんな赤松はお構いなしに、教師は淡々と解説を続けた。 「こちらも良質なサンプルみたいだね。精子の数は申し分ないけど……ん?でも、よく見てみると、動いてない精子が結構あるね。それと、中には形がおかしな精子があるのが分かるかな、みんな?こいつは頭が二つあるし、こいつは頭が大きすぎる。こういった精子は『奇形精子』と言って、不妊の原因になる。ただ、奇形精子は少なからず誰しもが持っていて、健康な精子が全精子の30%未満まで下がると不妊が疑われる。黄瀬先生は見たところ半分以上の精子は正常みたいだし、とりあえずは大丈夫かな。でも、さっきも言ったが、精子の質は生活習慣に大きく左右されるので、黄瀬先生も油断はできないね。黄瀬先生は体重管理も兼ねて、少し食の習慣を見直してみてもいいかもしれませんね」 「……はい、肝に銘じておきます」 「ははっ、説教臭く聞こえてしまってたら失敬。ただ、子を持つというのは素晴らしいことですから、みんなが苦労なくそれができれば一番いいですよね。まぁ、僕も自分が子供を持って初めてその喜びに気付いたんですが」 急に感傷的になった体育教師を生徒たちはきょとんとした表情で見つめた。 「では、桃井先生はどうでしたか、三人の精子を間近で見てみて」 「どっ、どう?!そっ、そう、ですね……え、っと……」 見るからにうろたえる桃井を教師はただじっと見つめ、回答を急かすことはしなかった。 「あー……まず、少しわざとらしい表現かもしれませんが、生命の神秘を目の当たりにしたというか……外国に比べて我が国の性教育は遅れていると聞いたことがあるので、こんな風にオープンに性について見たり話したりするのはとても大事なことだと感じました。体を張ってくれた先生たちは大変だったと思いますが、とても有意義な授業だったと思います」 「そうですね、普段の生活では性的な話はタブー視されがちですから、これからもこのような授業を続けていければいいですね。皆の前で裸になってくれたお三方は恥ずかしかったでしょうが、『皆違って、皆いい』ってことでね、他と違うことを恥じることはありませんよ。じゃあみんな、頑張ってくれた先生たちに今一度拍手!」 それまでで一番大きな拍手が教室に響いた。裸の実習生たちは相変わらず両手で股間を隠しており、ただ前を向いて頬を火照らせた。 「これにてこの授業は終了――」 赤松たちが安堵の表情を浮かべられたのはほんの一瞬だった。 「――と言いたいところだが、これも列記とした授業なので宿題を出さなきゃならん。せっかく実物が目の前にあるので、どの先生のでもいいからペニスをスケッチしてください。家に帰ったら教科書を元に各部位を表記すること。提出期限は明後日の体育の授業なので、忘れないように。では先生たち、またお願いします」 やっと解放されると思ったのに裏切られた三人はもう開き直りの境地に達していた。躊躇いなく陰部を隠した手はどけられ、役目を終えて萎んだイチモツたちが再び生徒たちに披露された。近くで見ると尿道に残った精液、或いはカウパー液が鈴口に滲んでいるのが確認できた。 「見えにくい人は近くに寄っていいぞー。そうそう、遠慮するな、前まで出てこい」 体育教師は青桐と黄瀬に生徒たちが集中すると心配していたが、赤松の前にもそれなりに生徒たちが群がり、三人の間で生徒たちはうまい具合に分散した。意外と小さいイチモツが好きな者がいるのか、それとも小さい方がスケッチしやすいという理由からなのか――なんにせよ、生徒たちが熱心に鉛筆を動かす姿を見て、教師は安心した。初めはチンコを見ることすら拒絶していた女子生徒たちも作業に集中していて、何度も実物を確認しながらスケッチをはかどらせた。 そうして年に一度の性教育授業は成功に終わった。だが、当の男子教育実習生たちはその後も通常の授業が残っており、着衣してからも生徒たちのいたずらっぽい微笑みに堪えながら業務にあたることを余儀なくされた。同期の女性実習生たちに関しては、お互い恥ずかしさのあまり目を合わすこともできずに終業を迎えたのだった。 ~ 男子教育実習生たちはその日の出来事を黒歴史として忘れるつもりでいたが、それが叶わぬことを三人は翌日知ることとなった。次の日、青桐が科学室に入ると教室の奥で人だかりができていた。 「おぉい、なに盛り上がってるんだ、みんな?」 「あっ、青桐先生!これ先生の精子なんでしょ?」 青桐はギョッとした。まだ昨日のトラウマが癒えていない状態で男子生徒の無邪気な問いかけはあまりにも容赦がなかった。 「こっちが赤松先生ので、こっちが黄瀬先生のだよね」 生徒たちが囲む壁には昨日の授業で披露された三人の精子の写真がA4紙にプリントされ、簡素な額縁に収められていた。持ち主の名前こそ書いていなかったが、それをリアルタイムで見た生徒たちには精子の判別は容易だった。 「うわぁ、こうやって見るとなんか生々しいよなぁ」 「こんなのが俺のキンタマの中にもあるのかぁ……」 「お前どうせ朝からヌいてきたんだろ、ほとんど金玉に残ってねぇだろ」 「ちょっと男子ぃ~!女子の前でデリカシーなさすぎ~」 「なんだよ、お前らだって先生たちの精子見れて面白がってるくせに」 「あたしたちは教育の一環として観察してるだけ!ね~?」 「そうよ!あんたたち男子みたいに何でもかんでもエロい目で見てないんだから!」 「はぁ?!清楚ぶってンじゃねぇよ!ブス!」 「はぁあ?!」 生徒たちの喧騒は青桐の耳には届いていなかった。彼は壁に貼られた精子の写真を見つめながら気が遠くなる感覚がした。だが、彼もいっぱしのオトナ、そして道半ばとはいえ若者たちを導く立場の教師である。青桐は息を深く吸い、気持ちを持ち直した。 「はいはい!そろそろ先生がくるから、みんな席について!」 「「「「「は~い!」」」」」 素直な生徒たちはお互いに捨て台詞を吐きながらも、言われたとおりに席に着いた。そうして、何事もなかったかのように普段通りの授業が始まった。 〆

教育実習生は〇教育の教材となるべし(3)

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