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はらぺこレディーズ

「こちら大食い彼女レンタルサービス、はらぺこレディーズになります。…はい。スペシャルBIPの方ですね?」 「はい。今回もとびきりの娘お願いしますよ?」 指定された場所に向かうと、そこは渋谷ハチ公前の広場だった。そこにはスマホを見ながら気怠そうに風船ガムを膨らませている、所謂地雷っぽいツインテールの女の子がいた。 「…あ?今日のお客さん?」 「うん。よろしく」 「うーっす。千春です。」 「……場所変えましょっか。色々話しやすいですし」 駅前から少し入り組んだ路地裏に案内され、今回のサービスについて確認をとった。 「今日はスペシャルBIPの、朝までコースですね?」 「うん。」 「はあ…まあ仕事なんで、良いっすけど、書いてある通り、お触りは食後のお腹と、デート中の手のひらのみ!変なとこ触んないでくださいね?大食いの終了は私達女の子が決めます。私が満腹って言ったら終了なんで、そこんとこお願いします」 「3回目だから、分かってるよ?」 「ホントですかあ!?写真や動画の撮影も絶対NGなんでお願いしますね?」 「うっす。じゃあ一軒目…」 僕と千春ちゃんは大食いサービスで食べるお店を手を繋ぎながら探していた。 「千春ちゃん若いよね?いくつ?」 「ゑ、それ聞きます?普通。」 「……17です」 「彼氏は?お父さんやお母さんは、この仕事の事知ってるの?」 「……チッ…あの!別に今満腹って言って帰ってもいいんすよ!?」   「そんな事したら上から怒られちゃうんじゃなかったっけ?」 なんだこのおっさん…すげえムカつく。 「…千春ちゃん、あれ見て?」 「…びっくりステーキっすか?あの店最近メガ盛りやってますよね」 「うん。だからさ、一軒目はあそこにしようよ!」 「…なんでも良いですって」 びっくりステーキに入店。カウンター席に座って、大食い彼女レンタルサービスの名札を見せた途端、お店の人からそれ用のメニューがあるけどどうされますか?と勧められた。おっさんはなんでも良いというので、私はこの店でメガ盛りが始まって以降、食べに来ていないので、とりあえずそのメガ盛りを3つ注文した。 一つあたり5キロもあるメガステーキが出てきて、私はそれに白米をお椀いっぱいによそってかぶりついた。 おっさんは私の食べる様子を凄く楽しそうに見つめていたし、それが凄く気持ち悪かった。私の大口に応じてどんどん膨らんでいくお腹も凝視して、初期の大食い膨腹を楽しんでいたようだ。 山盛りによそった白米も気がつけば4杯目。メガステーキの1つめを完食。一呼吸おく間も無く次のステーキにかぶりつく。 私は服のホックを外して、膨らんできたお腹を楽にしてやるのだが、その時の締め付けから解放されてズドンと前に落ちるお腹の瞬間や、私がふとした瞬間にお腹をさすった時の一挙動など、私の大食いの全てを舐め回すようにおっさんは凝視していた。 ご飯は8杯目に突入、2つ目のステーキも完食した。 既にご飯4合、ステーキ10キロを平らげ、既に11キロ近い量を食べている。お腹も出回っているギャル曽根とやらのお腹と既に遜色ない。 「すいません。ちょっとお手洗い良いですか?」 「どうぞどうぞ!」 私はトイレに入ると、スカートのホックを外した。 「ふう…」 11キロを食べた胃袋は、下は鼠蹊部まで身体全体に膨らみきり、あとは骨格をはみ出して前方に膨らむだけだ。ベルトもホックも外して、後は膨らむお腹に備えるだけである。身体全体に膨らむといっても胃袋からの内圧で内臓は圧迫されるため、私の身体の痛覚が正常でいられるうちは、食べれば食べるほど痛みが伴う。そりゃあ無理して胃を身体中に膨らませている上に、何十キロと分からない食事が胃に収まっているのだから、それくらいの負荷は必然ではあるのだが。既に元のウエストの1.5倍は膨らんでいるお腹を抱えながらトイレを出た。 顔色ひとつ変えずに3つ目のステーキも食べ進める。大口を開けて常人では考えられない速度で白米とステーキを頬張っていく。 ご飯は12杯、5キロステーキ3つを平らげた時には、周りからも歓声が上がっていた。完食したのは訳17キロ。一般的には見たことのない大きさのお腹を涼しい顔で見せつけながらも、店を後にした。 お腹をさすりながら、2軒目を探すべく歩いていた。 「凄いな千春ちゃんは。流石BIPの娘だよ」 「はい。お触り。どうぞ」 おっさんは私のお腹をなで回しつつ、こっそり背中の方に手を回そうとしたが、 「"まだ"そこはお腹じゃないっすよ!」 「えー!?お腹みたいなもんだってー」 「帰りますよ?」 お腹を撫で回されつつも、私はカバンの中に仕込んであったスナック菓子を移動中も頬張り、とにかく胃を休ませずに食べ続けるようにしている。 撫で回されながら歩いていると、二人の正面にはチェーン店のカツ丼屋さんがあった。 ちらっとおっさんの方に目線をやると目線があってしまったので、店内に入って、うちのサービスの連携メニューを注文。うちのサービスで求人している女の子は大食いであることは大前提に、加えてトークスキルや容姿もチェックされる。採用時の試験は大食いで、5キロの丼を試験時間内でいくらでも食べて良いという試験内容。試験時間内でいくつ食べたかでその娘のレベルは変わり、お客さんの希望するレベルに合わせた採用になるのだ。つまりは5キロは食えないと採用されないということを意味する。 うちの連携メニューのカツ丼は5キロなのだが、私はBIPの娘なので名札を見せると、店員は半分驚いたようにメニューを作り直していた。出てきたのは本来のメニューの倍はあろうかという量の丼だった。私は同じ量でも小分けにして食べるよりも、一度にまとめて寄越された方が燃えるタイプなので、こちらの方が嬉しい。 10キロのカツ丼というのは、この国ではどんなフードファイターでも完食するとなると腹を括る必要があるような大仕事だが、私は構わずガブガブと大口を開けてカツ丼を頬張っていった。 「うっひょー!たまんないねー!流石千春ちゃんだ!」 実際、すげえ美味いのでこれくらいのパフォーマンスは誰でも出せる。…食欲が残ってさえいればだが。 まるで掃除機のようにカツ丼を口に吸い込んでいったため、完食するのに30分もかからなかった。 丼を持ち上げて最後を口にかきこむと、厨房の方からすっげえという声が聞こえた。 「……げふっ…ごちそうさま…」 ちょっと頭がクラクラする…食べる時殆ど息出来てなかったからだろう… 「千春ちゃん最っ高!顔赤いよ?大丈夫?」 「ああ…いえ…はあ…はあ…だ、大丈夫です」 流石に飛ばし過ぎてしまったのだろう。一息つくとお腹に強烈な違和感がドッと襲って来た。胃もたれのような、胃がギュルギュルいっている。決して満腹とかそういう訳ではないが、少し胃に負荷をかけすぎてしまった。 間食含めて28キロ。お腹の皮が引き伸ばされ、お腹の膨張感によって痛覚が麻痺して、内臓の痛みだのなんだのはもう無くなってくる。ここからはお腹の皮がどこまで伸びるかと、胃の内圧に耐える事、胃のためにどこまで身体が歪んでくれるかの勝負になってくる。どんな人間でも、特に特別なトレーニングをしていない場合、大食いは30キロ前後が物理的な限界である。女体は身体構造上、妊娠をする都合である程度は腹部の膨張に耐性がある。大食いにおける膨腹でも同じであるが、私の場合、これくらいは日常的な範疇のため全く問題はない。むしろこちらとしては、色々な感覚が麻痺してくるため、これくらい食べてからの方がやりやすかったりする。色んな人からドン引きされるが…(麻痺、というよりもお腹の膨張感が凄まじ過ぎて内臓だのの痛みが打ち消されるの方が近いか?) 「ふんっ!!っっしょっと!!」 腰を入れて立ち上がる。慣れたものだが、やはり重い。 「…次。」 このお腹ではそう遠出は出来ない。すぐ隣のラーメン屋に入り、再び私の名札を見せて、二丁注文を意味するVサインを店員に見せた。 おっさんは移動中や、注文待ち、私が食べてる間もずっと横からお腹を触ったり撫でたり、突いてみたりと気持ち悪い行動をずっとしていたが、私自身、このおっさんの言動に文句を言えるほどもう余裕のある状態ではないし、ここまで食べるともう食欲に頭が支配されてしまうため、注意できない。 BIP用の私のメニューは9キロもの二郎系ラーメン。 ズシンとカウンター席に座ると椅子がメキメキと鳴り、山のようなラーメンを一心不乱に啜り続け、汁まで飲み干して一杯目を完食。 「……ブッ!ゴゲエエエエエエエッッップ!!!」 「ブビビビビビビビビビビイイイイイイイイイ!!!」 お腹の中で溜まっていた空気を排出。お腹をドンドン叩きながらお腹の張り具合を確かめる。お腹はギチギチに張り詰めている。、 味変のために唐揚げや餃子も注文して頬張りつつ、2杯目を平らげるのに大して時間はかからなかった。 「おかわりいい…」 「ゴゲェェェェェェェェェッッッッッップ!!!!」 おかわりの声を出しただけで、胃からの空気が逆流してきた。お腹を叩くと岩のように硬い音が鳴り響くだけ。 岩のように張り詰めたお腹にさらにラーメンを詰め込んでいくと、お腹はビキビキビキビキイ!!!と音を立てながら膨張していった。 「ブビィ!ブビビビビビビビビビビイイイイイイイイイ!!!」 口に入れる度に屁が漏れてお腹の膨張音がそれに続く。背中の方まで身体が膨張している感覚があるため、恐らく内臓からも凄い痛みが生じているのだろうが、それ以上に胃袋の内圧が凄まじくそれどころではない。 3杯目を完食。 「ごちそう…さま…」 「ふううう…んん…」 「お腹いっぱいですう…」 頭がぼーっとする。結構お腹の満腹ゲージが溜まってきたのだろう。お腹いっぱいと言ったのでデートプランは終了だ。 追加料金が発生する朝までコースのため、おっさんとはこのお腹の状態でホテルまで連行された。岩のように凄まじいお腹を抱えて移動できるのかとよく聞かれるが、基本は肩を貸してもらいながらの移動ではあるが、もうお腹は詰まるところまで詰まっているため、逆に嘔吐の心配はなく、ひたすら歩く振動によって揺れ動く胃の中身によって胃壁がグギグギと痛むことに耐える事くらいであろうか。 「ブビィィィィィィ!!!」 ホテルのベッドにズシンと腰掛けた時、絞り出たように屁が出て来た。浅い呼吸で精一杯呼吸をしながら、お腹をさする。 お腹は血管が青筋立っていて、豊満なはずのバストの3〜5倍はお腹は前に膨らんでいた。 「千春ちゃんでもこんなに食べるのはそうそう無いんじゃない?」 「そうっす…ねえ…ゲプウ……苦しいっす…」 片手で口元を押さえて片手でお腹を支えていた。 BIPの子の胃のキャパシティは大体50〜60キロとされている。大抵は表の世界でやらかしたりしてうちのサービスに引っ張られてきた、人外クラスの胃袋の持ち主。私のように、あまりにも特殊過ぎて表の世界で生活する事が出来なくなって、こういう特殊な仕事をしている人は、意外といるみたいだ。私の会社では他に4〜5人の娘を知ってる。 「千春ちゃんさあ…まだお腹いっぱいじゃないよね?」 ギク!? 「え!?やだなあ…もうお腹…いっぱいっすよ…」 というか、上から身の危険を案じて口が効けるまではセーブしてくれと言われている。利用規約があるとはいえ、お客様が仮に何をし出すか分からない以上、自分で自分の危険を知らせられなくなるまでの極限状態までのサービスは許可されていないのだ。 「お腹見てくださいよ。もうほら、こんな凄いことに…」 「話せるってことはさ?」 「んぐっ!?」 笑顔のままカバンの中に仕込んでいたケーキを口に押し込んできた。 「まだ食べれるってことでしょ?」 「ん…ごくん…困ります!吐いちゃう!お腹破裂しちゃう!」 「んぐっ!?んぐぐぐ!?」 構わず口にケーキを押し込んでくるおっさん。私の演技が下手だったのもあるだろうが、利用規約を無視するとは、今後一歳利用が出来なくなることを意味する。 「っていうか千春ちゃんだけじゃなくて、このサービスで来る娘全部そうだよね?皆ほんとのお腹いっぱいまで食べてないよね?」 「千春ちゃん1番タイプだったから、つい我慢できなくってさ。」 「んぐぐ!!」 実際既に満腹ではある。ただこのおっさんの言うお腹いっぱいとは、限界の事なのであろう。 「千春ちゃん!良かった!目が覚めた」 「ふぇ…あ。そうか…」 私は最高に気持ち悪いおっさんの顔を見ながら、ケーキを口に突っ込まれていたのであった。たまに朝までコースに発生する、利用者が暴走してサービス終了後に女の娘にご飯を与え続ける強制飲食であった。 個人の身体や欲求を超越した強制飲食は、私の身体に凄惨な悲鳴を鳴らした。さらなる膨張を強いられた胃袋は私の骨格を内側から圧迫して無理やり押し広げざるを得ず、グギグギと身体中が痛かったのを覚えている。 結局、サービスの危機感知機能が上層部に通報をして、1時間程経ったらおっさんは強制連行され、私の強制飲食は終了したのだが、程なくして私は意識が飛んでしまい、気がついたら事務所の休憩室に寝転んでいたのであった。 「身体は大丈夫!?すっごい食べさせられたんでしょ?」 「大丈夫っすよ…別にこれくらい…いつものことなんで…気絶しちゃったのも、おっさんの圧のせいで殆ど息できなかったからだし…」 「研修の時の量と変わらないくらいだったし…」 「研修の時千春ちゃん気絶しちゃったから心配してたのよ。」 「ええ!?2回目は大丈夫っすよ。」 「うちらの研修はカロリーとか凄く少ない重量用の食材だから、外で同じ量食べたら間違いなく身体ショートしちゃうんだって。」 「そうなんすか?なんかくやしいな…あのおっさんに負けた気分…」 「ま、次の出勤日までお腹休めて、また稼ごうよ」 「ゴギュルルルルルルルウウウウウウウウウ!!!!」 お腹の音が鳴り響き、まだお腹が消化中である事がわかった。 「…私、どんくらい寝てました?」 「丸々2日。それでまだそんなお腹膨らんでるんだから、無茶しちゃだめだよ?」 千春のお腹は、(私の目分量的には)25キロ相当の重量感とお腹の膨張感を示していた。 「はあ…先輩凄いっすよね。消化も速いし…私なんてまだまだペーペーなんだなって思いますよ」 「やってれば身体も慣れるからねえ。千春ちゃんの歳でそんなに食べれる時点で、私はめっちゃ凄いと思うなあ…」 「…そういえば、先輩はいつから大食いしてたんでしたっけ?」 「あー…えーっとね…大食いだって自覚したのは、高校生の時かな。気づいたら20キロくらい食べちゃってさ…」 「20キロなら表だとギリギリセーフなんだけど…それから大学で彼氏できちゃって…それ以降かな…」 「へえ…彼氏っすか。良いですねー。」 「あれ?もしかして千春ちゃん、もしかしてその身なりで…」 「や!やめてくださいよ!こっちはこっちで複雑なんですから!」 「へへへ。まあ、これからも仕事頑張ろうね!」 先輩は休憩室を後にすると出勤していった。 …あれ?シフト表みたけど、あの先輩って、昨日に出勤あったよね?しかも先輩BIPだし…え?名前は…上坂…上坂先輩か…殆ど他人に興味の無い私で、人の名前すらもろくに覚えない私であったが、あの先輩の名前だけは妙に頭に入るのであった。 「お察しの通り」 横から急に声をかけられたのでビックリした。男性?うちにはスタッフ以外男はいないはずだが… 「!?」 「君みたいなのを性的嗜好とする妙な人達のための派遣会社、はらぺこレディーズ。あの人はうちの最古参にして、創設のきっかけにして、最強の大食い女。」 「へえ…」 「食事速度、胃袋のキャパシティ、消化速度、短期食事量も1日を通した食事量も、ありとあらゆる大食いに対するステータスにおいて、うちらのどの娘にも引けを取らない最強の存在、それが上坂佳奈。」 「……あんた誰?ろくに飯食えない癖に私に話しかけないでくれる?」 「近藤千春…小学校卒業頃から大食いの才能を開花し、中学卒業の頃には近藤家の資産を全て胃袋に納めて一家離散。中々イカれた経歴じゃないか」 「…だから?履歴書にそう書いてあるでしょ?それが何よ。」 「一つ!千春ちゃんにお願いがあって来たんだ。」 「君は、上坂佳奈を超えてくれ。」 「はあ!?」 「君はまだ若い。時間もある。」 「だから何言ってんだって!!言ってんだよおお!」 「君はこのままここに居続けてどうしたい?何がしたいんだ?」 「……」 「分からないんだったら、このイカれた世界で頂点目指してみろって言ってんだ!」 「……それで?上坂佳奈を超えたら、どう見返りがあるんだ?表になんてもう興味ないし、私が望む事なんて殆ど…」 「…いや、分かったよ。じゃあやってやるよ」 「お、やる気になってくれたんだ。それは良かった。」 「あのババア、正面から潰せば良いんだろ!」 「そう。千春ちゃん、頑張ってね」


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