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土装番
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姿を似せたアンドロイドと共にいつか機械化を 1話先行公開版

 現代よりもやや離れた未来の時代。それは、幼年期から成人まで最初から様々な年代の姿で生まれ動く機械人形、アンドロイドが存在する時代。  最初からある程度設計された擬似人格や、まっさらな状態から徐々に学習させて擬似人格を形成させたりと、人間とはまた違う在り方を持ちながら、アンドロイド達は人間社会にすっかりと溶け込んでいた。  そんな中、とある女性研究者が、人間の脳内情報を電子データ化して機械の身体に移して生まれ変わるという技術を、たったひとりで追求し続けていた。  女性の名前は中原恭子。研究者の中ではかなり若く、それでいて才色兼備を体現したような人物である。  彼女は、いずれ己が機械の身体へ生まれ変わる日を夢見て、ひたすらに自分が出来る事をして前進し続けていた。  これは、ひとりの研究者と、彼女が新たに造ったアンドロイドの間で生じた、色んな欲望に爛れた日々の話である。 * * *  とある都心からやや外れた土地に建てられた個人研究所。  そこで人間の完全機械化を達成するために研究し続けている中原恭子は、毎日のように己の理論と結果に向き合い続けていた。 「よしよしよし、これが出来るのならもう少しでトンネルが抜けそうだ……!」  彼女は研究室では常に白衣を着ているが、その下は全裸姿という痴女のようなスタイルで生活していた。  少しだけ茶色がかった、ワンレンボブの額出しなセミロングヘアーでありつつ、後ろ髪は場合と研究内容によっては束ねて纏めている。  肌は全体的に色白気味で、顔立ちはそれぞれのパーツがはっきりとしつつシュっとしていて、美貌という言葉がまさに似合う大人の女性的な美しさを持っている。集中しているときは眼力があると他者には言われる。  それでいて女性の平均身長よりも高めで、全裸姿に白衣という格好であることを除いても非常にスラッとしていて全体の造形がとても美しいスタイルを持っている。  歩く姿は様になり、さらには動く度に揺れを四人してしまいそうなくらいにはっきりと大きな両乳房が、白衣の谷からはっきりと球体と谷間の姿を表している。下手すれば、隠れた乳首が見えてしまいそうなくらいに。  そんな理想の美女という言葉を形にしたような彼女が没頭する機械化技術は、ここ最近ではもしかしたら実用化まで漕ぎ着けるかもしれない、という段階にまで入っていた。 「長かった…………だが、ここで慢心しちゃダメだ。あたしの目標はまだ達成されたわけじゃない。ここで気を引き締めなければ」  生体脳を電子部品へと変換させることで脳内情報を電子データ化しつつ部品のひとつとして扱えるようにし、それを機械の身体へ移動させ、生身の身体を捨てて生まれ変わる。  それが、現在彼女が目指している理想の最奥である。  彼女が機械化に拘る理由は複数存在している。  これからも発展し続ける機械文明の成長に合わせて、デバイスではなく己の身体そのもので恩恵を受けられるようにするため。  己の美貌と己の女体が持つ色気や魅力を理解している自分自身が、それを永久的に保ちつつさらなる理想の身体を造形し、より性的快感を得るため。  自分以外も機械化が行えるようにして、人類のさらなる進化に貢献をするため。などなど、自分だけの邪な理由から、高潔な理由まで、恭子が抱く動機は、このように多岐にわたった。 「………………そろそろ『造っておく』べき頃かな?」   ようやく己の研究が目指すべき一旦のゴールがわずかに見えてきたところで、恭子はあることを思い始めた。  全身機械化の為には、移行するための身体が必ず必要となる。  となれば、もうそろそろ新しい身体を造って準備しておいても良いのではないか。  さらに、それに連なり、彼女は自分の助手が欲しいとも思い始めていた。  かつては助手や共同研究者がいたが、もうそれもいない。今はひとりでずっと研究を継続し、ひたすら探求を続けていた。  当然、日常生活も全てひとりで行っているが、生活空間は汚くまともに片付けもできていない。  そのような事情もあって、恭子はここで、自分の機械の身体と一緒に、助手兼お手伝いアンドロイドを一緒に造ってしまおうと思い立ったのだった。    「そうと決まれば、早速造っていこう。それと一緒に、これまでの研究データの整理もして……さてさて、自分ごとながら忙しくなるぞー」  そうと決まればと、恭子は早速機械の身体の製作に着手した。  既にその為に必要な部品は用意しており、いつでもその時が来れば設計、製造に取り書かれるように予め準備をしていた。  そして今日この時間からがその時。恭子は溢れる脳内物質に身を任せ、己の野望と欲望のために脳と手をさらに動かし始めた。  そしてそれからしばらくの月日が経ち、恭子は二体のボディを製造した。 「よーし、これで準備は整ったぞ……! こっちが新しいあたしの身体で……こっちが……これからあたしの助手になるアンドロイドっと。まあ、どっちも見た目は自分なんだけど」  製造した機体はそれぞれ、無数の機器が置かれている研究室の一角に新たに設置された格納ポッドに収められている。  両機体ともに見た目は同じで、容姿のモデルも恭子本人を模ったものになっている。  しかしその姿には、彼女のさらなる願望が詰め込まれていた。  顔は現在の美しい顔のままでありつつも、とても小さな微調整で、より大人びた美しさを帯びる顔立ちに整えられている。  疲れや寝不足、加齢などによって、気をつけていながらもどうしても生まれるシワやシミは、人工皮膚が使用された顔には一切存在しない。  元々サイズの大きくハリのある乳房は、現在よりもサイズが増量され、どんな姿勢であっても正面に突き出している程の艶めかしいハリを抱いていた。  揉み心地は申し分なく、片手では収まりきらず、揉みしだいたり思いっきり顔を埋めたくなるサイズ感。さらには人間の乳腺機構を再現しつつ独自のポンプ式の機構を組み込むことで、自由自在に補充された液体を放出できる機能の実装を実現させた。  胸のボリュームは増量されているが、胸から下の肉感はある程度保ちつつも無駄肉と感じられるような箇所はなく、筋肉質な引き締まった腹部や背面部、太ももや脚の美しい曲線的な形と、彼女の女性としての理想や魅力を詰め込んだ容姿が実現されていた。  これは、元々自分が女性として美しい容姿や身体を持っているというナルシズムと自信から来るデザインでもある。 「さて、ではそろそろ起動しようか。これからよろしく頼むぞ」  しばらく視覚的に新しい自分の身体になる予定の美しい女体を堪能した後、恭子は並べられた二台の格納ポッドのうち、右側のポッドに近づき、すぐ側に設置された端末機器からの操作を始めた。  自分の身体を持つアンドロイドを起動させるための最後の作業。それを終えると、ポッド内の機体が小さな唸り声のような起動音を鳴らし、ゆっくりと目を覚まし口を開いた。 「…………電源が入力されました。起動を開始します」  ポッドの傾きに従った斜め上の視線を保ったまま、そのアンドロイドは天井へ向かって、淡々として抑揚のはっきりとしたシステムメッセージを喋り始めた。  見た目は恭子の理想が反映されたものだが、その音声は自身の理想に最も近い、色気のある大人の女性ボイスに非常に定評のある女性声優の音声から作成した合成音声データを使用している。  これは恭子自身の声が、理想に反してやや少女性の残った可愛らしさのあるものであることに由来している。  自身の音声データも残してはいるが、それはあくまで本人証明のためのもので、本来は大人のお姉さん的な、少々低めでありつつも女性的な高音を含んだ声に憧れていた。  アンドロイドボディは、声帯式の発声ではなく、喉奥に備わったスピーカーによって発声が行われている。そのおかげで、複数の声を自由に切り替えられるようになっている。  そんな理想の声が確かにその口から聞こえてきたことを密かに歓喜しながら、恭子はじっくりと、彼女が起動する様を目に焼き付けた。 「初回起動の為、自動セットアップを開始します。任意の設定変更を行う場合は、外部端末からの操作を行ってください…………………」 「ふふふ、もうすぐ起動するのかあ……楽しみだな」 「…………セットアップが終了しました。機体名が登録されていません。機体名を登録してください」 「ああそうだ、そういえばそうだったな。名前を決めておかねば。あたしの分身でもあり娘みたいなものでもあるしな」    事前に設定しておけば流れないメッセージに、そういえばやっていなかったとうっかりのミスに気付かされる恭子。  分身のような姿とはいえ、そのまま自分の名前をつけるのは何かと面倒なことになるだろうと予測できる。  2分ほど頭を捻って考えたところで、恭子はある名前を思いつき、端末から入力した。 「機体名は『セレーネ』でよろしいですか? …………機体名『セレーネ』を登録しました」  綺麗な響きの名前であり、元々美しい自分の用紙をさらに洗練されたものにしたアンドロイドに相応しいと彼女が感じたものである。  こうして全ての初回作業がようやく終了した。 「初回セットアップが終了しました。人格学習プログラムを起動。通常稼働を開始します…………」        そして、名付けられたばかりのセレーネは、自らゆっくりと立ち上がり、首筋に接続された充電ケーブルを取り外し、とても自然な動作でポッドの中から床へと降り立った。 「………………」  セレーネの立ち姿は、まさにお手本のようにとても綺麗で、ガラスケースのマネキンやファッションサイトのサンプルに掲載されているようなモデルのようにまっすぐかつ背筋を伸ばして立っている。  その姿勢の分、ロケットのような乳房のハリがより強調されているが、全身から溢れた色気とは対称的な無表情が、まさにアンドロイドにしか感じられない魅力を生み出していた。  無言で眼球を単体で動かし、絞りを拡縮させながらやや散乱気味な研究室をじっと視認していく。  それから、自身のマスターである恭子を視界に捉えると、予めインストールされた顔情報を照合。彼女がそのマスター本人だと確認すると、セレーネは迷わず前進し、今にも両乳がくっつきあいそうな距離まで近づいた。 「おはようございます。はじめまして、恭子様」 「ふふ、おはようセレーネ。無事に起動してくれて嬉しいわ」 「ありがとうございます。これより私は、恭子様のサポートアンドロイドとして稼働します。どうぞ、私をご自由に利用してください」  自分の理想の姿が、自分の理想の声で従順かつ立っているだけでも官能的な姿を披露してくれていることに、恭子は今にも抱きつきたくなりそうになっていた。 「もちろんよ。そのために造ったんだから。それに、あなたの人格の成長もじっくり見てみたいしね」  恭子は今回、最初から性格や傾向をデザインされた擬似人格ではなく、一から新規の人格を学習させ形成していくことを選んだ。  元々彼女には助手兼お手伝いアンドロイドとしての役目を期待している分、性格には全く拘る必要がなかった。  そこで、出来合いの擬似人格ではなく自分と生活していく上で組み上がっていく姿を楽しもうと考えたのだった。 「はい、恭子様のご期待に添えられるように」 「そんな堅苦しく考えなくていいのよ。とりあえず、抱きつかせて?」   恭子は、これまでの疲れを全て沈めていくかのように、セレーネの背中に腕を回して抱きしめ、お互いの乳房が一旦潰れた後、少しだけ姿勢を低くして乳房に顔を埋めた。  生身の皮膚や脂肪ではない、シリコンと人工乳腺のとても柔らかく、包み込んでくれるような感触が、彼女の身体を支配した。  セレーネは、まっさらな基本人格らしい反応か、じっと視線をマスターの顔に合わせるように真下を向きながら、ずっと感情のない仏頂面で見つめ続けた。 「はああ気持ちいい……作ってよかった……これからよろしくねセレーネ……」 「はい、よろしくお願いします、恭子様」  こうして、お互いほぼ同じ姿をした、機械を目指す女性と、機械になることを見守る機械人形の共同生活が人知れず始まったのだった。    * * *  それまでひとりで続けてきた研究と生活に自分の姿をしたアンドロイドが加わり、より効率的に、余裕を持って作業と生活が行えるようになった恭子。  その変わりぶりは、自身でもはっきりと違いが体感できる程だった。 「セレーネ、A2とA3のファイルを持ってきて。それから、あとで学習元のデータを指定するから、昼ごはん片付けたらあたしが呼ぶまで人格学習を進めておいて」 「かしこまりました。指定された物理ファイルを持ってきます」  稼働してから間もなく、セレーネは個人研究所内に何があるのか、置かれているものは何なのか、それらは何に使うものなのか。ありとあらゆる情報をプログラムされ、恭子とほぼ同等の理解が進められた。  その上でセレーネは、恭子と違って散乱した物品類を徹底的に整理し、かつそれぞれの道具や本、電子機器などがバラバラにならないように整頓された。  結果、恭子の自宅兼研究所は、短い期間で見違えるほどに綺麗になっていた。  片付けた道具の場所も、それまでの保管物と同様に全て把握しているため、指示を貰えばセレーネがきちんと持ってきてくれる。  機械的な正確さが非常に有用に働き、まさに求められている役目を完璧にこなしていた。 「ふう……今日はこれで一区切りかしら……」 「お疲れさまです、恭子様」    「あぁ〜〜セレーネ〜〜疲れたぁ……あたしを抱きしめてぇ〜〜」  恭子は常に白衣一枚で一日を過ごしているが、セレーネは起動時からずっと変わらず、一枚も衣類を身に着けていない状態で動かされている。  様々な理由がそこにはあるが、そのひとつはこの時のように彼女の女体に甘えたい時、すぐさま思いっきり埋められるようにするためである。  恭子はどろどろと身体獣の穴から疲れを垂れ流すような甘え声で後方に振り向き、人間の体温よりもやや冷たい豊満な女体の谷間に顔を埋めた。  セレーネはそれに応えて、これまでの学習内容から身につけた対応方法として、優しく背中に左腕をまわして、右手で頭を優しく撫でた。 「あーーセレーネの胸柔らかくて気持ちいい……ちょっと冷たいのがいい感じに頭が冷える……」 「恭子様、現在ホットミルクを作成中ですが、冷やしますか?」 「あーーーーー…………いや、そのままでいいよ。ホットミルクを胸に入れて飲ませてーー」 「かしこまりました」  マスターからの命令を聞き入れると、セレーネは一度優しく恭子の頭を離しつつ後退し、キッチンの方へと移動した。  そこで、弱火でちょうどいい具合に温まったミルク入りの鍋を軽々と手に取ると、彼女はそれを口に当て、熱がる様子もなく流し込んでいった。  鍋の中身が減っていくごとに、右乳が左乳よりもわずかにサイズが大きくなっていっている。  全て飲み干し、水道水を軽く注いだ鍋を置くと、彼女はすぐに元の場所へ戻った。 「お待たせしました。現在、ホットミルクが右胸に補充されていますので、ご自由にお飲みください」  右乳を右手で軽く持ち上げ、飲料バッグのように扱いながら、恭子の目の前にピンク色の乳首を差し出すセレーネ。  飲みやすいようにする調整として、控えめに飛び出している左乳首に比べて、右乳首が明らかに固くなりつつ機能的に伸びており、吸引または放出しやすくなっている。  セレーネ自身の判断で自在に調整できるように実装した恭子は、己が組み込んだ機能がきちんと働いていることを確認しながら、喜んで右乳に顔を埋めて右乳首を吸い始めた。 「やったぁーーーー…………ん……ん……んむ…………」  まるで哺乳瓶を吸っているかのようなスタイルに鳴る恭子。周囲には誰もおらず、誰かが見に来るようなこともない分、堂々とひと目には晒せないような振る舞いも曝け出せる。  軽く乳首を甘噛みしながら吸っていくと、先程温められたばかりのホットミルクが、母乳のように放出され、恭子の口内を潤していった。 「……………………」  ドリンクサーバーのようにホットミルクを放出している間、セレーネはじっと自身の胸に食いつくマスターの頭をじっと見つめながら、乳首に刺激が与えられる度に小さく震えていた。  それは、彼女の喉と舌が満足するまで継続し、乳首から口が離されたところでようやくその震えは止まった。 「ふう……やっぱり、コップで飲むのとはわけがちがうわね。セレーネの胸から飲んだほうが断然美味しいもの」   「ありがとうございます。そう言っていただけるのは光栄です」 「といってもあたしがその機能実装したんだけどね」  我ながら良い機能を実装したものだと、憧れと願望を詰め込んだ性的機能の動作に胸を熱くしながら見つめる恭子。  すると、彼女の視線は、わずかなホットミルクのしずくを垂らす右乳房から下に移り、股間へとスライドしていく。         すると、セレーネの股間に実装されている愛玩用の女性器ユニットからは、室内の明かりが反射してきらめく膣液がわずかに漏れ出していた。 「いい感じに反応してるじゃない。快楽信号の挙動に異常はない?」 「はい、異常はありません。快楽信号に連動した人工膣液の排出は正常に動作しています」  セレーネの身体は、各部センサーを通して普通の人間よりも敏感に性感を覚えられるように調整されており、設定された性感帯へ軽い刺激でも与えられればすぐに反応が発生するようになっている。  センサーから生じた信号を処理し、それに応じたプログラム通りの挙動を発生させる一連の正しい動作。人間が起こす一通りの性的な動作を機械的に再現したセレーネの動きは、魅力的な女性の形を被っていることで人間的な卑猥さを出力していた。 「よかったよかった。あたしが機械になれた時、えっちなこと愉しめないと嫌だものね。そのための機能でもあるんだし」 「恭子様は、機械化後の性行為を求めているのですか?」 「性行為というよりか、気持ちよくなりたいのよねー。常時欲求不満というか、それを自由に発散できればなーって思ってるだけよ。だから、機械化したらもっと気軽に気持ちいいの得られるかなって。一時期、自分の理想に改造したローターを挿入しながら研究したり、一日を過ごしたりしてみたけど、結局何か違うというか物足りなかったというか、満足できなかったのよね」  恭子は全身機械化を研究するよりも以前から、常に性欲が満ち溢れている状態が続いていた。  だからといって誰かとセックスをするというわけでもなく、むしろそれ以上に機械化の理論を確立したいという欲求の方が上回り、彼女の一日は研究と自慰とそれ以外という極端な日常になっていた。  機械化は人間をさらなるステージへと上昇させてくれる。機械としての機能を用いれば、より人間だった頃よりも便利で快適で快感な生活を作り出せるはずだと彼女はずっと思っている。  その思想が、セレーネには色濃く反映されている。故に、彼女のボディには、性感が生じるキッカケが人間よりも多く作られていた。    「………………ねえ、ちょっと動作テストも兼ねてね、あなたの身体で遊ばせて。修理もすぐに終えるから」 「はい、構いません。どのようにご利用しますか?」  そしてそれは、セレーネを愛玩人形のように扱うことに非常に向いている。  淫らさを感じさせる乳首や乳房の動きや、女性器がじんわりと濡れている姿、何より自分の理想の姿が、無表情のままそんな痴態を晒していることに興奮が高まり、恭子は今ここで彼女を弄ってあげたいと思い始めた。  早速了承を得た恭子は、すぐそばに置いてあった、細い金属製のシャープペンシルを手に取り、セレーネの下腹部にツンツンと突き立てる。 「ここをね、こうやって思いっきりね」  すると、彼女は一気に力を入れて人工皮膚を貫き穴を開けた。  その瞬間、セレーネは乳首を噛まれた時と同じ震えを起こした。 「下腹部の人工皮膚が損傷しました」 「大丈夫よすぐ直してあげるから。それでこれを……」  セレーネからの報告を受け流しつつ、恭子は貫いたシャープペンシルを思いっきり下方向へ動かし、ぶちぶちと外性器付近まで人工皮膚を裂いていった。  そうして晒されたのは、女性器ユニットの付属パーツとなる子宮ユニットに、膣内部分を作り出すピンク色の肉筒である膣ユニットだった。  裂けた箇所からは血の一滴も流れず、膣内部分は快感を覚えているかのようにぴくぴくと震えている。  そんな生々しい雰囲気のあるパーツの周囲は、配線や金属骨格が埋まっており、その生身っぽさと機械らしさのアンバランスさが、より非人間らしさを強調していた。 「どうセレーネ、今気持ちいい?」        「はい。先程よりも快楽信号が増加しています」       セレーネは人工皮膚内に埋め込まれた無数のセンサーが受けた圧力によって送信する信号を変化させ、それを電子頭脳が処理しているが、それらは設定次第でいくらでも変化が加えられる。  痛みに属する反応を発生させるための痛覚信号を、恭子は今、快楽信号として処理するように設定し、ボディが破損したり多少乱暴に扱われても性的快感と同様の感覚を認識するようになっている。  その為、セレーネは下腹部の人工皮膚が破れた瞬間、性感の反応を起こしたのだった。  これは、いずれ恭子自身が機械化した際の願望でもある。  彼女はこの設定でより楽しむため、開いた下腹部に右手を突っ込み、芯を引っ込めたシャープペンシルで金属骨格の関節部分をぐりぐりと弄り始めた。  人工皮膚によって遮られていた駆動音がより鮮明に聞こえ、セレーネが無表情のまま身体をくねらせる。   「動作不良の原因になります。速やかに中止してください」  「指定したメッセージはちゃんと出てるわね。これが破損の原因になることもよく理解してるし、いい具合ね」  関節がシャープペンシルを巻き込むかどうかというギリギリを攻めながら、彼女の操り人形のような挙動を楽しむ恭子。  その間にもセレーネは快楽信号を覚えているのか、微量の人工膣液や、右乳首からホットミルクのしずくと共に空気を噴き出していた。 「これと一緒にぃ……」     性行為とは程遠い行動によって発生する、自らが設定した性感反応を楽しみながら、今度はそれそのものに近いことをしてあげようと、恭子は左手で膣ユニットを握り、親指と人差し指で子宮ユニットを摘んでぐにぐにと揉みほぐし始めた。  すると、セレーネは無表情のまま背中を仰け反らせ、両腕を風に動く枝のように揺らし始めた。 「快楽信号の許容量を超えています。間もなく絶頂反応を実行します。動作不良の原因になります。速やかに特定箇所の異物を排除してください」  一連の行為は、大雑把に括るならば「性感帯である性器に刺激を与えて快感を得るための性行為」となるが、到底人間にはできないやり方であり、機械の身体でしかできないようなことである。  恭子が左手に感じている感触も生身の肉のようなそれではなく、ツルツルとしたゴムらしい弾力と抵抗であり、目を瞑ればそれが女性器とはおそらくわからないだろう。  むしろ、オナホールのようや性玩具を扱っているような手触りだが、それは今セレーネの電子頭脳と繋がり、仕込まれたセンサーを伝って人間の感覚と同じように快感を伝えている。  それはまさに、恭子の理想を体現している姿でもあった。 「うーん、挙動はとってもえっちだけど、人格の学習が全然進んでないとやっぱりこんなものよね」  しかし、身体やシステムが完璧な理想を構築していても、まだ学習量が全く足りていない人格が、快楽に対する理想的な反応を起こしていない。  そこにデータ化した人格を乗せることが最も適当であり、理想であると恭子は考えているが、まだそこに至れていないことが歯痒さを覚える要因でもあった。  だがその一方で、無表情のまま感じている反応を見せる姿にまた別の魅力を見出しているのも事実。  丁寧に自分はもうすぐ絶頂しますという機械的な宣言をむしろ可愛らしく思いながら、それをさらに煽ってあげるために、金属骨格に挟んでいたシャープペンシルを抜き、今度は強く激しく揉み込んでいる最中の膣内へと挿入した。  細長い硬質の物体が、柔らかな膣内を鋭利に刺激し、さらなる快感を発生させる。  セレーネは表情以外は気持ちよさそうにガタガタと震え、今にも崩れそうな足元のバランスをなんとか保ちながら、下腹部の穴から姿を出す女性器ユニットをバイブのように震わせた。  そして、一瞬ピンク色の肉筒がぶるっ、と痙攣したその瞬間、遅れて彼女の身体が乳房と連動する程に大きく揺れ動き、無言で絶頂の挙動を引き起こした。  人工膣液の潮が股間から噴き出し、恭子の右腕を無色透明の粘液で濡らす。  同時に、ホットミルクがわずかに残存した右乳から、霧スプレーのような液を空気と共に噴き出し、周囲を二種類の液体で濡らしていった。 「…………絶頂反応を実行しました。各種ユニットからの快楽信号が継続しています。電子頭脳の正常な動作に支障をきたすおそれがあります」  嬌声や喘ぎ声など一切なく、ただただ淡々と電子頭脳内で達した事実を報告するセレーネ。  身体はまるで生きているような動き方をしているのに、声と顔だけは非生物的な様相を呈している。  足元は常にふらついており、今にも膝から崩れそうになっているのを、なんとかバランサーによる制御で保っていた。  恭子は彼女の身体から手を離し、少しだけ後ろに下がって距離を取る。下腹部の穴から覗かせる女性器ユニットがひとりでに震えている姿は、女性の形をした機械にしか宿らないエロティックさを見出していた。 「性機能はきちんと……いえ、期待以上にきちんと動いてるわね。これをこのまま感じられるとなったら……機械化への期待が止まらないわね!! これはもう絶対実現させてやらないと……!」                 セレーネ固有の人格データがまだ形成されきっていないからこそ、反応への物足りなさを感じてしまうが、それでもここまでの痴態を晒すほどの気持ちよさを感じられるならば、より機械化した際の期待が高まっている。   機械になれば、これ程の新感覚な性楽が得られるのか。人格の学習が全然進んでいない状態でこれ程の挙動を起こすのであれば、自分がそれを体験したとなるとどれ程の快感になるのだろう。  目まぐるしく希望的観測が脳内で渦巻きながら、恭子は早速彼女の損傷部分を直す為の修復剤と予備の人工皮膚、その他器具類を側に置いた。 「ほらセレーネ、修理してあげるから膝崩していいわよ」 「かしこまりました」  それを聞いたセレーネは、すぐさま膝を地面につき、少しだけ背中を後ろへ仰け反らせた姿勢のまま震え続けた。 「これからあなたが学習を重ねるにつれて、どんなリアクションをしてくれるのか、どんな姿を見せてくれるのか楽しみだわ。あたしがあなたと同じ機械になる時も、またその先も、是非とも楽しませてね」 「かしこまりました、お任せください、恭子様」  こうして、機械を目指す研究者と、人間らしさに近づいていくアンドロイド、瓜二つな生身と機械の美女同士の奇妙な共同生活が幕を開けたのであった。   


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