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【感想・考察】Sonny Boy(サニーボーイ)観ました。【ネタバレあり】

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 『サニーボーイ』の再放送を見たので(二周目)、感想や考察などを書いてみます。SFファンタジ-青春群像劇って感じでしたね。見終わった瞬間、思わず「若いな〜(いい意味で)」って思いましたけど、さわやか?で、好きな作品です。なんせキャラクター原案があの江口寿史という伝説級の神を持ち出してきおった! さらに、主題歌は銀杏BOYSの神曲になっていて、これで勝ち確ですね。ダブル役満です。ただ、「サニーボーイ」ならスペルは『SUNNY BOY』じゃねえの?スペルミスかな?と一瞬思ったけど、そこはまあいいか(笑)。

 サニーボーイは作画は超好きなんですが、どストライクのシコキャラってあまりいなかったですね。みんな「あぁ〜いそう!」って感じのリアルな人物像だったし。強いて言えばほぼ出番のなかった部活少女つばめ。彼女がセンターに映ったカットは「元の世界に戻れなくて部活の大会に出れなくて泣いてる」的なシーン、あの1シーンしか記憶にないです(笑)。能力もたしか一回も使いませんでしたよね。活発そうだけど、セリフ自体ほぼなかったでしょ? ただ、ビジュアルはダントツにかわいい。何部なんでしょうか。日焼けと髪型から、ソフトか水泳か、陸上ですかね? 日焼けあとにオイル的な何かしらを小一時間塗りこみたいです(笑)。ちなみにイラストはトレースですよ。


 本作をざっくり言うと、不遇の家庭環境からか冴えない少年の成長物語と青春群像劇を、相対性理論と量子力学理論(特にシュレディンガーの猫)で料理した、SF異世界ファンタジートランス絵巻リアル風味しお味、って感じですかね? なんやそれ(笑)。リアルタイム放映時、チート主人公が無双するなろう系異世界転生ものへのアンチテーゼとか言われてた気もしますけど、監督は別になろう系とか全然興味ないと思いますけどね。作風のリアルな語り口も手触りも、現実はややしょっぱいぜ、っていうスタンスも好きですよ。絵も曲も好きだし、キャラもいやなやつ一人も出てこないし、ストーリーもどのようにも読める部分はあるとは思うけど、かなり面白かったです。ちょっと切ないですけどね。

 最終回の結末が炎上とまではいかないけど、納得できない!って感想をもったファンも多かったらしく、僕は全然そんなことなかったので、意外です。最終回の希が、それまでのキャラと違いすぎるって声があるようで。朝風と付き合ってる?のも納得いかんと。長良もちゃんと漂流世界の希との約束を守って、別人?ではあるかもだけど希が生きてる世界の希にちゃんと「もう一度友達になろう」と声をかけるべきだった、それで長良と希がくっつけば、みんな納得したんでしょうか。僕的には、あのラストも非常にスッと入ってきて腑に落ちたんですよ。というのも、いくつか理由はあるんですが、まず僕は本作を「大量消費される物語作品」として読んでなかったのもあると思います。みんなが期待するような予定調和にはならないぞと、この監督は多分なんでもやってくるぞと思ってて。冒頭からストーリー展開が定石というか一般的な手順を外してきていたし、話も進むにつれ圧倒的な脈絡のなさというか荒唐無稽さで。SFやファンタジー・成長物語や青春群像劇を題材に、相対性理論や量子力学の文脈で描いてはいるけど、ファンタジーの素材でリアルの話をしているなと、最初からそう思って見てたんです。なので、「現実ってこんなもんだよね。いい意味でも悪い意味でもなく。非常にフラットに」って思いました。あと、長良っていいやつだなって。これにも理由があって、僕独特の読み方かもしれないけど、漂流世界は長良の心象風景の世界の延長みたいなもので、瑞穂の超能力とかと混ざり合って起こったものとみていて、要は、希が死んでしまった世界が嫌だったので、朝風と付き合うことになるのはなんとなくわかってるけど、それでも好きな希が生きている世界・希自身が望んで目指していた世界を長良が選んだ、って思ってるんです。好きな女の子の願いが叶ったならよいのだと、好きな子が幸せなら、あえて自分が希が選んだ世界の希に(今は)声をかけなくてもいいのだと、そういう考え方だと思うんです。同じ希でも、約束をした希(死んでしまった漂流世界の希)と朝風と楽しそうにしている希(希が目指した世界の生きている希)は全くの別人ですから。僕も、長良と同じ意見というか、まったく賛成です。少なくともあのタイミングで声をかける必要はないと。長良自身も「この先はもう少しだけ長い」と締めていて、死んだ希との約束を別の世界の希に対して果たす可能性がまったく無いわけではない、ということを匂わせてますし。もしも希が朝風に愛想を尽かしてまた自分と接近するようなことがあったら、そのときは長良のタイミングで漂流の話をしてもいいと思いますけどね。それは長良が決めることでしょうし、それこそが正解なのではと思います。

 僕の読み方だと、長良は好きな子が死んでしまった世界を捨てて、自分との縁は遠のいたけど彼女が生きている世界を選んだ、彼女の望みを叶えて彼女を生き返らせた、ということになるので、長良いいやつだなと。希が死んだ世界を拒否するためにあの壮大な漂流世界の誕生を願ったようにみえるので。長良自身の心象風景・長良が望んだ自身に都合のいい世界にも見えなくもないけど、それでも複雑極まる手順を経て好きな女の子を結果的には生き返らせて、今は自分は身を引くってのは、かっこいいなと。高1でしょ? 超大人じゃないですか。

 最終回の希が11話までの希(病気で?死んでしまった希)と違いすぎると、不満を抱いたファンもいたそうで。僕的には、二人の希は別のプロセスを歩んできた全くの別人なので、この世界の朝風を選んだ希のあり方も尊重するべきというか、責めるのは少しお門違いなのでは?という気もしますが、まあ人情として長良とゴールインしてほしかったという気持ちには少し共感します。長良を選ばなかったにせよ何も朝風じゃなくても!という方もいたことでしょう。 た・だ! ここは声を大にして言いたいんですが、漂流世界の悪い朝風と、現実世界の朝風は、それぞれ別のプロセスを歩んだ全くの別人ですからね。現実の朝風は希に選ばれたことで自信をつけて良い人になってる可能性もありますから。希も病気が治ったことで、あの漂流世界の風雲児のような希にはならなかった可能性だってあるんですから。病気に苦しんで死んだことを経て、コピーされて漂流世界に投げ落とされたことで、僕らが大好きなあの希になったのだと、言えなくもないじゃないですか。全く別の二人の希の考えを両方とも尊重したいと僕は思います。別人ですからね。そもそも漂流世界の希はさくらのコピー能力によって漂流世界に再現されたものですから。


 漂流世界の希(死んだ希)との約束(漂流世界から帰還して互いを覚えてなかったとき「もう一度友達になろう」と声を掛ける)を長良が劇中で果たさなかったことにも、不満を覚えた方もおられたそうです。うぅ〜ん、どうなんですかね? 希が望んだ世界を選んで、希を生き返らせたという一点だけで、もうこれ以上はないって気もしますけどね。この先に可能性が全く無いわけではないと、長良も匂わせてますし。まあ、あの締め方は、この世界の希はもう諦める、というような読み方もできるとは思うんですが、それは作品のテーマ的にはミスリードだとは思いますね。シュレディンガーの猫ですし。瑞穂の超能力とかと合わさって漂流世界を作り出した張本人ですからね。自分が希と仲良くなる未来でも、あるいはそうはならない未来でも、希が生きていて幸せなら、長良はその可能性の未来を選ぶのだと、それだけは最初からわかってることなんですから。


 朝風がメチャ嫌われてるんですが、まあ「戦争」の調査中に崖から落下する希を見殺しにしたわけですから、それは当然なんでしょうが、僕はそうでもないんですよね。というのも、朝風が故意に落下する希を助けなかったわけではない、という気がしてるんです。朝風がフラレたからといって好きな希を見殺しにするとはどうしても考えにくいからです。希が崖に落下して能力遺物「コンパス」になってしまったことについては、あき先生ははっきりとは語りませんでしたが、骨折は朝風がわざと希を助けなかったと考えたようでした。それは、骨折からの絵葉書の訃報の文面と、その後ふたりが朝風と袂を分かつことからも伺えます。ただ、どうなんですかね?僕的には、朝風は故意に希を助けなかったわけではなく、能力を使って助けようとしたが出来なかったのではないかと思います。正確には、朝風の重力を操る能力が希には通用しなかったのではないかと。劇中で朝風のスローライトで希が浮いてるシーンってありましたっけ? 登場キャラはみんな元の世界のコピーなわけですが、希は死んでいるので、ある意味では幽霊のような存在でもあるわけです。死ぬことは決まっている、というか、そもそも死んでいる。漂流世界においても、元の世界に戻る時が来れば、元の状態に戻る、つまり死ぬことになるのではないかと。それは避けられることではないのでは?と、思うわけです。

 漂流世界は、そもそも長良が望んで作り出したある種の心象風景と思っていて、相対性理論と量子力学理論をテーマにとってはいますが、この作品で論理的な合理性を、ましてや時系列的なもの・時空間的な法則を整理しようというのは、はっきり言って無駄だと思ってもいて。だって長良の妄想の世界みたいなものだから。希と付き合ってるから、漂流世界の朝風は悪いやつなわけで。それは長良の願望でもあると思います。なので、朝風はそんなにわるいやつではないと、こう思うわけです。


 ストーリーのビターな後味も、主題歌のアコギバージョンと合ってて最高じゃないですか。大人やおっさんが見ても十分すぎるほど鑑賞に耐えるけど、ヤングやキッズが見たら最高なんじゃないですかね。子どもには少し難しい部分もあるかもだけど、これこそ子ども時分に見た印象と大きくなって改めて見直したときの印象がガラッと違う作品じゃないですか? いくらでも違った読み方・解釈ができそうやし。

 バトルも恋愛もほぼ無く、ましてや無双もハーレムもなく、そこにはただ果てしなくリアルな少年時代の苦々しい青春の手触りがあるだけなのですが、久々に好感が持てて、強く推したい作品でした。懐かしくはならないけど、さわやかで、若いなぁ〜!ってなりますよ(笑)。おまえイイやつだなぁ〜って。


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