XaiJu
赤キギリ
赤キギリ

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プチドラゴン娘の引力で吸い込まれ…

喰らったのは──

確かに重力魔法のはずだった。


球体状の紫炎に輝く魔法を避けれず受け、

地面に打ち付けられるダメージを覚悟していたのだけれど…

全くその気配すらなく、痛くも痒くもない──だからこそ、


不気味だった──。

こういう手合いが一番厄介なのだ。

自分はいったいなんの攻撃を受けたのだ…!?


「な、なにをした…?」


「…………………ん〜?」


対面している《魔物娘》は

魔法が直撃して有利を取っているハズなのに、

『勝利の笑み』や『勝利の確信』といった顔をせず、

ただ『眠そう』にこちらを見ているだけでさらに不気味。


いつのまにか──………。


──息が詰まって、意識して呼吸しなければならなかった。

魔法のせいではない、戦闘のプレッシャーがそうさせ、

ハァッ…ハァッ…と、動いていないのに体力を使う…!

これはマズイ…冷静にならなければ!

コイツは精神を乱して戦える相手じゃないぞ──!



今一度──。

状況を見たほうが良さそうだ、と思った。


ダンジョンの探索に赴き、

3階に差し掛かろうとしたときに

出現したのがこの《プチドラゴン》だった。


「んむぅ〜〜〜〜………?」

《プチドラゴン》という種族だからなのだろうか。

爬虫類に似た精神構造をしているのかもしれない。

飼育ケースに日向ぼっこスペースを作ると一生そこに居るみたいな。


そんな感じの雰囲気の相手だが──そこはそこ、ドラゴンの眷属。

緩慢な動きなれど、その一挙一動に全一の捕食者たる圧を感じ、

眠そうな目なれど、緊張を緩められない…!


背は100cmあるかどうかくらいの

ドワーフとどっこいどっこいくらいの体型、

『服』は輪郭を鱗で包んでいるくらいで、隠すところだけ隠している。

『体型』は全体的に丸みがかっており、イカ腹。ぷにっとしている。

まるで戦闘経験がなさそうに見える体型だが………

逆に竜種ゆえの傲慢さがその腹に肉付いているようにも見えた。

『髪』は薄い紫色のロング。活発さよりも内気さを感じる。


………。

──今一度観察してみると、やはり戦闘慣れしていない印象があった。


だからこそ、恐ろしい。

先ほど喰らったあの重力魔法に──

このプチドラゴンの全てが籠められているのではないかと!




「ん〜………こっちきて〜、一緒に寝よう〜」


「………………」


プチドラゴンは戦闘中にも関わらず眠そうだ。

友好的な反応をして、ふいに気を許したくはなるけれど…。

先ほど魔法を撃ってきた相手をどう信頼しようというのだ。


………次の手はなにか、次は絶対にカウンターを取ってやる。

そう思いながら、聖星ナイフを手にジリジリと接近する。

一瞬逃げることも視野に入れたが…

どうにも前のめりになって──………?


いや、違う…!?

前のめりになっているのは自分の意志ではない…!

まるで引き寄せられるようにプチドラゴンの方向へと──!



落ちる─────!


背を仰け反って離れようとしても、

後方に体重を預けるといった手応えがない。

足で距離を稼ごうとしても、まるで浮いてるかのように

『ふわっ』と虚空を蹴って、地から足が離れてしまっていた…!

だが──浮くというよりは、

やはり落ちるといった方が感覚としては正しい感じだ………!


そう、それこそ重力の向きを変えられたかのような感覚…!

紛れもなく、先ほどの重力魔法の効果に違いなかった…!

そして──落ちる方向にはプチドラゴンが!

なるほど、つまりこの重力魔法は…!


「近距離戦か──!」


確かにドラゴン種は人間より膂力がつよい。

冒険用の重いバックも軽々と持ち上げてしまえるくらいだ。

おそらくこのプチドラゴンもそうなのだろう。

魔法で自分の得意な距離まで人間を近付かせ、間合いを狩る戦い方。

抱きついたり、そのまま投げたり、怪力にものをいわせるのだろう。


だが、近距離戦はこちらにも心構えがある。

相手の動きに合わせて、腕を、身体を伝い、背後に回れば勝てる!

大事なのは受け流すことだ、

力で対抗するのではなく、上手く逸らせて──!

ナイフのひと振りに全神経を集中させる──!

硬い鱗をパリィして、流れるように背後に回るイメージを…!


落ちながら──

飛び込みながら──!

さぁ来いと待ちわびた──………。


のだが、なにかがおかしい。

たしかにプチドラゴンの方へと向かっているハズなのに、

ぶち当たる……!と思ってもまだ当たらない。

それどころかどんどん距離が離れてゆくようにも見え──。


相手が攻撃してこないから、それなら後方へ回る準備をと、

手を伸ばしたら、ようやく違和感に気付く。


縮んでいるのだ、身体が。

プチドラゴンの方へと向かうにつれ──!


伸ばした腕と、プチドラゴンの腕を見比べれば、

ぷにっとしていた腕が丸太ほどの大きさに見えて、

それがさらに大きくなれば絶体絶命の危機と知る…!


そして──。

縮む世界で勝手が分からないながらも、

縮小が止めばなんとなく距離感を掴め、地表が見えてきた──!


一面肌色の、イカ腹部分。

ぽっこりとした丸い腹はクッションになりそうだ───!


もう攻撃どころではなかった。

ナイフをしまい、身体を丸めて、落下の衝撃に備える…!

ゴロゴロと転んで、衝撃を分散させればダメージを減らせる…!

────と、まだ戦闘中だというように思っていた。



だが、イカ腹へと手をついた瞬間、感じるのだ。

その腹の奥行というものを──、

そんな脂肪に包まれてしまう自分の小ささというものを──!


プチドラゴンの肌の上、手をつけば分かる。

『ずにゅぅっ…』と、凹んでそれが止まらない…!

底なし沼のように身体が沈み込み、体温に包まれれば──…!


それはもう戦う相手ではなく、柔らかいクッションのように思えた。

転がろうとした身体も優しく受け止められ、踏み込みが宙ぶらりん。

圧倒的な包容力だった──心を挫けてしまうほどの。


「ん~…可愛くなったね~」


「うっ…あっ…あぁ…」


もう、認めるしかない。

負けていたのだ、魔法を喰らったあの瞬間から。

逃げればよかったのに、どんどんのめり込みこの有り様。


聖石ナイフを突き立てれば戦えるかもしれないが──。

それより、この巨人を怒らせた方が悪手に見える。


「いいでしょ〜小さいの。

 わたしのお腹がベッドになるんだよ?」


プチドラゴンはこの様子だし──。

別に敵対しない方がよさそうだし──。


「う、うん………気持ち良さそう…だね…」

なるべく相手に合わせて言ってみる。

絶対的体格差の前には、従った方が上々だ。


それに………。

だんだん…次第に、

息も整えれば見えてくる。


自分の大きさというものも───。


先程見えていた丸太のような腕は、

巨木よりも住居よりも遥かにデカいものとなり、

イカ腹という地表は広大な広場のように続いている。


おおよそ──3cm。

手の平よりだいぶ小さいくらいの身長だと推測した。

勝ち目は万に一つも無いだろう───それに。

未だ《重力魔法》の影響を受けているようだ───。


ようやく冷静になって、

小さくなった視界で、巨大となった外の世界を

眺めるようにもなったのだが…全てが横に傾いている。


それもそうだ、プチドラゴンが直立しているのだから。

寝転べば同じ重力の上、違和感無いのだろうけど…

今はただ、この視界に慣れるよう努力するばかり。


「ふぁ〜っ……」

こちらを縮め入手したことで満足したのか、

大きなあくびをかいてプチドラゴンは巣へと帰ってゆく。


「うぉっと……」

巨人が揺れるまま、こちらも揺れて…

振り落とされる…!と思ったのも一瞬だけ。

そもそも重力魔法で引き寄せられているから、

自分にとっての『地球』はプチドラゴンなのである。


なんと便利な重力魔法なのだろうか。

まぁそれによって肌の上から逃れられないのだけど。

けれど──いつか逃げられることを信じて今は──。

プチドラゴンの腹の上で、ご機嫌取りを───………。


「おやすみのチューして………」

と、決意した矢先にこれだった。


魔物娘はキスによって魔力を吸い取るらしい…

元々魔法を使う冒険者ではなかったので、

それ自体に別に問題は無かったのだが…。


「ん〜……っ」


(あっ、そっちまで登らなきゃいけないんだ…)


まるで与えられるのが当然とばかりに

キス顔をしてこちらの到来を待っていた。

別に持ち上げてくれてもいいのに…とは思いつつ、

まぁこういう行程こそが大事なのだろうなと──。


向かってはいた──、いたのだが……。


腹からちょっと歩いて気付く。

あれ……?思ったよりも重力の方向がキツいな、と。


重力発生地点に転がり込んでいたから気にならなかったけれど、

少しでも離れれば《腹の中央》に滑り落ちそうになるくらいは…

重力の方向がキツい感じがした。

幸い身体を掴んで這い上がれはしたが…

やはり奇妙な魔法だ、底が知れない。


そして──

登ってみればもう、汗でグダグダ。

こんな身体で魔力を吸われるのか…

と、若干億劫になりつつも最後の踏ん張りと駆け上がる!


上がれば──。

プチドラゴンの口があった。


「ん〜〜っ」

ぷっくりとしたくちびるは、何らかの門のよう。

キス顔の隙間からは口内の香りが漂い…くらっとする。

香りはドラゴン種だからか木炭っぽくて、悪くはない。


なんだか…

教会や神社にでも来たような気分。

ドラゴン種は神の様に扱われると聞いたこともあるが、

それも頷けるほどの高貴な香りがするような…気がする。


しかも嗅げば嗅ぐほど眠気が増して──。

寝ぼけ眼のプチドラゴンと同調するかのよう。


「あむっ………」

だから、口の中に頭が放り込まれるくらいの

ディープキスすることになっても…

危険性などは気にならなかった──。


──

───!


一瞬にして湿度でいっぱいの空間に出た──!

呼吸をすれば空気は重く、口呼吸でなければ吸えないほど。

しかし口呼吸をしたからか…舌に感じるのだ、フェロモンを。


魔物娘が用いる人間の男性を蕩けさせる媚薬そのもの。

それを頭に直接ぶつけられては…まともでいられそうにない!


ガクガクと腰が動き、股間に熱を帯びる。

未だ下半身は外にあり、くちびるを支えにしていて、

こんな状況で粗相をしてはならないと直感する、が─!


待っていたのだ、プチドラゴンはそれを。

魔力源たる精液を得ようと「はむっ」っと、

さらに下半身…股間を咥えて口内まで案内する──!


小人の衣服なんて、

ただの果実の皮とでもいうように剥がし取り、

全裸にされればもう舌と肌が触れ合う関係だ。

──しかし、そうはなっても対等ではないらしい!


「ひっ…!」

ぬるんと舌が身体這って、味を舐め取ってゆく。

味わっているのもあるのだろうが…目的は別だ!

当然のように股間まで舌が這って…舐めてきた!


「───ッ!!!」

おそらく………シュークリームを食べる時みたく、

唾液を絡ませ、纏わせ、

蕩かしたクリームを舐め取るくらいのつもりだったのだろう。


だが、小人に向かって唾液をたっぷり溜めてぶちまけ、

腰を漬かるほどの唾液の温泉に入れてしまえば…

耐えられるわけがなかった──。


頭が真っ白になるほど気持ち良く、

と同時に真っ白な情欲が股間の底から湧いてくる──!

気持ち良さを発散しようと、

未だ外気に触れている足をピンと立たせ、バタつかせ、

耐えようとはしているが────!

───それが、プチドラゴンの逆鱗に触れた。


穏やかに寝たいプチドラゴンは…

小人の性急な動きを許さなかったのである。


「ん~~~~むぅ…」


せわしなく動く足を

『甘やかしていた』とでもいうかのように、

『パクッ』と咥えて、圧を上げて静止させる。

今までほんのりと空いていた隙間も、

所狭しと埋められて、もうパタッと足も動かせないほど!


隙間から漏れていた光も消えて、口内はもう真っ暗。

だから、気付かなかったのだ、舌の存在に。


くちびるで『むにっ』と、さらに固定された身体を

舐めやすくなったからか、足を分け入れるように侵入して…!

股間の裏筋、太ももの隙間、

男性器の竿を堪能するように這い上がり────ッ!!!

もう、限界だ、耐えきれない…!!!



「─────────うぅッ!!」

足は固定されていたから、

エビ反りのように身体が跳ねたっ…!


溜めに溜めた精子を垂れ流し、

射精した部分に舌が這い回り、吸い取って行く。


──

────

──────。


「んふ~~~っ」

プチドラゴンは満足そうに、鼻を鳴らし、

魔力が生成されているからか、

喉奥からごうごうと炎が昇り、照らし、

結構口内がサウナじみてきて…舐め取られたというのに、汗が湧く。



そして………。

若干、不安や後悔がやってきた。

「………………呑み込まない、よな?」

たぶん、気性的に、魔物娘的に、

食べて消化するようなことはしないだろうが…


気になるのは重力の方向────。

《腹の中心に重力が向かっている》ってことは…

つまり『食べる』ために引き寄せているんじゃないか…

特殊な『重力魔法』はそのために編み出されたんじゃないかと。


そんな考えが湧きつつあった………。

が、しかし、すぐにそれは杞憂に終わる。


プチドラゴンは魔力をひとしきり楽しんだのか、

ブドウの皮を引き抜くように『ぬるり』と、

手の平へと出してくれた。


───出して、くれたのだが………。


なんだか様子がおかしい。

魔力が増大しているのは分かるのだが…

なにか『ポ~っ』と陶酔するように顔を赤らめ、

そして、自分も………なにか、なにかがおかしい!


先ほどまで感じていた重力がさらに上がり、

もう立っていられず、這いつくばってしまった…!


だがそれでもまだ足りない。

重力が湧き出る地点に落ちなければ…

どうも収まらないように感じ、先ほどの説を思い出す。

やっぱり《腹の内に収める》ための重力魔法なのだと…!


……

………。


だが、それは《胃の中》というわけではないらしい。


見えたのである、重力の方向。

自分が『落ちるべき方向』を見たら、見えた。


お腹の中心というよりは、その下。

ヘソの下、下腹部といわれるその位置…

つまりは《子宮の上》に落ちそうになっていて…


受け入れるためか、

プチドラゴンは下の口を弄っていた。



頭ではなく、本能的に分かってしまう───。

あの重力魔法の最終目的は

《子宮に入れるための魔法》だったのだと…!



「───────くっ!」

流石にそれは受け入れられずに逃げようとした!

入ってしまったが最期、どうなるか分からない…!

プチドラゴンのことだ、中に入れて冬眠ということも…!


「うわっ……………!!!」

───だが、どんなに注意したとて巨人と小人。

『たらり』と手の平から、

唾液のぬめりも相まって転がされれば…

肌の上を滑落するしか道が無い…!



「と、届け───ッ!」


プチドラゴンの乳首に救いを求めた…!

もはやこれしか突起物が無く、イカ腹に滑ったが最後、

ぷにつるとした肌なんて掴める気がしない──!


ぐっ…!と桃色の突起を押し上げ、

『ぷるん』としたものに抱き着いた──!

よし、身体を寄せればなんとかできそう…!



だけれど、重力はそれを許さない。

ぷにっとした乳首に抱き着き、這い上がろうとしても…

ぬるぬるとした身体は滑り良くなめらかに落ちつつあり…


プチドラゴンの貧乳の奥底の形が

くっきりと分かるほどまで耐えてはいたが………!!


「んっ………くすぐったい………」

巨人が身震いするだけで、跳ね飛ばされてしまった。


ふわっと一瞬。重力から離れ、自由の身。

だが………空中にいる間も感じる、自分は地面に下りないと…!

落ちる場所は──プチドラゴンの膣しかなかった!


外側に跳ね飛ばされた分、落下の時間も長くなる。

だがその間も空中制御は効かず、重力のまま。

浮いた身体は放物線を描きながら、

重力魔法で指定された点に吸い込まれるように落ち──!


「んふっ……………」


ぬぷっ…と、

下の口をクッションとしながら落下した。

──本当なら、安全に落ちれてよかったと思いたいのだが。


ずずずっ…と、

足が沼に嵌まるかのように呑み込まれ確信する。

分かっていた。この下の口は捕食口なのだ──。

しかも、プチドラゴンが何もせずとも、重力で吸われ…

下半身が呑み込まれれば、もう運命を受け入れようとしていた。


「それじゃあ~………

 一緒に寝ようね~………」


世界がくるりと一転して、自分もそれに巻き込まれる。

どうやらプチドラゴンは羽の為にか…

うつ伏せで寝るらしい。


そうなると自分はどうなるかといえば…

寝床の地面に敷かれた藁を見ながら、呑まれ続けるのである。

あれほど求めていた、本来落ちる場所である地面がそこにあるのに──。


落とし穴に落ちる感覚、

もしくは水に浮くように立ち泳ぎする感覚で奇妙な中、

ゆっくり、ゆっくりと肩まで浸かり、さらに呑まれてゆくのだった。


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