XaiJu
赤キギリ
赤キギリ

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妖精皮モノを着ている上で、超乳化を…!?

「なんだこれ…」


魔物娘が怪しげな儀式で魔力を増大させている…!

そういったクエストミッションを受けてやってきた最中の出来事。

《魔物娘限定の町》らしく依頼人からアイテムを支給されたのだが…


なんだ…この、なに?

マッチ箱のような小さい箱に入っていて、

《薬》か《スクロール》だと思っていたのだけれど…

中を開けてみたら驚いた、くるくるとしたものが入っている。


紙でも布でもないが………

シルクのような手触りながら生物のようにしっとりとして、

巻きを伸ばせば、だんだんとその姿形がハッキリしてくる。


「うわぁ………」


《妖精の皮》だった、それは──。

手の平サイズ、少女体型、ひらひらとした衣服。

サラサラとした金髪から人形のようにも見えたが…

どんなに否定しても、現実だと認めたくなくとも…

──人間が着ることで魔物娘に変身できる皮だった。


「どうすんだよこれ…」

それこそ手の平サイズだとしても、魔道具。

背中に空いた切れ目から着込めば難無く入れるだろう。


だが…よりにもよって妖精。

戦力的には他の魔物娘に遅れを取らないが…

それは魔法が使える前提があるからということ。

自分みたいな一般冒険者は、

攻撃魔法よりも補助魔法を覚えているわけで…

バレたら最期、手の平ほどの小ささで

魔物娘から襲われてはひとたまりもない………。


それに《妖精の皮》というのもちょっと…

これが魔法や薬で女体化出来たら…

まぁ、自分の身体だし我慢も出来ようものだが…


「確かこれって脱皮して出来たもんだよな…」

本来の生産者があって、触れれば面影、温もりみたいなものを感じる。

その点でちょっと生々しく、気恥ずかしさを感じるとも。

また妖精は気に入った人間を皮に突っ込み子のように扱うという。

魔法を使って長期間馴染ませれば──

次に脱いだ時には元のサイズには戻れず、妖精のままだとか。

それくらい着心地の良いものだとは聞いたことがある。


安価で保管に優れているから流通しているけれども…

使いようによっては恐ろしいアイテムだ。

できれば使いたくはないが…しかし…


「もう来ちゃったもんなぁ…」


魔物娘の町はもう、感覚的には目と鼻の先。

地図通りに向かえばすぐに辿りつけるだろう。

それこそ今帰ってしまえば後悔しそうな近さだ。

となれば──もう飛び込んだほうが楽にも思えて…


「まぁ…仕方ないか」

くるくるに巻かれた《妖精の皮》を伸ばし始めたのだった。


───────────────────────────


「よ、よーし…」

装備一式を木の洞に隠し、草むらにハンカチを置いて、

とりあえずの、着替える空間を作った。

なんでも妖精の皮は着込む時に《浮く》らしいが…

噂話程度のものだ、用心するに越したことはないだろう。


………………よし、よしよし。

未だ着込まないのはやはり羞恥心があるからか、

靴下を履く感覚で意識しないようにしていたのだが…

肌と肌をくっつけると分かる、これは衣服ではないのだと。


《妖精の皮》はその小ささにも関わらず、

切れ目をぐいっと開くと果実っぽい良い匂いが

『ふわ〜っ』と蒸気のように沸き立ち、誘惑してくる。

さながら温室に入った時のような蒸し蒸しさなれど、

『この中には自分を健康にするものがある』と確信させ、

未知への戦々恐々とした感情は晴れてゆき、好奇心となる。


左足がまず、一歩を踏み出した──。

ひと踏みで踏んづけてしまえる妖精の皮、その穴へと向かって、

『本当に入るのか…?』と思いながらも、調整していると…。


ちょうど妖精の股の部分の分岐点からか、

《左足》への洞窟となっている穴へと踏み込むと──!

ガクン!と、歯車が噛み合ったかのように吸着する……!


「うわ──!」

尻もちをつくかと思った。

階段を踏み外したように身体の片方がズレて落ち、

滑稽極まるように地面に転がるかと…思っていた。


しかし実際はどうだ。

踏み外した足は消失しながらも、痛みなく在り、

自分は今しがた手に掴んでいた妖精の皮を支えにしている。

紛れもなく例の着込むときに《浮く》現象だった──。


「へ、へぇ〜………」

妖精の皮を着込むなんて半信半疑だったが、

こうも魔法的作用が働くと興が乗ってくる。

本当に《妖精に変える》ためのアイテムなのだ。

我々人間が裏技紛いに魔物の生態に便乗するような、

副次的作用を利用したものではなく、純粋に《その為》の物。


人間を妖精に変えるために──。

身体を『縮める』し、着やすいように『浮く』のである。

至れり尽くせりといった妖精の一品………。


だからこそ、ちょっと怖い。

本気で《妖精化》させようとしている、

意思が《妖精の皮》に籠もっている感じがして。


その証拠に、もう片足は侵食されつつあるようだった。

ぬちぬちと…皮が蠕動運動を繰り返し、

貪りながら足先をその奥へと送り込もうとしていた。


大きな男性の足が………

節々とした、穴々へと、順繰り押し込められ、

親指から──細い筒の中へと入れば、少女の足指と連動する。


さっきまで数々のダンジョンを踏破していた頼りになる足が、

争いとは無縁な、飛行だけで移動しているような細い足に変わり、

グッパッ…つま先を動かしてみると、さらりとした瑞々しい足指に!


「うくっ…これは…!」

想像以上の柔らかい女性の肌に戦慄する。

ゴツゴツとした《冒険向き》の自分の足も好きだが、

こうも《違う世界》の足に変化すると、

そういった生活をしたいとも思ってしまうくらいに。

───変身願望なのだろうか?


ただそんな心地良さもあったからなのか、

恥ずかしさよりも好奇心がむくりと湧き立ち…

次なる変化を求めようと、次の足に取り掛かる。


浮いた妖精の皮へと、くるりと向き直り、

重力のままに皮の中へと、滑り込んだ…!

先程と同じく、もう片方の足もすんなりと入り、

傍から見たら上半身しか無いように見えるだろう。

………だが、自分は確かに感じる、妖精の身体を!


不思議な感覚だった。

足をパタパタと動かしても、地面は無く、そこは不安。

だが妖精の足を体感すればするほど、

感覚が合ってきたというのだろうか…当初感じた不安は無くなり、

水の中で泳ぐような空気が纏わりつく感覚がしてくるではないか。


もしかしたら本当に空気を操り、足場としているのかもしれない。

と考えれば…湧いてくるのは探究心。冒険者としての心。

「どうなってるんだ…!」という気持ちで、さらに着る!


もう両足全部飲み込まれ、下半身全部が皮の中。

体重も足の分岐点である股ぐらに預けていると、

男性としてのシンボルが、

皮にくっつくようにむにゅっと埋まり、キュッと収まった。


「………ここは流石にちょっと恥ずかしいな」


太ももを擦り合わせてみると、

いつもみたいにあるモノは無く、清らか、滑らかなものだった。

少し感じるのは内臓感。

外に露出されていたものが、中に収納されたという感覚が

股の中からほんのりと感じて……性の差異を感じつつある。


股が形作られたら、今度はへそ。

別に胎生というわけでもないのに造形美としてあるそれが、

こちらのへそまでピトッとくっつき、癒着しようとしていた…!


「………だ、大丈夫なんだよな」

皮がペトっと張り付けば、多少動かしたところで外れず、

言うなればそれは、《臍の緒》にも感じた───。

妖精の皮と《臍の緒》で繋がっているような…そんな感覚。

あながち間違っていないかもしれない。人間を妖精化する皮だし。

こちらのヘソの穴をくりっと縁取られればそういう感覚にもなる。


………本当に繋がってないんだろうなこれは?

試しにちょっと脱いでみると、まだ大丈夫。繋がっていない。

ただ、形状を覚えたのか、

自分のヘソに合うように凸の形状へと変化した皮が…

こちらを認知しているようでちょっと不気味だった。


まぁ………長期間着なければ大丈夫らしいし、次々。


ヘソまで入れば、下半身は安定し、

そうなると上半身にも安定感が欲しくなってきた。


頭から被り、肩をうずめて、

そのまま伸びをするように手を広げたいみたいな。


一気に行くのもいいかもしれない。

妖精化した小さな手では頭を抱えられないだろうし。


「よし──……」

グッと妖精の頭部を抱えて、狙いを定めた。

皮の上方部、『左腕』『右腕』の間にある小さな穴。

本当に入るのかと思うくらいの鉛筆先みたいな穴だが…


頭をくぐらせ、肩も張らせれば、きゅぽんと中へ吸われ…!

引き締めによって背を押され、身体全てが妖精へとなってゆく…!


「ひぅっ──!」

縮小し、吸着し、収縮する。

妖精の頭部に詰め込まれればそんな感覚が電撃のように走り、

閉所で漏れる声は、男の声から少女の声へと成り果て、か細かった。


抜け殻のようになっていた目、口、鼻などの穴につく頃には、

皮の吸着もピークに達しており、唇に触れた瞬間、

まるで内部でキスするように、唇の楕円形を縁取りながらくっついた。


眼の部位も2つの目に合わせくるりとくっつき、縮小化した眼孔が外を覗く。

そして…予想して、それが当たった形にはなるが…。


「すっごぉ…」

妖精の目から見た世界は──あまりにも広大だった──。

木が一本立ってるだけにしても、その大きさは城にも匹敵し、

障害物、遮蔽物と感じていたが…今では自分の住居と思うくらいに。

ただこれは──妖精の感覚が強まった証拠と感じてちょっと不安材料だ。


けれども新しい視点を体感したら、その興奮は止まらない。

《妖精化》《縮小化》という状態にはなっているけれども、

別に誰とも戦うわけではないし、冒険心が湧き出した…!

今なら町の魔物娘と会っても怯えることはなさそうだ!


縮んだせいで街までちょっと遠のいたが──

妖精は飛べるので問題はない!


背中をクイクイと動かせば、感じる。妖精の羽を。

たしか物理法則ではなく、空気中の魔力を辿って飛ぶらしいのだが…

そこはそこ、本能のままに飛べば…なんとなく飛べる!

自分は感覚派ではないのだけれど、わかる………

人が足を使って歩くように、妖精が飛ぶのは当然のこと──!


───。

と、息巻いてはいたが………

身体の感触のズレは否定できない。


完全に縮小化してその情景に浸ってはいたが、身体は女性化している。

下半身から、先ほど被った上半身まですっぽりと覆い、

身体をひねればもう隙間などなく『ぴっちり』とくっついている。


下半身は言わずもがな。

上半身に目を向け…《人形みたいな服》をまくれば…

ヘソの上、敵の攻撃をふんばり耐えていた『腹筋』が…

普段甘い物でも食べているようなぽにゅとした腹に成り果て、

その腹を中心に各パーツの境い目が上手く判断できない柔らかな肌が。


《手》をぐっぱっと握れば攻撃用の拳は作れず、

ポコポコと甘く叩いておねだりするしかできない手となった。


《髪》もダンジョン中にざっくばらんに切ったものでなく、

さらさらと柔らかい金髪がミディアムショート気味に伸びている。


《服》は相変わらず人形のよう。

着る発想すら起きなかった、フリルが外側を取り囲んでいる服。

今一度自分がどんな格好か想像すると、少女然としていてむず痒い。


そして最後に女性の象徴たる《胸》だけど…

ここばかりは男の頃とはあまり変化がないようで…安心した。

触れればちょっと柔らかく…ふにゅんとしているけれど、重しにはならない。


そう、少女体型だったから…いくらか気が楽なのだ。

これが極めて魔物娘的な体型だったらヤバかった。

おっぱいはデカいし、尻もデカかく、太もももデカい。

服もほぼほぼ半裸と変わらない体型に変化していたらと思うと…

───とても町中を歩けるものではない。そこまで覚悟はない。

魔物娘の本能的や感性でイケてしまうかもしれないが…

いざ元に戻ったとき、いい思い出と受け取るのは難しいだろう。


妖精の種類によっては色々とデカいのも居ると聞く。

心底思う、その種類の妖精でなくてよかった──。


「よし…よしよし、大丈夫」

縮小、女体、妖精、と色々変化は大きいけれど、

少なくとも立っているだけで赤面してしまうような身体ではない。

魔物娘の町に入っても大丈夫なハズだと──この時は思っていた。


──────────────────────────────


魔物娘の町に入るにあたって、懸念点はあった。

『バレないか』『恥ずかしくないか』『淫気にあてられないか』

ただ…飛び込めばそれは全部杞憂に終わり致命的崩壊は避けられた。


見ればたまに酒場で見かける魔物娘もいながらも、

やはり少女の姿に様変わりしているからか、

こちらの正体に気付かず、ホッとした。


ただ計算外がひとつ………。

「えぇ〜可愛い〜!どこから来たの?」

「行くところないなら、私の家に来ない?」

この魔物娘の町では《妖精がレアで珍しかった点》か。


ただ町中をふわふわと飛行して、

その小ささを利用してこっそりと聞き耳を立て、

スパイのように情報収集しようと思ったのだが…

──町中を飛べばどうだ、一瞬で注目の的になってしまったぞ。


そういえば自分も妖精なんて、

この地方ではとんと見たことがない。考慮すべき点だった──。


「え、えぇと…」

もう口調はしどろもどろ。

それもそうだ、自分よりも大きな魔物娘達に囲まれているのだから。

手の平くらいの妖精に対して、

ひと口で丸呑みできそうな大小様々な魔物娘達。


《獣耳》《ラミア娘》《サキュバス族》とどれも大きく、

魔物娘らしくおっぱいを放り出すほど開放的で、目のやり場に困る。

自分が飛んでいるその真下がおっぱいの谷間だということもあり…

気を緩めてしまったらそのまま食虫植物に飛び込む虫のような目に。

ただ…だからといって目を背ければ

『魔物娘なのになんで…?』と勘付かれそうで、避けられない。


自分にできることは…

せいぜい目と目を合わせて会話するくらいだった。


「あ、あの…」


「ん〜?なになに〜?遠慮なく聞いて?」


「えーと…」

ただでさえ小さいのに、

体格の圧が強くて縮こまってしまう。

これは挙動不審だろうか──………いや違う。


きっと彼女たちにとっては

『妖精の少女がおどおどしながらも

 語りかけてくるように見える』に違いない。


自分はこんな風に見えている──。

客観視したその事実を受け入れるのは…

なかなか恥ずかしい事だと理解しながらも、

『利用できるものは利用する精神』で突き通せば、楽…!


《引っ込み思案な妖精》という役職(ロール)を自分の中で形作れば…!

思った以上に、口が回り始める…!


「あの…私、この町に来れば魔力が強くなると噂で聞いて、

 森からやってきたんです…なにか知りませんか?」


嘘は言ってないから、言いやすかった。

森から来たというのは、道中の森から来たからだし。


ただ──

そんな風に誤魔化しても、儀式は儀式。

もしかしたら秘匿されたもので、外部の人間には──。


「あ、もしかしてそれ目当てで来たの〜?」


「流行りに乗ってんね〜!最近の子って情報早いよね〜」


「ただ…妖精ってどうだろ…?できるのかな…?」


あれよあれよという間に情報が注ぎ込まれてくる。

《場所》《評判》《価格》などなど、

どうやら軽い話題らしく、気負う必要はないらしい。

ただ──………。


「あっちの道をぎゅんと曲がって、

 ずーっと行った突き当りのとこー」と案内され、

辿り着いた店は──…なんだか、いかがわしい店のようだった。


────────────────────────────


じゃらじゃらと響き渡る、

丸や三角の形をした木製の装飾の暖簾(のれん)をくぐり、

妖精はこんな時、物に当たって不便だな等と考えていると…


もう受け付け、もう店主、もう会話が始まってしまった。


店主はサキュバス族のピンク髪、小悪魔系。

130cmほどの小柄ながらも今の自分にはやはり巨人に見えた。


「おっ…妖精さんいらっしゃ〜い♪」


「あ、あの…ここで魔力を強化できると聞いたのですが…」


「あ〜サンフラワーオイルですよね?

 最近話題になってるやつといえば」


「た、多分それだと思います…」

コースの一覧表として《メニュー》を貰ったが…

どうやらこのお店は《マッサージ》のお店らしい。


……………………。


………なんか、

儀式をする店にはまるで見えないな。


たぶん、誰かがマッサージをされる中で、

何らかの作用により魔力が上がったりして、

面白おかしく話を盛ることで《儀式》という雰囲気が合い、

『魔力が上がる儀式』として噂が伝播された気がする───。


──まぁ、噂なんてこんなもんか。


と、噂の出処を確認できたは良いが、どうするか。

『受ける』ならばさらに情報を得られるけれど、

自分的には魔力が強くなっても意味無いし…

かといって受けずにそのまま帰るのは…


そんな思い悩む自分に対し、何を思ったのか…


「いや〜しかし、ツイてますよお客さん。

 今日はもう次で《最期にしよう》かと思ってて〜

 今日の分の《オイルを使い切りたい》と思っていたので〜

 ──もう全部ぶっかけちゃおっかな〜!なんて…」


「………は、はぁ」


「………………で、えーと…」



………なんか会話が噛み合わないと思って、気付く。

もしかしてここ、《喜ぶポイント》だったのではと…?

そこではたと魔物娘の価値観を思い出した。


『ぶっかけ』というワードに、

狂喜乱舞しなければいけなかったんじゃないか…!?



「あっ…!い、いいですね…!

 ちょうどぶっかけられたいと思っていたところで…!」


口に出せば、かなり変な言葉遣いな気がしたが、

バレないようにと矢継ぎ早に話し、コースを了承する。


『早まったかな──』とは少し思ったけれど、


「そ、そうですよね…!

 いや〜妖精の方はぶっかけられ放題で羨ましいな〜!」と、

本当に魔物娘の価値観なのか分からない褒め言葉をいただいて…


まぁ、会話の歯車は噛み合ったかなと、ひと安心する自分だった。


──────────────────────────────


「それでは施術を始めさせてもらいますね〜♡」

サキュバスのマッサージ店だということで、

若干警戒していたが…始まれば結構普通なものだった。


初めこそは衣服を脱いで女体の肌をさらけ出すのに、

ほんの少しの恥ずかしさがあったのだが…。


施術台でうつ伏せとなり、

濡れタオルを掛けられたら…もうお客様気分。

整体を受けている時と同様の心持ちとなって、

人肌程度に温められたオイルを塗られれば冒険者は終わり。

一気に休日の雰囲気が湧き出し、温泉にも入りたくもなる。


種族差というより体格差からどうなるかとも思っていたのだが、

オイルを塗ってマッサージをする内容だからか、

ぐにぐにと丸太のような指圧を受けても圧力が分散し、

ちょうどいい具合の圧迫の気持ちよさで依頼関係なく癒やされる…

結構…いや、思った以上に今回の冒険は当たりだったと、そう思う。


「ふふっ…もうじゃんじゃんぶっかけて行きますよ〜?」

店主の言動はちょっとアレだが、

まぁサービス精神があるということだろう。


………と、心地よさで目がトロンとしていると。

効能が訪れてきたか、身体の節々がぽかぽかに温かくなってきた。

魔力向上が起きているらしいが…あまり馴染みのない感覚だ。

腹の奥底…いや、その下、多分子宮あたりからじわじわと湧き出し…

全身に広がる感覚があるから、ちょっとそこは恥ずかしい。


ただまぁ…魔物娘はこんな感覚で生きているんだーと、

後学のために知っておくというのも──………

と、言っている場合ではなかった!!!


(なんだっこれ………!)

身体中を巡りつつある魔力の行先に違和感を覚えた。

確実に、着実に、生産された魔力が、

『消耗されないなら』と、脂肪のように貯蔵されようとしている…!


(やばっ…!どこに行くんだこの熱は…!)

巡り、巡る…!

腕、太もも、腹…!をぐるぐると廻り、

宿を求めるかのように魔力が放浪し、

そして見つけた《安住の地》は───!


魔物娘なら、誰もが知ってて、持っている部位。

魔力の受け渡しが容易にできて、

なおかつ見た目で瞬時にどの程度か分かるところ。


(う、嘘だろ…!)

つまりは、胸の中に乳として魔力が詰まったのだ。


つつーっと乳首の中が熱くなって、ぷっくりと膨れる。

さっきまで少女体型の細やかな身体だったのに、


柔らかさを感じるものが、

触れればアイスのように積み重なるもち肌ではなく、

暴力的なまでにカロリーの高いおっぱいに移行しつつある…!


片手で乳首をつまむくらいしかなかった平野が、

もう両手でお皿を作って大きさを実感できるほどまでに…!


「んっ…ちょ、ちょっと待ってください…」


「ん〜?どうしちゃいましたか?」


「その…胸が大きくなって…」

恥ずかしいが、そう宣告するしかなかった。

これ以上大きくされたら、たまったものではないと…!

──だが、心得ておくべきだったのだ。

魔物娘には、魔物娘なりの価値観があるのだと。



「はい、そうですけど………?」

きょとんとした目で言われて、すぐに分かった。

彼女達にとっては『大きくする』のが普通なのだと、

人間で言うなれば、お金を要らないと言っているのだと…!


そして──今後の対応に予想がついた、

きょとんとした目から、猜疑の目になるだろう、

自分が人間だとバレないためには──

今ここで、誤魔化し、逸らすしかなかった。


「え、ええと…

 お胸が大きくなって窮屈なので…

 仰向けの体勢になってもいいでしょうか?」


「あ、なーんだ、そういうこと?

 てっきり妖精は飛ぶために、

 大きな胸は要らないんじゃないかって

 そう思うところだったよ〜!」


「え………ぁ…」

その手があったか──、

と感心しても、もう後の祭り。


「まぁ妖精って魔法で飛ぶらしいから、

 別に大きくなっても構わないってことで、い〜い?」


「そ、そうです…」


唯一の逃げパターンを外して、

会話の流れのままに相槌を打ってしまった。


そして場の雰囲気に流され自分に降りかかってきたものは……

その醜態をバッチリ見せ付ける丸裸のポーズ。

巨大な手によって、小さな身体は簡単に…

「それでは…仰向けにさせていただきますね〜♡」

───ひっくり返された。


たっぷたっぷと注がれ、

ぶっかけられたオイルを緩衝材として、

ひたひたに浸かった巨大な指が

こちらの身体を舐め回すようにして、背を持ち上げる。


「はい、ごろ〜ん」


滑らかにぬめった指紋が

凹凸を巧みに使い妖精の身体を引っ掛け、

ほんの少しでも床から背が離れたら終わり。

──その油断を見逃さず、這って、潜り込んできた!


「ひぅ──っ!」


「あっ、ちょっと熱かったですか〜?」


「そ、そうじゃなくて…

 ちょっとくすぐったくて…」


嘘、偽りはないが…

くすぐったさと共に、性感が疼いた。


巨大な指にいともたやすく持ち上げられ、転がされる。

それに対して感じてしまったのだ、気持ちよさを…!


『上位存在にいいように扱われる』──。

これは妖精化による影響か、本来持っていた素のものか。

叶うことなら本来持っていた性癖で、

今ここで開花してしまったということではないでほしい…!


だがそんな事を気にしてても、

いずれにしても、気持ちよさが沸き立ってしまい…!

顔が『か〜っ』と赤くなる頃には──!

仰向けに寝転ばされ、その表情を店員に見られそうに…!


「あっ………うっ………」

うつ伏せでマッサージを受けていたから、

耐えられていた部分があった、この巨大な世界に。

白い施術台、巨大な机、巨大な瓶などなど。


だが仰向けに寝かされれば…

一瞬にして、お客様気分が消え失せ…小人の世界に…!

巨大な体躯、巨大な目、巨大な口が待ち構えていて…

──自分が、いかにこの世界で非力な存在かと確認させられる!


「はい、ごろ〜んできましたね〜、

 ちょっとお顔が赤いですけど、魔力溜まりとかですか〜?」


「あっ…えっと…

 血行良くなった…からだと思います」


「はい、それじゃあ…

 問題ないならこのまま続けちゃいますね〜」


思いの外──、

サキュバスの店主はこちらの姿に無頓着だった。

それもそうか、女性同士…というか魔物娘同士。

裸を見ても特になんだということもないのだろう。


ただ…人間の自分にとってはそれが一大事。

こんな…大っぴらに股を開いて、

まじまじ…巨大な瞳に見つめられるだなんて…


呼吸を安定させて身体の熱を冷まそうとした。

だがマッサージ中、どんなに頑張っても指圧には負けて、

ぐいっ…ぐいっ…と、腕を、足を、腹を、揉まれれば………


当然のように、叩けば鳴る楽器のように、声が響いた。


「あっ…んくっ…」

自分でも驚くようなメスの声。

ここまで変貌してしまったのかと、驚いてしまう。


「あっ、気持ちよくなってくれてますか〜?

 妖精さんの施術はあまりしてないんで嬉し〜です」


「そっ…そうなんですね…」


こちらが性感を覚えた声を出しても、

サキュバスたる店主はやはり気にしてないようだった。


いや………!

それどころか『腕が認められた』と思ったのか、

妖精の身体をぐいぐいと整体する手に熱が籠もり…!

彼女達にとってはメインディッシュに当たる、

『おっぱい』へと、ずいずい…手が侵攻してきた…!


「ここからツボを押して行くと、魔力が溜まるんですよ〜!」

魔物娘が魔力を生む場所、へその下、子宮の上、丹田の部分を、

巨大な親指で合わせ、パックの調味料を押し出すように搾り出す!


───ッ!!!

声に、ならないくらいに、息が詰まった。

妖精の皮を着ていると思えないくらいの、肌と肌が合わさった感触。

内臓をかき回されているような埋め込み具合に、一抹の心配があった。


だが…心とは真逆に身体は反応する…気持ち良いと…!!!


子宮で生み出された魔力がぐいぐいとせり上がってくる…

魔物娘の身体に慣れていないからか、

下手に魔力循環をしていた中での、サキュバスによるマッサージ。

窮屈な自分の意志から逃れるように、魔力は巨大な手で誘導され…!

──その魔力の行先は、当然ながらおっぱいだった。


ぐんっ…ぐんっ…!

下腹部を押され搾られるたびに、胸部が重みを増してくる…!

先ほどまでお椀で隠せる程だったのに、もう両手からはみ出るほどに。


「うっわぁ〜お客様、ずいぶん凝ってましたね〜

 今まで溜めていた分、どんどん湧いて出てきますよ〜」


「へ、へー…そうなんですか?」

魔物娘の魔力構造なんてまるっきりわからない。

子宮で何を糧に魔力を作っているのだとか、

魔力を何故子宮から使わず、おっぱいに溜め込んでいるのだとか。


だが──いずれにしても、妖精になった今、感じるものがある。

男の頃から溜め込んでいたモノ、

男の『精力たるもの』が魔力に変換されているのだと…!


「うっ…あっ…あぁっ…」

そういえば最近ご無沙汰だった、冒険もあって──。

精力を溜めていると魔物娘に目をつけられてしまうから、

これが終わったらサキュバス店に行こうとしていたのだが──!

まさかここで、刺してくるとは思わなかった!


《妖精の皮》が意思を持って、

精力を魔力に変換しているのだろうか。

だが内に問いただしても、うんともすんとも言わず、

その間にも、システムとして男の内にある物を吸い上げる!


精力を──魔力に──!

魔力に変換したものを──おっぱいへと!


射精とも、絶頂とも言えない感触が身体をひた走った。

言うなれば『吸収』の快楽か、

いままで堰き止められていたものが、

吸収によって一気に蛇口が開いた感覚。


「んんんーっ………」

魔力を垂れ流させられるのは気持ちよく──。

だから、見落としてしまった、自分の変化に。


魔力が溜まり続ければ当然、その貯蔵庫も肥大してくる。

つまりは──おっぱいが巨乳を、限界を、越えてきた──!


仰向けで寝転ぶ胸部に重みが膨らんでくる。

最初はこんなに大きくなってどうしようと思っていた巨乳が、

寄せては溜まる乳の波でたっぷんたっぷん盛られて──!


乳肉だとさっきまで思っていたものが、

いつの間にかその柔らかさは…液体のよう。


軽く身震いするだけでも『たぽんっ』と波紋が立ち、

柔らかくなったからか、胸部を、胴体をはみ出して、床にまろび出る…!

ぶるんぶるんっと、店主の指さばきに合わせて大きく膨らみ…!

──もう胴体を包み込めるほどまで。


「お〜すっごい…お客様、魔力の才能ありますね〜」


「こ、これ以上は…!」


「私もできる限りも〜っとしちゃいますね〜!」


もはや店主に言葉は届かなかった。

これほどまで大きくなったのに興奮したのだろう。

『手で寄せて、盛れば、大きくなる』その現象に、

自分の力量を感じてしまい、それがどんどんと強まり…!


もう、店主の手の平に収まりきれないほどの大きさになってしまった。

こっちは手の平サイズの大きさだというのに──!


「ひぅっ──!」

このくらいになるともう、

下腹部の押し出しは要らず、

おっぱいを揉むだけで魔力が溜まった。


身体も身体で経路が分かってきたのか、

子宮で生み出された魔力が効率良く胸に直行し、

乳をポンプのように揉むから、『ずるるっ!』と引き吸われた!


そして──

極め付けは《妖精の皮》という点だった。

妖精が脱皮して製造されたマジックアイテム。

ただの皮膚とは違い、それ単体に魔力を含んでおり、

人間のような巨体をはち切らせず収納できるくらいの伸縮性──。


肥大化したおっぱいを…

はち切らせず、貯蔵するなんて、朝飯前だった。



「んくっ──!」

もう、妖精のような小さな身体では、

どこまで大きくなったか確認できないほどの大きさだった。


ただ店主に触れられた感触として分かる──。

手の平に収めきれず、掴むのも難しくなるくらいのデカさ。

おおよそ普通の大きさでいう巨乳くらいまでなっていると…

もう、おっぱいに妖精が引っ付いている逆転現象が起きていると…


じわじわと分かり始め──

そこまで来たら限界がやってきた。



皮の限界か、肉体の限界か、

まだまだ貯蔵できそうな感じがしたが──波がやってきた。


おっぱいを揉まれ、大きくされた感触からか、

乳首をこねくり回され、いたずら半分に弄ばれたからか、

おっぱいの中に溜まる魔力が物質へと変換されず、乳首の先へ──!


液体へと変換されれば、もう目的は決まっていた。

この妖精の身体はこれ以上の魔力の貯蔵を必要とせず、

別の目的──快楽のために母乳を出そうとしていたのだ。


「あっ──、もう溜まりませんか?

 それでしたら、こっち、貰っちゃいますね──」


「えぇっ───!!」


それは、魔物娘としての当然のことだった。

母乳が出そうな相手の乳首をしゃぶることが──。

おそらく魔力の無駄遣いをしないために。

だが、そのことを理解する前に、自分は───!!!


乳首の先端に、

巨大なくちびるが触れて、

小さな身体を持ち上げるくらいに吸われたから、


母乳が、快楽が、堰を切って、飛び出した…!


「──ーーーー〜〜〜〜〜ッ!!」

初めての搾乳に、身体のビクつきが止まらない。

どこまでも続く甘い快楽で頭がおかしくなると思った。


しかもサキュバスの店主は

両乳を取りこぼさないようにと、尻尾を巧みに使い…

乳首にカプッと嵌められれば…

店を汚すといった責任や、母乳もこぼす勿体無さから解放され、

我慢せず思う存分、搾乳されてもいい体制が整ってしまった──!


さらには乳首の穴を広げるように

『くぷ〜っ』と乳輪付近を指で広げられ、とめどなく母乳が流れ…

もう扱いとしては、お客様というより、ミルクサーバーのようだ…


「んふふっ…今回の料金分、吸えちゃえそう~…」

快楽による搾乳活動、

自分の目の前にはまだまだ巨大なミルクタンクが拡張されて…

気持ちいい地獄がまだまだ終わらないのだと、軽く絶望したのだった。


────────────────────────────────


───だが、思ったよりも吸われなかった。


どうせなら全部飲み干して欲しいと思っていたけれど、

お店的には料金分の母乳、魔力を貰ったら、

今度はあっちが払わなきゃいけなくなるわけで…


だから………

まぁ、巨大な乳房のまま、店を後にしたのだった。


幸運だったのは、服が超乳用に変化したことと、

おっぱいがデカくても難無く飛べたことくらいだ。

ただそれにしても、おっぱいが揺れればその方へ揺れ動くが。


ぶらんっぶらんっと、

あれだけ飲まれてもなおデカい超乳のまま、

おそらく傍目から見たらおっぱい飛んでると思える格好で…

周囲の目の羞恥に耐えながら、町から飛び去ったのである。

まぁ、みんな魔物娘だからそんな目では見てなかったのが救い。



そして───、

逃げて、逃げて、物資を隠した木の洞までやってきた…!

背中に指を這わせて、指に魔力をこめて、切れ目たる断絶点を探す…!

くいっと指が引っかかれば、そのままズルりと引っ張り上げて………!


「………ッ!

 はっ…はぁ…っ!

 よ、よかった、まだある………!」


あれほど気持ちよく蕩けてはいたが、

ほんの少し心残りだったのは、完全なる妖精化のこと。


長期間ではないし、妖精に促進されたわけでもないから、

そんなことはありえないのだと思っていたのだけれど、

やはりアレだけ女体の快感を知ってしまうと、

変化しているのではないかと気が気でなかった。


よかったよかった、これで一件落着。

まぁ、悪くはなかったし、機会があればまた──。



「………………なんか、変だ」

もう、脱げてもいいくらいに力を加えているのに、

緩みはするが、つっかえて脱げない上に、

それを上回るように吸着して………!


それはある一点を中心に、じわじわと感じる。

まぎれもなく、あの肥大化したおっぱいから──!


………

………………

………………………


なんとなく予想がつくのは、脱げる条件。

きっとおっぱいを吸われて縮めれば脱げると、

──心の中から真に確信した。


ただ…

妖精ほど、手の平ほどの、大きさまでに縮めるには…

手の平から零れるほどの、おっぱいを吸われなきゃいけない…

とすると、自分はどれほど飲まれなきゃいけないのだろうか…?


───。


抱えきれないほどのおっぱいを抱えながら…

愕然としつつ、それでもまた魔物娘の町へと赴いてゆく…


もしかしたら誰からも吸われずに

戻れないんじゃないかとも思ったけれど…

ひとたび帰ればもう引く手あまた。


これなら心配することなく、吸われるだろうと…


搾乳に慣れた自分に気付かず…

気持ちよく妖精の皮に堕落して…


「あ、あの…お金の代わりに…

 おっぱいを吸ってもらうのでいいですか?」

などと、妖精の少女の真似が上手くなりつつあった。

Comments

ありがとうございます!妖精皮モノTS流行れ…!

赤キギリ

最高です…

ぎりっぎり


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