転生者エルフのスマホスキル
Added 2025-06-30 09:43:50 +0000 UTC『転生者』の面接にも慣れてきた。
マナによる既存の魔術形態に依らない
『規格外の連中』だとしても、人間は人間。
話せば分かってくれるし、クセはあるが会話はできる。
《スキル》に関しては
教会独自の技術で未だトンチンカンだけど、
聞けばどういう能力かを申告してくれているので助かった。
………のだが、最近転生者の間で秘密裏になにかが流行っている。
みんな手の平サイズの石板を持っているのだ。
冒険者に支給される魔導刻印のクエスト板かと思えば、
仕事と思えないほど熱心に見ているし、
遠目で観察するとなにやらビカビカと光っている気もする。
「それ、見せてくれない?」と転生者に聞けば、
「え~!?人に見せるのはちょっとナ~」との秘密主義っぷり。
ますます気になる………
転生者以外には見せられない代物なのだろうか?
そう考えれば自ずと謎の組織に思い至り、
『もしかして転生者同士で徒党を組んで
世界征服をしようと企んでいるのではないか?』
などという妄想をイチ面接官が思ったりもしてみるわけだ。
───まぁ、そんなことはないだろうけど。
だがしかし…ここら周辺の転生者を
取り扱っているギルドの人間である以上、
見過ごせるわけもなくて…噂の出どころを確認しなければ!
………
………………
………………………と、追跡したまではよかった。
だが、一度でも考えなかったのだろうか?
転生者が持っている石板がただの物体ではなく…
《スキル》によって作られたものだという可能性に。
────────────────────────────────
噂の出どころの輪郭が見えてきた。
最近この街にやってきたアイテム商人。
エルフというからには若々しく活動的だから合点がいった。
───これは、転生者なのだと。
少々偏見になるがエルフなんて森さえあればなんとかなる種族だ。
日銭を稼ぐ時はあるものの享楽的に使うため、
街と街を行き来するエルフの商人なんて聞いたこともない、そんなに。
だから目星を付けて追跡したのだけれど──。
「うわぁ…ダンジョン入ってったぞ…」
取り引き現場を押さえればいいと思っていた。
だけどまさかその現場がダンジョンの中だなんて…
まぁ秘密の取り引きをするにはうってつけの場所だが…
そろりそろり………入ってみると、
思いのほか明るいダンジョンだった。
草木が生い茂る、自然系のダンジョン。
吸って吐くだけでもマナマナしく、本能的に癒やされる。
なるほどエルフが拠点に使うのも頷けるマナマナしさだ。
………ただ、感心しているのもそれまで。
「あれ…?どこ行った…!?」
草木に紛れてエルフの姿がどこかへ消えてしまった…!
足跡を辿ろうにも途中で生い茂った方向へと進み、
あと残っている痕跡は…音くらいか…!
ガサゴソと鳴り響く方へと耳を澄ませて、追跡し…!
より一層草木が生い茂る森の中へと突き進む…!
「あ、やっぱ、来てたんだ、人」
ただ───
ガサゴソ音がする方向とは逆に声がかけられた。
それがつまりは『バレていた』証拠だと気付いた時には、
こちらの方向に《例の石板》が向けられ───!
『ピカッ!』と、閃き───!
光線がこちらの全身を包み込む───!
洞窟から屋外へと飛び出した時のような、
快活な温かさがジワりと肌に熱を持たせて──!
──────────────────
────────────
──────
………目をつぶって、次に開いた時には、何もかもが違っていた。
別空間と言ってもいいくらいに…
先程まで感じていた、靴に絡む草の感触が消え失せ、
ぐるりと周囲を確認すると、神殿よりも装飾の無い白一面の世界。
壁がどこにあるか分からず、狭いのか広いのかわからない空間だ。
足元さえどこまでが地面か分からず、
感触のまま、バランス感覚のまま、立っているしかない。
だがしかし…一番の違いは眼前にあるものか。
大きな額縁のように長方形の窓がぽっかり開いており──…
───そこに、例のエルフが居た。
窓が埋まるくらいの大きな目でこちらを見つめ、
間違いなく巨大化していると察知し、
この時初めて、《スキル》を使われたと思い至る…!
「さっきからコソコソと…誰、キミ…?」
「え、えーと…ギルドの職員で…」
こうなったら仕方がない。
別に隠す理由も無いし話してしまおう。
捕縛されている現状だが…
エルフの転生者はこちらを敵視していない。
話せば分かるタイプと見た。
ギルドの転生者を管理する面接官であること、
転生者が持っている石板のこと、
いったいスキルはなんなのかと…
持ち合わせている情報を次々と開示し、
時には質問をしながら…聞いてみる。
相手は巨大で、こちらを見降ろしているが…
面接官のスイッチが入れば、次から次に言葉が出た。
「ん…加入しなきゃいけないの、ギルドって」
「え、ええと…だいたいの冒険を考えている転生者は入ってますよ」
「ふ~ん…じゃあ入ってみようかな」
「まぁ、後悔はないと思いますよ」
単純に、利便性が高いから。
多彩な転生者のスキルを利用できるから、
利用料や仕事を考えてもわりと破格な気はする。
………まぁ、この支部は新規ゆえか少々転生者が少なく、
出来ることも少ないが、ゆくゆくは…
…と、ギルドで役に立つスキルで思い出した。
いったいこのエルフのスキルはなんなのだろう?
個人的には事務で有用ならぜひとも欲しいところだが…
「えっ……まぁ普通に、スマホだけど?」
「スマホって………なんですか?」
「あぁ、えーと…前の世界の話なんだけど…」
どうやらスマホというのは、
《魔術の水晶》と似たようなものらしい。
丸型の水晶から、平べったい水晶に。
映像を映すだけではなく情報も記憶でき、
通話もできるからまぁ…とんでもないスキルだ。
転生者達の前の世界では結構ありふれていた技術らしい。
これは…ギルド的にかなり熱い人材だぞ…!
それになんなら自分も欲しい…!
「そ、それじゃあ…!」
「ほしいのなら売ってあげるけど~…
いいの~?この世界、変わっちゃうかもよ~?」
「え………」
「悪いことには使わないけど~…
世界の価値観を変えちゃうかも」
そ、そんなに…?
と思ったが、そういえば過去に
『転生者のスキルで世界が一変された』と聞いたことがある。
【転生者のスキルの行使には注意セヨ】と、
《カヲル五戒》にも書かれていたし、
触れてしまえば最期、世に広めた罪人になる可能性が…?
ここは勝負だ、
有能ギルド職員になるか、罪人になるかの。
悪いことには使わないという彼女を信用して、
世界を一変させるスキル能力、賭けてみるか───!?
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「い、一応ちょっと、
上の判断を待ってもらってもいいかな?」
我ながらなんとも情けない選択肢だが、
極めて社会的に対応することにした。
いまだスマホというのが分かっていないのもあるし…
「………信用してないでしょ」
「ん、ん~と…」
図星だった──、自分はまだ信用していない。
《悪いことには使わない》という口約束もあるが、
《はたしてこのスキルは制御可能かどうか》というのもある。
異世界からやってきた転生者だし、価値観が見えてこない。
それに加えて転生の際にエルフになったのだから、
肉体と精神とのギャップもまだ慣れていないだろう。
様子を見るのが一番堅い気がした───。
「あくまでギルドのいち職員として…」
それを聞けばやっぱりか──。
との表情で顔に影を作ってこちらを見降ろすエルフ。
「まぁ、いいよ。見学してって」
「あ、ありがとうございます…」
とりあえずお互いまだどっちも知らない状態だ。
スマホについてはじっくり観察するとして…
「で、あの、ここから出してもらうわけには…」
流石に現在の状況は、ちょっと怖い。
自分よりも巨大な顔がこちらをぐるりと見ているのだ。
可愛くはあるが、パクりと、ひと呑みされるほどデカい。
「信用してくれるまで出さない…から」
「は、はぁ…」
どうやらまだ警戒されているらしい。
おっかなびっくりと巨人の機嫌をとりつつ、
ひとまずスマホの中で見学することになったのだった。
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「ちゃんと綺麗に見えてる~?」
「は、はい…こんな事もできるんですね…」
見学の申し出を受けた直後、
スマホはエルフの頭上まで持ち上げられ、
定点固定の後、エルフの動きにシンクロするようになった。
一部の転生者がよくやる
剣を背中の後ろに浮かせるアレみたいなやつだ。
「普通は自撮り棒使って撮るんだけど~
女神様からパッシブで貰ったからよかったわ~」
「へ、へぇ~…」
よくは分からない、転生者同士で使う用語なのだろう。
それとなくやり過ごしつつ、この視点に慣れることにした。
………とはいえ、なかなか妙な視点である。
転生者エルフは──
今の今までスマホ視点から見ていたから大きく見えていたが、
よくよく見てみると少女体系に近い大きさに見えた。
身長は150cmあるくらい。
髪色はエルフらしくライム色をしており、
街の探偵が付けるようなふっくらとした帽子で覆っている。
服飾はダンジョンなのに
冒険家というよりは商人らしくきらびやかで、
背負っているバッグだけが茶色と渋くなっている。
体型は面接に関係無いが………
くりっとしたエルフの少女という見た目からはデカい。
別に注目しているというわけではないが、
スマホがおっぱいを中心に向いていて…注目してしまう。
………………………わざとだろうか?
もしかしたらこちらを試すために…?
と、そんな事を考えている最中。
こちらを見上げながら、口をモゴモゴとして…
「スタート、配信」
などと呪文をつぶやいた…!
言うなり、スマホの空間がパッとピンク色に明るくなる!
その上、なんらかの椅子ほどもある曲線も湧いてきて…!
「あれ、これ、文字か…!?」
周り込んで読めば、そう見えた。
【こんちは~】と何気ない文字列ではあったが、
それが段々と湧き出て積み重なれば意思のようなものを感じ、
極めつけは
【あれ?ギルドの面接官じゃん】
と昇れば、認知されたとゾっとする…!
だが、転生者エルフは慣れているようで、
こちらへ向かってどこの誰に語りかけるか、話し始めた。
「ギルドの人、スマホがなにか知りたいんだって」
【へ~、そういえばこの世界の人って知らないもんね】
「このくらいの視聴者数の方がのんびり出来るんだけど、
やっぱりこのスキルを持っている以上避けられないし~、
魔力トークンも欲しいし~」
【いいんじゃない?世界変えても、住みやすくなったらいいし】
文字列を目で追えば、友達と会話しているように思える。
どうやらこれが例のスマホの能力のひとつのようだ。
ここまでなら水晶で文通するようなものではあるが…!
ただ視聴者という言葉が気になり、該当の数字を覗けば…
『3人』と書かれている…!もしかしたらこれって…!
「あ、そういえば自分がどう見えているか気になるか。
はい、面接官さん、スマホあげる」
転生者エルフがふわっと指を上げれば、
虚空から魔力渦が起こり、例の石板が現れた…!
そして光っている水晶の部分を覗けばそこには…!
「うわ…う、動いている…」
左手を上げれば、画面の中の人物が左手を上げ、
右手を上げれば、画面の中の人物が右手を上げ、
くるりと向き直ればそこには───自分が居た。
そして、視聴者数を確認すれば、3人から4人になっている!
───なんとなく理解してしまった。
自分は何者かに見られているのだと!
そして、おそらくギルドの面接官だと知っている者…!
《転生者》たちに見られているのだとわかった…!
(恥ずかしいな…)
こんな小さな画面に囚われているなんて、
スマホで客観視してしまうと途端に恥ずかしくなってくる。
それに、一応転生してきて不安であろう彼女達には
信頼できる大人の面接官というイメージを持たせているし、
矮小なこの身体を見られていると…顔が赤くなるほど恥ずかしい。
視聴者から目を背けてみる。表情を隠すために。
しかしそんな事をしてもスマホは光り、見てみれば…
【そっぽ向いちゃった~、こっち向いて~】との、
まるでペットのような扱いをされてこれもまた恥ずかしかった。
「はいはい、面接官さんへはそれまで~、
いつもやってる事見てもらって、
スマホのスキルを見定めてもらうよ~」
こんな状況をまとめてくれるのが、転生者エルフだった。
場馴れしているのか画面の中の雰囲気を律し、
「配信再開するよ~」との合図で、画面の主役が変わってゆく。
スマホをくるりと傾け、ダンジョン内の雰囲気に。
文字もズラーッと横から生えてきて『鯨骨の森』と用意周到だ。
「面接官さんも居るから説明するけど~
今日は鯨骨の森を探索していきたいと思います。
すごいよね~クジラの背骨一個からできたダンジョンなんだって」
友達相手だが本格的にダンジョンを調べてきたようで、解説している…。
なんだ…最初こそは言われた通り危ないスキルだと思っていたのだが、
こうもダンジョンの仕組みを映像にして映すと、
《探記》の代わりになるではないか。
ギルド的にも冒険者の探記は残れば残るほどいい。
ダンジョンはどういった環境だったかや、
どんなモンスターが居たかも把握できるし、
スマホの存在はこのギルド支部にとって得になるだろう…!
………そう、思っていた。
1階で草木に染まった緑スライムを撮影し、
2階で森林に居がちな桜ビートルから逃げ、
3階でゴーレムと共生したアルラウネを興味深く観察し、
この《配信》は意義のあるものだと…感じていた中だった。
4階からちょっと様子が変わる──。
───────────────────────────
『鯨骨の森』も4階ともなると、
瘴気が濃くなり、森の明るさを覆ってきた。
先程まで一面緑の空間だったのに、ほんのりと紫じみてくる。
スマホの向こう、転生者エルフを見たらキツそうで…
ほとほとに汗が垂れ落ち、服も緩んできていた。
………と、ここでふと思い当たることがある。
もしかしてこれは転生ギャップではないかと。
人間気分でダンジョンにやって来たが、種族はエルフ。
《清浄な草木》に囲まれているまではいいが、
その草木が《瘴気や淫気》に当てられていると、
《エルフの肉体》がその影響を受けてしまうのではと…!
つまり《魔物娘の本能》が疼いているのではないかと…!
これはマズイ…!
転生者エルフは───
スマホは慣れてはいると思うが、この世界には慣れていない…!
はっ…はっ…と既に兆候が現れており、その影響は視聴者さえも…!
【なんか興奮してきた…】
【すごいの探そーぜ】
【面接官さんかわいい】などと、
スマホの向こう側にも瘴気の影響が出始めている…!
これは危険だ、止めなくては…!
だが火照った転生者エルフ相手に
スマホの窓から語りかけても焦点があっておらず、
ならばと視聴者同様、文字を書いて送ろうとしたが、
どう操作したら文字が入力されるのか分からない…!
そうしている間に───来てしまった。
スマホがぐるりと向かれた先──、
なんだなんだと見てみれば…
魔物娘みんな大好き《クラッシュ葡萄》が実っている…!
少し握っただけでも皮の中で炭酸が湧き、
砕けたゼリー状となって、
食べれば陶酔感をもたらす嗜好品…!
しかもダンジョンで出来たモノだからか一粒が大きく、
視聴者転生者もこれには大きく心が揺れ動かされる…!
【すっげー!】
【持ち帰ってきて…!】
【オカズにしたい】などなど、
盛り上がっているが、瘴気にあてられている者も居る。
「う、うん…!
それじゃあ…これ持ち帰って
みんなにお裾分けしちゃおうかな」
商人だが、視聴者の転生者同士でお裾分けするみたいだ。
よし、よし…仲間意識がある…これはいい傾向だぞ…!
ここが──ダンジョンの潮時だった。
転生者エルフに理性が残っているから、
これならばバッグいっぱいに持ち帰って、
余れば戦利品として売ることも出来るだろう。
この《配信》の熱も今はアレだが次第に下がり、
みんな正気を取り戻すと───思っていた。
だが………。
【5000:面接官さんと一緒に食べて!】
今まで見たことがなかった文字の装飾がポコンと出てきた。
他の文字列とは一線を画す、その異様さに…
『なんらかのスイッチ』が入る音がした。
「えっ…!5000トークンありがと~バグバグちゃん!
女神様に申請できるよ~!」
………嫌な予感がした。
転生者エルフはあの文字列を見た途端に豹変し、
今の今まで抑えていたものが溢れ出始めている…!
きっと背中をそっと押されたようなものなのだろう。
そういう欲……魔物娘の欲が自我を上回り、
エルフの髪色に紫が混じり始めた…!
加えて、ギョロリとこちらを向き…!
今まで世界と隔絶されたと思われたこの空間に、
エルフの手がするりと入ってきて、こちらの身体が掴まれる…!
「と、トークン貰ったから…
配信盛り上げるためには仕方ない、よね…!」
もはやこちらの意思を問いていない。
しかもスマホのスキルの影響からか、
スマホ空間から取り出されても、大きさは変わっていない…!
大きさとしては配信の片隅に居たままの3cmほどだ…!
【わ~!】
【だいたん~!】
文字列は興奮して盛り上がり、
さらにはあの装飾された文字列が…!
【3000:おっぱいで一緒に潰しながらお願いします…!】
追加の注文がやってきて転生者エルフは半狂乱。
自分が今、人間ではなく魔物娘になっているとも気付かずに…
『これが当然』とばかりに文字列のままに行動しようとした!
「えっ…えへへ、
きっと気持ちいいからいいよね?」
「うあっ…!?」
もちろんその注文を背負わされるのは、こちらだった。
転生者エルフの巨大な乳房に『にゅるっ』と滑り込まされる…!
1階から4階まで冒険した服の中、乳の中だ。
当然汗水が滴り、小人の身体にペタペタと貼り付いた…!
しかしそこはエルフ、汗は森の香りである精油(オイル)を生成し、
ベタベタと不快感は無かったけれど…逆にそれが油断を招いた。
「ふふっ…どう?リスナーのみんな見えてる?
私今、みんなの面接官さんを食べちゃってまーす♡」
乳をつぷんつぷんっと下から盛り上げて、
精油をたっぷたぷに見栄えが良くなるように波立てた。
【うわぁ…すっごぉ…】
【色仕掛けじゃん…やっばぁ…】
視聴者はもう鈍重と低速にふけり、
画面向こうで文字を打つ以外のことをしているらしい。
自分はというと、
精油まみれで良い香りがする上に、
もちもちのエルフ乳の海で、滑りの良いおもちゃのよう。
飛び出したりしないのは、
乳で擦り付けられた精油が重いからか、
どんない勢いがついても『ねば~っ』と、乳に重力を引かれてしまう。
そして圧迫感が四方八方から加えられ、
手で作る水鉄砲の締め撃ちのように飛ばされては、
乳でキャッチされるので、流石に目が回った。
「うっ…くぅっ…」
だがしかしそんな恥辱な目に遭ったとしても、
身体を気持ちよく擦られては反応してしまい、性欲が…!
ずるりずるりと陰茎を胸に擦り当て、
バレないように擦り当ててはいるが…
【え~♡気持ちよくなっちゃったの~?可愛い~♡】
【バレないと思っているんだ~♡】と、目ざとい…!
幸運だったのは、
視聴者が自分を含め4人だったことか。
だがスマホのスキルで
これ以上視聴者が増えるというのなら──
考えなくては──
そう、思っている最中に《クラッシュ葡萄》がやって来た…!
おっぱいの中にむにゅんと挿乳され、
『さぁこれがメインディッシュだ』とばかりに、
スマホに、視聴者に、見せびらかしてくる。
「あはっ♡リスナーのみんな、
どっちが勝つか予想してみてね~♡」
そして───
《クラッシュ葡萄》と《小人》、
ふたつの存在を試すかのように───
おっぱいをギュッと狭め、潰しだす…!
………
………………
………………………!
───3cmの小人の身体だから、
果実の皮はボールのようなものだと思っていた。
ちょっと力を掛けただけでは破れず、
弾性のあるようなボールみたいになるんじゃないかと。
だがしかしクラッシュ葡萄に触れた瞬間、
皮の中へとずぶぶっ…と、手足が入って埋まり、
皮の中に入った場所から炭酸が溢れ、空気が纏い出す…!
パチパチ…プチプチ…
肌の表面を覆い尽くすかのように泡が取り付き、
弾ける空気の泡がなんとも奇妙な気持ちよさがあった。
その上で、乳で挟んで潰すのだ。
もはや手足どころではない。身体全身まで葡萄を擦り付け、
もう泡にまみれて、全身が破裂の刺激を絶え間なく浴びる…!
そして、最初に音を上げたのは…クラッシュ葡萄の方だった。
乳に挟まれ、擦らされただけで皮がヒダヒダにちぎれ崩れ、
もう中と外が分からないくらいにグズグズのゼリー状に。
比較実験にされた自分はこの光景を見て、
自分も皮が剥がれるのではと『サーッ』とはなった。
手加減はしている、バフはかけていると知りながらも。
ただ…そのように血の気が引いても、
快楽の波が寄せられたらすぐに、ほだされてしまう。
おっぱいに『くにゅっ』ともみくちゃにされるだけでも、
身体がビクンと跳ねて、気絶しそうになる…!
射精を我慢しているが…もうダメだ!
【いけえええ!】
【やれええええ!】
【500:フィニッシュは舌で!】
もう視聴者を律していた転生者エルフは存在せず、
文字列に誘導されるまま、命令を聞き…!
ベロンと、これみよがしに舌を出す。
スマホをペロリと舐め取るほどまでに下から上に舐め回し…!
スマホよりも小さな存在の小人を…舐め取りにかかった…!
胸に溜まった果汁ごと…!
べろりと舌をお椀型にしながら、ズズーッ吸い上げ…!
小人の身体が草食のエルフの舌に這って、刺激を受ける…!
「あっ…ぐぐぅっ…!」
耐えていた性欲、陰茎を舌に押し当てられて限界だった。
だが…だが…!
射精している光景なんて、他人に見せていいもんじゃない…!
せめて、スマホに映らないように…!
スマホの画面を確認して、映らないように調整しようとした。
だが───画面内には、二本の指が。
まるでこちらの射精の瞬間をベストショットとするように、
エルフの舌に無理矢理押し当て、視聴者サービスするように…!
「や、やめっ…!」
こちらの体を動かして───!
そこで『グイッ』押し付けられたら、そこで終わり…!
画面の中の小人は絶頂を向かえたのか、ビクンと跳ね…!
「んへ~♡」
───白い液体付きの舌が画面を埋め尽くした。
………
………………
………………………。
やってしまったという気持ちと、
見られてしまったという気持ちが複雑に絡み合い、
スマホの配信の文字列を見るだけでカーッと顔が熱くなる。
もう、どうにでもなってしまえと身体を投げ出し、
哀れな小人としてのスタンスを取ろうとしていた。
だが──少しは考えたほうがよかったのだ、自分の運命を。
疲労困憊で疲れている身体が
ゆっくり…ゆっくりと持ち上がり…
「え…!いや、食べるって性的な意味じゃ…!?」
喉の奥へと運び込まれ、
食道に手をついた時には後の祭り。
『今何が起こっているか』把握していない
陶酔感に満ちた転生者エルフをスマホで見ながら…
喉の奥へと、コクリ…コクリ…と、呑まれたのだった。
──────────────────────────
【エルフは草食だから溶けないんじゃない?】
【でもこの前エルフの子が唐揚げ食べてたの見たよ】
転生者エルフはあの後、寝落ちしてしまい、
自分はというと胃の中で、ぼう…っとスマホを眺めていた。
画面には気持ちよさそうな顔で寝ているエルフの姿が見える。
視聴者は小人が溶かされていないか心配していたが、
まぁ…現状溶けている感じはないし大丈夫なのだろう。
スマホも文字は打てないけれど
絵文字は打てるようになってきた。
視聴者も安心させることが出来たし、後は起きるのを待つだけ。
………。
(このエルフの中に自分は居るんだよな…)
画面の中では腹を出したエルフが眠っている。
おそらく自分が居るだろうその腹は、スレンダー然としてて、
自分は腹も膨らませられない存在なのかと、今一度実感する。
ぐぐぐっ…と、
胃を、腹を押しても画面内ではピクリとも動かず、
『ん~っ♡』と、報復とばかりに寝転びが起きれば、
胃液とともにグルングルンと転がされ、小人の無力さを知る。
………………………
………………
………。
さて、どうしよっかなぁ…
スマホの利便性は確かに実感できたが、
こうも友達、視聴者を巻き込むほどとは思わなかった。
こうなれば世界に広めず、
このギルドで隠して使ったほうがいいのかも…
………と、そんな時だった。
ヴヴヴッとスマホが鳴りだしたかと思いきや、
なんらかのマークが出てきて………
多分押せばいいのだろうと、色がついている部分を押した。
するとどうだろう、スマホから声が湧き出て──、
この声は───前に相談した転生者だ!
「もしもし…あの、見ましたよ。配信。
私もああいう風にいじめたいな~…なんて」
確実に視聴者だったのだろう、そんなセリフが聞こえてきた。
そして次々と画面に送り込まれるメッセージ達…!
そのいずれもが前に面接した転生者たちだった…!
ぽちゃん…ぽちゃん…
胃の中をスマホの明かりで照らす中、
どうしたら転生者を満足させることができるかと、
心音鳴りはするが静かな空間の中、思い耽ったのだった。