XaiJu
赤キギリ
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転生者エルフのスマホスキル

『転生者』の面接にも慣れてきた。

マナによる既存の魔術形態に依らない

『規格外の連中』だとしても、人間は人間。

話せば分かってくれるし、クセはあるが会話はできる。


《スキル》に関しては

教会独自の技術で未だトンチンカンだけど、

聞けばどういう能力かを申告してくれているので助かった。


………のだが、最近転生者の間で秘密裏になにかが流行っている。


みんな手の平サイズの石板を持っているのだ。

冒険者に支給される魔導刻印のクエスト板かと思えば、

仕事と思えないほど熱心に見ているし、

遠目で観察するとなにやらビカビカと光っている気もする。


「それ、見せてくれない?」と転生者に聞けば、

「え~!?人に見せるのはちょっとナ~」との秘密主義っぷり。


ますます気になる………

転生者以外には見せられない代物なのだろうか?


そう考えれば自ずと謎の組織に思い至り、

『もしかして転生者同士で徒党を組んで

 世界征服をしようと企んでいるのではないか?』

などという妄想をイチ面接官が思ったりもしてみるわけだ。

───まぁ、そんなことはないだろうけど。


だがしかし…ここら周辺の転生者を

取り扱っているギルドの人間である以上、

見過ごせるわけもなくて…噂の出どころを確認しなければ!



………

………………

………………………と、追跡したまではよかった。


だが、一度でも考えなかったのだろうか?

転生者が持っている石板がただの物体ではなく…

《スキル》によって作られたものだという可能性に。


────────────────────────────────


噂の出どころの輪郭が見えてきた。

最近この街にやってきたアイテム商人。

エルフというからには若々しく活動的だから合点がいった。

───これは、転生者なのだと。


少々偏見になるがエルフなんて森さえあればなんとかなる種族だ。

日銭を稼ぐ時はあるものの享楽的に使うため、

街と街を行き来するエルフの商人なんて聞いたこともない、そんなに。

だから目星を付けて追跡したのだけれど──。



「うわぁ…ダンジョン入ってったぞ…」

取り引き現場を押さえればいいと思っていた。

だけどまさかその現場がダンジョンの中だなんて…

まぁ秘密の取り引きをするにはうってつけの場所だが…


そろりそろり………入ってみると、

思いのほか明るいダンジョンだった。


草木が生い茂る、自然系のダンジョン。

吸って吐くだけでもマナマナしく、本能的に癒やされる。

なるほどエルフが拠点に使うのも頷けるマナマナしさだ。


………ただ、感心しているのもそれまで。


「あれ…?どこ行った…!?」

草木に紛れてエルフの姿がどこかへ消えてしまった…!

足跡を辿ろうにも途中で生い茂った方向へと進み、

あと残っている痕跡は…音くらいか…!


ガサゴソと鳴り響く方へと耳を澄ませて、追跡し…!

より一層草木が生い茂る森の中へと突き進む…!



「あ、やっぱ、来てたんだ、人」


ただ───

ガサゴソ音がする方向とは逆に声がかけられた。

それがつまりは『バレていた』証拠だと気付いた時には、


こちらの方向に《例の石板》が向けられ───!



『ピカッ!』と、閃き───!

光線がこちらの全身を包み込む───!


洞窟から屋外へと飛び出した時のような、

快活な温かさがジワりと肌に熱を持たせて──!


──────────────────

────────────

──────


………目をつぶって、次に開いた時には、何もかもが違っていた。


別空間と言ってもいいくらいに…

先程まで感じていた、靴に絡む草の感触が消え失せ、

ぐるりと周囲を確認すると、神殿よりも装飾の無い白一面の世界。

壁がどこにあるか分からず、狭いのか広いのかわからない空間だ。


足元さえどこまでが地面か分からず、

感触のまま、バランス感覚のまま、立っているしかない。


だがしかし…一番の違いは眼前にあるものか。

大きな額縁のように長方形の窓がぽっかり開いており──…




───そこに、例のエルフが居た。


窓が埋まるくらいの大きな目でこちらを見つめ、

間違いなく巨大化していると察知し、

この時初めて、《スキル》を使われたと思い至る…!


「さっきからコソコソと…誰、キミ…?」


「え、えーと…ギルドの職員で…」


こうなったら仕方がない。

別に隠す理由も無いし話してしまおう。

捕縛されている現状だが…

エルフの転生者はこちらを敵視していない。

話せば分かるタイプと見た。


ギルドの転生者を管理する面接官であること、

転生者が持っている石板のこと、

いったいスキルはなんなのかと…


持ち合わせている情報を次々と開示し、

時には質問をしながら…聞いてみる。

相手は巨大で、こちらを見降ろしているが…

面接官のスイッチが入れば、次から次に言葉が出た。


「ん…加入しなきゃいけないの、ギルドって」


「え、ええと…だいたいの冒険を考えている転生者は入ってますよ」


「ふ~ん…じゃあ入ってみようかな」


「まぁ、後悔はないと思いますよ」


単純に、利便性が高いから。

多彩な転生者のスキルを利用できるから、

利用料や仕事を考えてもわりと破格な気はする。

………まぁ、この支部は新規ゆえか少々転生者が少なく、

出来ることも少ないが、ゆくゆくは…


…と、ギルドで役に立つスキルで思い出した。

いったいこのエルフのスキルはなんなのだろう?

個人的には事務で有用ならぜひとも欲しいところだが…


「えっ……まぁ普通に、スマホだけど?」


「スマホって………なんですか?」


「あぁ、えーと…前の世界の話なんだけど…」


どうやらスマホというのは、

《魔術の水晶》と似たようなものらしい。


丸型の水晶から、平べったい水晶に。

映像を映すだけではなく情報も記憶でき、

通話もできるからまぁ…とんでもないスキルだ。

転生者達の前の世界では結構ありふれていた技術らしい。


これは…ギルド的にかなり熱い人材だぞ…!

それになんなら自分も欲しい…!


「そ、それじゃあ…!」


「ほしいのなら売ってあげるけど~…

 いいの~?この世界、変わっちゃうかもよ~?」


「え………」


「悪いことには使わないけど~…

 世界の価値観を変えちゃうかも」


そ、そんなに…?

と思ったが、そういえば過去に

『転生者のスキルで世界が一変された』と聞いたことがある。


【転生者のスキルの行使には注意セヨ】と、

《カヲル五戒》にも書かれていたし、

触れてしまえば最期、世に広めた罪人になる可能性が…?


ここは勝負だ、

有能ギルド職員になるか、罪人になるかの。

悪いことには使わないという彼女を信用して、

世界を一変させるスキル能力、賭けてみるか───!?


────────────────────────────


「い、一応ちょっと、

 上の判断を待ってもらってもいいかな?」


我ながらなんとも情けない選択肢だが、

極めて社会的に対応することにした。

いまだスマホというのが分かっていないのもあるし…


「………信用してないでしょ」


「ん、ん~と…」


図星だった──、自分はまだ信用していない。

《悪いことには使わない》という口約束もあるが、

《はたしてこのスキルは制御可能かどうか》というのもある。

異世界からやってきた転生者だし、価値観が見えてこない。

それに加えて転生の際にエルフになったのだから、

肉体と精神とのギャップもまだ慣れていないだろう。


様子を見るのが一番堅い気がした───。


「あくまでギルドのいち職員として…」


それを聞けばやっぱりか──。

との表情で顔に影を作ってこちらを見降ろすエルフ。


「まぁ、いいよ。見学してって」


「あ、ありがとうございます…」


とりあえずお互いまだどっちも知らない状態だ。

スマホについてはじっくり観察するとして…


「で、あの、ここから出してもらうわけには…」


流石に現在の状況は、ちょっと怖い。

自分よりも巨大な顔がこちらをぐるりと見ているのだ。

可愛くはあるが、パクりと、ひと呑みされるほどデカい。


「信用してくれるまで出さない…から」


「は、はぁ…」


どうやらまだ警戒されているらしい。

おっかなびっくりと巨人の機嫌をとりつつ、

ひとまずスマホの中で見学することになったのだった。


───────────────────────────


「ちゃんと綺麗に見えてる~?」


「は、はい…こんな事もできるんですね…」


見学の申し出を受けた直後、

スマホはエルフの頭上まで持ち上げられ、

定点固定の後、エルフの動きにシンクロするようになった。

一部の転生者がよくやる

剣を背中の後ろに浮かせるアレみたいなやつだ。


「普通は自撮り棒使って撮るんだけど~

 女神様からパッシブで貰ったからよかったわ~」


「へ、へぇ~…」


よくは分からない、転生者同士で使う用語なのだろう。

それとなくやり過ごしつつ、この視点に慣れることにした。


………とはいえ、なかなか妙な視点である。



転生者エルフは──

今の今までスマホ視点から見ていたから大きく見えていたが、

よくよく見てみると少女体系に近い大きさに見えた。


身長は150cmあるくらい。

髪色はエルフらしくライム色をしており、

街の探偵が付けるようなふっくらとした帽子で覆っている。


服飾はダンジョンなのに

冒険家というよりは商人らしくきらびやかで、

背負っているバッグだけが茶色と渋くなっている。


体型は面接に関係無いが………

くりっとしたエルフの少女という見た目からはデカい。

別に注目しているというわけではないが、

スマホがおっぱいを中心に向いていて…注目してしまう。


………………………わざとだろうか?


もしかしたらこちらを試すために…?



と、そんな事を考えている最中。

こちらを見上げながら、口をモゴモゴとして…



「スタート、配信」

などと呪文をつぶやいた…!


言うなり、スマホの空間がパッとピンク色に明るくなる!

その上、なんらかの椅子ほどもある曲線も湧いてきて…!


「あれ、これ、文字か…!?」

周り込んで読めば、そう見えた。


【こんちは~】と何気ない文字列ではあったが、

それが段々と湧き出て積み重なれば意思のようなものを感じ、

極めつけは

【あれ?ギルドの面接官じゃん】

と昇れば、認知されたとゾっとする…!


だが、転生者エルフは慣れているようで、

こちらへ向かってどこの誰に語りかけるか、話し始めた。


「ギルドの人、スマホがなにか知りたいんだって」


【へ~、そういえばこの世界の人って知らないもんね】


「このくらいの視聴者数の方がのんびり出来るんだけど、

 やっぱりこのスキルを持っている以上避けられないし~、

 魔力トークンも欲しいし~」


【いいんじゃない?世界変えても、住みやすくなったらいいし】



文字列を目で追えば、友達と会話しているように思える。

どうやらこれが例のスマホの能力のひとつのようだ。

ここまでなら水晶で文通するようなものではあるが…!


ただ視聴者という言葉が気になり、該当の数字を覗けば…

『3人』と書かれている…!もしかしたらこれって…!



「あ、そういえば自分がどう見えているか気になるか。

 はい、面接官さん、スマホあげる」


転生者エルフがふわっと指を上げれば、

虚空から魔力渦が起こり、例の石板が現れた…!

そして光っている水晶の部分を覗けばそこには…!



「うわ…う、動いている…」


左手を上げれば、画面の中の人物が左手を上げ、

右手を上げれば、画面の中の人物が右手を上げ、

くるりと向き直ればそこには───自分が居た。

そして、視聴者数を確認すれば、3人から4人になっている!



───なんとなく理解してしまった。


自分は何者かに見られているのだと!

そして、おそらくギルドの面接官だと知っている者…!

《転生者》たちに見られているのだとわかった…!



(恥ずかしいな…)

こんな小さな画面に囚われているなんて、

スマホで客観視してしまうと途端に恥ずかしくなってくる。


それに、一応転生してきて不安であろう彼女達には

信頼できる大人の面接官というイメージを持たせているし、

矮小なこの身体を見られていると…顔が赤くなるほど恥ずかしい。



視聴者から目を背けてみる。表情を隠すために。

しかしそんな事をしてもスマホは光り、見てみれば…

【そっぽ向いちゃった~、こっち向いて~】との、

まるでペットのような扱いをされてこれもまた恥ずかしかった。



「はいはい、面接官さんへはそれまで~、

 いつもやってる事見てもらって、

 スマホのスキルを見定めてもらうよ~」


こんな状況をまとめてくれるのが、転生者エルフだった。


場馴れしているのか画面の中の雰囲気を律し、

「配信再開するよ~」との合図で、画面の主役が変わってゆく。

スマホをくるりと傾け、ダンジョン内の雰囲気に。

文字もズラーッと横から生えてきて『鯨骨の森』と用意周到だ。



「面接官さんも居るから説明するけど~

 今日は鯨骨の森を探索していきたいと思います。

 すごいよね~クジラの背骨一個からできたダンジョンなんだって」


友達相手だが本格的にダンジョンを調べてきたようで、解説している…。


なんだ…最初こそは言われた通り危ないスキルだと思っていたのだが、

こうもダンジョンの仕組みを映像にして映すと、

《探記》の代わりになるではないか。


ギルド的にも冒険者の探記は残れば残るほどいい。

ダンジョンはどういった環境だったかや、

どんなモンスターが居たかも把握できるし、

スマホの存在はこのギルド支部にとって得になるだろう…!


………そう、思っていた。


1階で草木に染まった緑スライムを撮影し、

2階で森林に居がちな桜ビートルから逃げ、

3階でゴーレムと共生したアルラウネを興味深く観察し、

この《配信》は意義のあるものだと…感じていた中だった。


4階からちょっと様子が変わる──。


───────────────────────────


『鯨骨の森』も4階ともなると、

瘴気が濃くなり、森の明るさを覆ってきた。


先程まで一面緑の空間だったのに、ほんのりと紫じみてくる。

スマホの向こう、転生者エルフを見たらキツそうで…

ほとほとに汗が垂れ落ち、服も緩んできていた。



………と、ここでふと思い当たることがある。

もしかしてこれは転生ギャップではないかと。


人間気分でダンジョンにやって来たが、種族はエルフ。


《清浄な草木》に囲まれているまではいいが、

その草木が《瘴気や淫気》に当てられていると、

《エルフの肉体》がその影響を受けてしまうのではと…!

つまり《魔物娘の本能》が疼いているのではないかと…!



これはマズイ…!


転生者エルフは───

スマホは慣れてはいると思うが、この世界には慣れていない…!

はっ…はっ…と既に兆候が現れており、その影響は視聴者さえも…!


【なんか興奮してきた…】

【すごいの探そーぜ】

【面接官さんかわいい】などと、

スマホの向こう側にも瘴気の影響が出始めている…!


これは危険だ、止めなくては…!

だが火照った転生者エルフ相手に

スマホの窓から語りかけても焦点があっておらず、


ならばと視聴者同様、文字を書いて送ろうとしたが、

どう操作したら文字が入力されるのか分からない…!


そうしている間に───来てしまった。


スマホがぐるりと向かれた先──、

なんだなんだと見てみれば…

魔物娘みんな大好き《クラッシュ葡萄》が実っている…!


少し握っただけでも皮の中で炭酸が湧き、

砕けたゼリー状となって、

食べれば陶酔感をもたらす嗜好品…!


しかもダンジョンで出来たモノだからか一粒が大きく、

視聴者転生者もこれには大きく心が揺れ動かされる…!


【すっげー!】

【持ち帰ってきて…!】

【オカズにしたい】などなど、

盛り上がっているが、瘴気にあてられている者も居る。


「う、うん…!

 それじゃあ…これ持ち帰って

 みんなにお裾分けしちゃおうかな」


商人だが、視聴者の転生者同士でお裾分けするみたいだ。

よし、よし…仲間意識がある…これはいい傾向だぞ…!


ここが──ダンジョンの潮時だった。

転生者エルフに理性が残っているから、

これならばバッグいっぱいに持ち帰って、

余れば戦利品として売ることも出来るだろう。


この《配信》の熱も今はアレだが次第に下がり、

みんな正気を取り戻すと───思っていた。


だが………。


【5000:面接官さんと一緒に食べて!】


今まで見たことがなかった文字の装飾がポコンと出てきた。

他の文字列とは一線を画す、その異様さに…

『なんらかのスイッチ』が入る音がした。



「えっ…!5000トークンありがと~バグバグちゃん!

 女神様に申請できるよ~!」


………嫌な予感がした。

転生者エルフはあの文字列を見た途端に豹変し、

今の今まで抑えていたものが溢れ出始めている…!


きっと背中をそっと押されたようなものなのだろう。

そういう欲……魔物娘の欲が自我を上回り、

エルフの髪色に紫が混じり始めた…!



加えて、ギョロリとこちらを向き…!

今まで世界と隔絶されたと思われたこの空間に、

エルフの手がするりと入ってきて、こちらの身体が掴まれる…!


「と、トークン貰ったから…

 配信盛り上げるためには仕方ない、よね…!」


もはやこちらの意思を問いていない。

しかもスマホのスキルの影響からか、

スマホ空間から取り出されても、大きさは変わっていない…!

大きさとしては配信の片隅に居たままの3cmほどだ…!


【わ~!】

【だいたん~!】

文字列は興奮して盛り上がり、

さらにはあの装飾された文字列が…!


【3000:おっぱいで一緒に潰しながらお願いします…!】


追加の注文がやってきて転生者エルフは半狂乱。

自分が今、人間ではなく魔物娘になっているとも気付かずに…

『これが当然』とばかりに文字列のままに行動しようとした!


「えっ…えへへ、

 きっと気持ちいいからいいよね?」


「うあっ…!?」

もちろんその注文を背負わされるのは、こちらだった。

転生者エルフの巨大な乳房に『にゅるっ』と滑り込まされる…!


1階から4階まで冒険した服の中、乳の中だ。

当然汗水が滴り、小人の身体にペタペタと貼り付いた…!

しかしそこはエルフ、汗は森の香りである精油(オイル)を生成し、

ベタベタと不快感は無かったけれど…逆にそれが油断を招いた。



「ふふっ…どう?リスナーのみんな見えてる?

 私今、みんなの面接官さんを食べちゃってまーす♡」


乳をつぷんつぷんっと下から盛り上げて、

精油をたっぷたぷに見栄えが良くなるように波立てた。


【うわぁ…すっごぉ…】

【色仕掛けじゃん…やっばぁ…】

視聴者はもう鈍重と低速にふけり、

画面向こうで文字を打つ以外のことをしているらしい。



自分はというと、

精油まみれで良い香りがする上に、

もちもちのエルフ乳の海で、滑りの良いおもちゃのよう。


飛び出したりしないのは、

乳で擦り付けられた精油が重いからか、

どんない勢いがついても『ねば~っ』と、乳に重力を引かれてしまう。


そして圧迫感が四方八方から加えられ、

手で作る水鉄砲の締め撃ちのように飛ばされては、

乳でキャッチされるので、流石に目が回った。


「うっ…くぅっ…」

だがしかしそんな恥辱な目に遭ったとしても、

身体を気持ちよく擦られては反応してしまい、性欲が…!


ずるりずるりと陰茎を胸に擦り当て、

バレないように擦り当ててはいるが…


【え~♡気持ちよくなっちゃったの~?可愛い~♡】

【バレないと思っているんだ~♡】と、目ざとい…!


幸運だったのは、

視聴者が自分を含め4人だったことか。

だがスマホのスキルで

これ以上視聴者が増えるというのなら──


考えなくては──

そう、思っている最中に《クラッシュ葡萄》がやって来た…!


おっぱいの中にむにゅんと挿乳され、

『さぁこれがメインディッシュだ』とばかりに、

スマホに、視聴者に、見せびらかしてくる。



「あはっ♡リスナーのみんな、

 どっちが勝つか予想してみてね~♡」



そして───

《クラッシュ葡萄》と《小人》、

ふたつの存在を試すかのように───



おっぱいをギュッと狭め、潰しだす…!


………

………………

………………………!


───3cmの小人の身体だから、

果実の皮はボールのようなものだと思っていた。


ちょっと力を掛けただけでは破れず、

弾性のあるようなボールみたいになるんじゃないかと。


だがしかしクラッシュ葡萄に触れた瞬間、

皮の中へとずぶぶっ…と、手足が入って埋まり、

皮の中に入った場所から炭酸が溢れ、空気が纏い出す…!


パチパチ…プチプチ…

肌の表面を覆い尽くすかのように泡が取り付き、

弾ける空気の泡がなんとも奇妙な気持ちよさがあった。


その上で、乳で挟んで潰すのだ。

もはや手足どころではない。身体全身まで葡萄を擦り付け、

もう泡にまみれて、全身が破裂の刺激を絶え間なく浴びる…!


そして、最初に音を上げたのは…クラッシュ葡萄の方だった。

乳に挟まれ、擦らされただけで皮がヒダヒダにちぎれ崩れ、

もう中と外が分からないくらいにグズグズのゼリー状に。


比較実験にされた自分はこの光景を見て、

自分も皮が剥がれるのではと『サーッ』とはなった。

手加減はしている、バフはかけていると知りながらも。


ただ…そのように血の気が引いても、

快楽の波が寄せられたらすぐに、ほだされてしまう。


おっぱいに『くにゅっ』ともみくちゃにされるだけでも、

身体がビクンと跳ねて、気絶しそうになる…!

射精を我慢しているが…もうダメだ!


【いけえええ!】

【やれええええ!】

【500:フィニッシュは舌で!】


もう視聴者を律していた転生者エルフは存在せず、

文字列に誘導されるまま、命令を聞き…!



ベロンと、これみよがしに舌を出す。

スマホをペロリと舐め取るほどまでに下から上に舐め回し…!

スマホよりも小さな存在の小人を…舐め取りにかかった…!


胸に溜まった果汁ごと…!

べろりと舌をお椀型にしながら、ズズーッ吸い上げ…!

小人の身体が草食のエルフの舌に這って、刺激を受ける…!


「あっ…ぐぐぅっ…!」

耐えていた性欲、陰茎を舌に押し当てられて限界だった。

だが…だが…!

射精している光景なんて、他人に見せていいもんじゃない…!

せめて、スマホに映らないように…!



スマホの画面を確認して、映らないように調整しようとした。




だが───画面内には、二本の指が。

まるでこちらの射精の瞬間をベストショットとするように、

エルフの舌に無理矢理押し当て、視聴者サービスするように…!


「や、やめっ…!」

こちらの体を動かして───!

そこで『グイッ』押し付けられたら、そこで終わり…!

画面の中の小人は絶頂を向かえたのか、ビクンと跳ね…!



「んへ~♡」

───白い液体付きの舌が画面を埋め尽くした。



………

………………

………………………。


やってしまったという気持ちと、

見られてしまったという気持ちが複雑に絡み合い、

スマホの配信の文字列を見るだけでカーッと顔が熱くなる。


もう、どうにでもなってしまえと身体を投げ出し、

哀れな小人としてのスタンスを取ろうとしていた。

だが──少しは考えたほうがよかったのだ、自分の運命を。



疲労困憊で疲れている身体が

ゆっくり…ゆっくりと持ち上がり…

「え…!いや、食べるって性的な意味じゃ…!?」


喉の奥へと運び込まれ、

食道に手をついた時には後の祭り。


『今何が起こっているか』把握していない

陶酔感に満ちた転生者エルフをスマホで見ながら…

喉の奥へと、コクリ…コクリ…と、呑まれたのだった。


──────────────────────────


【エルフは草食だから溶けないんじゃない?】

【でもこの前エルフの子が唐揚げ食べてたの見たよ】



転生者エルフはあの後、寝落ちしてしまい、

自分はというと胃の中で、ぼう…っとスマホを眺めていた。


画面には気持ちよさそうな顔で寝ているエルフの姿が見える。

視聴者は小人が溶かされていないか心配していたが、

まぁ…現状溶けている感じはないし大丈夫なのだろう。


スマホも文字は打てないけれど

絵文字は打てるようになってきた。

視聴者も安心させることが出来たし、後は起きるのを待つだけ。


………。


(このエルフの中に自分は居るんだよな…)

画面の中では腹を出したエルフが眠っている。

おそらく自分が居るだろうその腹は、スレンダー然としてて、

自分は腹も膨らませられない存在なのかと、今一度実感する。


ぐぐぐっ…と、

胃を、腹を押しても画面内ではピクリとも動かず、

『ん~っ♡』と、報復とばかりに寝転びが起きれば、

胃液とともにグルングルンと転がされ、小人の無力さを知る。


………………………

………………

………。


さて、どうしよっかなぁ…

スマホの利便性は確かに実感できたが、

こうも友達、視聴者を巻き込むほどとは思わなかった。


こうなれば世界に広めず、

このギルドで隠して使ったほうがいいのかも…


………と、そんな時だった。

ヴヴヴッとスマホが鳴りだしたかと思いきや、

なんらかのマークが出てきて………

多分押せばいいのだろうと、色がついている部分を押した。


するとどうだろう、スマホから声が湧き出て──、

この声は───前に相談した転生者だ!


「もしもし…あの、見ましたよ。配信。

 私もああいう風にいじめたいな~…なんて」

確実に視聴者だったのだろう、そんなセリフが聞こえてきた。


そして次々と画面に送り込まれるメッセージ達…!

そのいずれもが前に面接した転生者たちだった…!


ぽちゃん…ぽちゃん…

胃の中をスマホの明かりで照らす中、

どうしたら転生者を満足させることができるかと、

心音鳴りはするが静かな空間の中、思い耽ったのだった。


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