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黒女美術部

(過去に試しに外部小説サイトに載せた小説です。続きはこちらで書かせていただきます。)



 この学校の美術部はちょっと変わっている。


 普通の美術部みたいに水彩画や漫画を描いたりする部員がいる一方で、女体を芸術品として扱う部員がいるのだ。

 一般的に前者は伝統派、後者は女体派と呼ばれている。


 普通に絵を描く伝統派の美術部員である私、紀田あかりは今、女体派美術部員の西浦さくらに迫られている。

 

 西浦の手には私に着せるための桃色極小ビキニと私を縛るための縄が握られている。


「あかりちゃ〜ん、お願いだから素材になってよ〜!」


 彼女の顔が不敵な笑顔で迫ってくる。


「なんでそんなことしなきゃいけないの!」


「いいじゃん!ぜったい似合うよ!縛られた女の子は綺麗なんだから!」


「だからってやだよ!」


 西浦が私の腕を掴んで身体をぶつけてきた。そのまま私は壁と彼女の体に挟まれ身動きが取れなくなった。


 西浦が耳元で囁く。

「私、今度の作品展で賞を狙えるアイデアがあるの。」


 さっきまでの声とは打って変わって、真面目な声色。


 気恥ずかしさに目線を逸らす。

「…そんな、なんで私が。」


「あかりじゃないとダメなの。」

 間髪入れずに真面目な声で答える西浦。


 同じ声色で続ける。

「あかりを素材にすることから始まるの。私の作品の計画は。」



「そんな真面目に言われたら…」

「言われたら?」またも間髪入れずに西浦は尋ねた。


「ちょっと揺らいじゃうかも…」私もまた目線を逸らして言った。


 私の言葉を聞くと西浦は私に押しつけていた身体を離し、

「じゃあ来て。」と握ったままの私の腕を引っ張る。


「えっ、まだやるって決めたわけじゃ」と戸惑う私に彼女は「まだ縛らないから」と言って引っ張るのをやめない。



「見てほしいものがあるの。」


 そう言って私の手を引く。私たちはそのまま二人だけの教室から出ていった。



「ここだよ。」西浦は振り向いて言った。


「ここって…」


 そこはダンス部が活動している教室の前だった。体育で使う特別な教室で、座学の教室の2倍の広さがある。


「さあ、入ろう。」


 うん、と私が答える前に西浦はガラガラと扉を開け、私の手を引っ張る。


 開く扉とともに陽気な音楽が聴こえてくる。


 教室に入った私の視界に入ったのは、すごく衝撃的なものだった。




 10人ほどの女子が踊っていた。両乳首にハート型のニップレス、秘部には前貼りだけ貼り、身体はカラフルな縄で飾りのような亀甲縛りを施されている。


 全員が髪を全てまとめて後ろで結んでいて、おでこが丸出しなのも奇妙さを際立たせている。


 顔もまた凄かった。首輪から後頭部へ伸びるベルトの先では鼻フックが鼻の穴を拡げている。

 更には口にいくつも穴の空いた球を咥えている。その球の両側からはベルトが伸びており、後頭部で結ばれている。


「すごいね、ボールギャグ咥えてるよ。」

 西浦がニヤニヤしながら私に話しかけてくる。


「あれ、ボールギャグっていうの?」

 異様な光景に衝撃を受けながら訊いた。


「そうだよ。普通に喋れなくなる上によだれが垂れてくるんだ。」なんて凶悪な道具だと思った。



 そんな彼女たちが踊っているのは、普通のダンス部がするような格好いいものではない。


 全員同じ揃ったテンポで脚を拡げて、交互に右足と左足をリズム良く上げている。

手はパーで上向き、肘は綺麗な90度。


 非常にひょうきんな踊りだ。

 恥ずかしそう、と思う前に衝撃で固まっていた。


「どう?あかりちゃん。」


 そう西浦に話しかけられてやっと、すごく恥ずかしそうだと思った。


「まだまだこれからだよ。」


 現時点で衝撃を受けているのに、なんてことだろう。私は思わず身構えていた。


「見てて。」

 そう言うと西浦は再び注意を裸体を晒しながらひょうきんに踊り続けるダンス部に向けた。


 西浦に言われるままダンス部を見ていると、全員が踊り続けたまま後ろを向き、ぞろぞろと一列で仕切りで作られた舞台裏に飛び跳ねていった。


 お尻と背中が丸見えというのもかなり恥ずかしいものだと思った。


「みんなお尻と背中丸出しだね」

 西浦が微笑みながら言う。どうやら同じことを考えていたらしい。

 変なところでリンクしてしまったような気がして妙な気分になった。


「ほら、来るよ。」西浦が言った。

 すると、仕切りの後ろからまたダンス部たちが一列でぴょこぴょこリズムよく飛び跳ねてくる。


 また私は衝撃を受けた。

 彼女たちは頭に大きなリンゴのかぶりものを被って登場したのだ。


 顔出し穴が空いているタイプで、みんなそれぞれかぶりものから顔が見えている。

 穴からのぞくおでこ丸出しで猿轡と鼻フックを付けられた顔は、さっきよりもより一層ひょうきんだった。


 さらにひょうきんさと恥ずかしさの増した見た目で彼女たちは踊り続ける。

 もちろん、先程と同様ほぼ全裸の身体を晒しながら。


 言葉を失いながらも目が釘付けになる私を見て、西浦はまた微笑んだ。


 彼女たちは踊りはそのままにその場で時計回りに回転し始める。

 ひょうきんな姿をした全身を見せつけるように3周半回転し再び尻と背中が正面になる。


 そこで彼女たちは、ずっと拳はパーで挙げていた手を腰に当て、お尻をふりふりと振り始めた。


 それぞれお尻のぷりっぷりな子もキュッとした子も、みんな同じリズムでお尻を振り続ける。


 お尻に釘付けになっていると、彼女たちはまた正面を向き、肘を90度に両手を挙げて再び脚上げダンスを始めた。



 数十分後、変態ダンスを見終わった私たちは美術室に戻っていた。


「ねえ、どうだった?あかりちゃん。」

「どうって言われても…」


 大量かつ多数の衝撃が一気に入ってきて、どう言ったらいいかわからない。

 ただ、自分の同じ学校の同級生があんな格好を晒しているのは、すごく変な気持ちになる。


「あたし、ああいうのやりたいんだ。」

「なんで?」

「いつもは格好いい子たちがあんな格好するのは恥ずかしいと思うんだけどさ、それでもなんの戸惑いもなくああやって踊れるの、なんか格好いいと思うんだよね」

 少し真面目な声に聞こえた。


「そうなの?…私で?」

「うん。」


 彼女の意思、表現したいものはなんとなく伝わった。しかし、なぜ私がそれをしなければならないのか。

「…自分でやるんじゃダメなの?自分でかぶりもの被って鼻フックするのは違うの?」


「うん。あかりちゃんだからいけるの。さっきも言ったでしょ?」


 少しずつ覚悟が伝わってきて動かされそうになる自分がいる。

 しかし、さっきのダンス部の衝撃的な格好を見て、自分がああなるのを想像してしまい我に帰る。


「さすがにあれは恥ずかしすぎるって。」


「ダメ?」

 少し悲しそうな西浦に少し心が揺らぐが、やはり断る以外の道はない。

「うん。ダメ… 。」


「じゃあさ、あんな派手にじゃなくてさ、ちょっとずつやろうよ!」


「え?」


「私も一緒にやるからさ、やろうよ!」


 私はまた彼女に手を引っ張られ、躓きそうになりながら美術室を出て行った。


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