トレーナーと海でバカンス中のアヤベさんです!
■ラフ
■ドーベルやデジタルばりに妄想が進んだので、
アヤベさんが水着を街へ買いに行く前日譚です!↓
夏の気配が色濃くなってきた休日の午後、アドマイヤベガは渋谷駅のハチ公前で、
心底がっかりした。彼女はスマホのスピーカーモードで誰かと会話している様子だ。
「あぁ……カレンさん、今日は都合がつかない? そう…ですか……」
せっかくカレンちゃんと一緒に水着を買いに行くはずだったのに、急な用事でキャンセルになってしまったのだ。人混みの中、お洒落な店を一人で行くのは気が進まない。
どうしようかと肩を落としていると、背後から聞き慣れた声が聞こえた。
「おや、アヤベさん!奇遇だね!」
「アヤベさん、お買い物ですか?」
振り返ると、テイエムオペラオーとナリタトップロードが、私服姿で立っていた。
「オペラオーに、トップロード……どうして、ここに?」
「すみません…お話少し聞いちゃいました、水着買いに行くんですよね?」
「ふっ、この世の全てを我が劇場と化す、このテイエムオペラオーに不可能はない!君も一人で水着を買いに行くのは心細いだろう?この覇王が付き合ってやろうじゃないか!」
「アヤベさん、もしよかったら私たちと一緒にどうですか?一人より、その方が楽しいと思いますし!」
アヤベは一瞬ためらった。オペラオーと一緒だと、何かと騒がしくなりそうだ。
だが、トップロードも一緒なら、まあなんとか……。
「……お願いするわ」意を決して頷いた。
こうして、アヤベの「カレンちゃんと水着を買いに行く計画」は、
「オペラオーとトップロードと自分の、何故か3人で水着を買いに行く計画」
へと変わった。
渋谷のおしゃれなショップの水着売り場は、まるで夏を凝縮したパレットのように、色とりどりの水着が並び、華やかな雰囲気に満ちていた。眩い照明に照らされ、きらめくビーズやスパンコールが、見る者の目を惹きつける。
普段こういった華やかな場所は縁遠く、アヤベにとっては足を踏み入れるだけでも勇気がいる。
だからこそ、こうした場所に慣れ親しんでいるカレンちゃんと一緒に行くことは、
彼女にとって一種の必然だった。信頼できる友と一緒なら、この賑わいのなかでも、きっと心穏やかに、自分に似合う一着を見つけられるはずだった……。
『大丈夫かな……?』
不安な面持ちで売り場に入ったアヤベは、奥の棚でゴソゴソと動いている人影に気づいた。
「あ、アヤベさん……?」
「ドトウ……!?どうして、ここに?」
そこにいたのは、メイショウドトウだった。
「ドトウちゃんも、水着を買いに来ていたんですね!よかったら、一緒にアヤベさんの水着も、選んで貰えますか?」
「え、えぇ……!はい!」
なぜか総勢4人になってしまい、アヤベはもう諦めたようにため息をついた。
まず、オペラオーが目を輝かせながら、黄金色にギラギラと光る派手な装飾付きの水着を差し出した。
「どうだいアヤベさん!ボクが選んだこの水着、夜空に美しく輝く1等星のような君にこそ、ふさわしい物だよ!」
「……却下です。恥ずかしい……」
「はーっはっはっは!」
ショボンとしているオペラオーを尻目に、トップロードが差し出したのは、パステルピンクのかわいらしい水着。
「アヤベさん、絶対に似合いますよ!可愛らしさを引き立ててくれると思います!」
「トップロード……。これは、さすがに可愛すぎるわ」
裏生地がもふもふで触り心地が良く一瞬ためらったが自分が着るにはピンクは可愛いすぎる……。
アヤベはそっと水着を棚に戻し、シンプルな黒い水着を手に取った。
すると、これまで黙っていたドトウがおずおずと声をかけた。
「あ、あの……アヤベさん。これ、どうかな……って……」
ドトウが差し出したのは、シックな紺色の大人っぽいデザイン。アヤベはデザインを気に入ったが、手に取った瞬間、
『!!?』
違和感を覚えた。その水着は、明らかに自分のよりサイズが大きすぎた!
「あ、えっと……いつも私、このくらいのサイズを買ってますけど……」
ドトウは顔を赤くして、しどろもどろになった。それを聞いた三人は、ドトウの胸元に目をやり、その規格外の大きさに思わず後ずさった。
「ドトウ、きみ……そんなに大きかったのか……」
「ひええ……」思わず自分の胸を手でおさえてしまうナリタトップロード。
ドトウは皆の反応で、胸のサイズが規格外なんだと自覚し、恥ずかしさのあまり顔を手で覆いうずくまってしまった。
「ああ、もう!この覇王、未だかつてない敗北だ!」
「ドトウ、顔が真っ赤よ、大丈夫……?」
「いえ、なんでもないんですぅ……!」
その時、楽しそうな声が聞こえてきた。ジャングルポケットとフジキセキだ。
「あ、ポッケちゃん!フジ先輩!」
「やあ皆!アヤベに、オペラオーに、トップロードもいるじゃないか!今日はどうしたんだい?」
フジキセキは、ドトウが戻そうとしていた水着に目を留め、にこやかに手に取った。
「ふうん……、素敵な水着だね。これにしよう」
そして、そのままレジへ向かっていくフジキセキに、皆はドトウと同じサイズなのか!と驚愕した。
「うおお!さすがフジさんパねえッ!?ここは俺も本気出さねえとなあッ!!!」
事情を聞いたジャングルポケットは興奮気味に、アヤベに水着を選らばせてくれ!と申し出た。
「アヤベさんって普段クールな印象だけど、本当は可愛らしい物も好きっすよね?だったら、それっぽい水着がいいと思うんすよー……」
そう言って、ジャングルポケットが棚を物色し、蒼色のグラデーションがかかった
フリル付きのビキニを差し出した。
「じゃーん!どうっすか!?これ!マジサイコーだと思うんすけどッ!!!」
ニカっと笑い選んだ水着を誇らしげに掲げ、アヤベさんにプレゼンする。
提示されたものがビキニタイプだったので少し気が引けてしまう。
「これは、ちょっと……」
「いいんすよ、これで!どうせ着るなら、攻め攻めで行くべきっす!」
布面積が少なく肌露出もある為に正直躊躇したが、トップロードが選んだ水着と同じぐらい裏生地がもふもふで触り心地が良かった。
ジャングルポケットの勢いと、ビキニの色合いも好みだったこともあり、アヤベは決心した。
「……わかったわ。これにする」
アヤベさんが、ジャングルポケットの一言でビキニを選ぶとは……!ジャングルポケットの意外なセンスにオペラオーとトップロードも驚きを隠せなかった。
水着を手にし店を出て駅へと向かう、アスファルトに残る熱気が夕焼けに溶け込んでいく。
オレンジ色に染まった渋谷のスクランブル交差点を、彼女たちは静かに歩き始めた。
無数の人々が交わるその場所で、アヤベは紙袋に入った新しい水着を大切そうに抱えていた。
「アヤベさん、その水着はどこに着ていくんすか?」
ジャングルポケットの何気ない無邪気な問いに、アヤベは一瞬口ごもった。
「……海に(小声で)」
「誰と行くんすか?」
まっすぐな問いかけに、アヤベの顔はみるみるうちに赤くなる。俯いて何も答えられなくなる様子に、皆は察した。
「ふむ……!なるほどなるほど!理解したぞ、アヤベさん!」
「アヤベさん、もしかして……ッ!」
オペラオーはニヤニヤと笑い、トップロードは微笑んでいる。ドトウも顔を赤くして、恥ずかしそうに下を向いている。
「うふふ!……トレーナーさんと海のトレーニング、頑張ってくださいね!」
「わ、わわわ、私は別にそんなつもりじゃ……ッッ!!!」
慌てて否定するアヤベだが、顔は真っ赤になったままだ。
『……もうっ!普段は変な人達なのに、どうしてこんな事には
カンが良いのよ……ッ!!』
アヤベは、もう二度とこのメンバーで買い物に行くことはないだろう、と心に誓う。
しかし、新しい水着と、いつもと違う自分を見つけられたことに、
少しだけ感謝と満足感を覚えていた。
~END~
GUY
2025-08-31 03:36:55 +0000 UTC知多有洋
2025-08-31 03:02:51 +0000 UTCSoi
2025-08-31 02:38:56 +0000 UTC布団の中
2025-08-30 14:52:14 +0000 UTC