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鬱狼
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BraixenTFTGWGAPAG【SS付】

支援サイト限定でアップされていたものです。 『ポ〇モン魔術学院』 此処は普通の人間は立ち寄れない 駅の秘密の抜け道の先にある 知る人ぞ知る名門、第一ポ〇モン魔術学院。 ポ〇モンを使い魔とし 魔術を学ぶ神聖な場所である。 「サトル君、校長室まできてください」 広い廊下の中心を闊歩する巨大な狐のポ〇モン 稲穂のような大きな尾をゆったりと振り その尾の先には更にデカいお尻が歩くごとに鈍く弾んでいる。 それを避けるように生徒たちは端により このポ〇モンに会釈し次々通り過ぎていく。 そのポ〇モンの後ろを小柄な少年がついていく。 学校を仕切る創設者兼校長 太魔法使い通称『ビッグマザー』の校長室に 魔術師名家の末っ子のサトルが呼び出された。 この学園に入学し、まだ1年しか経っていない。 校長室につくと玉座のような頑強な椅子に盛大に腰掛ける校長。 大量の汗を拭い、目を輝かせながら机の上のドーナツの箱を開ける。 そして口を食べるため、そして喋るために開く。 「なんで呼ばれたか分かりますね?」 「さあなんででしょう?狐さん」 この学園の生徒も含め先生達は全て人間だが ビックマザーだけは人語を操るポ〇モン、テ〇ルナーの姿をしていた。 ただ人語を操れるポ〇モンは生まれつきではなく 魔術師同士の戦い等で呪いを受け ポ〇モンの姿にされた者が多い。 そして大半はその姿のまま余生を過ごす。 この世界ではさほど珍しいことではなかった。 それだけ呪いを解くということは困難ということである。 しかし3メートルを超す巨体のポ〇モンはそういない。 よほど強い呪術を受け、憎まれていたのだろう。 ざっと見体重数十トンあり、校長の為に学園が作られたかのように部屋も廊下も全体的にスケールが大きかった。 また廊下には自販機がズラリ並んでおり、学食や売店もモールのような豊富さであった。 生徒達は嬉しかったが、全部校長用だと皆分かっている。 そんな校長がポ〇モンになった理由は誰も知らない。 「名家に生まれながら、素質に恵まれ、勤勉でもあるあなたが  どうしてそう毎日粗暴な行いばかりするのでしょう?」 上品な口ぶりをしているのにも関わらず、先ほど開けた大量のドーナツの箱に手を伸ばし くちゃくちゃと音を立て口に運ぶ校長、時折ゲップを見せる下品な様に眉間に皴が寄る少年。 「今日も騒ぎを起こし、教室中の生徒をベ〇ベターに変えましたね」 あっという間にドーナツ1つが口内から消え、指を嘗め回し次のに手を伸ばす。 「ほら皆仲いいでしょ?お互い混ざったらもっと親密になれると思って手伝ってやったのさ。  そしたらさ。くっついたのにお互い自分の身体まさぐりあって興奮してきてやんのw  ヘドロくっさいしwガスも出てるしw超デブになったし、今あんたみたい…ククク」 いつの間にか10個のドーナツを平らげていた彼女は、彼の発言を聞いて急に恥ずかしくなった。 11個目のドーナツに伸ばした手をそっと戻し、皴の寄った眉間をさらに歪ませ咳払いをした。 その咳の甘臭い異臭は広い部屋をあっという間に充満させた。 「…あなたは誰と喋っいるのか分かっていますか?」 「あんたこそ僕を誰か分かってる?  僕の親にかかればあんたなんてすぐ首にできるよ」 「風の噂で聞いたよ。  あんた凄い博識らしいけど、魔力が無くて学園から分けて貰っているらしいね。  そんな姿だし、首になったら復職は難しいだろうね。角界にならスカウトされるかもw?」 ケタケタと子供っぽい顔で笑う姿に反し、邪悪な言動が続く。 しかしビックマザーはそんな姿に慣れた様子で話した。 「先日、あなたのご両親と電話でお話致しました」 「え?」 「『サトルは我が家の恥だ、何百年かかってもいい。あいつを改心させてくれ』と―」 彼女の言葉を聞いた彼は少しおとなしくなる。 そんな言葉信じてないが、この学園に入る際両親から何かそっけなさを彼は感じていた。 なので一概に嘘とは言い切れなかった。 「あなたの使い魔を今ここに呼び寄せましょう」 たわわな二の腕の肉を揺らしながら、赤ちゃんのように太い指を振り呪文を唱える校長。 しかし彼の使い魔は現れず、何も起きない。 彼は呪文がへたくそな校長を笑おうとしたがその時変化が起きた。 「うわ!なんだ!?身体が!!」 学校の制服を巻き込み形を変えていく彼の身体。 まだ毛も生え揃わない子供の身体から 人間にはふさわしくない動物の毛が全身に広がっていく。 必死に解除呪文を口ずさむがどんどん魔力が抜けていき 彼はあっという間に自分の使い魔であるテ〇ルナーに変化してしまった。 見慣れたはずの姿だが置かれる立場が違うだけで全然違うモノに見えてくる。 戸惑いと焦りが見られる元少年だが 何故かその姿に校長自身も驚く。 「使い魔の身体とあなたの精神を融合させました。  しかしテ〇ルナーとは…これも運命ですか」 しばらく黙る校長 「あなたの態度はそのあまり溢れる魔力のせいです」 「魔法とは力任せに振るうものではなく、心身を対等に成長させるものです」 「心が育ちきっていないあなたにその力は不釣り合い、なのでゼロの状態に合わせます」 「その姿になったこの瞬間、あなたは使い魔との主従関係は無くなり  ただのポ〇モンになったので魔力もありません」 「そしてこの学園から出ることを禁じます、あなたの成長を手助けするのが学園の仕事です」 「も、元にもどせ!!」 「元に戻してほしければ、まだ使い魔のいない新入生のパートナーになって共に学び  その相棒に戻してもらいなさい。優しさ、そして友情を学ぶのです」 「新入生って、そ…そんな何年かかるんだよ!!」 「何百年かかってもいいって言われましたので」 「うう…そんな…おしっこしたい…」 「あら?使い魔は♀だったのねホホホ…」 笑って見せた校長だったが何故か物悲しげな顔を浮かべる。 そしてテ〇ルナーとしての人生は始まった…が 彼(彼女)は凄く焦っていた。 使い魔にしては生意気だったサトルは何か月経っても飼い主が見つからなかった。 その数か月で気が付いたのが魔力を失ったことで長寿ではなくなっていたということだ。 小柄だった体躯がどんどん成長して大人の身体になってきている。 魔術師は魔力のおかげで普通の人間よりもはるかに長寿なのだが 魔力を失ったことと動物の成長速度が相まって老け込んできている。 このまま使い魔になって魔力を分けてもらわなければ あっという間に短い生涯を終えてしまうだろう。 『校長はこのことを予期していたのだろうか?  いやあんなぬけた汚デブ  どうせ簡単にパートナーは見つかると思って軽く考えていたに違いない』 『雌豚』 『象』 『横綱』 『サイ』 『ダンプカー』 『大便器』 悪口ばかり考え着実に時間は過ぎ去っていく。 逃げて助けを求めたくても呪いのせいで学園から出られない。 しょうがなく彼女は生徒や先生にプライドを少しづつ捨てながらヨイショしていったが 結局のところ校長か相棒になってくれる誰かしか頼れるものがいない。 そしてとうとう彼女は根負けし、校長に許しを請おうと校長室に向かった。 既に人間の大人くらいのサイズになっていた彼女のこの姿を見れば 校長もこのまずい状況に気が付くとサトルは思った。 心配なのは人間に戻っても老いた身体はそのままなのかが気がかりであった。 しかしそんな心配はする必要がなかった。 校長室には誰もいなかったのである。 机の上には生徒の個人情報ファイルを散乱しており 一番上には人間であったサトルのものがあった。 そして職員に向けての封の開いた置手紙を机の中に見つけ、自由の利かない3本指で封筒から手紙を取り出す。 『私は個人的な事情で校長を辞任させて貰います。一時的かは分かりませんが  適任者が現れるまで校長の役職は空白にしておいてください。  誠に勝手で申し訳ございません。生徒たちにもこのことは内密にお願いします』 彼女は絶望した。 廊下ですれ違っていた校長は他の先生が作り出していた幻影でしかなかったのだ。 校内を出られない彼女はもう頼れる相手が自分しかいなかった。 ずっと新校長も現れないまま何度も季節が廻り 校長がいないことは未だ先生方の間で秘密になってはいるが 問題なく学園は機能している。 だが校長の復帰や新校長をむかい入れる準備はしているではあろう。 そして契約を交わしてないサトルの身体は更に老化して 2年で人間でいう30代後半ぐらいになってしまっていた。 だらしない人妻のような肉体は自分の母親を彷彿とさせた。 そんなサトルは先生方の間で問題になり 『生徒に悪影響を与える』 『ビックマザーが残した汚点』 呪いで追放もできないサトルは今はほとんど使われていない旧校舎に追いやられ 生徒のいる新校舎への立ち入りを禁じられた。 ますますサトルは契約の場を失っていた。 彼女が使えるのは 旧校舎には今は使われていない大図書館 未だ稼働している大量の自販機が並ぶ廊下 ぼろぼろのシャワー室もない校舎 そして仕事場であるこのトイレ― 「やっぱ凄え体してるよな」 「元男だったらしいぜ」 「うっそだあ!!すげえ使い込まれてるぜコイツ!」 「俺たちが使いこんだんだろw」 「おまえ契約してやれよ、そしたらコイツとやりまくれるぜ?」 「いいかもなあwセックスし放題w」 「お…お願いします…契約してください…何でもしますから」 「分かった分かった、とりあえず口で抜いてくれよwそしたら考えてやるよw」 「ぎゃはははw」 『こいつら…いつか見て…ダメだ…確かにこの身体ドンドン老いている。  元に戻る前に老化して死んでしまう…なんとか誰かと契約して魔力をもらわないと…』 『でもこんな体になったら誰も契約してくれない…  皆こんな恥ずかしい身体のポ〇モンとは。  プライドのせいで下手に出るのが遅すぎた…死にたくない…』 そして散々使い回された後、気が付いた時にはトイレに朝日が差し込んでいた。 結局今日も誰も契約してくれなかった。 してくれるはずがない、あいつらはここの生徒じゃない。 自販機を補充しにきたタダの従業員なのは彼女は知っていた。 それでもわずかな希望の為にサトルは懇願し続けている。 くたびれた下半身に力をいれ、何とか立ち上がりトイレの個室に入り トイレットペーパーで体液を慣れた手つきで拭い 夜が来るまで泣きじゃくった。 そんな毎日が数年続いていた。 今夜は誰もトイレには来なかった。 助かった反面また一日老いていく。 最近は節々も痛み、動くのも辛い。 彼女は小銭を握りしめ自販機の前でジャンクフードを買う。 お金は彼女を犯しに来る奴らがチップ代わりに毎回置いていくもの 彼女はそれで食事を手に入れていた。 自販機しかないので結構な額は溜まってはいるが そのことはそれだけ汚されたということ、彼女は心を痛めた。 いつものように大図書館の机で疲れた様子で一個のドーナツを頬張る。 疲れのせいか自然と糖質を好むようになっていた。 自分の残飯で散らかった図書館の机、そしてドーナツ ふと自分をこんな境遇にしたビックマザーを思い出した。 憎しみは消えはしないが最近は死にたくないとしか考えられなくなっている。 『なんとかビックマザーに会わなければでもどこに…?』 窓ガラス越しに外を見つめていると月明かりが図書館内を照らし出す。 その時彼女は窓ガラスの映ったドーナツを食べる自分の姿に見た。 そして膨大な数の魔術書を見て彼女は何かを思いつく。 『使い魔になれない。校長もいない。それなら…』 ―10年後― 「これこれ、廊下を走ったらいけませんよ?」 「はい校長先生」 この学園に何事もないようにビックマザー校長が戻っていた。 先生達もそのことに安堵し、いなくなった事情も追及はしなかった。 そのことは彼女には都合が良かった。 そう彼女はビックマザーではない。 トイレで肉便器になっていた『サトル』であったからである。 あの後元々優秀であったサトルは本を読み漁り 大魔術師並みの知識を身につけた。 幸い創設者である前校長の書籍も大量に見つかり なりすますことはそう難しいことではなかった。 あと問題はあの大仏のような巨大な身体。 彼女は更に過激な性生活を続けチップを貰い そのお金で自販機の食べ物を買占め 肉体の巨大化を図ったのである。 吐きそうになりながらも胃袋に次々高カロリーの食べ物を収めていき なんとか10年で前ビックマザー校長と同じ体型にまでもっていくことができた。 近づける作業で一番辛かったのは鏡を見ることであり どんどん憎い相手が鏡から現れてくる。 そしてその醜い姿が自分であると信じ込ませないといけない。 それが何よりも辛かった。 だが次第と食べることに喜びを感じ 既に60代の肉体のせいか、精神もおっとりと丸くなり ビックマザーの知識も身につけたサトルは 自分は本当に校長なのではないかと錯覚していったのである。 これも校長が残した呪いなのかもしれない。 もうプライドなんて微塵も残ってなくドーナツのことばかり考えている。 新校長として学園に戻ってきた。 サトルの新しい人生の始まりである。 ただし― 『教わる側から教える側』 『人間からポ〇モン』 『雄から雌』 『少年から老婆』 『痩せからSSBBW』 変化は凄まじい。 複雑な心情は脳裏から離れずにいた。 『これで死なずに済んだ…でも人間に戻るという選択肢を捨てた』 『これでよかったのかしら?』 「はああ…」 デカい溜息をサトルは吐く。 息からは前校長と同じくとても甘臭かった。 『校長てすげえ身体してるなw人間でもないしw進化もしてないw!』 廊下の角からひそひそ声が聞こえてくる。 この春入学した新入生たちだ。 『元人間だったらしいよ。必死に勉強して校長になったとか』 『ひでえ人間だったんだろうなwあんな姿にされるなんてw俺なら死を選ぶよwww』 『聞こえるよ!』 『見ろよあのケツ、ぜってえ手届かないからウンコまみれだぜきっとwくせえもん!』 『…(ケモノの耳だとなんでも聞こえるな…)』 「そこの君…ちょっと校長室にきなさい」 「え?」 終

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