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天下布魔:魔界紹介

魔界、神々に捨てられた土地。

瘠せた大地に、黒い風が吹き荒れ砂埃を巻き上げている。激しく照り付ける陽の光によって木々はすっかり枯れ果て、高くそびえ立つ石柱の間に赤紫色の煙が渦巻き、濁った空気が垂れ込めている。時折、巨大な落雷が雲間を突き抜けて地表に衝突する。このような劣悪な環境は、人間が長く生活するのには全く適していないが、人類最大の敵を生み出すこととなった。

魔族である。

主神教の初期の教典の中には、魔族は心の中にある無尽蔵の欲望によって生きることができ、外部の環境や食料等はほとんど影響しない、と記されている。しかし近年、フォス帝国の学者の研究により、魔族にはかなりの個体差があるものの、生存のためのエネルギーはみな食事を通して補給することが明らかになった。この点から言えば、魔族を単純に魔界の劣悪な環境で生きる種族とみなすこともできないのかもしれない。

人類および亜人種と比較するのならば、魔族は外見上の特別な同一性は見られない。魔物は血のつながりに基づき、人類に似た姿をした個体から異形の姿をした個体まで、様々な外見を持って生まれてくる。人間界にいる魔物は魔界の侵入を受けた時に残された災いである。中でも血の力が強い個体は他の魔族から王と呼ばれる。それこそが教典に記載されるところのー「魔王」である。

現在の魔界は四人の魔王によって分割されている。

魔界の北東部は魔王「バル」が統治していて、その領土は人間界への通り道とつながっており、長年人類の遠征軍と対峙してきた。広々とした荒野の上に大量の赤紫色をした煙が立ち込めていて、太陽の光も赤く染まり、空も一面不気味な紫色をしている。環境は劣悪だが、経営に長けた魔王バルの管理の元、魔界で一二を争う商業地区となり、多くの商人が行きかっていて、その中には人類の姿も見られる……

魔界の南方は魔王「サタン」の勢力範囲だ。空気はバルの領土ほど濁ってはいないが、その分荒れ果てたこの土地の姿を露わにしている。低い山々が連なり、南方の領地を取り囲んでいる。大地は乾いて亀裂が入り、空は黒雲に覆われ、時として紫色の稲光が天上から地表へと降り注ぐ。領地は広いが極めて荒れていて、乾燥に耐えうる植物だけが何とか亀裂の間から顔を出している状態だ。魔界の厳しい環境を最もよく表している地域の一つであると言えるだろう。

他の区域と異なり、魔王「イブリース」が支配する魔界の西部は非常に豊かな天然資源に恵まれている。西方の山々は見渡す限り緑に覆われており、青々とした苔や若葉、藤蔓、大木が生えていて、珍しい魔界の花も咲いている。あらゆる植物の存在はこの地がいかに肥沃であるかを物語っている。この土地が魔界の中で最も住むのに適した場所であることに疑いの余地は無く、その地を統治している魔王がいかに強大であるかもうかがい知ることができる。

そして最後、魔界の北西の一角に魔王の中で唯一の男である「シーザー」の支配する地域がある。辺鄙な場所にあり、政治に関心の無い魔王は何度も配下の魔族の反乱に直面してきた。しかし結局は魔王の強大な力によってその支配者としての立場を維持している。

弱小の魔族は魔王を頼り、自身の能力や血、肉体、果ては命まで捧げ、魔王はその強大な力でその一族たちの生存を保証する。しかし魔界の資源には限りがあり、残酷な環境はより良い環境を求める魔族たちを頻繁に人間界へと出兵させ、その行動がもたらす影響は現在まで続いている。

しかし今、魔族の王座に座っているのは、その欲望を糧として世界征服を誓う男なのだ!

天下布魔:魔界紹介

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