燦燦と輝くスポットライト。その光が照らすボクサーたちの闘技場・リングの中央。
「———リベンジに来た、テオ」
「へえ?また俺にヤられにきたってか、慧?」
テオはその黒いグローブを胸前でポンポンと叩き合わせた。
「聞いたぜ?髪切って肌まで焼いて、特訓したつもりだろうが…正面からのパワー勝負じゃ俺には勝てねえぜ、慧」
「やってみなきゃ…わかんないだろッ!」
まるで狂犬、いや、子犬のように可愛らしい顔で睨みつけて来る慧にテオはにいっと笑みを浮かべた。
———威勢だけはいいようだが…それだけで勝てるほど、俺もボクシングも甘くねえ!何度でも、その腹ぶち壊してやる!
カーンッ!
ゴング!高らかに響く金属音とともに、観客たちが一斉に盛り上がると———!
「テオッ!」
ダンッ!
慧はステップ———真正面!
(はっ!前と同じ、正面からのガチンコ勝負か!なら———!)
「その勝負、受けたぜ、慧!」
「おおおおおおおおおっ!」
「ぶっ潰してやらぁッ!」
バキィィィィィィィィッ!
互いのグローブ、その両方が同時に顔面を殴りつける!———が!
「———ぐッ!」
「へっ!」
(パワーでは…まだ俺の方が上のようだな、慧ッ!)
少し揺らぐ慧に対し、テオはさらに前へと踏み込み———!
「しゃあッ!」
ドムゥゥゥゥゥッ!
「がはっ!?」
慧の腹へ強烈なボディーアッパー!テオは黒いグローブに伝わる、腹筋を壊す感触に子気味良い感覚を覚えるとにいっと笑みを浮かべた!
「オラオラ!リベンジに来たんだろ!もっと…攻めて来いよ、慧ッ!」
バスゥッ!バシィッ!バキィィィッ!
テオの重い一撃、その連打が慧を襲う!
「くっ…!」
慧は何とかそれをガードしながら、タンッ!とバックステップ!距離を離そうとするも———!
「逃がすかッ!」
テオはすぐさまステップイン!
「ッ!」
距離を離せない、そう判断した慧は思わずガード!両腕を上げ———
「はっ!忘れたか、慧ッ!」
「ッ!?」
「俺の拳は…!ガードもろともぶち抜くッ!」
瞬間!
「シィッ!」
バッキイイィィィィィィィィィッ!
テオの鋭い左の一撃が慧のガードの上に叩きつけられる!
(手ごたえがあった!これで…ガードが崩れたところにもう一発!フィニッシュブローをぶち込んで終わりだ!)
テオは右の拳をぎゅっと握りこむ!そして———!
「これで…終わりだぜ、け…!」
その拳を放とうとした、その瞬間!
「———ッ!?」
テオの顔色が驚愕に染まる!———その目に映ったのは、
「シッ!」
バシィィィィィィィッ!
「ぐはっ…!?」
慧の青いグローブ!それがテオの顔面を打ち貫こうとする、その瞬間であった…!
テオとの真正面からのパワー勝負。
(…今の俺じゃ、きっとどれだけ頑張ってもテオのパワーには敵わない…!)
自分の得意とする突撃戦法。ひたすら痛みに耐えながら相手に迫り、インファイトでの一撃速攻を決めるスタイル。———でも、俺はテオのパワーに耐えることができず、散った。
『俺にパワーで勝てると思うなよ、慧!』
(…あの時の悔しさは、ずっと覚えている。だから、翔や立花さん…皆の力を借りて、俺は変わった…!俺は…!)
「俺の拳は…!ガードもろともぶち抜くッ!」
テオの拳が見える。同時、俺はガードを上げると同時、その腕をクロスさせた。———クロスアームガード。ガードを交差させることで相手のパンチをよりしっかりと受け止める戦術!
「シィッ!」
バスゥゥゥゥゥゥッ!
すさまじい衝撃。やはり、というべきか、さすが、というべきか。
(テオのパンチ…さすが、すごいな…!)
クロスアームガードを駆使しても、振動と衝撃が全身を駆け抜ける。———が!
「く…ぅ…!」
(負けられ…ない…!あの日の…海岸での約束…!変わると誓った…だから!)
「こ…のっ!」
パシィィッ!
俺はテオのストレートを受け止めきると、すぐさま拳を握りしめる!そして!
(落ち着け、よく見ろ!テオは…テオは何を狙っている!?次にどう動く!?)
———俺の頭が高速で動き回る。パンチ力に絶対の自信があるテオ。そのパンチの特徴は、ガードの上からでも容赦なく破壊するガードブレイク!なら、次は…!
(…見えた!)
俺の目がテオの右拳———今でもストレートで俺にとどめを刺そうとする、そのグローブを捉えると!
「…シィッ!」
俺はすぐさま、右の拳を繰り出した!そして!
バッシィィィィィィッ!
「ぐはっ…!?」
俺の拳がテオの顔面を貫いた!
「ば…かな…!?」
まさかの自分の一撃を防がれたテオ。俺のパンチが顎に入ったことも、精神的な動揺も合わさったのだろう。テオはフラフラと、足をもたつかせると———
「もらった!」
ダンッ!ドムゥゥゥゥゥゥゥッ!
俺はテオの腹に追撃!深く、鋭いボディーアッパーを叩きつけると———!
「ごはああっ!?」
テオはついに、膝をガクン、と折り曲げ———
ドタァァァァァンッ!
リングマットへ、前のめりに倒れこむのであった…!
Down!
わあっと盛り上がる会場!
「ぐ…くそ…!」
「や…やった…!」
俺は自分の動きが、拳がついにテオを沈めたことを感じるとガッツポーズ!———観客席で俺を見守る翔や立花さん、竜や翼に視線を向ける!
(皆…皆!俺、やった…!)
…観客たちのざわめきに紛れ、皆の声は聞こえない。けど、皆の顔が、表情が伝わる。よくやった、いいぞ!…そして。
…7!…8!
「…ちぃっ!」
カウント8。テオは立ち上がるとファイティングポーズ!…にいっとした笑みを浮かべた。
「やるじゃねえか…髪も切って、パワーアップしたのは伊達じゃねえってか、慧?」
「…へへ!どうだ、テオ!俺だって…俺だって変わるんだよ!」
「変わる…か。はっ!いいね!やっぱり…お前とのボクシングは最高だぜ!」
「それは…俺も同じ。テオが…俺が変わるきっかけをくれた。だからこそ…今日の試合、勝つ!」
「そいつはこっちのセリフだっつーの。…その腹、潰してやるぜぇ!」
ダンッ!
踏み込んでくるテオ!
「———勝負だ!」
俺は真正面からテオを迎え撃つ!
「はっ!そうこなくちゃなあ!」
どこか嬉しそうに突撃してくるテオ!
「うおおおおおおおっ!」
バスバシィイィィッ!
テオのワンツー!鋭く、重い連打を俺はブロック!———とはいえ、テオのパンチはガードブレイクが基本。パンチの威力、だけではなくガードをこじ開けるような打ち方が特徴!
(ガードに頼ってばかりじゃいつかやられる…なら!)
タンッ!
「ッ!?」
俺はサイドステップ!———普段、真正面から撃ち合うことを得意とする俺のその動きにテオが息を飲む様子が伝わると、俺は…!
「シィッ!」
ドスゥゥゥゥゥゥゥッ!
「———がっ!?」
俺は、サイドステップからがら空きなテオの脇腹へとボディーを叩き込む!
(…確かに、俺はテオほどのパワーはない…けど…!)
「…やりやがったな、慧ッ!」
ぶおっ!
タンッ!タンタンッ!
テオの反撃のフックを、俺は再びダッキングとサイドステップでかく乱するように躱すと、
「がら空き…だぜ、テオッ!」
ドムゥゥゥゥゥゥッ!
「ぐはあっ!?」
再度、テオの脇腹へレバーブローを叩き込む!その動きは、立花さんの高速のインファイト、それに近い動きで———
「シッ!シッシッ!」
タンッ!バスゥゥゥッ!ドムゥゥゥゥゥッ!
「ぐうっ…!」
一転攻勢!俺はテオの顔、腹に腰の乗ったパンチを浴びせた!
(…そうだ!反逆者な俺のボクシングを捨てる必要はない…!けど…翔のカウンターを見る目…立花さんのステップ…!色々な戦い方を学んで、見て、実践して…!それを駆使する…それが…!)
「俺の…ボクシングッ!テオッ!」
ダンッ!
「ッ!」
俺はふらつくテオにステップイン!俺の距離にテオを捉えると———!
「テオ、トドメだッ!うおおおおおおおおおっ!」
ドムゥゥゥゥゥゥゥウゥッ!
「がはあっ!?」
左のボディーアッパー!俺の得意の一撃をテオの鳩尾に叩きつける!———そして!
「くっ…!慧!俺は…まだ負けねえ…!」
テオがギラリ、とこちらを睨みつけた———その瞬間だった!
「ッ!」
俺はふっと、息を飲む。俺は…!
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【Another End】☆テオ勝利END
☆フィニッシュのダブルボディー!右の拳を突き上げる!
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すうっと、背筋に何かが走る。———テオの覇気に押された?…そうではない。今のこの状況…普段なら、フィニッシュのダブルボディーへとつなげる場面。けど…!
(なんだ…この感覚…!)
俺の中で何かが囁く。このまま打っても…きっと、俺のダブルボディーは…!そう思った、その瞬間!
「ッ!うおおおおおおおおっ!」
俺は拳を放つ!それは、テオの腹———ではなく!
「シィッ!」
「なっ…!」
バッキイイイィィィィィィィィッ!
「ッ!!!!」
テオのこめかみ!俺は左ボディーからの追撃、こめかみへの右フック!まるで十字を切るかのようなコンビネーションをテオに打ち込むと!
「ぐっ!?マジ…か…よ…!」
ボディーにガードを固めていたテオは、もろに右フックをモロに受けた!そして!
ぶしゅうっ!
俺の受けたフックでカットしたのだろう。テオは、額からだらだらと血が流れると。
「へっ…次は…か…」
ドタァァァァァァンッ!
「ぐあ…あ…あがあああああっ…!」
———テオの足がガクリと折れ、ダウン!その体がキャンバスへと倒れこんだ!
Down!
うおおおおおおおおおっ!
なんだ、今のは!?すげええええええッ!
…レフェリーの声とともに、観客たちが大きな歓声を上げた。俺は、そんな観客たちの声を聞きながら。…ふと、自分の拳をまじまじと見つめた。
(…フィニッシュはダブルボディー…そう、思っていたけど…)
打ち込んだもの。それは、ボディーからのフック。唐突に頭に浮かんだ、まるで十字を切るような新たなコンビネーション。けど…
(…悪くない。そうだ。自分は…反逆者を受け止めて、新しく前へと進むんだ…!だから…!)
俺はぐっと拳を握りしめた。———変わる、ということ。あの日、あの海岸。髪を切って見せた覚悟。だからこそ…!
10!Knock Out!
カンカンカンカーンッ!
わあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!
観客たちが沸き上がると。俺は勝者として片腕を上げられ———
…ごくり。
俺は生唾を飲み込み。…覚悟を決めるのであった。
「テオ…!」
「ぐ…!く…そ…!」
「悪い」
俺はそう言うと、倒れ、動けずに呻くテオのトランクスに手をかけた!
「なっ…慧…!?」
「…ごめん、テオ。俺は…反逆者をやめる…!だから…!」
そして、俺はテオのトランクスを引っぺがした!…殴られ、腫れたなまめかしい体。試合後のアドレナリンで硬くなりだしたテオのモノが俺の目に映る。
(…すごい…これは…!)
…今まで、タチをしてきたことがないわけじゃない。やむを得ず、誰かを守るため———そんな気持ちでしてきた数少ないタチ。でも、今日は違う。新たな自分の第一歩のため、代わり、乗り越えていく自分の証明のため。そんな高揚感も合わさってか、テオの体を見た俺のモノはすぐにビンビンと猛りだす。
「…っ!」
俺はゴクリ、と唾を飲み干すと自らもトランクスを脱ぎ捨てる。そして、テオの両足を上げると———
ピタッ!
テオのバック、そこにモノを突き付けた。…が。
「———ッ…!」
(…ここで、テオに挿入したら、きっと、俺は…!)
もう、戻れない。———変わる、そう決めたはずの心が揺らぐ。…その時。
「おい、慧」
「っ!テオ…」
「…反逆者、やめるんだろ?」
「…ああ」
「なら…さっさと来いよ。お前が勝ったんだ。お前にはその権利がある。それとも…軽々しく、『やめる』だなんて言ったのか?」
「ッ!」
俺の頭に翔や立花さん、皆の顔が浮かぶ。———そうだ。俺は、今までを受け入れて、乗り越えて、変わると決めた。だから…!
「…テオ!」
「おう」
「…行くよ」
俺は、腰を大きく動かす!そして!
ずっりゅううううううううぅぅっ!
「うぐっ!?」
「あ…ああああああっ!?」
テオへと挿入!その瞬間!
(な…何これ…!?気持ちよすぎ…や…ば…ッ!?)
どぷんっ!どぷぷぷぷぷぷぷぷっ!どぷうっ…!
その衝撃だけで暴発!テオに挿入しただけで射精をしてしまった俺は、その快感に思わず、打ちひしがれると。
「オラ、慧」
「っ!」
「テメエだけイって満足してんじゃねえっつの。…俺が搾り取ってやるぜ?」
「え?え?」
動けるようになったのか、テオは腹筋の要領で起き上がり———!
ずずずずずずずっ…!
「くっ…!ウケは久しぶりだな…!」
「んあっ!?」
騎乗位!自ら俺の上へと跨ると、にいっと笑みを浮かべた!
「さあ、慧?よくも俺をさんっざんに殴り飛ばしてくれたな?…せめてこっちは、搾り取らせてもらうぜ?」
「…ッ!」
野性的な目を向けるテオ。俺は思わず息を飲むと同時、その目に、俺の股間は反応———ビンビンと再び勃起させると。
「オラ、行くぜ!」
ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!
「う…あ…!ああああああっ!?」
———俺は、大きく喘ぎ声をあげる。そして、それと同時。
『…おいおい、なんかすげえことになってきたな…!』
『ああ、あの反逆者が自分から挿入したんだもんな…!』
『でも、悪かねえ!おい、もっとだ!もっとやれー!』
耳に入ってくるのは観客たちの声。…反逆者となり、今までアウェイな歓声しか聞こえなかった自分を後押しする声。
(…反逆者……変わる…)
俺は、その声を聞きながら。
「こ…のっ!」
ずちゅううううううっ!
「うっ…!?」
「テオ、調子に乗るなよ…!」
「…はっ!上等だ、文字通り精根尽きるまで!搾り取ってやるぜ!」
盛り上がる観客たちの歓声の中。俺は、テオとの情事を水から楽しんでいくのであった…。
…最高潮に盛り上がるFN。観客も、テオも。皆が熱く盛り上がっている。
(…これで…よかった…のかな。でも…まずは…!)
もっと、もっと。強くならなきゃ。反逆者をやるにしても、もっと実力をつけなきゃ。
…これは、俺が反逆者をやめた初めての試合。そして、俺が新たな道を歩み始めた、始まりの試合だった。
【続く】
☆テオ=ジェラルドはMilorianさんのキャラクターです!イラストも、Milorianさんより使用許可を頂いています。