「へぇー、じゃ、獅子はハーリー先輩とラリアットの打ち合いやってたんっすねえ」
「そだよー!ハーリー先輩、強かった!」
「いーなー!オレも参加したかった―!」
「兎真も今度!皆で一緒にやろー!」
B&Hジム。休憩にと汗を拭きながら談笑する兎真と獅子。…そんな時だった。
トンッ!
突如、二人だけのジム内、そのリングに一人の男が立ち上がった。
「ふぇ?誰…ッスかね?うちにあんなマスクの人、いたッスか?」
「ん-、オレわかんねー」
「あ…でも?」
くいくいっ
「…へへっ!挑発してるッスよ、獅子!」
「プロレスするなら誰でも大歓迎ー!兎真―!オレー!先に行きたいー!」
「えー!?オレもー!…じゃあ、じゃんけんっすよ!じゃんけん…!」
…そして。
「へへー!誰だかわかんないけどー!ぶっ飛ばすぞー!」
リングの上に上がり、にっと笑みを見せる獅子。そして、
「ちぇー。まあ、いいや!獅子ー!ぶっとばせー!」
カーンッ!
ゴングを鳴らす兎真!そして!
「よーっし!やーるぞー!」
開幕早々!力任せに獅子は体を前傾にするとスピアータックル!謎のマスクに突撃をすると———
「ふ」
バキィィィィィッ!
「うべっ!?」
謎のマスクはそのまま前蹴り!獅子の顔面をカウンター気味に蹴りつけ———
「ぐぬっ!?むううぅぅぅー!」
一瞬ひるみ、気合を入れる獅子!謎のマスクはタンッ!と身軽に獅子に接近するとそのまま、体を回転させ———!
バキィィィィィッ!
「うぶぇっ!?」
そのままリーリングエルボー!獅子のこめかみを貫き———
「あ…くぇ…?」
獅子はその衝撃に、思わずフラフラとした———その時!
にぃっ
謎のマスクはそのマスクの下で口角を上げる!そして———
「———ふっ!」
「うあっ!?」
ふらつく獅子を掴むとそのまま!コーナーへと投げ飛ばす!そして!
とんっ!
「くうぅっ!」
獅子がコーナーを背負い、思わずロープを掴んだ———その瞬間!
「———死ね」
ダンッ!
謎のマスクは一直線に駆け寄ると、ジャンプ!そして、開脚しながら獅子に股間から飛びつくと———!
ガシィィィッ!
「んぐっ!?」
謎のマスクは両足で獅子の顔面を挟み込むようにとらえる!———マスクのショートタイツが獅子の顔面に押し当てられ、その不快感に獅子が思わず抵抗しようとした、その時!
「ふっ!」
そのまま反転!謎のマスクは獅子の顔を両足でつかんだまま、全身のばねでバック宙をするかのごとくのフランケンシュタイナーで獅子を持ち上げると———!
ドガァァァァァァァンッ!
「うぐあっ…!?」
獅子はリングマットに頭から叩きつけられ短い悲鳴を上げる!そして———
「…う…きゅう…」
獅子はそのまま、目を回し。
「…ふ」
謎のマスクは、そんな獅子の肩付近にそっと足を置き。———1,2,3.3カウントほど押さえつけ、自らの勝利を確信すると———
「…次は…お前だ…」
「っ!」
兎真をびしっと指さした。
「ま…負けねーっスよ!どこの誰だか知らねーっスけど!獅子はB&Hジム最弱!謎のマスク男にやられるだなんてうちのジムの面汚しっス!さあ、次はオレが相手っすよー!」