※今月から全体公開の作品を毎月初めにアップしていきます!内容としては、初心者の方でもミケの作品がなんとなしにわかる!+ボクシングの試合シーン!をメインにしています。ミケの作品ってどんなのかなー?という人は、「全体公開」のタグをチェックしてくれればと思います!興味が出たら、他の作品や続きの展開もチェックしてみてくださいね♪
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レディィィィィィィィィィィスッ!エェェェェェェェンドッ!ジェントルメェェェェェェェェェンッ!
沸き立つ会場。そして、その中央、スポットライトに照らされるリング。———ここはFN。天祥市(てんしょうし)に存在する、「勝者が敗者を犯す」というとんでもないルールが存在するボクシングを中心とする地下格闘技場。
「…こんなの、ボクシングじゃない…!」
そこに、そのルールを真っ向から反抗する男がいた。名を水瀬慧(みなせ けい)。
二つ名を「反逆者」。FNに拉致された弟・快(かい)を助けるため、FNに乗り込んできた男である。そして、そんな慧に立ちふさがるのが———
「へえ?また俺にヤられにきたのか?お姫様?」
神尾明。
「狼」の二つ名を持つFNの猛者の一人。———明はにいっと笑みを浮かべると、舐めるように慧を見つめた。
「ッ!誰が姫だッ!」
「お前だよお前。くっく、この前の試合も見たぜ?———ずいぶん派手に喘いでいたじゃねえか」
「そ…れは…」
「…認めたらどうだ?FNも悪くねえ、犯されんのも悪くねえ、ってな?」
「俺は…ッ!」
明の挑発。…慧はぎゅっと拳を握りしめることしかできず。
「はあ、やれやれだな。…続きはこいつで語り合うとしようか」
明はぐっと拳を握りつつ、ファイティングポーズをとると。
「…!負けない…ッ!」
慧もまた、ファイティングポーズを取り返し。…明はふっと、笑みを浮かべた。そして、
カーンッ!
『Box!』
ゴングが鳴り響き、慧と明、二人はグローブタッチをすると。
『わあああああああっ!』
『明、ヤれえぇぇぇぇぇっ!』
『反逆者なんかに負けんじゃねーぞー!』
慧と明。FNでの試合が今まさに、火ぶたを切って落とされたのである。
「シッシッ!」
パスパスッ!
試合は明の優勢で事が進む。スピードに特化、素早い連打を得意とする明に対し、一撃必殺重視の慧。慧の攻撃パターンを熟知している明は、とにかく慧に近寄らせまいと鋭いジャブで慧をけん制する。そして、
「くっ…!」
「オラ、どうした反逆者!手ぇ出して来いよ!」
———その鋭いジャブに慧は防戦一方。なんとか、なんとか明の懐に潜り込み一発入れたいのだが、
「シィッ!」
パスゥッ!
「ッ!?ガードが…!?」
「ふ、隙ありだ…ぜッ!」
バシィィィッ!
「ぐあっ!?」
「オラオラオラ!」
バスゥッ!バスバスゥッ!
明のジャブの嵐の前に、慧はガードを崩され、近づくことすらままならず。…やがて。
カーンッ!
「はあ…はあ…!」
「ふ、命拾いしたな」
第1ラウンド終了。その頃には、慧は明に嬲られるように打たれ、全身ボロボロになっていた。
「…くそ」
コーナーに戻った慧は椅子に座り、汗を拭き。…ゆっくりと呼吸を整えながら目を閉じる。
(…明のスピードにはどうやってもついていけない。ガードばかりじゃ勝てない、どころか、ガードすら時々はじかれて…この様だ。なら…どうする?)
慧はゆっくりと目を開ける。対岸、目の合った明はにいっと笑みを浮かべ———
(くっ!負けられない…!こんなところで、俺は…!)
慧は弟・快の姿を思い出す。…快に無様な姿は見せられない。勝って、かっこよく!快を助ける…!
慧はぎゅっと拳を握りしめ、闘志を燃やす。そして———
カーンッ!
再びゴングが鳴り響くと。
「…負けない!」
「へえ、やってみな?」
慧は余裕しゃくしゃくな明をギッ!とにらみつけた。
「いい気迫じゃねえか」
バスッ!バスバスッ!
明はそんな慧をひるませるかのように、再びジャブの嵐を叩きつける。
(このままガードしてても変わらない…!いずれまた、ガードを崩されて打たれる…!)
「オラオラ、もっと来いよ慧!」
———慧の目には得意げにガードにジャブを放つ明の姿。慧はその顔を見た瞬間!
(ここ…しかないッ!)
ダンッ!
慧はジャブの嵐を防ぎつつ、体をかがめると———前へ、大きくステップを踏み!
「うおおおおおおおおおおっ!」
慧は一瞬で突撃!明へと迫ると———
「シィィッ!」
その腹を目掛け、踏み込んだボディーストレートを放った———その時だった!
「はっ!」
バシィィィィィッ!
「———がっ…!?」
突撃をした慧、その顔面にカウンターの明の右ストレートが突き刺さる。———慧はその衝撃に思わず、勢いがそがれ、
ぱすっ!
慧の放ったボディーストレートは、なでるように明の腹を叩くと。
「その程度で———やれると思ったか、あぁ!?」
バシィィィィッ!
「がっ!?」
踏み込んだ慧の顎に、明の左アッパーが突き刺さる!———瞬間!
「シィィッ!」
ドスゥゥゥゥッ!
「———ッ!?」
明の右のボディーブローが慧の腹へと突き刺さり、
(く…あ…!?)
慧の解け、口から、ボロりとマウスピースが転げ落ちると———
「ふ…!」
ガシィィッ!
「ッ!」
明は、自らが優勢であるにもかかわらず。…慧をクリンチした。そして、
「…みじめだな、慧?」
「ッ!」
明は、低く響くような声をクリンチしながら慧の耳元へと囁く。
「一発も俺に当てられず、ボコられて、嬲られて?…そんなに俺のパンチが気持ちいいか?」
「…ッ!お前…ッ!」
慧の拳に力が戻る。———瞬間!
「っと」
明は慧のクリンチを外すと同時、慧をわざと大きく押し出し———
「うわっ…!?」
明の挑発に、頭に血が上った慧は、思わず足をもたつかせ———
くんっ!
「ッ!」
その背にロープを背負った、その瞬間!
タンッ!
「シィッ!」
バシィィィィィッ!
「———あ…ぐっ…?!」
追いついた明の左ストレートが一閃、ふらついた慧の顔面を打ち貫くと———
「オラオラオラオラッ!」
バシィィッ!バスバスゥッ!バスゥッ!バキィィッ!ドムゥゥゥゥッ!
「ぐあっ!?がっ…!?うううううううううっ!」
ロープに追い込まれた慧に、明のラッシュが突き刺さる!———慧は何とかガードしようと腕を上げるが。
「はっ!無駄だっての!」
バキィィィィッ!
「———あうっ!?」
明のスピード、そしてテクニックはそれを許さず———慧の上げたグローブを隙間を縫い付けるようにパンチを当てていく!そして!
「———シィッ!」
バキィィィィィィィッ!
「———ッ!!!」
明の振り下ろすような左ストレート、それが慧の顔面を叩きつけ———
「がはっ…!」
慧の両腕が、だらんと落ちた———その時!
「これがウルフ・ファングってやつだ。———死ね」
ドッボオオオオオォォォォォッ!
「———ッ!があああああああああっ!?」
明の強烈なボディーアッパーが慧の鳩尾を突き上げる!———慧はふわっと、体が浮くような感覚を覚えると同時、口からごふっと赤いものを吐きだすと。
ドタァァァァァァァァンッ!
「———くあっ…!?」
ロープの反動に押し出され、慧は真正面から大の字にリングへと沈んだ。
(い…つ…っ!…あぐ、腹…が…!)
———散々に、弄ばれるように明に打ちのめされた慧。リングの上、慧は腹を押さえるようにうずくまると大きく肩で息をする!そして!
『…10!Knockout!』
カンカンカンカーンッ!
明のラッシュからの一撃、立ち上がることすらもできなかった慧。レフェリーの声が響きわたり、明の片腕があげられると———
「はっ、這いつくばってんのがお似合いだぜ?お姫様?」
無傷の明はそんな慧に向かいにいっと笑みを浮かべるのであった…。
【END】
☆その後…