【インタビュー】
「それでは!今日はFNが誇るNO.1レフェリー、広瀬孝さんです!よろしくお願いします!」
「あ?NO.1?」
「もー、広瀬さんったら―、ノリが悪いんだぞ☆」
「………」
「ちょ、ちょっと!ひかないでくださいって!」
「もー。ただのアイスブレイキングじゃないですかー」
「あー、はいはい。ふざけてるってあんたの上司にはいわないでおいてやるからな」
「ちょ、ちょっと!?」
「冗談だ。今のところはな」
「今のところ?!」
「それよりも、さっさと始めようぜ」
「むむむ…絶対ですよ!?…ではまずはお名前から!」
「広瀬 孝(ひろせ こう)。25だ」
「ほえー、25ですか!結構若く見えますねえ?」
「ん、そうか?」
「そうですよお、髪の毛もメッシュ入れて見えますし…」
「あー。FNで舐められない様に染めろって言われたんだよ」
「それに体も筋肉バッキバキですしー」
「まあ、元ボクサーだしな?」
「きー!羨ましい!私に年齢分けてください!」
「…お姉さんはいくつなんだ?」
「ふふん、レディに年を聞くのはマナー違反ですよ、広瀬さん?」
「はいはい、わーったよ、おばさん」
「おばさんっていうなチョーップ!」
(ゲシッ!)
「いって!?…おい、殴んじゃねえ!」
「ふはははは、元ボクサーの割に動体視力はあんまりですね?!この前寺田さんにこれやったら危うく殺されかけましたよ!?」
「うおい!?あの寺田智かよ!?」
「だってー、あの人にからかわれっぱなしですし―。ちょっとノリでチョップかましたらめっちゃ切れられましたけど」
「…よく生きてられたな…」
「んじゃんじゃ、ちょっと脱線したので戻りましょうか。えーっと、次は血液型かな?」
「血液型はBだな」
「へー。掃除とか何だか好きそうな感じしますけどねー」
「ま、普通だぜ?そんなに変わったもんないし。俺は一般人さ」
「ふーん…では、次は好きなも…」
「金」
「…シンプルにて早いっすね…」
「わかりやすくていいだろ?よく金よりも大切なものもあるっていうけどな、金があればなんとかなる物のほうが多いんだ。あるに越したことはねえよ」
「んじゃ嫌いなものは…」
「貧乏」
「わーお…」
「表舞台でレフェリーしてたころはすっげー薄給でな。会社勤めもしながらやってたんだが…結構つらかったな」
「それでFNのレフェリーに?」
「ああ、スカウトされてな。金払いが良かったから移った」
「…なるほど。しかし、こう言っちゃなんですけど、ここの試合、大丈夫です?」
「ああ、最初は驚いたよ。でも、思いのほかクリーンなようだしな?」
「え?でもここ、89…」
「おっと、そこまでだ。…あんまりアンダーグラウンドを知らないほうがいいぜ」
「おおう…承知しました…えっと、じゃあ次は…趣味は?」
「あー、趣味かあ…昼寝か?」
「…ボクシング、とかじゃないんですね?」
「ああ、まあ格闘技は色々やってたし、嫌いじゃねえけど…俺はプロは行きたくなかったな。随分もてはやされたりはしたが…」
「もてはやされたり…ですか?」
「ああ、割に勝利強かったんで結構マスコミが来てくれてな。時代のホープだのチャンピオン候補だの言ってくれたんだが…ぶっちゃけ、そこまでの実力があるとは思ってなかったな」
「ほー…」
「それに、ただ殴り合えっていうだけだったらまだしも、減量とかもめんどいしな。それに、収入も安定しねーだろ?だからやめたんだ。俺にはリーマンが似合ってる…と思ったんだがなあ…入った先のブラック企業+レフェリーはさすがにきっつくてな。金なし休みなし自由なし。…で、FNに好待遇でスカウトされたってわけだ」
「なるほど、そう考えたらFNは安定してるってわけですね」
「少なくとも金払いはな。他の選手にも、少なくとも高校生が稼ぎとしてもらうには十分すぎるくらいに払うもんはしっかり払ってるみたいだし、しばらくは食いっぱぐれることはねえな」
「なるほど。ところで、広瀬さん?私思い出しちゃったんですけど…あなた、後輩に立花将さんっていません?」
「ああ、無敗のヒーローだろ?俺の後輩だぜ」
「やっぱり!あなた、『鷹の目』の広瀬孝さんじゃないですか!立花さんみたいにアマチュアで無双してた!」
「そんなにしてねーよ。立花のやつは無傷でほとんど買ってやがったが、俺は結構満身創痍さ。立花にも勝てなかったしな。…それに、鷹の目はもう終わった話だ。今はレフェリーとしての広瀬孝、ということで一つよろしく頼むぜ」
『それじゃ、お互い、悔いだけはない様にな…Box!』
『再び、こんなことをする日が来るなんてな…』
【広瀬 孝(ひろせ こう)】
年齢:24
誕生日:6月15日(ふたご座)
誕生花:タチアオイ(気高い)
血液型:B型
好き:金
嫌い:貧乏
趣味:昼寝
身体:身長は175㎝くらい。肌が白い。髪の毛が長く、目がキリッとしている。
服装(日常):肌を出したがらない。夏でも長袖、パーカー。人目に付きたくない。
服装(レフェリー):黒いスラックスに白のシャツ。FNらしく、第1ボタンは開けて胸元を晒している。
【なんでもそつなくこなう兄貴分】
広瀬孝は非常に落ち着いた大人なあった。芯がしっかりしており、ぶれることが少なく、自分の実力もよくわかっている。ぶっきらぼうで口数もあまり多くない広瀬だが、そんな広瀬の周りには多くの人物が集まってくる。…そんな男が広瀬孝だった。
【もとはアマチュアボクサー】
もともと、広瀬孝はアマチュアの格闘家だった。格闘技好きで、ボクシングを始めとした総合、プロレス…様々な格闘技に精通していた。特に、ボクシングではプロ入りも勧められるほどの腕前で『鷹の目』という異名もあったという。だが、広瀬はプロ入りは断った。減量とかしんどいし?格闘技は好きだけど、金も安定しないだろ?本業にするほどやってられねえな。…それに、後輩の立花将。あいつのが目立っていいだろうよ。
【そして、貧乏へ】
そう考えた広瀬はレフェリーの道を志す。「格闘技ならいくつもやっていたし、やれるだろ」という考えだった。無事に資格も取れ、レフェリーになったのはいいが…表世界のボクシングのレフェリーは非常に薄給だった。別の仕事をしながら、兼業としてやっていたのだがそれにしては少なすぎる。…そうこう思っていた広瀬のもとに、勧誘が来た。それが、広瀬がFNでレフェリーをすることになった経緯だった。FNとはエロを前提とした地下格闘技場だ。格闘技、という意味ではそれを裁く者が必要だ。とはいえ、なかなかそんなところにくるレフェリーなんざ少なく。広瀬孝は、FNでも貴重なレフェリーであった。
【まずは自分という考え】
そんな広瀬は、FNでのルールに最初は少しだけ驚くも思いのほか、素早く従順ができた。そんな広瀬の考え方は自分とその周りが幸せならそれでいいという考えだった。「オレはそんなにたいそうな人間じゃねえ。…自分と周りを見るので精いっぱいだよ」「ヤりたきゃヤれよ。ただし、ボクシングでルール違反があった時は俺が裁くからな」。広瀬は今日も、FNのリングでレフェリーをしながら、男たちの殴り合いと情事を見届けるのだった。