先日,知人の作った最高の双葉湊音曲のMV用に,絵を描かせていただきました.
↓これなんですが(よかったらイヤホンつけて聴いてみてね)
このイラストの制作過程について書きます.
▼PSDはこちら(限定公開)
絵で表現したいことをまず決定します.今回は音源があるのでそれを聞いたところ
・概念の夏
・夏が終わる儚さ
・消える,存在しない双葉湊音
を描けたらいいなと考えました.
次に,絵の中に入れる要素について考えます.上記の概念を表現するのに
・双葉湊音
・海,水平線,入道雲
・麦わら帽
・ラムネ瓶
・水面への反射
・イヤホン
・手
等の要素を入れることにします.
絵全体の構図をいくつか考えます.
今回は14ありますが,普段は3,4つです.
一つのキャンバス内に小さい四角を複数作り,ざっくりと描きます.
線をちょっと清書して,色ラフを作ります.
これらの色ラフはレイヤー3枚(背景1枚,キャラ1枚,線画1枚)で作りました.レイヤーを作るのが手間だったり,レイヤーが少ない方が直感的に色を置けるのではと考えていましたが,色がはみ出てしまう面倒さもあります.
色については,画面内にある光源の性質(光源の色,光の強さ,当たっている方向等)について考えると,あまり迷わずに決定できる気がします.
今回色ラフを作った意義は
・背景込みの完成系がイメージできる
・依頼主に投げて,修正点等をいただける
の2つです.
依頼主からは,2枚目と4枚目のイラストを清書するよう指示をいただきました.
当時(23年7月末)は絵を描く手順を確立していなかったので,どの段階で形を正確にとるとか,いつ線を奇麗にするとか,そういうのがあいまいです.
線画を描きます.
儚げな表情とこちらに手を振る仕草を描こうとしています.
下の方は余分に描いておいて,後からトリミングをします.
色ラフの段階では破綻している部分が多くあるため,辻褄を合わせる作業と線を奇麗にする作業を同時に行っています.この作業は分けた方がいいです.
ざらっとした質感のペンで線画を描くと線同士をつなげる手間が少なくなり,線画作業の時短につながると思います.私は自作したシャーペン風のブラシを使用しています.
一枚目の絵の色を塗ります.
キャラクターの顔と手に視線が行くように,コントラストを強めにしています.
キャラクターの下の方が切れているのは,トリミングすることを前提にしているためです.
二枚目の色塗りです.
夕焼けと逆光をイメージしています.どちらも儚くていいですよね.
サブサーフェススキャッタリングとは異なりますが,明暗境界線には彩度の高い色を乗せると嬉しくなる気がします.
線画の色を変え,髪の毛を追加し,効果レイヤーを加え,背景をぼかします.
色トレスについて,明るい部分は有彩色ならば明度をぐっと上げ,無彩色ならば彩度をぐっと落としています.
強く光の当たっている部分に関しては,合成モードをソフトライトにしたレイヤーにエアブラシで明るい色を乗せて,光輝現象(名前あってるのかな,強い光が当たった部分が発光しているようにみえる現象のことです)を表現します.
また背景をぼかす際は「レンズブラー」プラグインを使用すると,ガウスぼかし等のツールよりもよりリアルで自然にぼかすことができます.
▼比較用.左がレンズブラー,右がガウスぼかしです.
前項と同様に色トレスをして,髪,効果レイヤーを追加して背景をぼかします.
この絵は逆光なので,加算レイヤー,加算(発光)レイヤーを使用してレンズフレアっぽいものを描いています.
こうしてイラストと差分が完成しました.
「絵空とうたかた」という曲の世界観をより強いものにして,メロディと一緒に皆さんにお届けできていれば幸いです.