夢のトイレと現実のパンツ
Added 2024-10-02 10:00:00 +0000 UTC気がつくと、目の前に白い壁がそびえ立っていた。 何だろうと不思議に思って顔を上げ、まりあは思わずワッと歓声を上げた。壁だと思っていたそれは、家ほどもある巨大なホールケーキだったのだ。 ────わあ、美味しそうなケーキ! これ、ぜんぶ食べていいの? イチゴの甘酸っぱい匂いに誘われて、どこからともなく出てきたフォークを手に取る。 生クリームたっぷりのケーキを口いっぱいに頬張ったそのときだった。 ピピピピ! ピピピピ! ピピピピ! 枕元で携帯電話のアラームが鳴り響き、まりあの意識は現実に引き戻された。 どうやら夢のケーキはおあずけのようだ。平日朝の七時前。今日は一限目から講義が入っているから、そろそろ起きないとまた遅刻してしまう。わかっているのに、どうにもまぶたが重くて目が開かない。一人暮らしの1LDKには、いい加減に起きなさいと大声で叱ってくれるママもいない。 まりあは「ううん……」と小さく鼻を鳴らし、毛布にくるまったまま寝返りを打って背中を丸めた。ミルクティーブラウンの長い髪が白いシーツの上でゆるやかに波打つ。生まれつきの童顔で、大学の友達から「まりあってこどもっぽいとこあるよね」とからかわれるたび「こどもじゃないもん」と頰を膨らませて拗ねる彼女だったが、ママに起こしてもらえないと起きられないなんて、「やっぱりわたしってこどもっぽいのかも」と自分でも思わないでもない。 あと五分だけ。心のなかでそう呟いたそのとき、ふいに下腹がぐるりと濁った音を鳴らした。 ブボッ……ブビィぃイぃぃイィ────…… 出そうと意識する間もなく尻の穴から熱いガスが噴き出した。 彼女が寝ている間に腹の中で温められた、朝一番の濃厚な屁。硫黄にも似た濃い臭気がたちまち毛布の中に充満した。 「うぅ……、……くさい……」 自分のこいた屁の匂いに自分で顔をしかめるまりあ。しかし、まだ目は覚めそうもない。 ブッ……ブビッ……ブボォオォォオォ────ッ…… 心地よいまどろみに身を任せながら、まりあは二度目の長屁をこいた。熱い風が尻の穴を吹き抜ける感覚も気持ちいい。 ブフォッ……ブォオォオォ────ッ……ブフォオオォオォオォ──────ッッ……! 次第に激しくなる放屁。毛布の中にガスがこもっている。下ろしたてのモコモコパジャマに匂いを染みつきそうなほどだ。 くりかえし屁をこきながら、まりあの意識は次第に夢の世界へと引きずり込まれていた。 夢の中で、彼女はトイレの前に立っていた。ただ立っているだけじゃない。腰を屈めて、ふとももを擦り合わせ、モジモジしながら立っている。 ────う……、うんこ、出そう……。 呟いた瞬間、自分が便意を我慢していることをハッキリと自覚した。一刻も早くトイレに入って脱糞したい。しかし、ドアノブが回らない。鍵がかかっているようだ。どうやら先客がいるらしい。 ────あのう……、誰か中にいますか……? おトイレ、代わってくれませんか……? トントンとドアをノックしたが、返事はない。 仕方なく、順番を待つことにした。 小刻みに体を揺すりながら、押し寄せる便意に抵抗する。肛門をキュッと引き締めて直腸にまで降りてきたブツを堰き止めるが、それでもガスはもれてしまう。 ブボボッ!!ブビビビビッッッ!!ブボボブフォフォフォッ!!!ブフォオォ────ッッッ!!ブブブフォオオオオォ────ッッッ!!! けたたましい音が女の尻から絶え間なく鳴り響く。トイレの前で、もじもじと激しく尻を揺さぶりながら放屁をくりかえす女。彼女がうんこを我慢していることは誰の目にも明らかだ。 ────あ、あの! そろそろ出てきてくれませんか! さっきからずっと待ってるんですけど! わたし、お……大きい方……なんですけど! おなら、止まらないんですけど! 開き直ってぶりぶりと屁をこきながら、ドアノブをガチャガチャと回した。 大きなブツの先が肛門のすぐそこまで降りてきて、内側から穴をこじ開けようと身をよじっている。必死で腹に力を込めるが、もう長くは保たない。 『おもらし』の四文字が脳裏をよぎり、まりあは青ざめた。 ────あ…、……あぁああっ! もう無理! 我慢できない! お願い、早く出て! うんこ、うんこ、うんこもれちゃう! うんこさせてぇっ! 尻をぶりぶり振りながらなりふり構わず叫ぶと同時に、突然するりとドアノブが回り、扉が開いた。 エッと思わず声をもらした。ドアの向こうにいるはずの先客の姿が見えない。そこにあるのは、白く輝く清潔な洋式トイレだけだ。 だったらどうしてドアが開かなかったのだろう、と不思議には思ったが、今はそんなことにかまっていられない。バッと一気に下着を下ろし、尻丸出しでトイレに飛び込んだ。 勢いよく便座に尻を下ろし、堪えてきたものを解放する。身の詰まった便塊が力強く肛門を押し開いたそのとき────目が覚めた。 ブ リ ィ ッ ッ ッ ッ !!! 自分の尻から響いた弾けるような放出音にまりあは目を見開いた。 「えっ……? あ……、ここ……トイレじゃ……」 サーッと全身から血の気が引いた。しかし、半ば寝ぼけた体では、ひとたび穴から頭を覗かせたそれを体内に押し留めることは到底不可能だった。 ブリブリブリブリィイィッッッ!!!もりもりもりもりもりっっ!!ミ゙ヂヂッ!!!もりっ!!もりもりっっ!!もりもりもりぃっっ!!! 夢の中で必死に我慢していたはずのうんこが、現実の世界で勢いよくひねり出されていく。それも、トイレに座ってではなく、ベッドに横になったまま。 健康的なバナナうんこというにはあまりに太い、直径四センチにも及ぼうかという一本糞が尻の穴をぶりゅぶりゅと盛んに擦って通り抜け、白いレースのショーツがみるみるうちに茶色に染まってもっこりと膨れ上がった。 ブビブブミヂヂヂッッッ!!!も゙りも゙りも゙りぃっ!!!ブリュッッ!!!ずりゅっっ!!! 長い一本糞の最後尾が肛門をくぐり抜けた。まりあはただ呆然と、身動ぎもせずにベッドに横たわっていた。 「う……うそ……でしょ……。わたし……、お、おもらし……、それも……うんこ……」 きっと悪い夢だと自分に言い聞かせようとしたが、部屋中に立ち込める屁とは比べ物にならない強烈な悪臭と、尻全体にベットリとへばりつく生温かい感触が、これは現実だと物語っている。 熱のこもったショーツの中で、閉じかけた肛門がブビィイィイィ〜ッと湿った音で鳴いた。と、同時に腹の奥に詰まったものが、巨大な芋虫のように蠢いて穴のフチを再びこじ開けようと身をよじった。 「あ……、あぁっ……! また……うんこ来る……! うんこ出ちゃう……!」 早く起きてトイレに行かなきゃと思っているのにどういうわけか体がピクリとも動かない。これ以上おもらしするわけにはいかないと焦る心とは裏腹に、彼女は腹に力を込めていた。 「ん゙っ……うぅ゙うぅ゙〜ん……っ」 口元からかすかにもれる息み声。 ブリッッ…ブリュリュッ……、もりっ…も゙りも゙りっ……! ブビッ!ブリュリュ……! ……もすもすもすっ………ブリュリュリュリュッ……ブチュッ…もすもすもすもす…… ショーツの尻を膨らませている糞塊を、内側からむ゙りむ゙りっと押し潰すようにして新たな一本糞がひねり出されていく。先ほどよりもいくらか細いが、その分しっかりと身が詰まっている。行き場のない一本糞は下着の布の中でうねうねと曲がりくねって折り重なり、やがてショーツが重みでずり落ち足口からボロリと糞がはみ出し溢れ出た。 「ん……ゔぅ〜んっ……ん゙ぅんっ……」 茶色の汁は既に下着を通過しパジャマのズボンにまで染み出している。 許されないことをしている自覚はあった。それでもなお、まりあは両手を握って力強く息んだ。女として、いや、人として最低限の恥じらいすら捨て、糞をひり出し続けることを彼女は選んだのだ。我慢に我慢を重ねた末の脱糞の快感の前に、理性は無力だった。 「ん…、はぁ……、あと……ちょっと……、っ……!」 最後に思いきり「む゙ぅううぅ〜ん!」と息んだ。ぶりゅりゅっっと水っぽい音と共に、腹の底に残った柔らかな泥のような糞をしぼり出し、まりあはようやく安堵の溜め息を吐いた。 「はぁ……、…あぁー……いっぱい出たぁ……。きもち…よかった…ぁ……、……けど────…………」 尻から太ももにかけてべったりとへばりついた、生温かい糞の重み。まだ確かめてはいないが、きっとシーツも汚れているだろう。鼻がばかになっているのか、もはや匂いは気にならない。ただ、自分が朝からベッドで脱糞をしたという動かぬ証拠がそこには確かに存在していた。 「あ……あぁ……、あぁあぁ……。もらしちゃった……うんこ……。ベッドで…こんな…思いっきり……、ぶっといの……もりもり出しちゃった……」 取り返しのつかないことをしてしまった。焦燥感で背筋が冷えて、全身がガタガタと震えた。 これだけ大量の糞をもらしてしまったとなれば、片付けに小一時間はかかるだろう。もはや遅刻はまぬがれない。それどころか、お気に入りのショーツはもちろんパジャマやシーツ、最悪の場合はマットレスまで捨てる羽目になるかもしれない。一人暮らしだからまだ誤魔化しようはあるが、もし万が一このことが友達にバレでもしたら、恥ずかしくて生きていけない。 しかし、それより何よりまりあが恐怖を覚えたのは、これほど追い詰められながらも、下腹がきゅんと甘く疼いている自分に対してだった。 「どうしよう……これ……癖になっちゃったら……」 震える声で呟きながら、そっとショーツに手を伸ばす。片付けのためではない。濡れた股に指を這わせ、自慰に耽るためだ。 彼女のお気に入りの下着が、レースのショーツからおむつに変わる日も近い。