XaiJu
さつま
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お姉サンタのおくりもの

 待ちに待ったクリスマス・イブ。街は真っ白な雪でおめかしをしている。ママは朝からごちそうの準備にかかりきりだ。いつもお仕事で忙しいパパも今日は一日お休みで、妹をつれて買い出しにでかけたり、お部屋の飾りつけをしたり、いっしょにゲームで遊んだりして楽しく過ごした。  夕食のあと、パジャマに着替えてリビングで妹とゲームの続きをしていたら「そろそろ寝る時間よ」とママから声をかけられた。いつもだったら「あと五分だけ」とおねだりするところだけど、今日ばっかりは僕も妹も急いでベッドにもぐりこんだ。いい子にしていないと、サンタさんからプレゼントをもらえなくなってしまう。  クリスマスのごちそうでお腹いっぱいだったから、目をつむるとすぐに眠たくなった。本当はちょっとだけサンタさんに会ってみたいと思っていたけれど、もう起きていられない。  サンタさん、ちゃんと来てくれるかな。お手紙、読んでくれるかな……。そんなことを考えながら眠りについた。   ✱ ✱ ✱  真夜中にふと目が覚めた。窓のある壁ぎわから、かさこそと物音が聞こえてくる。  暗がりに目をこらすと、そこには小さな黒い影があった。大人がひとり、床の上にうずくまっているみたいだ。  ────もしかして、サンタさん?  僕はあわててブランケットをはねのけてベッドから抜け出した。 「メリークリスマス、サンタさん! うちに来てくれてありがとう!」   声をかけると、サンタさんはビクッと体を震わせた。  驚かせちゃったかなと思いながらそっと近づいてみて、かえって僕の方がびっくりしてしまった。  そこにいたのは、絵本に描かれているようなサンタさんじゃなかった。赤い服は着ているけれど、白いおひげのおじいさんじゃなくて、若くてきれいな女の人だ。 「えっ……? お姉さん……だれ……?」  なにがなんだかわからなくて呆然としていると、お姉さんはシーッとくちびるに手をあてながらいった。 「静かに! お子さまは早くベッドに戻りなさい」 「そ、そんなこといわれても……。お姉さん、サンタさんじゃないよね? だとしたら……どろぼう……?」  お姉さんは形のよい眉をつり上げてこちらをにらみつけた。 「失敬な、だれが泥棒ですか。わたしはサンタに雇われてお子さまのいるお宅にプレゼントを配っているアシスタントです」 「アシスタント……。そんなのいるんだ……」 「もちろん。プレゼントを待っているこどもたちは世界中にいるのです。サンタひとりではとても手が足りませんよ」  いわれてみれば、そのとおりかもしれない。見ると、お姉さんの手には白くて大きな袋が握られている。この袋の中に、こどもたちへのプレゼントが入っているのだろう。 「それじゃ、お姉さんがサンタさんの代わりにプレゼントをくれるんだ」 「ええ……。そうなんですが、今は、ちょっと取り込み中でして……」  どういう意味だろう。ふしぎに思い、あらためてお姉さんの姿をまじまじと見つめて、僕はあっと声をあげた。  暗闇に目が慣れたおかげで、ようやく気づいた。お姉さんは、赤いワンピースのすそをまくりあげて、おまたをまるだしにしていたのだ。 「お、お姉さん……、そんなかっこうで何してるの……」  ほっぺたが急に熱くなるのを感じた。  生まれてはじめて見る、知らないお姉さんのおまた。パンツもなにも身につけていない、大人の女性の大事なところ。見ちゃいけないと思いながらも、目が離せない。  視線に気づいて、お姉さんも顔を赤くして小声で怒鳴った。 「こら! どこを見てるんですか、いやらしい!」 「ご、ごめんなさい……。でも、お姉さんの方こそ、人の部屋でパンツを脱いじゃうなんて……」 「だから、取り込み中といってるでしょう。すぐにすませて出て行きますから、お子さまは早くベッドに────」  と、いいかけたそのときだった。  ブッスゥウウゥ〜ッという濁った音が彼女の言葉をさえぎった。  どう考えても、お姉さんのお尻の方から聞こえてきた音だった。 「えっ……? お姉さん……今……」  オナラした? とたずねる前にお姉さんが顔を真っ赤にして怒鳴った。 「いいから早く寝なさい!」  しかたなく僕はベッドに戻った。だけど、お姉さんのことが気になってとてもじゃないけど寝つけない。  ────あんなところにしゃがみこんで、何をしてるんだろう……。それに、女の人が人前であんな大きなオナラをするなんて……。  またオナラをするんじゃないかと心のどこかで期待しながら、そっと耳をそばだてる。  壁ぎわから、かすかに「うぅん…」とうなり声が聞こえてきた。お姉さんの声だ。と、次の瞬間、信じられない音が真っ暗なこども部屋に鳴り響いた。  ブリリリッ、ブリュリュッ、ブリュブリュルゥ──────ッ!  どう考えても、オナラじゃないものが出た音だった。  僕はたまらず飛び起きて、彼女のともに駆け寄った。 「お、お姉さん⁉ 何してるの⁉」  と、たずねてみるまでもなく、丸だしのお尻をみればすぐにわかった。彼女は、プレゼントが入っているはずの袋に向かってモリモリとうんちをしていたのだ。 「こ、こら! ベッドで寝ていなさいといっているでしょう! 女の人がうんちをしているところを見てはいけないとママに教わらなかったのですか!?」 「お姉さんこそ、うんちはトイレでしなさいってサンタさんに教えてもらわなかった……? ここ、僕の部屋だよ……? うんちが我慢できなかったんなら、うちのトイレを使えばいいのに……」 「サンタのアシスタントは煙突のある部屋とこども部屋にしか出入りできない契約なんです! と、とにかくこっちを見ないでください! 女の人がうんちをしている姿をじろじろ見るような悪い子にプレゼントはあげられませんよ!」  それは困る。だけど、僕はどうしてもベッドに戻る気になれなかった。 「お姉さん……、うんち、おっきいね……」  つぶやいて、太いうんちがぶりぶり出ている真っ最中のお尻を覗き込んだ。 「ちょ、ちょっと……! どこに顔を近づけているんですか……! 見てはいけないといってるでしょう! クリスマスプレゼントがほしくないんですか!?」 「もちろんほしいけど……。プレゼントはお誕生日にももらえるでしょう? だけど、お姉さんのうんちは、今しか見られないかもしれないから……」  むっちりした白いお尻から太くて茶色のかたまりがむりむりむりっとひねり出されていく様を、食い入るようにして見つめながらいった。 「お、お子さまのくせに、プレゼントよりうんちがいいなんて……! 信じられません……!」  お姉さんが恥ずかしそうに身をよじりながら僕をにらみつけてくる。だけど、お尻からうんちをぶりぶり出しながらにらまれても、ちっとも怖くない。 「うんち、いっぱい出てるね。そんなにうんちしたかったの?」 「そ、そうですよ! 四日ぶりのお通じなんですから、仕方ないでしょう! ……まったく……お家のトイレで息んでもオナラしか出なかったのに、お仕事中にいきなり来るんだから……。せっかくのお通じチャンスを無駄にするわけにはいかないし……、だいたいこんなにおっきくてぶっといお便秘うんこ、朝まで我慢できるわけないじゃないですか」  口ではぶつぶつ文句をいいながら、お尻からはぶりぶりうんちを出す。うんちをしている姿を見られて恥ずかしい気持ちもあるけれど、それより何よりうんちをしたいという思いの方が強いみたいだ。  女の人にとって『お通じ』というのは、それくらい大事なものらしい。うんちが大事なんていまいちピンと来ないけど、うちのママもよく便秘してるからなんとなく知っている。ママはマナーやお行儀というものにうるさくて、普段は家族の前でオナラなんて絶対しない人だけど、お通じが来たときだけは別だ。「あ…、うんこ降りて来た……♡」なんてひとりごとを呟くやいなや、お掃除もお料理もほっぽりだして、くさいオナラをぶりぶりこきながらおトイレにダッシュ。なりふり構わずウンウン気張って、廊下まで聞こえる音を立ててブリブリうんちをする。  お姉さんもきっと、そういう気分だったんだろうなと思う。プレゼント配りよりも、お尻の穴のすぐそこまで降りてきたうんちの方が優先だ。 「トイレでうんちもできないなんて、大変なんだね、サンタさんのお手伝いって」 「そうですよ。大変だし、大切なお仕事なんです」 「お通じと、どっちが大切?」 「今はお通じです。うんちを我慢しながらじゃ、仕事になりませんから」  キッパリと言いきって「ふぅんっ」と力強くうんちを気張る。勢いづいたうんちがブリュリュリュリューッとお尻の穴から噴き出して、白い袋の中に収まっていった。  ひとしきりうんちを出し終えると、お姉さんはお腹をさすりながら、満足げにため息をついた。 「はー……よく出た……」 「すっきりした?」 「ええ、まあ……、おかげさまで……。お腹のうんち袋、空っぽになっちゃいました」 「よかったね、お姉さん」  笑っていったあと、ふと大事なことに気づいた。 「袋といえば……、お姉さんがうんちしてるその袋って、プレゼントが入ってるんじゃないの……? みんなのプレゼントがうんちまみれになったりしない?」 「失礼な。直接ここにプレゼントが入ってるわけじゃないので大丈夫ですよ。ドラ…なんとかのなんとかポケットみたいなものです。中に手を突っ込むと、必要なときに必要なものを取り出せるんです」 「そうなんだ、便利だね」 「便利ですよ。どこでもトイレにもなりますし」  きっとお姉さん以外そういう使い方はしてないんじゃないかなと思ったけれど黙っていた。  お姉さんは汚れたお尻の穴をティッシュでていねいに拭ったあと、パンツをはいてワンピースのすそをととのえた。 「さあ、うんちタイムはおしまいです。もう遅いから早く寝なさい」 「うん……。おやすみなさい……」  押し込まれるようにしてベッドに入ったはいいけれど、やっぱりドキドキして眠れそうもない。めいっぱい開いたお尻の穴から太いうんちがもりもりと出てくる光景が目に焼きついている。  お姉さんは僕の体にブランケットをかけながらぶつぶつと呟いた。 「まったく……人のうんちシーンをあんなに近くでじろじろ見て……。長年この仕事をしていますが、こんなに悪い子は見たことがありませんよ」 「う……、ごめんなさい……。プレゼントはいいから、許してください……」  こうなったらもうひたすら謝るしかない。  すると、お姉さんはニヤリと笑って、 「あら、本当にいいのですか? もしもわたしのお仕置きに堪えることができたら、今回だけはとくべつにプレゼントを渡してあげようと思っていたのに」 「えっ、本当? でも、お仕置きって、何……?」  げんこつかな。それともお尻ペンペンかな……。  そんなことを思っていると、お姉さんはなにもいわずにくるりとこちらに背を向けて、大きなお尻をぶりんっと突き出した。 「えっ……、お、お姉さん……⁉」  驚く間もなくお姉さんの大きなお尻がどさっと僕の顔の上に乗っかった。  白いレースのパンティー越しに、甘酸っぱい匂いが漂ってくる。  と、次の瞬間、  ブボォオオオォ────────ッ!ブッスゥウウゥ────────ッ!!  部屋じゅうに響きわたる爆音と共に、熱いガスが噴出した。  ────く、くさい……!  たっぷりのうんちといっしょにお姉さんのお腹の中で寝かされたおなら。  四日ぶんのお通じガスを直接鼻の穴に流し込まれたのだから、ひとたまりもなかった。  ブフォオォオォ──────ッッ!!ブバブボォォオォォ──────!!!  続けざまにガスが噴き出す。溜まったおならをぶりぶりこいて、お姉さんはごきげんだ。「はぁ〜、きもちいい〜」なんていいながら腰をくねくね動かして僕の顔にお尻を押しつけている。  何とか逃げ出そうともがいたけれど、お尻のお肉で口をふさがれて、悲鳴を上げることすらままならない。 「ん、うぅっ、むぅー……!」  あまりの臭さに頭がボーッとする。これ以上はもうたえられない。  ごめんなさい。もうゆるしてください。かすれた声でいいながら、力なく両手を上げると同時に、目の前が真っ暗になった。どこか遠くで、お姉さんの高笑いが聞こえてくるような気がした。 ✱ ✱ ✱ 「お兄ちゃん! はやく起きて! ねえ、起きてってば!」  ゆさゆさと体を揺すられ目が覚めた。  カーテンの隙間から、朝の光が差し込んでいる。目を開くと、妹がベッドのふちに乗り上げて、きれいなリボンで飾られたプレゼントの箱を両手で大事そうに抱えている。 「サンタさん来たよ! プレゼント、いっしょにあけよう!」  輝くような笑顔を見て、僕はかえって暗い気持ちになった。今年は、僕にサンタさんのプレゼントなんてない。 「だめだよ、ぼくは悪い子だから……。サンタさん、何もくれずに帰っちゃったんだ」  すると、妹はきょとんとして首をかしげた。 「どうして? そこにあるの、お兄ちゃんのプレゼントじゃないの?」 「えっ……?」  僕はびっくりして妹の指さす方に目をやった。  窓のある壁ぎわの床の上。真夜中に、お姉さんがうんちをしていた場所だった。  もちろん今はお姉さんなんていない。代わりにクリスマスカラーの包装紙に包まれた大きなプレゼントの箱があった。 「ほ、ほんとだ! ぼくのもある! プレゼントだ!」 「ね、ね、すごいよね! お誕生日のプレゼントより、ずっとおっきいよ! 早くあけよう!」  さっそく妹が飾りのリボンをほどいた。箱の中身は、おもちゃ屋さんのショーウィンドウに飾られているような大きくて立派なドールハウスだった。 「わあ、かわいい! これ、前からほしかったの! お兄ちゃんのは、なんだった?」  僕は包装紙をていねいにはがして、中の箱を取り出した。それはスポーツタイプの真っ赤なラジコンカーだった。こどもが乗って走ることもできる、最高にイカしたおもちゃだ。 「すごーい! おっきい車! かっこいいね」 「うん! サンタさん、ちゃんとぼくが欲しかったものを知ってたみたい!」  ふと気づくと、ドアのところでパパとママがプレゼントを開ける僕たちを見守っていた。 「ふたりとも、よかったわね。一年間、いい子にしてたから、サンタさんがごほうびをくれたのよ」  ママがやさしくほほえんで僕と妹の頭をなでた。そんな僕たちをビデオカメラで撮影しながら、パパもにこにこ笑っている。 「さあ、いい子ちゃんたちはそろそろ着替えて顔を洗いましょうか。朝ごはんの時間よ」 「はーい、ママ」  妹はもらったばかりのドールハウスを大事そうに抱えながら、踊るような足どりで部屋から出ていった。  ママが出してくれた着替えのセーターとズボンを横目に、僕はピカピカのラジコンカーをそっと手で触った。  間違いない。本物だ。  ほっとして思わずため息をついた。  どうやら僕が昨日みたのはただの夢だったみたいだ。考えてみれば、当たり前のことだ。サンタさんのかっこうをしたお姉さんがお部屋でうんちをしてるなんて、いくらなんでもおかし過ぎる。  ふと枕もとに目をやると、昨日サンタさんに読んでもらおうと書いておいた手紙がなくなっていた。かわりに、手のひらサイズの小さなクリスマスカードが枕とシーツの間にひっそりと差し込まれている。  開いてみると、そこにはお習字の先生みたいなキレイな字でメッセージが書かれてあった。 『おこさまにしては、よくがんばりました』  メッセージの最後には、サインがわりの、うすいピンクのキスマークがついている。 「……お姉さん……?」  思わず呟いて、窓の外を見た。  雪がちらつく遠い空の向こうから、鈴の音が聞こえた気がした。  ────もしかして、夢じゃなかったのかも……。  もらったカードを宝物入れにしまいこむと、パジャマを脱いで、あたたかいセーターにそでを通した。洗面所で顔を洗って、ていねいに歯をみがく。  来年のクリスマスは、靴下だけじゃなくて、妹が使っていたおまるを飾っておこう。そんなことを考えながら、みんなが待つリビングへと向かった。 

Comments

気に入っていただけてうれしいです。季節もの繋がりで初詣ネタも投稿しましたのでよろしければそちらもどうぞ☺

さつま

敬語で怒りながらウンチをするお姉さんが可愛かったです、素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございました。


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